基礎断熱床下空間への外気導入の危険性とスラブ上断熱材への変化

今朝の三条の外気。露点温度は23度でこれは先週からほとんど変わっていないし、これが概ね9月まで続く。

今週の日曜にお引き渡した小新西の家で、「床下空間への外気導入の危険性」について検証したのでお伝えする。

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続・大変な疑問・・・一年ごとに変わる基礎断熱の熱損失

ちょうど一年前にある疑問で下のブログを載せた。今読み返しても「良文だな」と手前味噌である。

悟り・・・基礎断熱の熱損失から 
基礎断熱の熱損失評価が約7倍悪くなった・・・が特に何か支障があるかというと・・・実務に影響はほとんどない。評価が変わっ...

しかし一度納まった疑問が再びこみ上げてきた。この基礎断熱の熱損失については既に疑問を通り越してあきれている。それは・・・

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無難な家造りはこのマニュアルから 基礎断熱編

最新版は昨年出版された2021年度版。実質国が推進する良い家造りマニュアル。

20年ほど前は住宅を建築する半数以上の人がお世話になった住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)であるが、近年はフラット35S等の特別な金利設定を望む方だけとなっている。しかし実質国が監修しているといって良いマニュアルはこれしかない。

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基礎断熱時の熱の逃げ
通常陥る熱画像の罠。

「緑の家」の全景熱画像。窓フレームからの熱の逃げが顕著で基礎からは少ないように見える。

真冬の「緑の家」Bグレードのサーモグラフィーは一般的な超高断熱住宅の画像である。熱の逃げやすいところは窓付近に集中し、特にサッシフレームで熱の逃げは大きくなる。

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悟り・・・基礎断熱の熱損失から 

基礎断熱の熱損失評価が約7倍悪くなった・・・が特に何か支障があるかというと・・・実務に影響はほとんどない。評価が変わっただけある。一方既に住んでいらっしゃる建て主さんにおいては全く変わりないという事になるだろう。

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大変な疑問・・・基礎断熱の熱損失 その2

4月01日に一部修正

結局以前の熱貫流率で基礎断熱を計算できるらしい。このドタバタ騒ぎは一体何だろう。

「憤慨」・・・

この意味は、研究者さんと大手メーカーの方ばかり向く官僚(国交省)さんに対してである。

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速報・・・ 
やっぱり!基礎断熱のスラブ下断熱材位置の変化

2022年 緑字加筆(実測データを載せた)

赤色が基礎断熱材。本州における一般的な基礎断熱では様々な位置に断熱材設置方法がある。

床下エアコン暖房には欠かせない基礎断熱工法。最近のベタ基礎断熱設計に変化が表われてきたようだ。

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基礎断熱の欠点

22年以上前から読んでいるこの季刊誌。このブログでも何回か紹介しているダウ化工さんの「熱と環境」である。その2019年冬号は「床断熱と基礎断熱」の特集である。ところでダウ化工さんは令和と同時に「デュポン・スタイロ株式会社」になったとのこと。益々建築業界に強い影響を与えそうな建材会社さんになる。

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日経ホームビルダー5月号から 
基礎断熱でしろありの被害 そのソースから読み解く

しろありの季節が近づいている。そんな中、いつもの日経ホームビルダー最新号の5月号で巻頭記事が「基礎断熱の蟻害が構造体に」とある。・・・興味を引く良いタイトルだ。
今夜はゴールデンウィークの始まり・・・よってちょっと長文にて紹介したい。時間の無い人はスルーで・・・。

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超高断熱で床下暖房の重要ポイント。
新たな基礎断熱を併用。その1

ちょうど1年前に新たな基礎断熱方法を取り入れると宣言しました。その時は新潟県より寒い地域からと・・・。しかし来年から新潟県の住宅にもAグレードなら上の基礎、Bグレードならシングル配筋のべた基礎で上のような断熱も両方ご希望により従来の基礎断熱とともに併用※します。
※おのおの一長一短があるので。

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論文の大切さ 査読論文 
基礎断熱、床下暖房とカビ

今月の査読論文は読み応えあり・・・。

最初はこのタイトルで

「繊維系断熱材中の真菌移動性状に関する基礎的研究」

です。ファーストオサー(first author)は山田裕巳博士(長崎総合科学大)です。

今月号の掲載記事は全てこのような英語表記の挿絵やグラフ

ところで今回この査読論文集で気づいたのは、本文以外の図や表の説明文字が全て英語になっております。今までは日本語表記も時々あったのですが、どうも統一されたようです。多分・・・本文は文字認識で自動翻訳する事ができるのですが、図に埋め込まれた文字は無理でしょう。ですので図から国際標準化なのでしょうか。

 

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基礎断熱の危険性・・・ 学会論文から 

地域性(田園部、都市部も含む)がある事を強くお伝えします。←2017年1月加筆

今日が学会の大会最終発表日。それにふさわしい論文を読者に紹介。

今日で最終日になった九州で行われている建築学会の大会ですが、その最後ふさわしい論文をご紹介します。紹介する論文は今大会の選抜論文です。

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温暖地での基礎断熱工法に憂う

床下エアコンは諸刃の剣!

