太陽光発電パネルによる売電価格 続報!!

数日前のブログにコメントを頂いて、電気を買い取る東北電力のお客様相談室にうかがいましたら、コメントでご指摘いただいたように48円で契約した方は、10年間48円で買い取るそうです。来年契約した方は多分42円(予想)で、その次の年の方は36円(予想)と徐々に下がるようです。
買い取る東北電力さんは、年度により個々に違う単価で買い取るのですね。
イヤーびっくりです。太陽光をつける予定の方なら今年でしょうか?

コメントを頂いた「通りすがり」様には感謝と当方が返信したコメントに対しお詫び申し上げます。  o(_ _)o


新潟の家 エアコンマニアのエアコンの選び方と実情 2009秋

朝日新聞社のネットに
「エコポイント」対象でもある省エネ型の家庭用エアコンについて、経済産業省が省エネ性能の調査に乗り出す。」
と昨日掲載されました。
http://www.asahi.com/business/update/1019/TKY200910190158.html

簡単には、エコポイントがつく省エネエアコンなのに省エネにならない事例があり、これではエコポイントを付けるの意味がない。とのことです。

過去のブログや拙者が3年前に書いた論文ではエアコンは、取り付けるシェルター性能に見合った機種を設置しないと効率が落ち、COP、APFや部屋の大きさで選定するだけでは必ずしも省エネ効果がよいといえない。」と結論をまとめています。ようやく市場でも問題が提起されたようです。エアコンマニアとしてはうれしい報道です。

そもそもユーザーがエアコンを選ぶときは、まず設置する部屋の大きさを考えますよね。8帖なのか、12帖なのか?それから価格や性能、機能を選ぶとおもいます。このとき最初の選定条件である部屋の大きさ(断熱性能による負荷)が間違っていたら、正しい性能を発揮できませんよね。

この部屋の設定条件は1964年に冷房中心で取り決めからほとんど変わっていないのがそもそも問題です。当時の部屋の設定は南側の部屋の設定で断熱性はほとんどありません。そういう部屋で使ったときのCOPが一番よくなるように調整し販売されてます。しかし最近のマンションや高気密高断熱の一戸建てでは5倍程の断熱気密性能があり、小さな部屋機種でも充分冷えますし、北側向きの部屋でも同様です。

仮にJIS9612に規定された平均的な?部屋条件(暖房)でQ値を算出すると、
2600W/20度/10m2=13W/m2kとなります。
個別暖房ながら現在のⅣ地域次世代基準の5倍近い基準です。

しかしユーザーが購入する量販店で店員にエアコンを聞くと、まず間違いなく設置部屋に応じたエアコンを勧められます。いかに断熱性能がよくても店員さんは、カタログ上の冷房推奨設置面積を薦めます。なぜか?

1.大きい部屋機種ほど販売価格(儲けも)が高いため。

2.小さな機種を薦めて万一冷えなかった(暖まらなかった)場合、責任が販売店に来る。

3.ユーザーの使い方が不明のため安全率を高く見る。

4.冷房時の部屋面積で決めたほうが、クレームにならない

この4つの理由でいかに断熱性能や遮熱性能がよくても推奨機種を薦められます。つまり最近のマンション内にある12帖リビングのエアコンを購入しにいくと、店頭では冷房12帖(暖房16帖迄)のエアコンを勧められ設置することになります。しかし本来は断熱性能がよく、6帖用でも充分なのに12帖用のエアコンですから、12帖用の大きすぎる性能のため、エアコンのインバーター制御範囲を超えてON、OFF運転が始まります。するとエアコンのCOPが急に下がり、本来の省エネにはならない範囲で多く使うことになります。

また、付属機能が多くなりすぎていることも問題です。例えば「再加熱除湿」を使うと大幅にCOPが下がり省エネではなくなります。もともと除湿とは弱冷房のようなものですから、ある程度冷風が出ます。この冷風が気持ちよくないので、メーカーは本来外に排出する熱を再び室内に戻し使います。すると熱交換機の半分が使えなくなるので効率が下がます。もちろん潜熱も熱ですからそれを室内で排出する自体負荷を増やし、省エネルギーとはなりません。再加熱除湿はできるだけ使わないほうが省エネになりますが、カタログには記載されません。
また加湿できるエアコンも同じように本来の性能を削いでます。また加湿も少量で他の方法で加湿したほうが効率は高いと考えられます。

エアコン業界はカタログ推奨の大きさを自ら変えるつもりはなさそうです。というのは、

1.現時点の推奨面積のほうが機器が大きくなり、高く売れる。

2.現時点の推奨面積のほうが冷えにくいというクレームが少ない。

3.効率が下がっても付加価値で差別化をはかり販売アップにつなげたい。

ということです。1.の多く売れるということはメーカー業界にとって重要で、販売点側と利害が一致します。そこで国が実態調査に乗り出したということですね。省エネの補助金という御旗を翳せば、業界も協力しないわけには行きません。

もっとエアコンが進化してどのように使っても高効率を維持できるなら必要ありませんが、エアコンの効率が最大になるように、ひとつひとつ性能の違う家に設置するためには我々建築士がアドバイスしなければならないでしょう。また、エアコンの設置はいまや100%に近いわけですから、建築新築時にその条件で最も効率よく動くエアコンを設置しておけば問題は少なくなるでしょう。
いずれの場合でも、エアコンメーカーはもっとCOPに対する情報(部分負荷率ー外気温)を開示してほしいです。そうすればもっと最適なエアコン設置も可能です。

 有効なアドバイスが受けれない方は、今は写真の東芝PDRの6帖用エアコンがお勧めです。6帖から20帖くらいは問題なく冷える(暖まる)と思いますし、効率が高い範囲が広く、本体に消費電力量を表示して、省エネを可視化させております。またコンパクト(規定寸法)ですので、設置条件が広がります。
新築時はパナソニックのCS-X229A(設置フリー)が最高性能ですので最適ですね。ちょっと掃除音が大きいですけれどまあ許せます。


新潟の家 家をつくるポイント メーカー選びのポイント


上の写真は現在施工中の超断熱の長期優良住宅です。その2階から小屋を見上げて写真を撮ってます。
ご覧とおり、2階の天井上に28mmもある厚さの合板を貼ってます。綺麗ですね。これだけでもデザインになってますが、これは耐震等級3の性能の家を造るために必要なものです(広いプランで)。

さて、実質今年から始まった長期優良住宅は、その対応年数を80年から100年位と考えて施工されています。
ここ15年で家造りは大きくかわりました。15年前、断熱性はあまり重要視されておりませんでした。ですので、そのころに建築された家は、残念ですがほとんど断熱性がきちっとありません。暖房にお金がかかる結露しやすい家です。なぜこのようなもったいない家造りになったのでしょうか?それは当時、建築主さんにとって情報不足が原因だったといえるでしょう。今はネットがあり、ありとあらゆる情報が手に入ります。しかし・・・
 たぶん家を造るにあたって、建て主さんは間違った情報収集される方が多いと思います。普通の建て主さんは「今」の家の情報を大事に集めるでしょう。しかし大事な情報は過去の情報です。
家は他の「物」と違って簡単に取り換えることはできませんし、買い替えることも活発に行われません。多くの人が長い「ローン」を組み、数十年間も新築時のお金を払うことになると思います。つまり建て家は、できるだけ長い間その機能(性能)が社会の流れと同じような価値を見出されなければなりません。例えば今から15年前に断熱性能ない家を造った人は、現在の家の性能と大きく違い劣ってます。問題なのはこの劣った性能を、リフォームで何とかしようとすると、何と1000万以上かかってしまいます。新築時に行っていれば200万アップくらいで済んだのに・・・。
建築士はその高い専門を生かし、せめて15年くらい経っても、15年後の家と遜色が無いような性能の家を提供する誠意が必要ですし、少量の金額で性能アップできるように考えて計画する義務があります。これを考えていないと、10年間無料でアフターしようが10年経って時代にそぐわない家は「造りっぱなし」と変わりありませんね。
資金上やむなく低価格住宅しかできない建て主さんは仕方ないですが、数坪減らせばよい家が手に入る資金のある方にはそう申し上げたいですね(拙宅は資金不足だったのでが、どうしても高気密高断熱で建てたかったので当初は24坪と小さくしました。今は36坪くらいまでなりました。超断熱でも増築は可能です)。せめて12年まえから高気密高断熱住宅を勧めていたメーカーかくらいは調べたほうがよいと思います。誠実な情報を建て主さんに提供しているかどうか・・・。

さて、毎回申し上げておりますが、これから必要な性能は
「超断熱Q=1.0以下」です。
来るべき石油枯渇、取り合い値上がり、でエネルギー価格は倍になるでしょう。その時もお日様さえさせば、暖房など一切いらないそんな性能です。
また
「超高床1.4m」によるメンテナンス性、
「窓の交換」のしやすさ
も予算が取れれば取り入れたい仕様です。

もちろん自然素材のインテリアと高基礎は標準ですね。

オーブルデザインは過去の家のデーターや取り組みを全てHP、ブログ、掲示板上で公開してます。これは建て主さんに対する建築士の「誠意」です。
また、過去にお手伝いさせて頂いた建て主さんへの「責任」でもあります。
どうして他メーカーが同じように公開しないか理解できませんし、建て主さんも「自分の家」だけは違うと思っているのか、過去の家造りのデーターに関心がありませんね。

環境住宅「緑の家」は今見ても全く「誠意」ある12年前の性能。例えば全て高気密高断熱や高基礎によるメンテナンス良好やコンクリート強度など、これら13年前の仕様はすべて今の長期優良住宅の基準を上回っております。全棟、全棟です。どの建て主さんにも正しい情報を発信できたと思います。手前味噌ですがすごいと自負できます。

1998年作成 緑の家の特徴
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/midorinoie/midorinoietoha01.html

1999年作成 住宅コラム
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/15.html

1999、2002年作成 住宅コラム ある中堅県内メーカーチラシから
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/20.html
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/53.html

1999年作成 住宅コラム 一年でかわるチラシ
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/11.html

2001年作成 住宅コラム ○井ホームへの苦言
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/01.html

2001年コラム 住宅コラム チラシについて
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/28.html

2000年 住宅コラム 設計工事監理契約
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/38.html

2001年 掲示板 基礎高
http://arbre.green.coocan.jp/?m=listtop&p=46


新潟 住まい 自然素材「緑の家」のナチュナルガーデン計画

よく見かけるフェイクストーン(擬似石)ではなく、本物の自然石(ごろ石)を得意とする「緑の家」の外構計画ですが、ようやくナチュナルガーデンの工事が始まりました。
外構や庭は、家の顔ですね。ここがしっかりとしていると不思議とどんな家でもかわいくなります(と思う)。

外構がとれない町中心部の家でも、玄関前に手をかけている花や木々があるだけでその家の住人のやさしさが感じられます。

当事務所が本格的にグランドデザインしたナチュナルガーデンが着々と進んでます。

自然石のラン張りで広場を造ります。石は黒っぽい物を選んでますが、乾いているときはこのようにグレーです。来週から木や周りの水場、水盤工事が始まります。ワクワクです。

最初にこの自然石積みの外構を提案したのは2001年で拙宅のアプローチです。評判がよく既に10棟以上の外構に採用されています。既に10年迎えようとしているが、その表情は益々よい感じです。日の陰ったところは少し緑コケが生え、日の当たるところは、石の間のコンクリートが少しざらつき、ますます周囲の緑と調和します。時々ごろ石が外れたりするけれど、接着はプロでなくても日曜DIYでできるものよいですね。
とにかく素材は本物に限ります。最近は、コンクリートのアプローチ階段が標準ですが、当事務所はこれも本物と思ってます。つまり本物とは表面だけを飾っていない素材で、削れたとき同じ素材が出てくるものと考えてます。これは年月が経てばそれなりの表情を見せてくれます。


新潟の家 長期優良住宅で耐震等級3の家 SSプランが上棟中


出勤途中の風景で火曜日の早朝の朝焼けです。
遠くに靄がかかり幻想的です。この季節になるとよく見られる風景ですね。つい車を止めて撮りたくなりますが、この張詰めた空気までは撮れませんね。

SSプランのK邸の屋根形状は南側に大きい部分があります。この所に太陽光発電約3.6Kw を載せます。

上の写真は小屋裏部分です。床が既にありますね(2階ではありません。小屋裏です)。
この床が28mmの厚さがあり、2階をワンルーム空間にしても、耐震等級3が取れるポイントなのです。今回は32帖ワンルームが可能です。更に写真では床が光っています。この光っているものが、気密シート兼ベーパーバリアです。そしてこの上に約20cmのネオマフォームという建築材料中最高の断熱性を持つ素材を敷き詰めます。
よくベーパーバリアを省略する高気密高断熱施工がありますが、これは地震等があると気密性が大きく落ちることが知られてますが、このようなポリエチレン製の気密シートがあれば、ゆれにずれに追随しやすいので気密性が落ちにくいです。ピシッと綺麗に張られてます。

さて、お待ちかねの背の高い基礎ですね。下の写真はこの基礎の中を撮ったものです。基礎内部の半分は設備室(床下暖房)、残り半分は収納です。
大工さんの角刈りと鉢巻・・・見るからに職人!最高に似合ってます。

四角い穴は「人通口」と呼ばれるメンテナンス時に人が通る穴です。応力のかからない1/4のところにあります。50cm角ありますが、まだこの余裕。たいした基礎です。

床の高さ(中央の木の上が1階床)が土台(コンクリートの上にある木)より高いところにありますね。ここがポイントで土台と筋かいのメンテナンスが容易に可能です。長期優良住宅ではメンテナンスの容易さが重要ですね。


新潟の家 超断熱SSプランの家が上棟 情報収集で価値のある家造りを

皆さんは20年後を考えたことがありますか?

