デザインと構造は一体④ 安全と耐久性が一番・続 

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 第三者審査機関担当者から返却される住宅の構造計算書。200枚に及ぶ計算書に一枚一枚チェックマークが入っている。丁寧な審査機関です。

さて高基礎はどこがよいのかの2つめ 低い基礎より「安全」と言えることです。

その事を説明する前に先ずは礎の構造計算をしていることが大前提ですが・・・。

「構造計算していない基礎があるの?」と建て主さんは思うでしょう。地震時に命を守る家の基礎の構造計算はしてませんとは「業界」では口が裂けても言えませんからね。

簡単に仕分けると

「長期優良住宅の認定を受けた家

「性能評価(設計だけでもOK)を受けた家

以外は基礎の構造計算をする事はまずありません(ハウスメーカーを除く)。本当です。

長期優良住宅対応と宣伝では良くありますが、それだけではだめです。あくまでも認定を受けなければ、対応だけでは普通は面倒なので構造計算しません(当事務所はしますが)。

認定を受けるにあたり第三者の構造計算チェックを受けますが、上の写真がその時の担当者のチェックの筆跡です。この法人は差し替え書類や訂正書類にはこのようにチェックの後がそのまま残こし返して頂けます。ありがたいです。

ここから先またまた難しく専門的になるので興味ない方はここでお止めください(でも大事な事ですので一応目を通してみませんか?)

以前お伝えしたとおり基礎は地面に垂直な部分の高さでその強さが決まります。
上図のように同じ鉄筋の場合、基礎が高ければ高いほど上からの力に対して強くなります。

そしてここがデザインは構造と一体の部分です。大きなサッシは家の屋外との繋がりの場所で、大きいほど開放感がありまた室内が明るくなります。ところがコストを抑えた企画プランなどは殆どサッシが巾1.6m前後です。巷の色々な家を見て窓の大きさで、基礎の鉄筋もわかりそうです。ところが問題は、構造計算もしないで安易に大きくした窓ですね。これは大変危険です。

基礎が高ければ簡単にサッシを大きくすることができます。具体的には当事務所の基礎であれば巾2.73mの大きな開口部でも標準の鉄筋量でOKです。

背の高い基礎は開口部が大きくても小さくても、鉄筋の補強なしで建築できるほど余裕がある安全な基礎なのです。

 大きな開口部もほぼ標準の鉄筋でOK。余裕のある背の高い基礎

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