床下暖房は数年前から全国的に普及が始まりましたが、カビの事がわかるとその将来が不安になります。

こちらは「緑の家」床下に収納されていた什器。天板の皮革にうっすらとカビが見える。

先日伺った「緑の家」のアフターメンテンスで再び見た物は・・・

収納された天然素材に生えるカビです。

竣工後から24時間床下内を床下用エアコンで除湿していたのですが、思うように湿度が下がらない部分でカビが生えました。

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予想通り・・・基礎断熱はカビとの綱引き その2 本音

「日経ホームビルダー9月号」で「初めての基礎断熱 ここが危ない」特集の中でカビ対策を行っている会社が10社中10社ということは、この紹介された会社では少なからず床下内にカビやシロアリなどの危険性があることで認識は一致しています。そして・・・

これは本音なのです。

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予想通り・・・基礎断熱はカビとの綱引き

2015.08.25 緑字更新

最近オーブルデザインはカビの記事が多いことにお気づきだと思います。それは事務所を開いてから17年間の基礎断熱の高気密高断熱の実績があり、その高気密高断熱の自宅は既に25年を経過して新潟でのカビの実態がよくわかるからです。

そんなカビと基礎断熱に対する記事が業界紙である「日経ホームビルダー9月号」で特集が組まれておりました。


この表紙の絵は凄い・・・一般ユーザーも是非買って読んでほしい。
購入先はhttp://store.nikkeibp.co.jp/item/magazine/HB.html 一冊でも買える。

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提言10 通風はカビの危険増(新潟の基礎断熱の欠点)

2016年08月 緑字相対湿度を修正しました。

今まで9個の提言をしてきました。これで10個目・・・

提言10 通風はカビの危険増(新潟の基礎断熱の欠点)

この提言は勇気が必要です。ご批判もあるでしょうがあえて提言します。

新潟県において基礎断熱をした場合ある欠点があります。その代表例をHPに記載してありますが、その他付け加える重要な事を忘れておりました。よく言われる常識を逸脱するような事なので提言10とします。

普通は梅雨から夏季は家の中でカビが生えないように通風をしなさい・・・といわれておりますが、新潟県の「緑の家」では

「夏季の通風は基礎断熱内のカビの危険増」

です。

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基礎断熱と床下断熱 査読論文から その1

base5

基礎の断熱材は何を使用しているか?と質問が有りましたので追記です。
素材はフェノバボードλ=0.019w/mkと断熱材の中で最も高性能な素材を120mmですからそのU値は0.16w/m2Kで、これはλ=0.028w/mkのスタイロフォーム断熱材換算で175mm相当の厚さになります。異常でしょうか・・・。

ご存じ「緑の家」のSSプランの家基礎断熱部分。白アリ対策がしっかりされている基礎。

「緑の家」の基礎は基礎断熱の床下暖房を行っているので、新潟県では過剰と言えるほどの断熱材が基礎外周に設置されており、そのU値は0.016w/m2Kと相当高性能になっております。県内でも床下暖房を行う会社は多いですが、ここまで断熱材を厚くする理由はなぜでしょうか?

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新潟の家 基礎断熱の欠点 朱鷺の死亡で思う事・・・。 

昨日朱鷺がネットで完全保護された飼育場内でテン等の小動物に襲われ死亡したニュースを聞きました。この飼育場はネットで完全保護されており、土などを掘ってもネットは地面下50cmは埋めてあるのでどこから入ったかは、現時点ではわからないそうです。