Q値1.9W/m2kの拙宅は築19年目に入りましたが、当時は高気密高断熱住宅なんてマニアックな会社しかお勧めしてません。
無論大手メーカーなど高気密高断熱ではありませんでした。しかし拙者はそのころから10年以内(2000年頃)までにはきっと、新築住宅はほとんどが次世代基準の断熱であろうと予想してました。20年経って高気密高断熱でない家は、今どのように暮らしているのでしょう。

数年遅れて12年後(2002年)、ほぼ注文住宅の大半が次世代断熱基準(←気持ちとしては高気密高断熱とはいえない低い性能・・・)になりました。
ほぼ予想は当たりました。予想を当てるのは実は簡単です。正しい情報を集め分析し、用意周到にシミュレーションを行えばほとんど予想がつきます(汗)。
ハイブリッド車(プリウス)の爆発的ヒットも予想通りです。水素などの燃料電池車はその技術的ハードルから眉唾物と考えてました。

さて、今後20年後社会はどう変わっているでしょうか?
きっと間違いないのは、エネルギー価格の高騰でしょう。不安をあおるつもりはありません。ただ、エネルギー自給率がたった4%と先進国で韓国と共に最下位である日本は、来るべき原油取り合いのころには、やはり原油価格は今の2倍で買うことになります。つまり、電気にしても灯油にしても価格が現在の2倍を覚悟する必要があります。もしかしたら10年後に早まるかもしれません。

20年後は昔と違い所得が今の2倍になることは考えられませんし、エネルギー問題が一気に解決するような新エネルギーは今のところありません。従って今できることは、エネルギーを使わなくても良い生活に準備を進めることです(せめてエネルギー需給率50%に)。これが解決しなければ工場の海外移転も少子化もやむ得ないでしょう。

準備のひとつが太陽光発電だったり、電気自動車や、ハイブリッド自動車、小水力だったりしてます。これらも急には増やせませんから、政府は理由はCO2削減というお題目で今から準備し始めていると思ってます。

さて一番高価な買い物である住宅ですが、
今後の推進として高断熱住宅がどのCO2対策にも提案されてますが、この位の断熱(次世代基準)では、CO2は減るどころかかえって増えます

新潟県を含む寒い地域での断熱として超断熱くらいで無いと、将来のエネルギー高騰を考えるととても性能不足です。
Sプランの床面積を3坪減らして減額してでも超断熱SSプランをお勧めすることになります

そのSSプランの家が上棟しました。

この段階で既に綺麗な構造です。構造が綺麗なことは、構造に無理がないばかりか、仕上がった時のプロポーションも美しくなります。上下の柱ができる限りそろい、横の木(梁)も大きく統一されてます。基礎は高く頑丈です。まだ写真ではわかりませんが、これから外壁厚30cmに向けて施工が始まります。


修正!!新潟で太陽光発電の売電買い取り価格48円をいかす方法。

2009.10.13 内容修正 仮定で勘違い部分ありました。申し訳ありません

太陽光発電にご興味のある方はまずはこのホームページをご覧ください。↓
http://ecolifejp.fc2web.com/reform/hukyu_seisaku.html

なかなかはっきりとした公平で主張あるホームページです。
某大手ハウスメーカーのHPでは、やたら難しく解説して太陽光発電パネルで元が取れるかなどという解説では、オール電化やエコキュートと組み合わせるとういう荒業(私はこれは詐欺に近いと思います)で算出してます。これでは太陽光パネルの恩恵ではなく、オール電化の恩恵です。太陽光パネル設置の元を取る計算は単純で、
設置価格+メンテナンス費用=発電した電力の価格
しかありえませんね。
EX.太陽光パネル設置費が200万でメンテナンスが年平均1万かかり、仮に発電した電力を全部電力さんから買うと8万かかる場合、200万/(8-1)=29年ですね。単純です。この発電した電力の単価が上がれば、29年が20年になったり、10年になったりします。

そこで電力の価格(売電)が今年の春に「太陽光発電の売電買い取り価格が倍の48円になる」との報道に驚き喜びました。が、・・・
上のHPでの解説をよむと、何となくちょっと萎みます。その理由は大きく2つ。

1.買取価格は年々下がり5年後には24円と今の買取価格と同じ水準に下がる。

2.電力会社が買い取る電気は、使用した電気と発電した電気の差額分のみ。

と言うことです。
1.の買取価格は年々下がりまずは今年は48円/Kwhですが、来年は42円、そして年々下がり5年後には25円そして11年目には13円(RSP法では11円/kWhに設定)となるシナリオもありえるとしています。13円/Kwhといえば今の電気代が24円/kwhなので半分。これでは元は到底取れません。是非政権のCO2 削減政策が推し進められるようにと思います。

2.の買い取る電気はほとんど以前と変わりないのでしょうが、使用した電気と発電した電気の差額のみという事は、仮に発電した電気量が年間3000Kwhとしても3000*48=144000ではありません。この仮定で昼間に1000Kwhを使ったとすると(3000-1000)*48=96000となります。
つまり太陽光が発電する昼間に電気を全く使わないようにすれば、どんどん売電されますが、発電と消費が同じぐらいになる冬季や真夏では、買取価格が上昇しても関係ないということになります。
そこで注目したいのが「冬季」です。図のとおり、家の断熱気密を「超断熱SSプラン」までに引き上げれば、冬季であろうとお日様があれば暖房が必要なく、太陽光パネルで発電された電力は、ほとんが余剰となって売電されます。超断熱を先に考えなければいけないところはここにも理由があります。もしこれが長期優良住宅程度の次世代断熱基準であると、その温度上昇は8度ですのでもう7度は暖めないといけません。その電力が必要なのでせっかく高く買い取ってくれるはずの電気を消費してしまいます。もったいない、自分で使えば27円(やりくり8)ですが、余剰として売れば48円です。その差21円/kwhです。

図は月平均1万程度の電気料金を支払う住宅で太陽光パネル4.16KWを設置した場合のシミュレーションです。シャープのHPでの入力で設置場所は金沢(なぜか新潟がない)場合です。
すると48円の高い値段で買い取って頂ける部分は、最低で見ると赤丸のところだけです。全発電量の8%(342Kwh=16416円)で従来の単価買取より年間8200円お得になります。倍に買取金額が設定されてもたった年間8200円だけです。これではいくら売電価格が高くなってもペイできる期間に影響は少ないですね。ここで最低とは、夜間まったく電気を使わない時の仮定ですので、夜間の使用量が多い家は48円の部分が増えます。逆に最高で考えれば、昼間まったく使わないと仮定し、
4019*48=192912円
この状況であればペイするのは早いです(ありえないないですが)。

上の比較はまったく現実的ではないので少し現実的に考えます。
但し太陽光発電の買取金額は48円/kwh固定で仮定します。

太陽光発電を考える多くのお宅が深夜電気を使うはずなので例えば
やりくりナイト8で夜使う電気量を昼間の1/2としてと仮定します。
細かい点は丸めて考えます。
(売電はその瞬間の発電量と使用量の差額集計ですね)

A 4481/2=2240・・・2240*8円=17920円/年支払い 深夜の分
B 4481/2=2240・・・2240*27円=60480円/年支払い 昼間の部
C 4019-(4481/2)=1779・・・17799*48円=85392円/年 受け取り

D 4019-(4481/2)=1779・・・17799*27円=48033円/年支払 昼間

太陽光発電を導入した場合に支払う金額
A+B-C=-6992円・・・ほぼ電気代ゼロになります。

太陽光発電を導入しない場合に支払う金額
A+B+CD=126413円・・・月当たり1万ですね。

差額は126413-(-6992)=133,405円/年となります。
年間メンテナンス費用を月平均1万とすると123,425円の利益
60万*4=240万(実質の設置費)とし、
2,400,000/123,405=19.4年・・・約20年でペイできます。

次に昼にまったく使わない状況で利益を考えます。
E 4481*8=35848円・・・深夜電力だけの請求
F 4019*48=192912円・・・発電売り電力金額
E-F=-157,064円 (約16万受け取り)
2,400,000/157,064=15.2年・・・約15年でペイできます。
   何度も申し上げますが48円/kwh固定の場合です。

そこでオーブルからの提案は、売電価格が買電価格より大幅に高い4年間は、太陽光発電中(昼間)はなるべく電気を使わないほうが設備費を早くペイできます。ですので、新潟県で長期優良住宅基準程度の低い断熱性能である次世代断熱基準の家の冬季における昼の暖房は、灯油のFFストーブを使用して(灯油単価80円以下)電気(エアコン)を極力使わず、深夜の23時から7時まではエアコン暖房でという方法この4年間は良い。ということになります。
超断熱(SSプラン)住宅ではそんな難しいことをしなくても、昼間の暖房費が少ないので大丈夫です。早くペイ可能です(それは当たり前か?)。


新潟の家 自然素材とエコ、そして超断熱の長期優良住宅の見学会

10月31日(土)と11月1日(日)の二日間「緑の家」SSプランの構造見学会を行います。詳しくは左のリンクバー「見学会」をクリックください。

この構造見学会は、国の長期優良住宅普及促進事業で定められた現場施工途中見学会です。簡単に申し上げると、「100万の補助金を出す代わりに、他の皆さんに長期優良住宅の良さを広めてください」ということで、途中見学会を行いなさいと聞いてます。

長期優良住宅の現場見学会は、先日ご案内した建設会社約30社(57会場)もありますからわざわざ長期優良住宅の家のためだけにお越し頂いても何も感動はないでしょう。しかしこの見学会は違います。なんと壁厚が30cmにもなる超断熱材や、1階の床高さが地面から1.5Mもあり、その下半分が設備メンテ空間、半分が収納室、将来窓だけを取り外しできる構造と今まで見たこともない高性能な家が見れます。内部は全て自然素材ですが、これは完成にならないと無理なので今回は構造だけをごらん頂ければこの家のすごさがわかり、近未来の家が見えてくるでしょう。
駐車事情によりご予約となりますが、その予約範囲3時間内ならいつでも結構です。
スタッフ一同お待ちしております。


新潟の家 水の節水 節水機器の取り付けでどう変わる?

緑字2009.10.13加筆

外構としてナチュナルなガーデンを提案中のK邸の工事がようやく始まりました。庭で使う石を何個もサンプルを取り吟味される建て主さん。いつも庭と家は一体ですと申し上げております。ナチュナルガーデンと一体になる家を想像するとワクワクします。

さて、
よくご紹介している「黄色表紙の査定された建築学会の論文集」は、信憑性や公平性が高い論文集です。建築学会の学術講演で発表される論文は年1万を超えております。その中で、査読と呼ばれ精査された論文だけが載ることのできるものが写真のような黄色表紙の論文です。
論文を学術講演で発表するなら誰でも申し込めばできますが、この文集に載って初めて論文としてのお墨付きが与えられる(年間500論文・5%くらいでしょうか?)といっても良いでしょう。

さて、今日の話題は「水の節水 節水機器の取り付けでどう変わる?」です
昔は「空気と水はタダ」といわれるくらい水は日本では豊富な資源でした。特に田舎では家の横を流れる小川で洗濯、野菜洗いをしていましたし、トイレはぼっとんトイレがほとんどだったので、飲料水のみ上水を使っていたため(風呂?)そのようなことになったのかもしれません。が、高度成長期以降首都圏の水不足から節水が始まり、最近では環境問題の旗手として取り上げられることもある水は、誰もが限りある資源と感じるようになってます。空気の浪費は今でも勿体無いといはいわれてませんが、水の浪費はほとんどの人が勿体無いと感じるはずです。

今話題?の独立行政法人の中で昔からある有名な建築系法人である建築研究所の発表した論文に「戸建住宅における節水機器の使用効果に関する研究」があります。
この研究では標準的な住宅において、節水機器を取り付け前後にどのくらい使用水量がかわるかという調査を2006年から10ヶ月間行っております。

その結果は・・・
劇的に水量が減る機器と、あまり変わりない機器の2つに分かれました。その結果が表8です。まず設置した機器ですが

台所・・・食洗機(標準使用水量10Lの卓上型)

洗面・・・特に設置機器なし

トイレ・・・節水型トイレ(従来約10Lに対し節水型6L)但し設置件数50%

洗濯機・・・斜めドラム型洗濯機(従来約110L以上に対し斜めドラム型は69L)

浴室・・・節水型シャワー(メーカー試算で従来品に対し15%の節水)

です。

大きく節水が達成されたのは洗濯機です。その効果は従来の39%(6割削減)までに下がりました。これ以外の機器ではさほど大きな効果はありません。特に期待した節水型トイレでは96%しかなりませんでした。但しトイレは半数しか節水型に変えてません。よって加重平均らしいですので92%とはいえませんがそう多く違わないでしょう(但し用途別詳細な解析ですと78%となり、節水効果は確認できる)。また食洗機の効果も思ったほどではありませんでした。この筆者考察では、もともと節水意識は皆さん高いので、普段から気をつけており、くわえて食洗機を使っても汚れた食器を入れる際に予備洗浄を蛇口で行ってしまう傾向があるので・・・としています。洗濯機器以外小さな節水でですが、小さな節水を足すことで大きな節水につながるので、やはり効果はあります。この論文から
もし節水を・・・とお考えの方で洗濯機器もそろそろ20年だから・・・というご家庭では「ドラム式洗濯機」をお勧めします。また、洗濯機の変え買え予定が無い方は、風呂の回数を減らしシャワーにするのが効果的です(汗)。これはグラフを見ると浴室で使う水量が4割も占めており、その大きな要因が浴槽へのお湯はりです。


新潟県での長期優良住宅普及促進事業100万円の補助金の申し込み数

全国の長期優良住宅普及促進事業(100万円がもらえる)の申し込み数は9月30日現在で1327戸となっています。長期優良住宅を造るだけで何もしなくても100万もらえるこの制度。エコカーの最大補助金35万?の補助金の3倍にあたるこの制度に、一時は申し込みが殺到すると思われましたが、9月現在で1327戸ととても少ないですね。多分2月6日まで完成が条件ですから、今月で実質申し込み終了となります。そうなると国は50億円、5000戸の予算を組んでいるのに多分半分以下の約2000戸位ですね。これはとても深刻な話です。というのは・・・
長期優良住宅は、補助金だけではなく、税制上の恩恵も置けられ、直接の補助金100万+80万位の優遇で約200万近く建て主さんに費用面で恩恵がある制度です。また、その構造が公によって優れているとお墨付きももらえ安心、快適な家です。この長期優良住宅にかかる費用は普通に地震に強い家と高気密高断熱の家をいつも作っている仕様の家であれば、書類費用35万+アルファーです。この費用を差し引いても150万以上のお得感がある家で、申し込まない理由がありません。
申し込みが少ない理由に、「長期優良住宅が技術的に面倒。だから積極的に薦めない。」という業界内の話をあちらこちらで聞きます。この間のセミナーでもそんな会話が飛び交ってました。でも技術的にはたかが性能評価の耐震等級2以上で省エネルギー等級4(次世代断熱基準)です。この性能はいまや大手で当たり前の基準です。そうそう大手で建築する場合はこの補助金は受けれません。この補助金の実質の目的が「小、零細建設会社」の支援による経済効果の後押しだからです。だから県単位で年間50戸以上供給する「中建設会社、ハウスメーカー」は枠外となります。

