「緑の家」は「無難を目指す」との指標を2016年初頭に掲げてからすでに9年経過。今もその指標は変わらない。
続きを読む2020年査読論文から 通気層と軒の出の重要性
今年も査読論文を紹介する。このような専門分野の査読論文は一般の人には全く面白く無いであろうが、建築の論文は一般読者でも不思議と面白く読めると思う。それは日常生活に直結しているから。そして2020年初っぱなからドキドキの論文である。 続きを読む
デザインと構造は一体 ① 軒の出を支える垂木(たるき)は・・・
前のブログで、いくら優れたデザインでも現法律に沿っていない建物は評価出来ないとと申し上げました。特に構造の安全性を無視した建物は評価にならないばかりか、人命をも危険にさらす凶器になります。
その大事な デザイン=機能(構造) について何回かにわたり連載したいと思います。
その1 軒の出(屋根の出)を支える木=たるき
暑い夏・・・もう秋ですがこの暑い夏に家の防暑対策が重要という事を実感したと思います。設計では有名なその建物防暑対策の一つが南の「軒の出」→「屋根の出」のこと を大きくとる手法があります。
しかし以外とこれが難しく、法律を守っていない家も多々あるでしょう。
この家の軒の出は約1.2m。たるきは巾4cm背24cmという大変大きいものを30cm間隔で並べるという構造。見た目もすごい。
軒の出の無い建物
軒の出とは、外壁から屋根(時には庇や笠木)が出っ張っている寸法のことである。昔から日本の建築物は、軒の出をできるだけ大きくするように心がけた。これは、大きく2つ理由がある。1つ目は、軒の出=屋根が大きいとなるが、屋根が大きいと立派に見える。実際軒の出の大きい建物は、コストもかかるし、技術的にも難しくなりやすい。社寺仏閣は、屋根によって美しさが決定されると言ってもよいほど最も大事な建築の部分であり、時には権力等の象徴としてデザインされる事もある。2つ目は、外壁と窓周りを日射や雨から保護する役目である。軒の出が大きい程、高い保護が可能ということである。アルミサッシの無い時代、漏水するところはまず窓周りとなる。これは、日本建築が柱と柱の間に間戸(窓)を計画してきたことに原因がある。木で出来た間戸は間違いなく最初に雨漏りする。しかしアルミサッシ普及に伴い、軒の出の無いビルでも雨漏りが聞かれる事は少なくなったため、この問題はアルミサッシ普及とともに無くなった。残るは外壁の耐久性の保護となる。
壁に比べ屋根に使われる素材は、建築物の中で基礎と同じくらい耐久性がある素材が使われる。例えば瓦、セメント瓦、銅、錆びにくい金属類、石である。これらの材料は全て基礎(地中下)にも使う事のできる素材である。しかし流行のサイディングはどうやっても屋根に使う事は出来ない。つまり耐久性がそこまで確保できないからである。
最近軒の出のない建物が多くなった。デザイン的にモダン(ビルのような箱物ようなシンプルな形)に見えるからという理由らしい。当事務所でも軒の出のない建物は比較的多い。これは、デザイン的理由ではない。一番は、採光上有利であるから。2番はコストがかからないからである。近年市街地の住宅だけでなく、郊外住宅も敷地が多く取れない状況であり、敷地ぎりぎりに住宅を建築する事が多い。そのため外壁を隣地から少し離しても、屋根が大きいと、ほとんど隣地境界線すれすれとなる。こうなると自分の家ばかりかとなりの家まで暗くなり影響が大きい。そこで当事務所は、軒の出の無い建物をご提案する事が多い。但し外壁の素材は、ガルバニュームという屋根に使う素材。理由は上で述べたとおり、軒の出の無い建物の外壁は、ほとんど屋根と同じ過酷な状況。そこで屋根と同じ素材を使う事で、耐久性に影響を極力与えないようにする。チラシや町でよく目にする軒の出の無い建物で、外壁にサイディングを使っている建物がある。この建物の外壁の耐久性は大丈夫なのであろうか?(軒の出の無いビルの外壁は、昔から耐久性に気を使っていた。古くは本物の焼きタイルやコンクリート。今は金属やガラスがおおい。いずれも屋根に使える素材で耐久性は高い。)
写真は左が軒の出が両方ある建物が並んだ場合。右は軒の出が無い建物が片方である場合。
木の外壁の法律厳守とすのこ状の外壁は?