国が完全管理する保護場でも、「対」野生生物では予想しない事や、人間の不完全さから防護上の落とし穴ができるという事がわかります。ここから学べる事は・・・

基礎外断熱をするときは対白アリのためステンレスメッシュ(ターミメッシュ)を周囲にぐるっと施し白アリ対策する方法があります。このステンレスメッシュとは、白アリが通れないような細かい網の目のメッシュで土に埋め込まれる断熱への侵入を防ぐと言う理屈です。
しかし朱鷺と同じ事が起こる事が想像されます。朱鷺の保護場のように2.5cmのメッシュに対しし、白アリのメッシュは0.5mm程度でしょう。0.5mmの精度の施工が、建築現場でできると思う事自体無理があります。2.5cmの穴でさえどこかに見落としがあるのに、0.5mmの見落としがないという事は考えにくいです。私は基礎断熱推進派ですが、そのメッシュにコストをかけるより、基礎内断熱や、高基礎などを選んでます。この施工のほうが仮に白アリ被害があったときメンテナンスが格段に楽です。勿論基礎コンクリート一発打ち込みや玄関部分の配慮も必要です。生物から完全に防ぐ方法を考えるより、侵入されにくい予防と万一侵入された時に直ぐ対処できる仕組みが現実的で理にかなってます。

PS
地元の方の努力には敬意を払います。が、人の手によって保護されなければ生きていけない朱鷺ならば、現在の日本の自然環境がそうなのですから絶滅はこれこそ自然の事です(実際絶滅しました)。環境の変化に対応できない種は、いつの時代でも滅亡してます。「昔、朱鷺というそれはそれは綺麗な鳥がいたの。でも人間が人の住みやすい環境に変えたので朱鷺は対応できずに絶滅したの。だから人はいつでも未来へ繋ぐ責任がある事自覚し生きていかなければならないのだよ」と強く学ぶ事も重要と私は感じます。取り返しがつかないこともあるのです。なぜか「獣の躁者」の物語が頭をよぎります。


新潟のQ1 超断熱の家 その基礎断熱

上の写真は、現在施工中の超断熱の家の基礎の部分です。
左が断熱施工後、右が断熱施工前。基礎にまで断熱材が被っているのがわかります。
これは熱橋による結露防止とシロアリ防止(予防と駆除)のバランスを考えた計画。
よく見ると、断熱材が下から30cmくらいのところで材質が変わってますね。これは基礎と土台の部分で精度が違うので、柔軟性のあるGWを使い誤差の吸収をしているためです。

熱橋とは・・・コンクリートは断熱材(壁に使用)の80倍も熱を伝える素材。そこにアンカーボルトと呼ばれる基礎と土台を固定する鉄の棒が入っています。鉄は断熱材より4000倍も熱を伝える素材です。そのため外部に露出する基礎から熱を奪われ、それがアンカーボルトを通して暖かい室内につながってしまう現象を熱橋といいます。セキスイ、ダイワホームさん等の鉄骨構造はこの部分の対処に苦労します。

超断熱のような超高性能になると、このアンカーボルト周りを断熱材で覆ってしまわないと「あ」のところで結露する可能性が高くなります。そのためには、断熱材を基礎の外部施工する基礎外断熱が有効です。しかしこれには大きな欠陥があります。それは基礎外断熱は、シロアリの蟻道形成されやすい構造となるからです。仮に断熱材にシロアリ予防材(ホウ酸類)が混ぜてあっても、断熱材と基礎の隙間に蟻道を造ってしまえば土台の木までたどり着くのはたやすいことです。シロアリの少ない北海道ではこの基礎外断熱で大丈夫ですし、そのほうが結露防止として有効です。
新潟県では基礎外断熱はよほど理由がない限りしません。
多少の結露よりシロアリが怖いからです。仮に結露でその周囲木が多少腐朽しても構造に致命的ダメージは与えません。しかしシロアリは構造に致命的ダメージを与え、そして柱や土台にシロアリがいると思うと気持ちよくないものです。そこで上のような構造になります。しかしこの基礎外断熱を行っている会社もあります。将来が不安ですね。

SSプランの床下は真冬でも22度以上で積極的に使用しますので、このような熱橋対策は必ず必要です。超断熱ではこのような洞察力と技術力が設計者に必要です。安易な超断熱発想、見よう見まねでは欠陥が生じることになります。


新潟の住まい 省エネ法改正で玄関周囲の基礎断熱省略可能!

来月(4月)から省エネ法の改正が行われる。平成11年に次世代新省エネ基準以来の大幅改正。地域区分が細分化されたことと、気密工事が防湿工事と分離され気密の規定(所謂C値)がなくなったこと、そして今回の問題である玄関やお風呂周りの断熱工事が省略できることである。この「省略できる」が曲者で、省略したい人は、省略しても省エネ性能に関係ないからOKだよ!ということ。省略しなさいとは言っていない。同じように、床面面積に対し2%までは断熱性のある窓にしなくてもよくなった。