申し込みが少ない理由に景気が悪く市場が冷えている事もありますが、やはりそれよりもこの耐震等級2以上で省エネルギー等級4(次世代断熱基準)の技術ハードルが高いのでしょう?でも耐震等級2以上でないと実質「地震に強い家」と広告できません。この耐震等級2の下の等級1は地震で倒れない最低基準の家ですから、地震に強いと言ったら間違いなく「誇大広告」です。
何とか耐震等級2を取れるようになって頂きたい、そんな家を建て主さんに提供してほしいと、同じ建築士、設計者として応援します。

上は新潟県の長期優良住宅普及促進事業(100万の補助金)に申請した事業者名です(9月30日まで)。11月までで全58件。さすがに新潟県はまじめな建設会社が多いです。
こちらに載っていない会社さんは、補助金の要らない方か、耐震性が低い、又は高気密高断熱に興味ない方かな ??
オーブルデザインではこの募集期間に該当する家が1件しかなかったのですが、多棟あるのに申し込みは1件と言う会社さんも不思議です。


新潟の家 超断熱Q1住宅(同等以上)が必要な理由

2009年10月6日グラフ追加、2010年3月20日緑字加筆

9年ほど前に改正された断熱基準である「次世代断熱基準」。これが現在の大手ハウスメーカーの断熱基準となっています。ところがこの基準であると、家の暖房費は以前のお住まいより費用が嵩むことが調査で確認されています。
その理由は、次世代基準の断熱性能で家中暖房を行った場合、性能が低すぎて(次世代断熱でも低すぎる)エネルギー消費が大きくなるためです。今までお住まいの家はほとんど断熱性が考えられていないため、それが逆に暖房費を少なくしていました。つまり限られた部屋の暖房と、間欠暖房と少しの我慢で暖房費が少なかったのです。ところが次世代断熱基準の家でこのような暖房を行うと、結露の発生が避けられません。家中暖房が前提の次世代断熱基準で間欠部分暖房では、結露して欠陥住宅になってしまうからです。
そこで家中暖房となりますが、当事務所の「緑の家」の断熱基準(次世代基準より1.4倍くらい高い性能)をもってしても暖房費がある程度かかります。30坪くらいの家で23度暖房を家中に24時間して年8~9万くらいの暖房費です。

下にQ1住宅で使うQPeXという簡易熱計算ソフトで色々な断熱の家のシュミレーションをしてみました。まずは緑の家のSSプラン超断熱の家です。さて、シュミレーションで大事な事は設定条件です。少しでも条件を変えると結果に相当影響の及ぼすものもあります。今回は窓からの日射は全て有効で考えます。実際は、カーテンや、他の建物があるので、これより暖房費が掛かります。
超断熱SSプランではその断熱性能高さと床下暖房の効果で設定温度は20度(昼)、18度(夜間)で充分快適。すると暖房費が年間約1万円←ほとんど暖房費用が要りません!!

Sプランは設定温度22度(昼)、20度(夜間)。すると暖房費が年間約7万円←暖房費用が月平均に1万程度です!!先ほどの経験値より1万くらい多めです。


次世代断熱基準の家は断熱性能が悪いので設定温度24度(昼)、22度(夜)。すると暖房費が年間約10万円です!!

設定温度がそれぞれ変わるのは、断熱性能や暖房方法の違いにより快適感が違うためです。次世代基準の断熱性能でも夜間22度は、少し設定が現実的ではないですが、このソフトではこれしか設定できませんので御容赦ください。

いずれにしても、次世代断熱基準に比べ断熱性能が3倍だから暖房費が1/3になるのではなく、もっと少ない1/7になる感覚です。このグラフで見てもわかりますが、2次曲線ですね。これに温度ムラ、体感も加わります。また表より、新潟県の冬ではQ値が0.3以下で無いと無断房住宅にはならないとわかりますから、「無断房住宅」というPRでは「誇大表示」ですね。

その暖房費の差額はSSプランとSプランで6万/年となり、25年でペイすることになります。しかし電気料金1Kwh=25円としましたが、来るべき石油枯渇危機となるときに、果たして25円/Kwhでないでしょう。少なくとも1.5倍程度に高騰するはずです。すると15年でペイする可能性がありあます。
如何ですか?超断熱。間違いなく今、お勧めです。

PS
図中、自然温度差がSSプランで約8.5度とあります。これは暖房をまったくしない時に外部との温度差のことで、あくまでも平均ですから目安です。真冬でも日が窓から入れば25度くらいの自然温度差は簡単につきます。たった1.5kwの熱量があれば20度温度差がつく家です。


新潟の家 国体と海上自衛隊の船


海上自衛隊の多用途支援艦「ひうち」です。
先週から近所の寺泊港に停船しており昨日は内部も一般公開しており、自転車で見に行って来ました。その独特のグレー色の船体は迫力があります。

そして機能的がそのままデザインされている船は力強い美しさがあります。これは家にも言える事で、有名な建築家コルビジェの「デザインは機能に従う」という言葉通りです。船体を囲う普通の船より厚い鉄板の継ぎ目は、溶接ががっちりされている事が遠目にもわかります。

何から何までグレー色。唯一大切なバルブと消火栓だったでしょうか?色があったのは・・・。

見覚えのある照明器具です(ある家でつかいましたね)が、やはり細部が全くちがい無骨頑丈。・・・別物でした。

昨年同じ舞鶴地方隊在籍の自衛隊船「あたご」がおこした事故がありましたが、それはとても残念な事ですが、このように自衛隊の方と直接触れる機会があると、日本の国を命をかけて守るという使命を持った自衛隊には、とても感謝です。

 

寺泊では国体のカヌー競技をしてますので、その一環で自衛隊船の公開となったのでしょうか?

 

 

 


新潟の家 CO2を25%削減に対し設計者でできること!!② コンパクトな家

CO2を25%削減に対し設計者でできること!! 断熱区画に続いて第2は「コンパクト」な家です。

これからの家は50年以上の寿命をが当たり前に考えなければなりません。そのような長期を考える場合は、住み替えや世代交代した時になっても「価値のある家」となっていなければなりません。
先日の南雄三さんのお話の中にありましたが、「建てて流通にのりにくい家の構造として「二世帯住宅」がある。」ということでした。確かに2世帯住宅は、部屋数が多く特殊な形態であることはまちがいないですね。家業が農家のように、その土地にいなければならない特殊な事情のある方は、逆に2世帯住宅のような大きさの家が良いです。しかし農家以外の家族にはやはり特殊な大きさの家となります。特殊な家は価値が少なく、壊されやすい傾向があり流通にのりにくくなります。
では価値のある家はどのような家にすればよいのでしょうか?いろいろなケースがあり一概に「これ」と言えませんが、オーブルデザインではその中でもコンパクトな家が価値が今後長続きすると考えてます。
コンパクトと言っても建物の居室部分がコンパクトなだけであり、敷地や居室以外は広いほうが良いですね。目安は敷地できれば100坪(妥協しても75坪)以上、居室以外の納屋兼車庫が9坪以上(どんなにつ少なくても6坪)はほしいです。居室部分つまり家は4人家族くらいなら30坪以下で充分です(大きくても38坪)。もちろん住居部分以外に床下収納のような大きな物置は必要です。

なぜ30坪以下がお勧めなのか?無論長い人生スパンを考えた場合、家が大きいとそれだけメンテナンスや維持にに大きな費用がかかります。このメンテナンス、維持の中には、毎日行うお掃除も含まれます。お掃除ひとつとっても居住が小さいほうが楽ですよね。
さて、敷地100坪の大きさは市街地(特に新潟市)ではまず無理という価格になると思います。だから価格の安い郊外を選ぶことになります。子供の学区で多少問題のある時期もありますが、郊外の広い敷地の家はそれを考えなければとても贅沢な環境を得ることが可能です。そして高齢時に都市部に引っ越すことになりますが、この時郊外の家を手放すこともあるでしょう。この時には敷地が大きい分売れる可能性が飛躍的に高まります。
なぜ高齢になったとき都市部へ引っ越すのか?それは高齢時には車などの手段は使えませんし、各支援を受けやすいところである市街地こそがふさわしいのではないかと考えます。歩いていけるところに全て揃っている市街地は、高齢者こそふさわしい環境です。そのときは大きな敷地では負担も大きいですよね。豊かな共同庭があるテラスハウス(個別庭付き低層共同住宅)などが良いのではないかと思います。

話が飛躍しましたが、一戸建てを作るならコンパクトな家はお勧めです。何しろ暖房費をはじめとする光熱費が少なくなることは間違いありません。つまり住むだけでCO2削減に貢献できます。また、敷地にたくさんの緑でもあればその効果はより高くなります。
図は実際のプランです。敷地がこのくらいあれば理想的です。居住部分は30坪、車庫11坪。1階は一部屋で2階は2部屋(仕切りで3部屋可)とシンプルです。但し床下に収納、2階に納戸があり確実にしまえる空間を備えます。家の3倍以上もある庭や菜園、素晴らしい環境ですね。小さい部屋がたくさんあるより一軒丸ごとで考える空間のほうがいいですね。そのために断熱性能は非常に高く無ければ意味がありません。これは昨日お話しましたように、大手ハウスメーカーの基準である次世代断熱基準程度では、かえって暖房費が嵩み(CO2発生が増える)ます。家の広さより家の性能アップ、そして郊外の安い単価の広い敷地確保という選択肢もありますね。。
先日「トトロの家」のモデルとなった家(東京杉並区1929年築)が残念ながら消失しました。この家は床面積が21坪しかないのにここまで80年以上実存できたのはその建物に敷地との調和があったのではないか(愛される家には広い庭がある)と想像します。つまり価値がある家(敷地と家の一体化)ということです。ちなみに敷地は260坪ですからここまで大きくとはいきませんが・・・。あっ・・・無論家の素材は本物の無垢材ですね。


新潟の家 CO2を25%削減に対し設計者でできること!!① 断熱区画

「2020年までに1990年から見てCO2の25%削減しよう」という目標を日本が国連で表明しました。これは現在のCO2を25%削減するのではなく、大体現時点から約40%の削減であるといわれてます。だからすごい反響があるのですね。
いろいろなご意見がありますが、CO2削減は子供たちもためにも重要なことです。できるだけ応援、協力を行っていきたいと思います。
さて、家の設計者ができることは・・・。限られてますね。しかし何か行動します。

新潟の家で一番エネルギー消費(=CO2排出寄与率)が多いものは、暖房と給湯で、それぞれ1/3づつを占め2つで2/3にもなります。節水や節電より暖房と給湯の対処にウエイトを置かなければいけません。
残りの1/3は照明、調理、通信、娯楽です。これは建築屋さんの分野ではないので他の技術者にがんばってもらいましょう。
暖房エネルギーが1/3あると認識すると、高気密高断熱技術は家の熱を逃がさない技術としてCO2削減の良い手法と考えられそうですが、実は誤解があります。
一番取り組みやすい暖房エネルギーを削減するのは、「寒さを我慢する」事です(汗)’’。
19年前に建てた拙邸(高気密高断熱Q値1.9w程度)でもわかりますが、高気密高断熱の家は、既存家一軒あたりの平均暖房エネルギーより多くかかる傾向があります。 えっっ・・・と思われるかたも多いと思いますが事実ですね。いろいろな論文もありますので探して見てください。建築学会では知られた話です。
なぜ多くなるか?
それは、家の各部から逃げるエネルギーは、断熱の悪い家より格段に少ないのですが、家全体を暖めるシステムのため逆に増えるのです。断熱の悪い家は、寒さをがまんして居間とか台所しか暖房しません。寝る前に個室を少し暖房しますが、夜は暖房しません。少しの暖房空間で我慢します。でも高気密高断熱住宅は、24時間暖房が前提ですので、多くの家で家中24時間暖房します。そして24時間家中暖房しても、以前の家より少しだけ多く電気代がかかる程度なので快適さを優先して暖房します。だから暖房エネルギーが増える傾向があります。一度24時間家中暖房の快適を知ってしまいますとなかなか寒さ我慢生活に戻れません。

何か手を打たなければ40%削減は、快適さを犠牲にして「寒さを我慢する」という戦前の暮らししかありません。これは望みませんし、これでは設計者として失格です。そこでご提案しているのが、超暖房のSSプランと「断熱区画のある家」そして「コンパクトな家」です。

今日は「断熱区画のある家」をご紹介します。日本の断熱に関する法律、性能や施工方法は上の写真の「住宅の省エネルギー基準の解説」という本に書かれてます。その中で下の図は、「断熱構造とする部分」として紹介されている図です。これを見ると通常、外気と直接接する壁や天井、床を断熱することになってます。ここがエネルギー浪費のポイントとなります。

家を建てるとき、ほとんどの人は家族が全員いる事?が前提でプランします。つまり子供やご高齢者の部屋も必要として考えることが普通です。しかし、最近のご夫婦の一生を考えると子供と同居していたり、高齢者と同居している期間は、全体の半分にもならない事がよくあります。55才を過ぎた頃には50坪以上の家にご夫婦だけという家も多いのではないでしょうか?そうなると家では普段使わない部屋が半分くらいできることになります。使わない部屋も24時間暖めないと、結露やカビなどの被害が発生するために、人がいなくても暖めることになります。それが大きなエネルギー消費増を招きます。
一方断熱区画は「LDKと寝室と風呂、トイレ」と「子供室、客室、予備室」と断熱的に分ける家です。ひとつの断熱区画は最大30坪(100m2)以内として計画します。もし「LDKと寝室と風呂、トイレ」で30坪を超えるなら、「LDK」と「その他の部屋」に更に分けても良いでしょう。こうすることで、仮にSプランの家を作っても以前より暖房費が上がる事はなくなります。
次次世代断熱基準を作るときには、この断熱区画の計画を盛り込んでほしいと思います。どうでしょうか?東大の坂本雄三先生(次世代基準を取りまとめた先生)・・・。

