昨日は「風」の満タンクが空になる500kmを移動した・・・。
午前中は新潟市で打ち合わせをしてお昼からそのまま高崎市の榛名の家の構造チェックに向かった。
榛名の家は群馬県高崎市であるため設計積雪量が30cmで且つ多雪地域ではない。そのため屋根の積載荷重が少なく、新潟県で標準の垂木(屋根を支える木)90×45@455であれば軒の出(屋根の出)を1100mmも出せる。これが新潟なら690mmが限界であり、建物の形が大きく変わる。
屋根が大きいと建物が立派に見える事が一般的。そして雨がかりも少なくなり外壁の耐久性が増す・・・と良いことが多い。デメリットは屋材が増えるのでコストがかかる事と台風時のあおられの対策。
メリットの方が大きいので小雪地域では敷地に余裕があれば軒の出は必ず大きくする。
さて本題の木構造チェックであるが、
概ね2時間ほど掛けてじっくり見る。するとやはり構造用合板の釘が図面どおり出来ていないところがある。構造は断熱気密施工とは違い線引きでしっかり基準をつくり検査する。N65 釘が0.5mmを超えるめり込みがあるときは、釘の増し打ちをしてもらうし、合板の縁から15mm未満である時にも増し打ちをしてもらう。合板へのめり込みの基準が0.5mmと厳しいのは、12mm合板の場合にめり込むことで耐力が85%以下にもなるとの実験結果もあるためである。当然ダイライトやモイスでも同様。面材耐力壁が合板以外の時は次ぎに厳禁な施工が面材のひび割れである。何故ヒビが入るかと言えば、釘のめり込みを防止するために、機械打込み圧を緩くし、仕上げにトンカチ又は玄翁で平らに締めるのだが、その際にトンカチを空振りすると容易にダイライトやモイスは面材にヒビが入る。 割れてくれれば直ぐわかるのだが小ヒビを探すのは結構大変であるから、その点構造用合板はヒビがまず入らないのでありがたい。
次ぎに筋かいである。筋かいチェックは面材で出来た耐力壁より簡単である。接合部と筋かいの材種を見るだけでOK。すると・・・やはり数本に材種の不具合が発見される。また一カ所接合部で?となる部分があり躊躇なく取り替えマークをつける。これは榛名の家だけでなく、県外の工務店さんのほぼ全て(鳴和台の家のみなかった)で同様に発見される。「緑の家」の筋かいは法律で規定された断面寸法90×45より大きい105×45で指定しているので、端側に節が15mmあっても残りが90×45になりOKになるはずであるが、それを上回る節材が使われている。
巷で使う筋かいの材種は「ベイマツ」が圧倒的におおいが、「緑の家」はベイマツに拘らず、節の無い材料が比較的手に入りやすい「杉」、「栂」、「赤松」でもOKとしているのだが、どうも昔からの慣例でベイマツが使われる。するとやはり盛大な節のオンパレードとなる。
さて、建物の形が出来上がり特徴的な南側もわかりやすくなった。この南側には吹き抜けがありそこに設けられた巨大な開口部は巾3.64mで高さ4.0m。この大開口部が地震や台風に耐えられるように、耐風押さえ梁と火打ちでといった無難な架構方法を選択している。
この大開口部は冬期に日射の恩恵が受けられる関東にふさわしい南ファサードとなる。