2024.02.15 緑字加筆修正
実はリノベーションに朗報?もある。2025年からは既築住宅の大規模な修繕と大規模な模様替えは確認申請が必要となる。確認申請が必要となれば法に合致する必要があり、そうなれば耐震性は概ね震度6強で倒壊しない程度の耐震性を得る。つまり現法の低い壁量基準より耐震性がアップする。
「大規模な修繕」とは、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2超)にわたり修繕することをいう。 その修繕とは、経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ位置に概ね同じ材料、形状、寸法のものを用いて原状回復を図ることをいう。
「大規模な模様替え」とは、模様替えをする建築物の部分のうち、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(2分の1 超)にわたり模様替えをすることをいう。模様替えとは、建築物の構造、規模、機能の同一性を損なわない範囲で改造することをいう。一般的に改修工事などで原状回復を目的とせずに性能の向上を図ることをいう。このため通常行われるリノベーションはこの模様替えにあたることがおおい。
例えば古民家の屋根の瓦が古くまた模様替えの際に太陽光発電を載せるため金属葺きにした場合でも確認申請が必要になる。過半以上の野地板までかえると確認申請が必要になる。また外壁も同様で、耐震改修をするために外壁を過半でも剥がし壁耐震構造部材の追加や取り換え(土壁の撤去も含む)を過半以上おこなうと、あらたに外壁を貼る場合は大規模改修になり確認申請が必要になる。これらは今までは確認申請を免除されていたので、今後は建築業界では大混乱も生じるが、確認申請で行政に強制チェックされるので明らかに建築主には安全性があがることになる。既に築130年を超えるotomo vie centは既にほぼ大規模模様替えに関する部分は終了していて来年以降でも確認申請の問題はないが、これから行う古民家の改修などは、このまま適用されるとまずRCの基礎から始めないと改修出来ない事になると理解しているがどうなるのだろうか。
一方いままで外壁の張り替えを簡単に考えていた業者さんは、外壁の貼り替えだけに際しても同時に断熱材の割り増し、壁量計算は当然のこと採光チェックなど今までと違う確認も求められ、その追加改修も求められる事が予想され、リノベーションに対し従来より大幅にコストアップする場合がある。
となると、今回の能登半島地震で被害を受けた場合はの家を改修するときにどうなるのかであるが、通常屋根の吹き替えや外壁を張り直すことは相当多く想定され、そのような建物への修繕であっても、2025年4月からは建築基準法の用件を満たす必要がある。特にこのような地震修繕の場合は、補助金(税金)を使うので現法に合致していなければまずいと考えられそのため特例も無いと思われるが如何になるか・・・。もしこの通りに進めば、既存不適格建築物はどんどん無くなっていく。
このような状況の中、福井県はまさに2024年4月から住宅の耐震化を加速させるべく、補助金を150万として、しかも補助率100%とすることを公表した。この一年間なら断熱性や新耐力壁量、採光換気のチェックなしに改修ができるが、果たしてそれが住まい手にとってよいのかは・・・実際の声を聞かないとわからない。