あっ、、、肝心のCO2の40%削減には、SSプランの断熱性能がまず必要です。残念ながらSプランをもってしても「我慢」しないと40%削減は不可能です。SSプランの家なら暖房用エネルギーは1/4(Qpex試算)です済みますし、この性能であれば、給湯エネルギーを増大させる浴槽のお湯はり入浴が少なくなるでしょう。高性能家では夏と同じようにシャワーだけで冬でも全く問題なく利用できます。つまり浴室も暖かいので、わざわざ浴槽であったまるという行為が減ると思います。

太陽光発電パネルが良いのでは?というご意見があると思いますが、CO2排出=エネルギー消費ですから、まずはエネルギー消費を少なくする事(超省エネ住宅)が王道です。効率よくエネルギーを造ること(太陽光発電パネル)が最初の対策ではありませんよね。


新潟の家 200万の補助金。そしてSSプランの基礎工事

今年は補正予算等、景気対策のため住宅関係の補助金がいろいろとあります。ほとんどが建て主さんへの家の直接資金となる補助金です。ありがたいことですね。
さてこの補助金のなかで最大規模の200万円が補助される「長期優良住宅先導的モデル事業」です。当事務所では無謀にも大手建設会社や団体が受ける「長期優良住宅先導的モデル事業」の第1回(不採択)と第2回目(申請中)を申請しました。
1回目の不採択のために、残念ながらこの補助金が受けられないことで、ご迷惑をおかけした設計もありましたので、今回は「新住協」のQ1住宅による申請でも受けれるように準備をしております。当事務所のSSプラン(普及版でも)では、そのままでほぼQ1申請用に合致します。当事務所のオリジナル申請で第2回目も受からなかった時に、この新住協のQ1タイプで補助金を受けれるダブル方式でご提案します。
是非ご検討頂ければとおもいます。
普及版SSプランは、Sプランの断熱と気密性能のみSSプランにしたものです。よって基礎は布基礎又はシングルべた基礎のシングル配筋で、基礎高は1mのタイプです。

Sプラン→普及版SSプラン Sプランの約3~4万/坪アップです。勿論コストが許せば標準SSプランが超お勧めです。

さて話はかわりSSプランの現場では・・・

耐震等級3のダブル配筋のべた基礎の鉄筋工事がほぼおわり、配筋検査を行ってきました。人の背の高さと比べてください。高い基礎ですね。

SSプランの鉄筋にはフックがあります(上下のわっか)。これはせん断力を高めるための計画で、ビル等は全てこのような計画です。普通の住宅の現場ではこのわっかまで手の込んだ施工はしません。でも建築学会の勧める基礎は、このようにフック(わっか)付です。

スラブの下の鉄筋のかぶり寸法も70mm。この部分が如何に平らでダレがないかを下の写真で確認ください。下の隙間を撮影したものです。あっ・・・少量の錆はコンクリートを入れると元に錆が還元されますから全く問題ありません。


奥の奥の向こう側まで平らですね。すばらしい施工です。
長期優良住宅はまず基礎からです。SSプランの基礎は100年間ノーメンテナンスで考えるようなそんな基礎ですね。
専門家が自宅をつくときは、設備類が豪華より、基礎にコストをかける方がほとんどです。でも人に勧める時にはそうはなりません。これは素人に基礎の良い悪いを説明するのが大変だからではないでしょうか?設備や外壁なら説明が簡単です。
万事何事にも基礎が重要です。


東芝の住宅用換気扇とその応対 

今の住宅では法律で定められた24時間換気扇が設置されています。だから換気扇が止まると結露、シックハウス等いろいろな不具合がおきる事が想像されます。行政指導では24時間換気扇のスイッチは容易に切れないようにすることが推奨されており、もし手元にスイッチがある場合は、常時ONの注意表示をします。

その換気扇が最近いろいろ問題が出始めてきました。写真は最近あるお宅のトイレで使用されている換気扇を掃除したところ、蓋が閉じないことがわかり建て主さんが調べたところ、故障部分と思われるところの樹脂が茶色くなっていました。どうも油ではなく熱による変色のようです。この換気扇はお住まいになってから一度も止めたことがない24時間換気扇で、いつからこのような状態であったかは推測はできません。またこの換気扇は東芝VFP-8XS2という当事務所でずっと使い続けている定番中の定番です。延べ50台以上は設置されていると思いますので、心配になりメーカー相談窓口に連絡しました。最初はカタログにあった電話番号へ、次にそこから紹介された番号かけました。いずれのところでも全く同じ説明をしました。
私としては、この茶色変色は設計の想定内か?他に使っている換気扇は大丈夫か?がわかれば問題なかったのですが、メーカーさんは、「直接見ないとわからない」との事だったので、この写真は送れず、建て主さんに直接連絡してもらいました。
すると、建て主さんから電話があり、「東芝さんが「出張料5000円」がかかるといわれた。有料修理のつもりはないので、「考えます」といって電話を切った」、そして私のところにその話を頂きました。
私が東芝さんと電話でお話したことと違うので、再び東芝ライテックさんの担当者さんにかけると「昨日の担当者とはおつなぎできない。再び経緯を話してください。」との事で3度目の説明┐( ̄ヘ ̄)┌ もちろん最初から。最後に
「修理依頼ではない。変色を見なくても大丈夫というならそれでこの件はおしまいにします」と私。
「お答えできないので少々お待ちを」で電話が切れ
また違う担当者から
「ではやはり見に行きます」
「ではお願いします」・・・と私。

少し残念ですね。技術者にこの写真を見せれば、茶色く変色した想定内かどうかなんて直ぐわかると思うのですが。想定内ならまったく問題ないで簡単に話は終わります。単なる寿命です。
最近は簡単に精密な写真をやり取りできたりするので、いらぬ出張経費を使わなくても良いことが推奨されており、無駄なエネルギーを省く世の中の流れだと思いますが、どうしてなかなかそうならないかな~。

この換気扇に対する思いは、この春施行された、「長期使用製品安全表示制度」のため、
「設計上の使用期間13年。これを超えて使用されると発火、怪我などの事故に至る恐れがあります。」
と今のこの換気扇には表示されています。が、まだ3年でこの変色だから心配でメーカーに伺ったのに・・・。

  そこで決心しました。このメーカーの換気扇は今後使いません。先日検討していたパナに決定します。
あー決心がついてよかった。東芝さんに感謝!!


新潟の家 べた基礎の設計 配筋 構造計算

2010.01.03に頂いたコメントにより青字加筆修正

今日は少々専門的な事なので興味のない方は読み飛ばしてください。
今年のこのブログへの検索ワードで「べた基礎、配筋」というものが多くなってます。これは所謂、瑕疵担保保険がスタートし、原則全ての住宅がこの保険に入る必要があり、そのときの条件においてべた基礎の場合「構造計算」または「標準配筋表」または「設計者の工学的判断」のいづれかでなければいけないからですね。
新潟県は全域で多雪区域にはいるので、短辺3m以上あるスパン基礎区画はダブル配筋という配筋になります。このコスト増になるダブル配筋を嫌って「構造計算」をして少しでも安価に安全性を確保しようとして設計者が検索しているのではないかと想像できます。

さて木造住宅における構造計算書のバイブル本(建築主事が必ず了解する本)として上写真の「許容応力度設計」があります。当方もこの本に添って構造計算します。最近この本の最新版がありまだ入手してませんが、ほぼ同じ内容なので機会があれば入手する予定です。

さて、本題はここから。
あるウェブサイトを見ていたら、「木造2階建て、ロフトあり、重い屋根、積雪1mそして短辺4m区画のべた基礎」でシングル配筋D13@200 厚150で通常問題ないか?と質問に対して、大丈夫と返答している構造系サイトがありました。当方のブログやオーブルのHP上のコラムで不可としています。さて本当に問題ないのでしょうか?

まず許容応力度設計の本に記載されているべた基礎スラブの計算方法は、赤丸の4つの境界条件があり、外壁部はピン支持です。

住宅くらいの大きさではスラブ配筋は一様に同じ間隔で施工したほうが効率が上がります。簡単な配筋設計は、この表の「あ」と「い」が一番大きな力がかかることがわかり、ここを満足すればどの部位においても満足することが直ぐわかります。つまり4ピン中央部と2隣辺ピン側端部のチェックだけです。
冒頭の瑕疵担保保険で推奨されるチェックは4ピンと4辺固定の両境界の最大応力でチェックしなさいとなってます。
さて図のとおり2隣辺ピンのほうが4辺固定より応力が大きくなるのに、なぜ4辺固定でよいのでしょうか?多分シングル配筋を想定しているからだと推測できます。つまりべた基礎スラブ厚150mmでD13でシングル配筋で中央に配筋すると、下から60(かぶり厚)+13+13+64=150となり、上下モーメントに対し同じ効果が期待できるからと想像します。
この時60のかぶり厚で、通常の計算ではここは70mmとすることが良識です。60mmというのは法律で定められた最低寸法で、施工時人が踏んだりするスラブ配筋は10mmの余裕を持っていないと60mmのかぶり確保は難しいからで、計算では70mmの安全側に見ます。です。これは鉄筋の中心距離で計算するためで大事な事はかぶり厚は最低でも60mmで上下モーメントのチェックすることです。決して中央だから上引っ張りモーメントで上配筋のかぶりの4050mmとしてはいけません。4050mmとするからにはダブル配筋か中央部だけ配筋位置を変える施工となります。
そして端部だから4辺固定の境界条件で、中央部だから4ピンの境界条件でもだめです。先ほどのバイブル本「許容応力度設計」では2隣辺ピン=外周部と明確に条件付けされてますので、もしスラブ厚150mmで、4ピンと4辺固定だけでチェックする場合、端部、中央部でかぶり厚を変えてはだめです。あくまでも両方の最大応力で端部、中央共にクリヤーです。

さて実際4mスパンのべた基礎の計算しましょう。
木造2階建て、ロフトなし、重い屋根、積雪1m、軒の出有りでスラブ算定擁分布荷重ω1が通常10KN/m2程度(性能表示マニュアル)です。無論外壁部ありです。

Lx=4 Ly=4  配筋D13 境界条件 4辺ピン(2隣辺ピン)>4辺固定
t=15、かぶり厚7060 dt=7 中略
σex=(Ly^4*ω1)/(Lx^4+Ly^4)=5KN/m2
Mx2=ωx*Lx^2/8=10KNm at=7.33cm2/m
l=127/atMax=17.34cm→15cm  D13@150以内

仮にかぶり厚60のdt=6でも
l=127/atMax=19.50cm→15cm   D13@150以内
ですね。

(その他Lx/30等、ヒビの配慮も必要)

この計算はあくまでもロフトなしの10KN/m2以下のものです。塗り壁が多い場合や、軒の出が大きい場合は簡単に10KNを超えると思います。お気をつけください。
あっ、
当事務所「緑の家」の基礎の立ち上がりは一般の基礎の1.5倍以上の重さがありますからω1=12KN/m2位になり、@120以下になることがよくあります。@100以下の場合はダブル配筋ですね。

上条件で良識ある構造計算では「シングル配筋D13@200 厚150」は不可です。だから積雪地の配筋表ではダブル配筋等が標準と明記されるのですね。無理をしてはいけません。

住宅の基礎外周部のスラブ境界条件で実際固定度Cが0.1があると考える方もいらっしゃると思いますが、バイブル本にないことは、しっかり裏づけが必要です。

もし何方かご覧になられて見解の違いがあればご指摘ください。

この下覧にコメントがありますが、構造技量が高い設計者による緻密な構造解析があれば可能というご指摘を頂きました。私にはその計算が高度な構造知識が必要なため検証できませんし、そのような高度な解析方法があるとは知らずに上の記事を書きました。ご迷惑をおかけした関係者様にはお詫びいたします。


新潟の家 自然素材たっぷりの納屋

掲示板のほうで紹介している私がお手伝いしている(拙者が設計から基礎、屋根、扉の全て)ガーデン(家庭菜園)があります。そこでゆっくりと造り続けている納屋が80%くらいできました(只今石積み中)。
上の写真のように、小さい円筒形の小屋です。ガーデンに必要な農機具が主に入ります。中の小さな一角を堆肥(バイオトイレ)スペースにしてます。
屋根は石にしたかったのですが、さすがに地震が多い新潟県では、落下の心配がありますので、オークリッジプロというシングル葺きです。
壁は漆喰で「真白」!!
基礎はCBで基本を造り、その周囲にごろ石で固めます。
扉の取っては、すぐ前の海岸で拾った流木です。屋根にも緑をと思い今は完成していないので、流木で古い屋根の雰囲気を出します。

住宅は生産効率を考えて直線や垂直で造りますが、小屋はいろいろな面で制約がないので自由にできます。
だからこの小屋の外壁は下が外側に広がる形状。設計はCADで行う現在、この外壁形状の施工でも意外と苦労なくできたのですが、屋根の円筒形は施工に非常手間がかかります。屋根の部材を何百枚かのパーツで構成することになるからです。
普通の四角い屋根だったら数十枚のカットで済みますが、円錐形の屋根は、四角い屋根材をすべて台形等にカット。その作業で手に豆ができます。
屋根のてっぺんにあるものは、飾りではなくこの形状の屋根には必要なものです。一番頂部を風や雨から保護するものですね。
事務所仕事の合間で行っているので完成は年末くらいと考えてます。

以前自然素材は雨で色が変わるところに特徴があるね。と紹介してましたが、例外の一つにこの外壁の「漆喰」があります。石灰でできた漆喰は真白!!だから雨が降っても色がほとんど変わりません。昔、漆喰は貝で造ってました。例えばハマグリなど貝の裏面の白さは濡れても乾いていても色が変化しませんね。同じように石灰の白い色は変化がないのですね(白は基本的どの素材でも変わらない、だから特別色)。
あと、この真白は太陽光の熱成分をほとんど反射させます。真夏でも手で触っても全く暑くありません。まだ漆喰をぬっていなかったコンクリートのほうは、すごく暑くなってました。
地中海のようなカラッとした太陽の日射の強い所に白い家が多いのもわかります。