昨日基礎の表面結露が出てしまった家があったとご報告した。その中には基礎と断熱材のわずかなずれ(1から6mm)で結露していたところがあり、熱橋と呼んでもよさそうなわずかな部位がある。今回改正された玄関もお風呂もやはりこれと同条件になる。確かに冬季のある条件になると結露するが継続的ではないことを勘案すると、建物に被害をもたらすことにはならないという判断。小さな窓も同じ考えで、例えばトイレにあるような小さな窓は、普通のガラスのサッシでもOK。この程度なら断熱性に影響はなしで、さらに結露しても良いとも言える。

・・・と思ったが実は違う。

この「省略できる」や、「しなくてもよい」というのは、あくまでも省エネ上の計算であって、結露しても良いとは言っていない。確かにその部位が結露してもその被害は微小と思われるが、実務上それが許されることは少ない。結露すれば建て主さんは「どうして?」と思うし、できるなら結露しないようにし改善してほしいと要求されると思うし、私もそう思う。ここは勘違いをしないように気をつけなければならない。今までどおり玄関もお風呂も小さな窓もその家に見合うバランスの取れた断熱をしなければならない・・・と思う。


新潟での高気密高断熱住宅(基礎断熱工法)とシロアリ

昨日NHKのクローズアップ現代で、「マイホームが危ない!(アメリカカンザイシロアリ)」と言うテーマの内容で放映されました。(←1月19日放送) 写真は拙宅庭にいるヤマトシロアリ

カンザイシロアリとは、その名の通り乾いた木材を食べる分散型シロアリです。外来種で日本にはいなかった種です。この乾いた木材を食べることと、分散型というところが、今までに日本にない種で駆除を厄介にしているのです。乾いた木材を食べるシロアリなら日本にも獰猛な「イエシロアリ」がいます。このイエシロアリは大きな巣(コロニー)を持つ集中型です。大きな巣には数十万のシロアリがいるため、短時間(数年で)で大きな被害を与えます。しかし逆に集中型なのでその巣を除去できればきっちっと駆除が完了します。ところが、分散型のカンザイシロアリは至る所に小さな巣をを造るので、一箇所集中的に駆除できません。ほとんどの巣を駆除しても家の中で一箇所でも巣が残ってしまうと、再びあちこちに巣が造られるらしいです。そしてこのシロアリは新しく巣を造る時季が、今までの日本のシロアリのように年1回だけではなく、条件さえ揃えば年に何回もあることが、駆除をさらに難しくしてます。

そこでNHKのこの番組では、「ほとんど今は打つ手なし」のような印象を与えております。このシロアリの原産国のアメリカでは、燻蒸処理と言って一軒丸ごとテントで梱包して殺虫処理するそうですが、住宅密集地のある日本では良い方法といえないそうです。つまり、仮に隣に既にカンザイイエシロアリがいたなら、そのお宅も一緒に燻蒸処理しないと、数年で再び食害にあうそうです。その隣にもいたら、又さらに隣にいたら・・・となり地域一体で処理しないと効果はないそうです。さらに燻蒸処理には100万/件以上のお金がかかり、費用面でも簡単にできないそうです。

NHKのゲスト解説者は、「建築基準法の改定も必要。現在の地面に近いところだけではなく、屋根まで含めた防蟻処理予防が必要、更に加害された木は大きな穴が開くため、今までと違う被害が出る」と言ってました。これを鵜呑みにすると木造住宅の根底を覆しかねないお話です。全てが防蟻処理された木材の中で暮らすことが想像できません。いくら人体に害が少ないとは言え、防蟻剤はシロアリを殺す力を持っているので、人体に無害、環境に無関係とはいえません。それに木製家具にも巣を造るらしいとのこと。テーブルや椅子にまで防蟻処理をするのでしょうか・・・?

アメリカカンザイシロアリの駆除については研究段階と言うことです。この問題は国が統一的基準を造り、いち団体や、ハウスメーカーで対応させる問題ではないと感じます。しかし気になったのは、NHKは怖がらしておいて有効な解決策はなしという終わり方。以前も同様な指摘がNHKのクローズアップ現代にされてましたが、NHKは唯一の国営テレビです。もう少し掘り下げてしっかりと国土交通省への聞き取りも行い、あんに国民を不安がらせる様なことは慎むべきと感じます。

ある有名なシロアリ駆除業者のサイトでは、「カンザイシロアリは食害スピードが遅く、食害も大きくなく建物に致命的な被害を与えることが少ない。まず専門家に相談」と書かれてます。NHKの「大きなが空き、今までと違う被害が出る。」という印象と違うような感じですが、どちらが正しいのでしょうか?専門家の間でもオーソライズされていない害虫を、住宅の総責任者の設計者はどのように判断すればよいか苦慮してます。しかし一般的に家内部進入は、基礎通風開口部(基礎スリット)から入りやすいとの事。と言うことは緑の家の「基礎断熱工法による無開口基礎は、近隣からの飛翔であれば家内部に入りにくい構造ともいえる。かな?

