福島県 会津坂下の家 フラットスラブと凍結深度

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基礎を造る前に真っ平らにする「緑の家」の独特のフラットスラブ。

会津坂下の家の基礎工事の一場面です。

「緑の家」は基本的に基礎の下面が全く平らになる「フラットスラブ」になります。こうすることで施工性がアップし、基礎にかかる費用を少しでも減らしたいと思っております。また、大地震時に捨てコンとスラブが平らな事で「滑り=力の逃げ」を期待していることもあります。

地盤改良が必要な場合は、捨てコンの下の高さは若干凹凸が有ります。そこはキチッとレベルで測定し砕石をならします。

その後防湿フィルム(RCスラブの時は省略する会社も多いが)を敷き込み、出来るだけ平らになるよう土間コンを打ち込みます。

「緑の家」の基礎としてはちょっと遣り方杭が低いとおもいますが、きっとやり替えるのだろう。

基礎一発打込みはこの捨てコンの平らさで、作業性が変わりますから出来るだけ・・・平らにならします。

実はこのフラットスラブで福島県の建築指導課さんと話し合いがありました。それは・・・

当初青い線のところまで基礎を作って下さいと県から言われた。

福島県のこの会津坂下には凍結深度(建築基準法で定められた規定)が定められておりませんので、基礎を法令の限度である120mm地面に埋めることで満足するはずです。しかし、
「確認申請はそれでよいが、長期優良住宅の技術審査では400mm以上地面に埋めなければ許可できない」
と指摘を受けました。そこでその規定が書かれている法令もしくは条例、マニュアルをご紹介頂けないかと申しあげたところ・・・
「書き物は一切ない。根拠は福島県の道路路盤の設計マニュアルに準じる事と内部で決めています。」
との事でした。

ご存じの通り道路路盤と家の基盤はその条件が違います。道路は雪がなければ上物がないので、放射冷却の影響を直接受け、加えて気温も数日間低ければその400mmまで凍ってしまう事が考えられますが、家の基礎はその上に建物があるので、直接放射冷却の影響を受けませんし、加えて別荘でもない一般住宅ですから日常の営みが行われれば、建物下へ熱はにげ、地面が暖められます。そのように考えるため床に断熱材、もしくは基礎に断熱材を設置し、地面に熱が逃げないようにしているわけでして・・・

福島県さんは
「今までそんな事をいう設計者はおらず、凍結深度400mmで設計をお願いしています。それを踏まえて頂けませんか?」

とのことでしたが、当スタッフMが何度か粘り強く説明して折衷案として、基礎下には地面から400mmを土としない(砕石)と言うことで許可がおりました(↓図)。

砕石で完全な凍結障害防止になる材料とは思いませんが、道路の路盤も砕石でOKらしいので安全性の上乗せということでそこに落ち着きました。
オーブルデザインが他県で申請するとなぜか波風がたちます。こういった事は実は群馬県でもありましたので今度ご紹介します。そこでは長期優良住宅の認定が3ヶ月かかる事になりました(汗)。

最終的に落ち着いた「緑の家」基礎。どう考えてもこの気温で立ち上がり下で凍結する事は考えにくい。

この福島県の凍結震度について読者さんの中で情報・知識があればコメントをお願いしたいところです。

参考に2年前の気温。氷点下に下がるが日中は2度を超えるのでほぼ真冬日にはならない。楕円部分が放射冷却による気温低下しているが1月中は雪が地面に残っているのでその影響は地中へはおよばない。

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