新潟の家 長期優良住宅の問題点と補助金


ようやく来ました。長期優良住宅の補助金交付決定通知。名義人が「仲村建設」さんになっているのは、先回お話したとおり、今回の補助金申請人は、「建設会社」でなければなりません。がしかし、この補助金の申し込みには、建て主さんにこの補助金を渡す(補助金はあくまでも建て主さんに行く)という覚書のようなものが必要です。ですので建て主さんの代理者であれば「設計者」であろうが「施工者」であろうが極端なことを言えば「司法書士」であろうが問題ないと思いますが、今回は選挙があったせいか知りませんが、「建設会社=施工者」になるところに疑問符がつきます。

そしてもっと不思議なことは
この補助金を受けた長期優良住宅の完成チェック機能がまだないことです。

言い換えれば、インチキしやすいシステムということでしょう。これが建て主さんの立場で考えるとこのシステムの問題点です。

具体的に言うと、

1.耐震等級2以上の基礎の施工チェックがない。

2.温熱環境最高レベル等級4の施工チェックがない。

3.メンテナンス最高レベル等級3の施工チェックがない

4.耐久性最高レベル等級3の施工チェックがない

ということです。

長期優良住宅の申請者はもちろん建て主さんです。が、専門知識が必要なこの申請は絶対と言ってよいほど「建築士」が代理申請します。このときこの建築士は「確認申請上の設計者、工事監理者ではなくとも良いのです(ここが問題ですが、解釈が間違っているかも知れませんので。後日確認します)。
確認申請の作業より数段上の難易度の長期優良住宅の申請には、構造計算書や各種メンテナンスの考慮が必要で、確認申請時の設計図書より数倍の量になります。この図面どおり施工が行われるかどうかのチェックが公の機関では行われません(写真程度)。本来なら法律上の工事監理者が責任を持って行われるはずですが、先ほど申し上げたとおり、確認申請時の法律上の工事監理者と、長期優良住宅の代理者が別であるとすると、責任の所在がありません。法律では設計工事監理委託の重要事項説明時にその点が明らかに説明されなければならないはずですが、それは稀でしょう。だから長期優良住宅に対応する工事をしていなくても、図面さえそうなっていれば「補助金」がおりる可能性があります。施工のチェックシステムがない補助金システムはとても問題です。「性善説だよ」という説明であれば、ここ数年これだけ厳しくした行政のチェック機構は一体何だったのでしょうか?
税金を直接補助金として特定の建て主さんだけに交付するこのシステム。

特に問題は個人建て主さんではなく、建売販売する業者さんがでしょう。個人建て主さんは自分の家ですから少しでもチェックするでしょうが、業者さんはいかに原価を下げるか?ということをいつも考えてます。長期優良住宅の内容がほとんど完成表面に出てこない仕様(耐震性、省エネ性、耐久性)ですから、完成してからではほんとに施工されているかどうかわかりません。もし悪意がある団体であれば・・・。施工途中の写真報告はありますが、悪意があれば写真なんてどうにでもなります。

性能表示では建設評価があり、公的な人が現場で細かくチェックします(本来なら工事監理者の仕事です)。だから長期優良住宅と違い施工のチェックする公の人がいます。長期優良住宅では、図面の公のチェックは入りますが、施工のちチェックはありません。
私は法律で決められた工事監理者(確認申請書に記載)がいれば、そもそも公のチェックなど必要ないと思います。それが本来の姿ですが、工事監理者が誰だかわからない建築主さんがほとんどの現在、交付金を使う公のチェックはあったほうが良いと思います。交付金は皆さんが納めた税金ですから。

補助金自体は大変感謝できることですが、建て主さんが不利益を受けやすいシステムは大問題です。やはり長期優良住宅は仕様が少し上なので価格が高くなりますから。


新潟で南雄三講師の勉強会「長期高価値住宅」とは?

2009.09.18加筆
2009.09.27赤字修正

 

昨日住宅評論家として有名な「南雄三」講師による講演というか勉強会に出席させて頂きました。
主催は上野住宅建材(見附市)です。この会社は県内にR2000を紹介した由緒正しい高気密高断熱建材及び輸入会社です。
さて内容は、南講師が力をこめる「長期高価値住宅とは」です。
皆様ご存知のとおり、最近は長期優良住宅が推進されてます。これは他の先進諸国と比べ日本の家の建て替え寿命が著しく短い「短命住宅」であるからです。ちなみに日本が30年に対し最長のイギリスが80年以上、米国等でも60年以上だそうです。これでは一向に家が社会資産とはなりません。返済が終わると同時にとりこわしですね。

まずジャブとして日本の抱える欠陥(世界との比較)ということで、
日本では先進国の中で特殊な高齢者高貯蓄国家。老後における国の施策が不安なので老人の貯蓄が世界一。この不安(恐怖)がある限り、お金が回らない内政状況・・・。
そのとおりですね。老後の恐怖がなくなれば、もっと心が豊かになりますよね。あの高福祉国家スエーデン?(だったと思う)は、100年位前に「姥捨て谷」があったらしいとの事です。それが今は世界一の高福祉高負担国家で、経済も住まい豊かといわれてます。老人は不安なく日々過ごせるそうです。日本には姥捨て山があったのですが、姥捨て谷とは・・・高齢者を突き落とす谷の事です(絶句)。

次に・・・この本は、南講師が「絶対買いなさい」に脅された(笑)本です。昨日早速アマゾンで中古を購入しました。

さて、日本の住宅はなぜ30年で取り壊されるのか?日本は家を買ったらその家は死ぬまで住む(借金返済)という前提。だから自分だけの家を建てるし、老後不安だからその家でお金のかかるメンテナンスなどしないでお金をためる→その建てた住人が死んだら誰もその痛んだ家には魅力がない→流通に乗らない→売れないで壊される。そして政府の持ち家政策が推奨され、自分だけの家となり、短命ということらしいです。

いつも賛同する南講師のご意見ですが今回は・・・実は私はそう単純ではないと思います。

ここから拙者の主観で書きますので興味のある方だけお読みください。

日本には長い寿命の住宅も多くあります。例えば新潟県の農家の家は、50年以上は当たり前に建っていることが多いです。一方新潟県でも市街地に建てられる家の多くが短命です。また、日本は他の先進国と違い大部分が亜熱帯地方に属するような気候があります。その亜熱帯地方の建物は比較的短命です。

さて、農家の家がどうして長命だったか?それはまず戦後すぐでも家にお金をかけられた。つまりお金もちだったからからです。そして農家には家を継ぐ(あと取り)という習慣があり、農地とともに家ごと引き継いできました。農地は移転はできませんから、家もその周囲になければなりません。ところが農家以外の職種では、この「あと取り」という習慣が薄く、家を引き継ぐ理由がなかったのです。そして戦後お金があった(食料が一番お金になったころ)農家は立派な家(広くて庭がなどしっかりある)が建てることができました。
一方農家以外の家は小さく、家があれば良いという程度の家(国もそう推進していた)なのでどちらかといえば粗末な家が造られました。実は亜熱帯地方の気候である日本は、粗末な家でも耐えられる気候だったのです。ここが他の先進国と違います。亜熱帯地方の普通の家は、ほとんど薄い壁、雨がしのげればよい程度の屋根だけです。一方日本の中でも寒い気候に属する北海道ではそれではなかなかつらい気候ですが、これはほんの日本の一部でしかなので、国の施策は、とにかく安い家でいいからたくさん建てて、人を増やすことに力を注いだのではないでしょうか?日本の人口密度を他の先進諸国と比べると高い事がわかります。人口密度高い国は、気候が亜熱帯以上の国がほとんどです。韓国が日本より高い人口密度ですが、森林を占める面積が多い日本では、実質同じぐらいでしょうか。

そしてこの亜熱帯気候。これがやはり住宅の寿命を大きく左右しているのではないかと思います。
それはカビと腐朽菌です。日本の気候では、家は放って置くだけでカビが蔓延します。特に有機天然素材で作られた家は必ずカビが生えます。一方住宅長寿先進国は気候が北海道並で梅雨などないところがほとんどで、カビが勝手に増殖する気候ではありません。
よく「取り壊された家は構造的に寿命でだめという理由はほとんどない(構造が腐って勝手に家が倒れた)」と言われます。そのとおりですね。でも古い家はほとんどといってよいほどカビ臭がします。また手入れを怠った家も独特のにおいがします。この匂いは、簡単に取れませんし、日本人は強い匂いを生理的に嫌う傾向があります。特にこの匂いはその家々で違うようで、自分の住んでいる家の匂いは問題ないでしょうが、他の家の匂いは受付にくいですよね(体臭でもそうですよね)。ですので真新しい木の匂いにとても価値を感じるのでしょう。
一方カビの生える気候は悪いことばかりではありません。木が生長しやすい気候であるため、木造住宅を50年持たせれば、木の循環が可能となります。だから50年で壊しても良いことにはなりませんが、木材が比較的手に入りやすいので、壊しやすかったともいえます(今は北米、北欧の輸入木材が安価なので大半を占め、少し矛盾してますが)。

さて短命の理由は、好き勝手に建てられる家のため売れない→流通が育たない→取り壊される
ということも無論ありますが、私はこの日本の気候と戦後の貧しさと国の政策の問題が大きいと思います(一極集中施策、非木造推進施策※を含む)。好き勝手に作るのは、そうしないと造れない地代の高さと制限があり、またその制限が町並みに対する制限をまったく含んでいなかったせいでしょう。いろいろなデザイン、新建材が横行したのは、貧しさゆえの表面のごまかし(建材含む)だと思います。お金をかけられた家は、古くてもデザイン的に今も問題ない家が多いですから・・・。
また歴史的背景もありそうです。江戸の庶民の家は火災が多く、結構頻繁に建て替えがあったとされてます。庶民の家(大きな武家や地主の家は別)は、短命でも仕方ないと思って歴史が長かったのでしょうか?

勉強会で賛同する部分というか、「そうか!!」という部分は、「モーゲージ・ローン」と「ノン・リコース・ローン」でした。このローンで「貧しさ=家にお金がかけられない」という部分が解消されるきっかけになりそうです。
米国では、住宅の融資の基本はこのモーゲージ・ローン(且つノン・リコース・ローン)だそうです。これは、家、土地だけの担保でお金を借りれ、もし払えなくなったときはその家と土地を手放せば、それ以上責任を取らなくても良いというローンだそうです。日本では、人にお金を貸しますので、仮に家と土地を手放しても、借金が残っていれば払い続ける必要がありますが、モーゲージノン・リコース・ローンでは、手放せばローンは一切チャラとなり、また出直せるということです。これはすごいシステムで中古住宅が流通に乗る基盤になります。人にお金を貸した場合は、その人が今後稼ぐ以上に融資は無理ですが、このローンなら関係ありません。その人の収入がどうであれ家が社会的資産になりますから・・・。是非このシステムが日本にも定着することを願います。

さて、私の結論ですが、今までの短命住宅は仕方ないというより感謝です。これだけ経済が成長できた政策優先は支持しますし、それを行って頂いた諸先輩には感謝申し上げます。
今後はやはり長期高価値住宅は、子供たちに残す財産として必要です。もっと心が豊かになるように、家の借金が終わった途端壊されるというローン地獄の連鎖を断ち切る必要があります。その長期価値住宅の目標とする対応年数は、木造で平均60~80年くらいではないかと思います。これで地方では約3世代が引き継ぎます。一方都市部ではコンクリートの寿命となる80~100年くらいで、10から20サイクル(転勤や転属で4~8年)の入れ代わりが相応という気がします。
地球環境が激変する可能性の高い今世紀。手塚治氏のような想像力があれば別でしょうが、我々技術者ではどうがんばっても60~80年の目標をたてるだけでも精一杯です。

最後にいろいろなことを考えれる時間があった、講師の南様は無論、このような講演を主宰された上野様にも感謝申し上げます。

※・・・日本建築学会が木造住宅推進だった昭和34年からの20年間は、木造住宅の構造的進歩が止まりました。このころ建てられた多くの家には耐震性や断熱、耐久性などはまったくといってよいほど考えられてません。このような基本的性能がない家だから取り壊すしかないと考えます。


新潟の家 薪ストーブ の薪確保

6月にお引渡しした家の2ヶ月目のアフターメンテナンスに行って来ました。
伺うとすぐに上の写真のような風景。そうですね、薪ストーブ用の薪の確保しています。
割った薪は、納屋の大きな屋根の下で乾かします。今割っている木はどうやらケヤキのようです。直径80cmくらいの玉切りのケヤキを割っていた風景ですね。なかなか手ごわい木のようです。
薪と木の外壁の納屋、本当に似合いますね。

メンテナンスはほとんど問題なく、リビングに塗った漆喰も問題なく美しいままです。ただ、お子様が一部かじったそうで(^-^;、欠けてましたが、オール自然素材ですからまあ大丈夫でしょう。

床はパイン無塗装でしたが、早々に艶が出てきました。いい感じです。


内装インテリアはこんな感じで、お友達から「絶賛」だそうです。


新潟 家 こだわりのデザインは細かいところから


「オーーブルさんの家は何となく整っている」とか「何か違う」といわれます。それは細かいところにポイントがあります。同じ自然素材のインテリアでもちょっとした違いが完成に影響します。今日はその中でもすぐにわかるポイントを2つ。ここで紹介すると直ぐに真似られる恐れもありますが(いつもお越し頂いている半分の方は、同じ業界の方です)、オーブルデザインは太っ腹。建て主さんの利益になれば、また自分自身のレベルアップ意欲をかき立てるので、どんどん紹介してます。それでは

上の写真は先日の見学会のリビングです。中央の壁に「え」と書いてあります。これはここに絵やフォト、タペストリー等を飾る場所という意味で、フォトショップで合成しました。通常飾るのはこの高さですね。

この写真は同じようですが何か違います。わかりますか?