まずは上の図をクリックして日本とドイツの紫外線の量の違いを理解。
続きを読む完成見学会 本所リバーサイドの家
当分の間トップページに固定します。
日時: 令和6年9月28日(土)29日(日)
場所: 新潟市東区本所 場所はご予約時にお伝えします。
駐車場:見学会会場敷地内駐車場
予約方法:メール→mimoza@arbre-d.sakura.ne.jp(日本語部分を消して送付)又はお電話で
※メールの場合は一両日中(休業日の場合は翌営業日)にご案内のご連絡をさせていただきます。
(日曜日・月曜日休業)
※緊急および当日のご連絡はお電話でお願いいたします。
2024年建築学会 学術講演梗概集から 5 軒裏換気口ありの無難性
こちらは実務的な内容ですぐにでも参考になる報告である。建て主さん(エンドユーザーさん)には軒裏換気口や通気層、屋根通気層の話は難しいかもしれないが、耐久性にかかわるこの部位は関係者ならとても興味がわく話題である。
続きを読む外構工事と上棟
デシカのある美幸町の家はこの2月に完成しているが、当時冬でまだ雪もちらついていたため、外構工事は春に持ち越されて、建物の引き渡しのみ行われた。そして今日外構工事も一通りおわり最後の形をつくる植樹のため現地確認に伺った。
続きを読む長岡千代栄町の家 スタディー模型完成
長岡市に計画中の長岡千代栄町の家の模型ができた。市街化調整区域になっている土地なのでこれから各申請を行う必要があるが完成形がみえ目標も定まる。性能は旧長岡市内であるためいつもように耐雪2.5mで耐震等級3を計画している。地震地域係数も0.9ではなく1.0として余裕を持たせている。豪雪地では超高断熱性能の充実よりも耐雪性能のほうが重要となることが多い。それでもUa値は0.26w/m2kを目標としたいが、サッシの性能いかんだろう。
続きを読む名古屋市千種区で地鎮祭
本日地鎮祭に参列するため名古屋市に伺った。
続きを読む松浜ヒルサイド 完成1
松浜ヒルサイドでは、外観の白色の調和がとても素敵である。アクセントのブルーグレーを活かすような配色となる。
続きを読む擁壁配筋検査 松浜ヒルサイドの家
本日は松浜ヒルサイドの家の擁壁の配筋検査で現地に赴いた。淡い色の組み合わせがやさしい感じの松浜ヒルサイドの家である。
続きを読む防水検査と杉の超仕上げの造作材
本日松浜ヒルサイドの家に防水検査に伺ってきた。
続きを読む県境さんぽくの杉の木の家
現在旧新津市(現新潟市秋葉区)に建築中の美幸町の家は、旧山北町で製材された杉の集成材を柱や梁に使っている。杉ラーの私にとって現場に伺うと構造材の杉の匂いに満たされる幸せを感じる。
続きを読む耐力壁検査 鹿嶋市の家
茨城県鹿嶋市に建築中の鹿嶋市の家の耐力壁検査に先日伺ってきた。いつも通り往復800kmであり「風」が車検だったのでカングーで伺ったので多少腰のすわりがいまいちだった。
続きを読む高気密高断熱住宅(拙宅)の31年目の樹脂サッシの取り替え その5 雨仕舞いの失敗
写真は拙宅のコーナーサッシの隅柱である。雨漏りで腐朽したうえに白アリ被害もあるちょっと悲しい感じの出隅柱。
素材を見直す 2
ここ10年ずーっと杉LOVEと言っている私であるが、原村の家のオーナーさんとそこで意気投合することと思っていないなか、この建具の杉をみて「これ、これ」と互いにうなずき合った。木の意匠は唯一無二であるから愛おしい。
続きを読むUw値0.65w/m2kのFIX窓での無難
原村の家ではこの標高では最大となる超高断熱ガラス(Ug値0.65w/m2K)を使用しており、その窓は「緑の家」では普段使わないFIX窓が3つ。
続きを読む土間キッチンの家 耐雪住宅の柱の直下率