今のところ新潟県ではまだ被害例がありません。よって私の歯切れが悪く「・・・だそうです。」の表現が多くなりました。


基礎断熱工法と結露 その①

結露とは、湿った空気が冷たいところに触れて空気中の湿気が水の粒となったもの。これは表面結露と言われるが、通常このことをさす。空気自体冷やされる霧も結露現象といえる。

さて、基礎断熱工法内の床下は結露するかと言われれば、基礎断熱工法内に限らず空気が存在する地球上あらゆる場所で結露はする。このような問いはしっかりと条件を整頓する必要がある。先ず基礎断熱工法内の床下と比較する工法は何で、どのような条件を設定するかが最も重要。またその前に基礎断熱工法とは何かという事に触れなければいけない。

基礎断熱工法とは、「暖房する」居住空間において、熱的区画を1階の床下までと考え床下まで暖房する空間とした工法。「暖房しない」居住空間には不要。つまり亜熱帯地域の住宅に基礎断熱という工法はない(冷房をする空間にも良いかもしれないが、稀であろう)。

次に暖房とは、「熱的境界ができるような区画をある物質で作り、その区画内部を暖める事。」になるであろう。だから熱的区画内は全て暖房空間である。ところがこの熱的境界の捉え方が日本の住居には馴染みがないため、数々の問題が起こった。それが部分暖房や、短時間間欠暖房、開放型ストーブの使用である。熱的境界は主に空気が区画されている。だから計画的に換気していなければ、その区画内の空気は変らない。そんな区画内で換気もせず開放型ストーブを使用すれば、時には生命の危険さえある。また、暖かい空気はより多くの湿気を含むことができる(お湯には多くの砂糖が溶け、水には少しの砂糖しか溶けないと同じ)。だから、暖かい空気が冷たい場所に触れると、その接触部分の空気は冷たくなり、空気中から湿気を水滴にして出す。この温度が露点温度。例えば温度20度湿度50%の空気は、9.6度で露点温度になり、コップに水が7度で注がれるとガラス表面に水滴ができる。

家の熱的区画は通常家の外壁及び天井、床の内と外で分けられている。
さて話がまわりくどくなったが、ようは基礎断熱工法は、暖房する家のための工法で、その暖房する家とは、家中暖める事が前提の熱的区画となっている。暖房しない家には必要無いし、暖房方法を間違っている家には何らかの問題が生じることは当たり前という前提が先ず必要。

本題の基礎断熱工法と結露はその②で。


東区本所で地鎮祭 続編 地盤改良

地盤改良中の本所リバーサイドの家

こちらの本所リバーサイドの家はBグレードの仕様でUA値は0.26w/m2kで最高等級7を長期優良住宅を取得し当然G3基準内で高い断熱性能である。

地盤調査で孔内水位が0.5mとあり、その確からしさが持ち越しとなっていたが、本日地盤改良を行ないその際に空堀を行なって頂きその穴から本当に水でみたされた粘土層があるのかを確かめると・・・

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提言16
空き家の傷みを抑えるためには換気を止め除湿する事。その2

2023.09.12 宣言通り外気のデータを気象庁から敷地内データに修正しそのため文章とグラフも修正した。

1日の温度と湿度の変化で吸放湿する数種類の壁の実測データ。RH60~70%付近で吸放湿が入れ替わる。ソースは画像上に記載。

今回の「空き屋の傷みを抑えるためには換気を止め除湿する事」は提言16としたい。2007年から始まった提言だが既に16にもなり過去の提言には、その提言した年代をみれば既に常識になっている事もある。過去の提言は・・・

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2023年建築学会梗概からの論文 ① 浴室循環扇

本ブログにある図や表は全て建築学会の梗概集PDFからPScである。

今年もこの季節がきた。今年はリアルで行われる建築学会。少々フライング気味だがその中で面白いと思ったものをいつものようにご案内する。最初は・・・なんと風呂CF(論文中では浴室循環式と呼ぶ換気装置)の事。

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いつもこの季節におきる「疑問」事。

新潟市建築課の窓口においてあったパンフ。このように省エネ義務化は着々と進んでいるが、構造計算義務化など4号特例見直しはどうも弱腰な気配がすでに見受けられる。

先日新潟市に長期優良住宅の認定書を受け取りに行った時に、受付に上のパンフが置いてあった。2025年から省エネ義務化・・・さてこれはスムーズに発進できるのだろうか。

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