そうです。スイッチの高さが違うのです。普通のハウスメーカー、工務店さんはスイッチの高さは床から1200mmくらいです。なぜか理由はわかりませんが、必ずこの高さです。
でもこの高さだと絵と干渉して美しくはありません。
先ほどの上の写真はオーブルデザインのスイッチの高さです。床から834mmです。この高さが、絵等を飾っても邪魔をしません。加えてユニバーサルデザインで、車椅子の人でも、小さなお子様でも手が簡単に届きます(子供がスイッチでいたずらするのは躾の問題ではないかと思います)。だから全建物は全てこの位置です。電気屋さんは最初戸惑いますが、つけて見ると納得です。

次にこの造り付け家具をご覧ください。良い雰囲気ですねよね。それは下の赤丸の取っての位置がポイントです。シンプルなこのつまみ取っ手は下の赤丸位置がベストです。位置は芯寸法XY共に30、30mmです。取ってによって変わるこの寸法は、家具屋さん任せにはしません。

一般の家具屋さんが付ける取っ手位置は下の写真のような中途半端な位置です。しまりがないような気がします。

如何でしょうか?小さなことが大きなインパクトになる時があり、そんなことを設計事務所はいつも考えてます。りんごのマークでおなじみのアップルの製品はシンプルで美しいですのよね。当事務所でも
「どこが一番美しいかな?」
「もっと良い方法なないかな?」
「もっとシンプルに・・・」
といつも考えてます・・・。


新潟の家 床暖房の正しい評価 その2

2007年10月のブログに「床暖房の正しい評価を!」と題して少し批判めいたことを書きました。その後学会では毎年追加研究発表がされており、今年の日本建築学会で発表された論文「その9」でようやく結果がでてその論議が終わりそうな気配です。

全ての写真、図は2009年度日本建築学会で発表された梗概集の中の「サーマルマネキンをを用いた室内温熱環境と暖房投入量の評価」早稲田大学 田辺新一先生ら によって発表されたものの抜粋です。著作上問題がある場合、理解に間違いがある場合はお詫びの上すぐに削除します。

今年の発表では床に投げ足で座っている場合と椅子に腰掛けている場合のパターンで、同じ快適さを得るのに必要な熱量は、床暖房の場合とエアコン暖房の場合でどの位違うかを実験したものです。
2007年の実験では床暖房に有利な普通しない姿勢である投げ足のみの評価でした。当時質問者から「こんな姿勢は不自然。暖かい床に接する面積の多い床暖房に有利では」と言われておりました。
今回の発表では、それを答えた内容になっております。

41169__2_3 まず気になる結果ですが、全て実験の断熱条件において、床暖房のほうが少ないエネルギー投入量で快適感がエアコン暖房と一緒だった。ということで、2年前と変わらない内容です。・・・が、
その結果のところに(注3)と書いてあります。これを見ると、
41169__2_2 「超断熱住宅では、暖房方式の差異はほとんどなくなると考えられる」小さく書かれております。では超断熱住宅とは・・・
この表のとおり今回の実験の断熱性能は高断熱で3.1W/m2・℃、中断熱で3.3W/m2・℃、低断熱で3.72W/m2・℃となっており、「緑の家」の標準仕様であるSプランの2.0W/m2・℃より75%から55%程度の低い断熱性能です。ということは、超断熱は2.0(Sプラン)くらいとなるのではないでしょうか?

何となくわかってたとはいえ、ほっとしました。

実験結果だけを論文に載せるのではなく、それから推察されることを注釈として論文に載せられた事は、やはり大学機関の論文は中立、公正性が高いと思います。
田辺新一先生に感謝です。ありがとうございます

ということで、建物の断熱性を超断熱にすれば、同じ快適性を得るための暖房方式によるエネルギー投入量に差異はほとんどなくなります。
注意しなければならないのは快適性の質は、若干違うということです。また同じ快適性は年齢によっても違い、拙者はほんのり床が暖かいのは年をとった時(代謝が落ちたとき)気持ちが良いと思います。←高床下エアコン暖房推奨派・・・(^-^;です。


新潟の家 LED電球 その2

やはり私は・・・変です。数日前にLED電球についてこのブログに書き、「まだ購入は早い」様なことを申し上げたばかりなのに、ここにあるものは・・・。

つい、購入しました。ネット販売の恐ろしさです。LED電球を調査しているときに、知らず知らず「購入する」というボタンを押してしまいました。( ̄Д ̄;;
何事も体験主義の私としては、やはり試さないといけません。

しかし過剰包装ですね。

まず商品を開けるとあの新品のパソコンと同じ匂いがします。多分基盤が内蔵されているので、その洗浄液か半田の薬品の匂いでしょう。実績から東芝が良いですが、形状が穏やかだったので数社あるメーカーからこれにしました。一個\4000です。(^-^;

次に事務所のスポットと同じように設置。
これは違和感ありません。

次にグローブがある器具に現在使っていた蛍光灯形電球に変えて設置。ちょっとグローブの発色が違いますが問題なし。

次に当事務所の定番中の定番の使い方。

現在使っているのは2012年から販売してはいけない電球です。(^-^;

次にLED型電球に交換(後ろの壁に注目。間接光がありません。)

さらに蛍光灯型電球では・・・

うーーむ。やはりLED電球は指向性が高いのでその配光を正面に集中することで、省エネ性を高くしている傾向があります。どうもこのような壁付けでは、従来の電球と雰囲気が変わります。

使い方としては、ダウンライトや乳白グローブの中で使うことがよさそうです。今回のLED電球は、電球60W相当で7.5Wという消費電力。蛍光灯型電球では電球60W相当で13Wという商品がありますから、半分程度の消費電力です。但し寿命は40000時間でON、OFFに強いという特性を生かしたところに使うとよろしいでしょう。

ナス型裸電球は見ていると光がきれいです。ろうそくのような輝きがあります。さすがに相当長い間ろうそくになじんだ人間の歴史を感じさせます。


新潟の家 24時間換気システム 排気換気扇の悩み・・・。その2

窓を閉め切る冬や真夏には、換気扇が運転し換気されていないと、結露やCO2の増加、臭気など問題が出ます。ですので24時間換気システムは、現在の住宅で健康や衛生の要となっています。
数日前のブログに24時間換気システムの悩みとして排気用の換気扇にフィルター付きにするかどうか悩んでいるとご紹介しました。今年度の建築学会の論文にその点が研究発表されてました(これはタイムリー、、、当事務所っていつもその最先端の悩みあり?? (笑))。

これは2009年建築学会論文の中の北海道大学、菊田先生らによる論文41139から抜粋

この写真の排気用換気扇は、当事務所が使用しようと思っていた機種と思われます。
実験によると、粉塵2.5gを吸い込むと換気量が下がり始めるとなってます。では2.5g吸い込む時間は・・・約4ヶ月だそうです。
グラフによるとフィルターを設置してある排気用換気扇は、1年で排気量が半分近くなるような結果となっています。
やはり、当事務所が使っている給気用換気扇のフィルターメンテナンス時期と同じく、フィルター付き排気用換気扇も4ヶ月に1回はお掃除の必要がありそうです。
フィルターなしの場合は、数年間は問題なような報告が以前されました。だからメンテナンスは格段に減るのですが、埃が付き過ぎると壊れます。これらを踏まえてフィルター付き換気扇を標準(Sプラン)にするかどうか悩むところです。

あっ・・・「SSプラン」では同時給排型熱交換換気扇が標準なのでいずれにしても4季ごとにフィルター掃除は欠かせませんが、これは仕方ないことでしょう。

PS
今日6年ほど前に竣工した建物の排気用換気扇が壊れたというご連絡を頂きました。実は18年くらい使っている拙宅の24時間排気換気扇はまだ壊れません。プロペラ掃除はこれまで2回程度です。品質のばらつき?メーカー?すこし不思議です。ちなみ拙宅はパナ製ですが、どのメーカーも全て大手です。


新潟の家 パッシブハウスとLED電球

パッシブハウスとは昨日お伝えした一次エネルギー換算で120Kwh/m2・年以下になる住宅です。これにはその家の家電で消費されるエネルギーを含めたトータル的なエネルギー使用量です。更に気密性能が50パスカル時に0.6回の換気漏れ量以下という難しい条件があります。50パスカル時に0.6回という性能は、隙間相当面積にすると約0.3cm2/m2以下ではないでしょうか?この数値は非常に高く、省エネ法の高気密住宅(北海道)の1/7の隙間面積です。緑の家でも5件に1件程度です。この数値要求される場合は、今使っているエアコンのドレン管はもちろんエアコンの自動掃除用排気管にもトラップなどの措置が必要です。ですのでこの数値に気密性能引き上げるには、もう少し実績を積まなければなりません。またもっと難題なのは、窓、玄関ドアのU値を0.8w/㎡・k程度にする事です。玄関戸は問題ありませんが、窓のU値は異常に高い性能です。普通のトリプルガラスの木製サッシでも1.2w/㎡・k。ダブルのペアガラスサッシか真空ガラスが必要となるのではないでしょうか?これを採用すると価格がどのくらいになるか想像もつきません。将来のコストダウンを待って今はSSプランの取替え可能な窓構造が現実的です(しかし北海道では既に行っている凄い設計事務所があります。オープンシステムとはいえ、素晴らしい監理と計画です。)。

さて、話をエネルギーのほうに戻しますが、新潟における現在の家での、エネルギー消費量は
暖房エネルギー 1/3
給湯エナルギー 1/3
その他エネルギー 1/3
という調査結果があります。「その他のエネルギー」の中には、通信・家電のエネルギーと照明のエネルギーがあり、最近は通信・家電のエネルギーが大きくなっておりますが、以前は照明エネルギーが半分近くその他のエネルギーを占めていたと言われます。その照明に使用されるエネルギーの大幅削減が期待される器具販売が本格化してきてます。

写真は三菱電機オスラムから販売される電球

それがLED電球です。古くからあるLEDですが、その光束の少なさから懐中電灯位しか使われておりませんでした。それが2007年に日本政府が白熱電球の国内生産中止、さらに2008年に、白熱電球の製造・販売を2012年までに停止する方針を打ち出したたため、開発が加速し、とうとう普及品の販売となりました。
LED電球を使うと従来の白熱電球の1/7から1/10くらいの消費電力と40倍の寿命となります。
更に最近普通に使われる電球型蛍光灯に比べ1/2~1/3くらいの消費電力で、寿命も7倍~10倍となります。加えて電球型蛍光灯の欠点だった、点灯回数も飛躍的に増え、トイレや廊下など頻繁にON、OFFする箇所でもまったく問題なくなりました。
良いことだらけと思われますが、欠点として
価格が高い事があげられます。これは不思議な価格設定で原価に利益を載せる方法ではなく、今までの電球の市場価格が1個100円で1000時間の寿命。LED電球は40倍の寿命だから100円×40=\4000円という商社的な価格設定方法です。ですので原価+利益の方法であればもっと価格が下がりそうです。今すぐ購入は控えてもう大手以外のメーカーの電球が出揃うまで待ったほうが良いかも知れません。
いづれにしても、まだLED電球はE26という口金が主流でE17、E11など小さな口金商品が少ないこともあり、使用場所が限定されます(「緑の家」ではできる限りE26を使ってますが、陰影を大事にする食卓付近はE17やE11ハロゲンになります)。
もし興味ある方は購入してコメントを頂けるとあいがたいです。


新潟の住まい Q1以下の性能のSSプランの省エネ達成率は?パッシブハウスとの比較は?

2011修正 家電エネルギーの一次への換算係数を入れてませんでした。

「緑の家」のSSプランは超断熱構造です。ではそれを評価すると・・・

上の図が省エネ法で定められた国の評価方法のひとつです。それによると太陽光発電3.0kwをつけた今回着工しているSSプランは、
省エネ達成率301%
太陽光発電を除くと231%です。

但しこれは給湯設備にエコキュートを設置した場合です。電気温水器ですと
省エネ達成率138%
太陽光発電を除くと121%です。
急落しますが、それでも138%もあります。

急落する原因は、お湯以外に使うエネルギーが小さくなると、分母が小さくなり影響が大きくなります。また皆様の推測のとおりエコキュートは電気温水器の約3倍の効率でお湯を沸かせます。つまり電気温水器の方が3倍もエネルギーを使う、それが一次エネルギー使用量を大きくさせてます。

さて、給湯設備ではエコキュートがトップの省エネ度となりますが、ほとんど省エネ度が変わらない設備として潜熱回収型ガス給湯器があります。料理はガスが好きという方にはこちらの給湯器がお勧めです。それはこの給湯器と組み合わせて使う高効率ガスコンロのほうが
IHコンロより一次エネルギーは少ないです。
上の図中の「あ」の部分は一次エネルギー量です。太陽光をマイナス評価(異論はあるが)した分の合計は32.2GJ/戸・年→32200MJ/戸・年→322MJ/m2・年です(床面積100m2の場合)。
この数値を今後世界環境基準になるのではという流行のドイツの「パッシブ住宅」の基準(家電を含むエネルギー消費量120kwh/m2以下)と比較すると89.4kwh/m2となります。
が、これには家電の消費エネルギーが加味されていません。家電の加味方法として、もし中間期に使用する(6月ごろ)電気量が250kwh/月(月7000円程度)の家庭であれば、250*12/100m2(床面積)*2.7=3081kwh/m2となり89.4+3081=119.4170.4kwh/m2120で合格不合格です。
ただ太陽光発電をマイナス評価方法、また細かい設定条件は違いますが・・・。いづれにしてもパッシブハウスの基準は相当厳しいに近いことは間違いないでしょう。

下は上図と同じ条件での電気温水器にした場合の省エネ度になります。

このとおり、超断熱の家では給湯方式が違うと倍近く一次エネルギーの使用量が変わります。これは暖房エネルギーがほとんどかからなくなるためです。
但し実際にこの差になるかは地域や使い方によって大きく変わるといわれてます。
いずれにせよ給湯エネルギーを少なくする方法として、排水熱再利用システムをSSプランでは用意してあります。


緑と木の外壁・・・そして石の外構とエアコン

寺泊の小さな拙宅は今年で19年目に入ります。外壁は無塗装の木で貼り増してから3年経ちました。どんどん良い雰囲気になります。ここが自然素材の良いところでしょう。
ケヤキも立派になりました。夏の暑い時期には家に優しい木陰を提供してくれます。
今の時期は花がちょっと少なくなりますね。庭には朝顔やトマトの花、そしてコスモスのような主張が少ない花達だけです。
正面から見えないように設置してある今年13年目のエアコンがとうとう壊れました。潮風で室外機のケース下半分がなくなったり、基盤の腐食でとりかえたりして13年間お世話になりましたが、とうとうお役ごめんです。東芝の255SDという当時はCOPが4.6あるトップクラスのエアコンでした。
ありがとう。感謝です。


新潟の家 Q1以下の性能の超断熱SSプランの普及版

赤字2009.10.01加筆修正

長期優良住宅先導的モデル事業の補助金事業が採択されると、この下で提案する普及版SSプランならほぼSプランと同じ金額で建築可能です。こちらをどうぞ!!