朝7時過ぎ、現在上棟中の三国街道の家に到着。現地で迎えてくれるのは三条市の憩いの大崎山。この風景が三国街道の家の真ん前にある。
続きを読む長野県と石川県に ② UA値0.17w/m2kの戸板の家
2020年に図面を書き上げた金沢市の建築する「戸板の家」の地鎮祭が先週の土曜日執り行われた。
続きを読む耐力壁検査 原村の家
標高1300mの長野県諏訪郡原村に建設中の原村の家(UA値0.16w/m2k)の耐力壁検査に伺ってきた。
続きを読む原村の家 上棟
先月長野県諏訪郡原村に建設中の原村の家が上棟した。森の中に建つ住まいとして、2階建て(実質1階高床)ながら高さを抑え水平方向に伸びやかな意匠が周囲環境と調和していると感じる。
続きを読む暑い時期にもう一度・・・庇の大きさ
庇や軒の出で最も重要なことを昨年の冬にお伝えしているが、当時は冬なので実感はないはず。そこでもう一度コピペにてお伝えする。簡単にいうと普通の南窓には庇が40cmも出ていれば十分日射遮蔽の効果があり、それ以上大きく出ていても大きな効果はほとんどないとのこと。但し・・・
続きを読む高耐力の水平合板貼りと垂木の接合
現在刈羽村に建設中の井岡の家に、長岡市で建築中の今朝白町の家での検査を行なってからそのままの足で現地に伺った。事務所からの方位はほぼ同じだが、移動距離は倍ほどである。
続きを読む15年経た「緑の家」の定期点検で・・・
昨年末トップライトがある「緑の家」のオーナーさん全てにトップライトのメンテナンスを促すDMを送らさせて頂いた。
続きを読む松美台の家 足場撤去と大谷石
気温12度とようやく春らしい温度まで上がった。今年の2月は気温が低かったような感覚があり時間があれば調べてみたい。そんな中、5か月かかっていた足場がようやく外れた。
続きを読む瓦葺きの法(告示)改正が待ったなし
来年から瓦屋根の施工方法が変わることは周知のとおり。これについては後の方で説明するが、最初は瓦葺き屋さんの意識の問題について。
続きを読む南の0.4mを超える大きな庇はほぼ効果無し
「南の庇の出はほぼ効果無し」のタイトル・・・衝撃的である。
本日公開のJJJチャンネルで「夏の日射遮蔽」の動画で専門の先生が言っていた事であるが・・・。
SGLの外壁 燕市吉田の家 完成前
「緑の家」ではSGL(高耐久性ガルバニューム)を標準で使用するが、今回のSGLは黒でしかもビス留めによる施工である。私は釘よりこちらの方がメカニックっぽくて好きであるが、ビスが目立つので好き嫌いはあるだろう。ちなみに吉田の家は設計積雪1.2mで耐震等級3、UA値は0.25w/m2kの何時もの超高性能である。
続きを読む清五郎の家 完成5 家はやっぱり敷地から
耐震等級3・耐雪1mでUa値0.22w/m2k、完成気密性能は0.1cm2/m2と超高断熱高気密の清五郎の家は当初木の外壁の予定であったが、最終的にSGLになっている。このため、実施設計途中で屋根の出(軒の出)を400mmほど縮めて構造計算もやり直している。
続きを読む新潟市 清五郎の家 完成前チェック
来週末の25日、26日に完成見学会の行われる清五郎の家の完成前チェックを行った。
続きを読むotmo vie cent リノベ その2 煙突
煙突を取付けた。天井を壊し吹き抜けになるまえに、小屋裏の足場を使って煙突だけは施工するつもりだった。
続きを読む千葉県船橋市の坪井町の家 下地最終チェック
今月中に終わらせると施工の田中住プランニングさんが宣言しているが、現場に伺うとまだ壁や天井のパテ処理中である。本当に間に合うのか・・・といつも思うのだが、これが完成するから不思議である。
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