先日ご案内したとおり、本格的なSSプランが着工しております。価格は当HPのとおりSプランより結構高額です。そこでSSと同じ断熱性能で少し価格を抑えた仕様を考えております。
現在のSSプランは、壁はオール断熱で小屋断熱で最高の施工方法。将来さらに断熱性能を引き上げたときに簡単にリフォームできるスーパー仕様です。そのメリットに施工手間がかかり価格が高くなっております。これを将来のリフォームを念頭におかないSプランと同じように考え、断熱性能のみSSプランの超断熱とします。
具体的には壁は充填断熱と外断熱の組み合わせとし、天井は小屋で450mmのセルローズファイバーを入れます。この仕様で約-1.5万/坪下がります。また、同じようにSSプランではサッシ後取替えができる仕様になってますが、これをやめSプランのように、外壁を剥がさないとサッシが取替えられない仕様にダウンします。これにより約0.4万/坪下がります。さらに、床下を1.4mにしないSプランの床下高さで約-1万/坪。更に柱、梁をオール4寸(120)から3.5寸(105一部120)とすることで-0.7万/坪となり合計約-3.7万/坪となり少しお求め安いSSプランの普及版が可能です。

サッシの取替え及び断熱性能の簡単アップは大変魅力的ですが、必要もない方もいらっしゃると思いますので、普及版をご提案を行って行きます。HPに近々にアップします。しました。


新潟の家 最近使う自然素材の壁 「本物の漆喰」とは・・・②


漆喰(石灰モルタル)のリビング

①では下地の水引(水が浸透してしまうこと)調整にこんにゃくのりを使ったりして、漆喰自体には化学物質を入れない漆喰塗が本物とお伝えしました。
②では現代の漆喰下地の代表「プラスターボード」の場合、化学物質のたくさん入ったパテで目地処理が必要ない漆喰が本物の自然素材で、それは石灰モルタル(漆喰)であるということをお伝えします。

漆喰(石灰モルタル)の攪拌

石灰モルタルは漆喰と石の粉でできてます。古来からある日本の漆喰はこの石の粉は入ってません。変わりに海草のりとスサ(わら)が入ります。ちなみに外壁に使う土佐漆喰では海草のりは入っていません。
この石の粉が入ると硬化したときの強度がでます。ですので多少厚く塗れ、プラスターボードの継ぎ目も難しい処理は必要ありません。多少プラスターボードに平滑性がなくても大丈夫です。だからコストを下げられますし、化学物質のたっぷり入ったパテも使わなくて済みます。
また鏝跡もつけられます。ヨーロッパの家の壁で、漆喰なのに鏝跡が多くついた厚く塗ってある壁を見た人は多いと思います。漆喰自体は硬化してもそんなに強度は出ないので薄く(1mm)塗ることしかできません。塗り厚さ1mmでは鏝跡はつきません。そこで厚く塗るための強度を持たせるために、石の粉を漆喰にいれたのものが石灰モルタルです。石の粉が入ってないと、薄く塗ることになり、薄くするということは、鏝跡のない平らな壁になります。ですが平らだと当事務所の定番のエマルジョンペイントと見た目が変わりません。またプラスターボードの平滑性もシビアさが要求されます。、多少鏝跡がついていたほうが面白みはありますし、下地の精度も高くなくても大丈夫です(おおらかですね)。
日本の漆喰の繊細さはすばらしいですが、下地がプラスターボードの現在は、石灰モルタルの漆喰のほうが、コスト及び見た目に優位性があります。無論石灰モルタルは自分で塗ってもそれなりに味が出ます(下手でもごまかしがきく)。

石灰モルタル(漆喰)をプラスターボードに塗っているところ。

石灰モルタル=西洋漆喰として販売しているところが数多くありますが、①でご紹介した自然素材の水引防止剤の「こんにゃくのり」でこの石灰モルタルを塗ることを推奨している数少ないお店が①で紹介した会社です。このように施工すれば、全てが天然系自然素材の壁となります。


石灰モルタル(漆喰)なら外部でも大丈夫。厚塗りでそれらしい雰囲気が可能。上の写真はモルタルの上から石灰モルタルを塗っているところ。

①で紹介した当事務所が良く使う石灰モルタル(漆喰)販売店は↓です。
http://www.rakuten.co.jp/wagayaclub/


新潟の家 最近使う自然素材の壁 「本物の漆喰」とは・・・①

近年流行の壁として「漆喰」や「珪藻土」がありますね。漆喰や珪藻土が自然素材だから人気があり、自然素材だから何となく化学物質は使っていない気がしますが、実は多くの漆喰や珪藻土にはしっかりと化学物質が入ってます。
この辺のことはこのHPで詳しく書いてあります。私も以前から聞いていたのですが、やはりそうでした。
http://www.rakuten.ne.jp/gold/wagayaclub/shizen-handankizyun.html
↑このHPは非常にためになります。もし漆喰や珪藻土を考えている方は、一度はしっかりとお読みください。価値が変わります。

さて、元々漆喰は土壁の仕上げとして外壁や内壁に塗られていたことは有名です(最近そんな家を見ないのですね)。漆喰も珪藻土も左官工事です。左官工事とは鏝(こて)で薄く延ばして塗る工事ですね。どろどろのものを平らに塗るには熟練と技術が必要で、左官工事は職人の花形です。
職人さんの鏝はたくさんある。

漆喰も珪藻土も空気中の二酸化炭素吸って固まります。水で固まるコンクリートと違います(珪藻土はそれ自体は固まるものではないので、普通は消石灰を混ぜてあります)。化学式は次のとおりです。

Ca(OH) 2+CO2=CaCO3+H2O
消石灰+二酸化炭素=炭酸カルシウム+水
炭酸カルシウムとは固まった漆喰のことです。この式でわかるとおり漆喰が硬化に必要なものは二酸化炭素だけです。
しかし両方とも粉末の状態が原料ですから、これでは塗れないので水を混ぜて施工と繋がり性を良くします。実はここに大きなポイントがあります。せっかく水を混ぜて塗りやすくしたのに、下地がその水を急に吸ってしまうと、とたんに施工性が悪くなり、平らに塗れないばかりか、ぽろぽろと表面が取れてしまいます。元々は粉末ですから・・・。
そこで下地が水を吸わないようにほとんどの人が「シーラー」という液体を先に塗ります。このシーラーこそが化学物質です。せっかく漆喰という天然系素材なのに、化学物質のシーラーを塗り天然系素材を人口系素材に変えてしまうのですね。厚さがたった1~1.5mmの漆喰や珪藻土にシーラーは、すぐ混ざります・・・。
このシーラーだけなら良いのですが、更に水が吸い込みにくく、乾きにくいように漆喰に化学物質の液体(メチルセルロース)を混ぜたりしてます。
しかしこれではせっかくの天然系素材に化学物質が入ることになるので、紹介した上のHPの販売店では「こんにゃく」をシーラーとして使います。確かにこんにゃくは保水や透水バリヤーになります。

これがこんにゃくのりです。

下地のプラスターボードの上が光ってます。これがこんにゃくのりです。

日本の漆喰には、海草のりが混ぜ込んでありますが、のりと言ってもこれは漆喰を固めるためのものではありません。先ほどの化学式を見れば歴然です。海草のりの役目は水が急激に下地に吸い込まれないようにすることと、粘りのような感じを出し、施工性を高めることです。だから日本の漆喰はまっ平に塗れるのですね。スサ等を入れるのも、保水効果で施工性のためですね。

華麗な漆喰が施される江戸時代のころの壁。その時にシーラーってありましたか?ないですよね。化学物質の保水剤メチルセルロースありましたか?ないですよね。当事務所が「本物」というのは、ソリッドであることと、100年くらい前から存在していた素材かどうかです。その点このこんにゃくのりを使う漆喰はまさしく「本物」の自然素材の壁となります。
当事務所の「緑の家」の床に使う「ヒノキの縁甲板」の無塗装も同じ理由で勧めてます。江戸時代に塗装屋さんなんていませんから、ほとんどの木は無塗装で使われてました。
同じ自然素材の家なら「本物」を選びたいですね。


新潟の家 24時間換気システム 排気換気扇の悩み・・・。

当事務所の24時間換気方式は2通りありSプランが第一種セパレート換気システム。SSプランが第一種セパレート換気システム(熱交換付)である。違いは熱交換があるか?ないか?だけ。そもそも第一種とは、排気と給気の両方に電気を使うプロペラが入っている換気のこと。また、セパレート換気とは各寝室それぞれに換気扇があり個別に運転している換気システムのこと。このシステムの採用はかれこれ15年以上前になる。当時新大の建築学科の研究室で換気についていろいろ実験をして頂いた。このとき一番安価でどんな条件でも効率が良かったのが、この換気システム。

さて悩みとは・・・。最近「排気」換気扇にフィルター付が販売されている。私としてはこれを採用したいと思うのであるが、1つの問題で躊躇している。本来排気換気扇にフィルターは不要である。なぜフィルターがある排気用換気扇があるかというと、プロペラのお掃除をしなくとも良いからである。プロペラは10年くらい経つと埃が着き、効率が落ちる。ほっておくと機器の寿命を縮めることにもなる。だから7年から8年ぐらいでお掃除するが、結構面倒。そこでフィルター付が発売された。

しかしフィルターがあるということは、フィルターのお掃除を必ず一年に一回は必要とすること。エアコンのフィルターもお掃除することが重要であるが、あまりしていないご家庭だってある。エアコンはフィルターを掃除しなくても効率が落ちるだけであるが(これも問題だが)、排気換気扇は目詰まりしたら換気が不十分で健康や家自体に悪影響を及ぼす場合がある。そこでお掃除が数年間は必要ないフィルターなしのほうが良い気もする。
・・・悩むところ・・・(フィルターがある機種はやはり価格が少し高いが、それでも4台で+6000円であるのでまあ良しとする)。

さて、先月ある「緑の家」の24時間給気用換気扇が全てがおかしくなりました。7台とも全てです。築6年であるということは6年間動き続けておかしくなったかと思ったら、実は1年以上前からうるさかったので止めたとの事です。実運転は5年くらいでしょうか?あまりにも短く全てだったので、こちらの故障の原因をメーカー工場の品質保証部で確認して頂いたところ「経年劣化による寿命」という報告書が来ました。24時間換気扇で販売しているのに5年で寿命???納得はできませんが、担当者のせいではないですからここは抑えて一応電話を切ります。
そういうこともあり換気扇機種を再考しようと考えてます(ここ数年間の使用機種はこのメーカーではありません)。しかし最近の今使っているメーカーの同じような機種にはシールには「標準使用期間13年」とあるのにこの短さ・・・残念・・・です。某大手換気扇メーカーさんがんばって下さい!!

下は最近使用している換気扇です。


新潟の家 超断熱の家。長期優良住宅の着工です。

本当は8月着工だったSSプランの長期優良住宅が、ようやく着工となりました。この遅れはひとえに当事務所の詰めの甘さによるものです。この場を借りてK邸の建て主様にはお詫びいたします。遅れた原因は、予定金額と見積もり金額に差(6%強)がでたためです。その調整に時間を費やしてしまいました。本格的超断熱のSSプランの最初とはいえ力不足です。

予定通り長期優良住宅認定では何も問題がないのですが(太陽光パネルの重量が意外と効いた)、とにかく書類の枚数多さだけは閉口します。コピー用紙1500枚くらい使った気がします。これは構造計算書だけで150ページ、気密断熱計算書20ページ、他書類10ページで計180枚と図面A2-15枚を5部用意します。構造計算書は一項目でも指摘があると全部取替えで、一度屋根荷重の見解が審査機関と違い取り替えました。最近太陽光パネルが結構採用されますが、この屋根荷重を皆さん構造計算で入れてますか?耐力壁一枚分くらいになりますよ。

長期優良住宅の審査をする新潟県建築住宅センターの担当者にお聞きすると、7月末現在では一軒も合格していないとの事。昨日のブログでは新潟市のでも10棟くらいの審査が済んでいるのでたぶん他の機関で申請したようです。新潟県建築住宅センターの申請の全てが「構造の安定性の項目」で水平剛性(床や屋根の強さ)で勘違いやミスをしているとの事。やはり構造性能表示の等級2はなかなか理解されていないようです。水平剛性は耐力壁の区画とともに考える家の耐震性の重要ポイントです。当事務所は全て等級2で計算しており、多少の吹き抜け、大きな空間も等級2で全て可能です。この等級2は長期優良住宅の性能では最低レベル耐震性であり、広いプランが必要だから少々床が弱くても等級1が良いとは、技術者と建て主さんは考えません。ただ等級3になると少し大きな吹き抜けは耐力壁区画に注意が必要ですので一考ですが・・・。
さて、この度のSSプランの長期優良住宅は
なんと、何と、耐震等級3(最高値)です。[E:scissors]
しかも1階は25帖の広い空間があり、吹き抜け約6帖もあります。これで等級3が取れるのはやはり最初から構造を念頭に考える設計事務所のプランだからだと自画自賛です。
さっ、更にQ値0.98W/Km2(次世代断熱基準の3倍)
で性能評価を取りました。もうこれはすごい家です。開口部は大手メーカーや建築会社にありがちな付属断熱(ハニカムサーモや障子)に頼らず、実際の日常生活どおりのサッシのみで達成しております。この超断熱はKさんのご要望ですが、更にKさんは太陽光パネルまで設置する予定です。そして極めつけは排熱利用設備室がある高基礎1.4mの家で床下暖房と超軟水器によるる洗剤軽減!!!!
もう自立循環住宅のお手本のような本当にすばらしい性能の家です。こんな家に私も今すぐ住みたいです。
まだまだあります。内装はほとんど天然系素材になる予定です。壁は化学物質添加なしの漆喰塗り、床はいつもの国産ヒノキ無塗装、窓枠は国産杉無塗装、玄関シロアリフリー構造です。
長期優良住宅補助金対象で上棟後の構造見学会が義務付けられておりますので、たぶん10月の中ごろ行います。場所は新潟市鳥屋野です。ぜひ「30年後の標準」の家の性能を見に来てください。お待ちしております。 o(_ _)o


新潟の家 長期優良住宅先導的モデルに再び申し込みました。

国土交通省が行う長期優良住宅先導的モデルに再び申し込みました。内容は前回とあまり変わりません。というのは、先回の内容に自信があるのは勿論ですが、それ以上に先回の申し込み以降に始まった「長期優良住宅の補助金」の進捗状況が期待ほど良くないからです。申請受理数は↓のページです。
http://www.cyj-shien.jp/shinsei.html
このように最大で一戸あたり100万を補助して頂けるすごい制度ですが、なんと8月末までで全国で537戸と全体枠の1/10程度です。たぶんこの9月10月が一番多い申請月になると思いますが、それにしても少ない状況です。新潟市役所に伺ったところ、新潟市の管轄で50棟くらいの長期優良住宅申請があり、内40棟が大手ハウスメーカーだそうで、この補助金は大手ハウスメーカーは受けれませんから10棟が補助金該当物件です。
↓は県内の申請建設会社名が検索可能です。(当事務所該当住宅は仲村建設という会社名となりまだアップされてませんが10月になる予定です)このリストにある会社のこの家は、耐震等級が2と公に認められた家です。・・・が、結構大きい建設会社さんが多い割には、物件数が単数で少ない気がします。それ以外の建物は長期優良住宅ではないということでしょうか?100万もらえるのに使わないという事はどういう理由なのでしょうか?
http://www.cyj-shien.jp/search.php
(今回の補助金申請は「設計事務所」ではだめで「建設会社」の申請になります。不思議な制度ですがしかたありません。ここら辺が政治力なのかも知れません。)

話を元に戻し、これだけ補助金を受けれる長期優良住宅が少ない原因は、やはり一般工務店ではその設計ハードルが高い事が理由です。当事務所が申請したERIさんや新潟市役所さんでは、申請代理者が工務店(建設会社)ではなくほとんどが設計事務所と聞いております。これも設計のハードルが高い事を表してます。
そんな現況の中、さらに技術的に高い「先導的モデル」では誰も真似しないでしょう。当事務所が応募した先導的モデルとは、その内容がこれからの長期優良住宅にふさわしいから補助金を頂けないか?という原点に立ったものです。税金で捻出する補助金で「ふさわしい」とは、普及性がなければ何にも意味がありません。誰で少しがんばれば「よい長期優良住宅」が造れるそういう事です。だからどんなにそのモデルが良くても特許で固められた家(例えば大手メーカー)では先導的モデルとして本来補助金の対象とはなりにくいはずです。
そこで今回の主旨は「ローテクで簡単で効果的な長期優良住宅」として申し込みました。小さな設計事務所が行える技術ですから当たり前です。内容は前回とほとんど変わりませんが、主旨を次のように簡素にしてわかりやすくしました。
1.床下に専用の設備空間
2.初期および将来の断熱強化
の二つです。非常に簡単で両方とも造る側である工務店と住む側である建て主さんと多くの同意が得られる内容です。←内容は以前のブログにあります。

これからの50年を考えただけでもこの2つが家の性能の中心となることは間違いないと思います。というのはこの性能の強化なしでは今後のエネルギー革命(石油枯渇)とそれが原因による設備更新に対応不可能(大きなお金が掛かる)です。


新潟の家 家と庭の関係

先日の建築士管理者講習会のお昼休みが70分あったので、ハイブ長岡から車で15分くらいのところにあるI邸の写真を撮りに行った。

 I邸は 1年半前に完成した耐雪2.5mの住宅である。完成当時は冬で雪景色の中のI邸で、外構工事もまだ終わっていなかった。

そのため外構工事が完全に終わった夏の写真を撮りにいったのである。

広い庭は、一面芝生で覆われ綺麗に手入れがされている。このシンプルな庭がモダンデザインI邸にはピッタリ。大きな窓から透けて見えるセンスの良いダイニングテーブルと椅子。何かインテリア雑誌に出てくる家のようである。外からうっすらと見えるリビングにはある程度緊張感が必要ではないかとお尋ねすると、「特に意識してません」とさらり。さすがIさんである。

さて、建物は大きな窓が東南と南西面にあるので南西面には、ケヤキの木を植えるとちょうど日陰になりさらに、お隣からの視線をさえぎる。これは当初からの計画である。まだ小さい(4mはあるが周りが広いため小さくみえる)が、あと10年するときっとさらに建物を引きたてるであろう。家と庭は一体。どちらが欠けても違和感があり、美しい家とならない。とても大事な要素である。

窓が綺麗に配置され、突然伺ってもその窓から綺麗な家具配置が見えるI邸。この付近のランドマークであろう。


新潟の家 設計事務所の管理者が受ける法定講習 べた基礎の会話

昨日は管理建築士講習とその修了考査を受けてきました。おおよそ9時から18時と丸一日で、きつかったですね。最近集中力を持続させることが非常につらいのが実感できます。30代の頃は一日講習でも全く問題ないのに、最近は努力しないと集中が続きません。

さて、この講習は設計事務所登録している団体や個人の管理者が必ず受けなければならない講習と考査(試験)です。ですので、設計、施工関係者ばかりです。広くない会場では席に座ると後ろの会話がいやでも聞こえてきます。

「長期優良住宅の申請が大変で困っている。べた基礎が申請で通らない。仕様規定の鉄筋配置では、ダブル配筋が標準なので、シングル配筋にしようとすると、構造計算が必要で家の全重量を計算しなければならない。これができない・・・。」と普段は構造計算していないべた基礎だと言っています。またトイレ内では

Aさん:「確認申請の設計者の名義貸しだめになったの?」

Bさん:「そうらよ。」

Aさん:「今までみたいな事できないの?」

Bさん:「そうそう。設計者の名前だけかりて申請はできないよ」

とかまあごく普通の会話だと思いますが、建て主さんが聞いたらぶっ飛びますね。でもこれが業界の実態です。実は聞いていた私もこんなにあからさまにされる会話はびっくりです。で、ネガティブ話題では暗いのでうまそうな写真だけ・・・を。

一昨日の仙台市での帰りに食べようと楽しみにしていたマルコポーロ〔最近の情報では中華マルコとなってました。味はどうなんだろう)のラーメン。・・・が食べることができませんでした。道の駅 阿賀の里のHPでは22時までやっているとあるので(←古い情報でした)、仙台市の帰りに、わざわざICを降りて立ち寄りました。20時30分ごろ着いたのですが阿賀の里は真っ暗。灯りひとつありませせんでした。残念。上は2年前に食べた写真です。私の大好きな普通の鶏がらラーメンです。一度は食べて見てください。鶏がらスープがこんなにうまいの?という味(個人差ありですが)です。昔のラーメン定番のナルトが泣かせます(但しこの2年間は行ってません場所と名前が変わったことで味が変わっていなければいいのですが・・・)。

http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_24c4.html


新潟の住まい IHコンロとガスコンロの未来にも踏み込むシンポジウム②

その①からです。下の写真は発表者が質疑応答に答えているところです。

日本建築学会内に設置された空気環境運営委員会の住宅厨房換気WGが主宰するシンポジウムで、「IH機器は更に今後も伸び続け、将来にはIHコンロがほとんどの住まいのコンロになるのではないか?」との過激な意見が司会者(某換気大御所の先生)から大手ガス会社さんに投げかけられました。

大手ガス会社の発表者は、

「おっしゃるような状況にならないように、様々な努力をしております。先ほど発表しましたように、安全性はIH並みに、操作性もIH並みに、掃除のしやすさも改善し以前より飛躍的に上がりました。」

ということです。司会者は「省エネという観点で空気を汚すタバコが、室内空間から締め出されている。この傾向はさらに加速されると、同じように室内の空気を汚すガスコンロの立場は同じように扱われるのではないか?」とういうガス会社さんにはつらい意見がだされました。たしかにIHコンロの換気扇の新提案として、排気循環型換気扇(吸った排気をフィルターや匂い吸着することで屋外に排出しないで室内に戻す)のイメージ図もありました。

私はとてもびっくりしましたが、ここで恩師の次に大好きな(質問や意見をする)千葉工業大学小峰裕己先生登場!!ばっさりと

一番左が恩師である赤林先生。右が小峰先生(千葉工業大学)。真ん中が近藤先生(東京都市大学)

「匂いや油煙はそれで処理できたとしても、料理中に発生する「熱」「水蒸気」は処理できない。やはり調理排気は屋外が良い」との意見。まったくそのとおりですね。私もIHだろうがガスだろうが熱や水蒸気は高度な処理が必要で、だったら屋外に出したほうが手っ取り早いことは自然な考え。この排煙処理は飛行機や宇宙船などの完全に閉ざされた技術だろうと思います。さらに小峰先生は「このWGの皆さんの最終研究目標は何ですか?ただ実験やシュミレーションをすればよいというわけでもないでしょう。最近の建築学会の発表はその傾向がとても強く、研究者として一番大事なことを忘れている気がする。」とキツイ意見。そういえば小峰先生は最近建築学会の大会での論文発表を取りやめていて、空調学会で発表していらっしゃいます。建築学会大会での一刀両断の質問や意見が聞けないのは残念ですが、私も発表に数年間携わった一人から見ても小峰先生のお考えを支持したいとおもいます。

私も当時の自分の研究は「各社エアコンの仕様がもっと詳細に発表されれば、その設置される環境に最適なエアコン設置が可能で、それがエネルギー削減につながる良い手段。目的は最小エネルギーで快適に過ごせる家を妥当な金額でご提案すること。その一部として研究していましたが、若い人に目標を持たずに研究発表している人が多いと感じたことがあります。若い人ほどもっと旺盛な好奇心と目標が必要ですね(自戒をこめて)。

ちなみにIHコンロはガスコンロに比べて特段エコではありません。一次エネルギー換算ではほぼ同じです。よくIHは効率90%といわれますが、発電効率は40%くらいのなので0.9か×0.4=0.36くらいです。ガスコンロは最初から0.4くらいですので、高効率コンロを使えば0.55くらいまで効率が上がり、IHコンロよりもっとエコとなります。ただIHのほうが経済的(使用料金が安い)ではあります。

このブログで「エコ」とは、如何にエネルギーを大事に使うか?目的使用の効率のよさと思ってください。ランニングコストが安くなるかどうかではありません。


新潟の住まい IHコンロとガスコンロの未来にも踏み込むシンポジウム①

昨日、仙台市で行われた2009年度の日本建築学会の前日に行われる恒例のシンポジウムに出席しました。建築学会は医学会の次に大きな学会の大会だそうで、延べ数万人の移動といわれてます。

このシンポジウムは日本建築学会内に設置された空気環境運営委員会の住宅厨房換気WGが主宰するシンポジウム。このWGの責任者は、私の恩師であり、議題も興味があったため(来い!と暗黙の脅迫(^-^;かも)仙台まで片道300KM、一日で往復600kMも走りました(今日はまた講習会なので日帰りしなければなりません。ちょっと疲れました)。

もともと、IHコンロの排煙の捕集の特性(ガスコンロのような燃焼による上昇気流がまったくない)がガスコンロとは違うのではないか?もし違っていたらどのような評価をするか?そして各方式のコンロに最適なレンジフードの基礎提案をすることで、住まいの更なる快適性と省エネルギー性への寄与を目的としています。

IHコンロの普及率は急激で、既に市場のコンロの10%という統計があります。更に今後も伸び続け「将来にはIHコンロがほとんどの住まいのコンロになるのではないか?」との過激な意見が司会者(某換気大御所の先生)から大手ガス会社さんに投げかけられました。  ガス会社さんは・・・

続きは②で。


新潟の家 自然素材大好きの外構 

あと少しで完成するアプローチ。感じいいですね。丸石は大好きです。

既にお住まいの建て主さんから伺いましたが、「道を通っていく人が思わずその石を撫でていくのです。本物かどうか確かめているのでしょうか?それともつい触りたくなるそんな素材だからでしょうか・・・?」

とっても硬い石ですが、形状が丸いのでやさしい雰囲気を与え、そして華美でもないので「高価な塀」という印象ではなく、でもちっとも安っぽくない、そんな感じです。イタリアの高級ブランド紳士服ではないけれど、仕立てのよいテーラーメイド背広ジャパンという感じです。

様々な石の色が雨に濡れるといっそう引き立ちます。10年後には薄っすらコケもが生え、それもよいかんじでしょう。ちなみに以前は五泉市の石とい説明しましたが、建て主さんが直接職人さんに伺ったところ、なんと同じ三条市内の下田地区だそうで、地域の素材を使う地に根ざした外構ですね。

ガーデン(植樹)も基本設計させて頂いており、打ち合わせを昨日三条の石翠園さんと行いました。ナチュナルガーデンの雰囲気を目指し、建て主さんが苗木を一本一本確認して決定しております。ある程度形になるのは来春になりますが、とても楽しみです。

家は「緑」と共にあります。緑が家の雰囲気とそこに住まう人のイメージを数倍もよくしてくれる大事な友人です。

わくわく。


新潟の住まい 自然素材の外構

既に母屋は完成しているK邸ですが、外構の塀や土留め、カーポート、薪小屋は工事中です。

外壁をこて塗りしたばかり頃は、色がもう少し濃かったのに、現在はオレンジ色が出ていて想像通りの感じになってきました。

写真のとおり、敷地は道路より50cmくらい盛り上がっていたので、土留めが当初から計画されてました。その土留めは先日もご紹介したとおり自然石の丸い石で計画してます。だからやさしい感じです。よくある溶岩石のようなとがったイメージではなく穏やかに周りにしっくりと溶け込みます。丸石積みが手仕事であるため、一輪車が3台も写ってますね。その丸石とコンクリート打ち放しの塀のバランスが小気味良いですね。コンクリートの塀の上部には笠木をつけて、雨による汚れ(通称よだれ)を防いでます。「緑の家」はなんていっても20年後の美しさを考えます。

この写真は建物の裏から見たショットです。 K邸には薪ストーブが設置されてます。主暖房は床下暖房ですので、そう多く薪は使わないと思いますが、薪は秋までに保管していないといざというときに使えなくなります。そこで小屋があるとやはり便利ですね。

小屋は壁をつけるとその壁は燃えにくい構造にしなければならない地区ですが、このように、取り外し式の風除けは例外ですね。薪にあわせて小屋というイメージです。

ちなみに同じ建物なのに外壁色が大きく違うのは写した日(天候と方位)が違うからでしょう。

後は植樹ですが、残暑厳しいこの季節には植えられませんので、秋になります。ゆっくりとのんびりそして確実に「家」が造られていきます。


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