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外壁が無塗装の木の「緑の家」が着工② 冬外観

久しぶりに寺泊に雪が積もった。18年経った家の庭が薄っら雪化粧となった。

木の外壁はすぐに乾くので写真は乾いた時の色。濡れると木の幹に近い色になる。私は新品の木の外壁色よりこちらのほうが好きだ。

昨夜の寺泊は風速10m/sの暴風雪。気密性が1.0cm2/㎡以下の拙宅でもこの暴風では結構漏えい換気が増える。

上のグラフは昨日のリビングの床の温湿度の移り変わり(測定器は床上に直接置いた。ということは床温もほぼ22度ある。このくらいあると裸足でも問題ない)。結果は夕食時には水蒸気が多く出たことと、外気温がまだ高かった為、湿度は45%くらいだった。夜から外気温が氷点下となり、風も強く乾燥した空気と漏えい換気もちょっと増え、就寝して水蒸気発生も減ったため、湿度は40%を下回った。少し乾燥気味であるが当家族は特に問題はない。深夜湿度が少し上がるところがある。これはある事情で床を水ぶきしたため。敏感な測定機であることがわかる。

拙宅では寒がりが多いので、夜でも22度前後で寝ている。布団から多少出ていても問題ないくらいの温度だ。ちょっと贅沢であるが、家自体が小さいのでエネルギーはそう多く使わないので許していただきたい。グラフ中、系列1,2は湿度、3,4は露点温度、5,6は温度。各二つデータがあるのは、同じところに置いた測定器のデータを比較するため。ほぼ同じデータが得られて安心した(違っていたら測定値の絶対値が正しくない可能性がおおきいため)。

欅の細い枝に雪が積もったときの美しさは、桜の満開と同じように感動もの。しかも雪が音を吸音するので無音の静けさ。無塗装の木の外壁が温かみを与える景色となる。

左側が車庫、その上が菜園となっていて、外階段で上にあがることができる。この暴風でも今のところ菜園に植えられたブロッコリーは塩もみにならない。潮風よけの壁と屋根を昨年作ってよかった。(o^-^o)


無塗装の木の外壁

先日、木の外壁をこのブログでお勧めしたとき紹介した「ターシャの家」の本の写真をアップします。いいですね。この雰囲気。一般にこのような外観から受ける印象は、冬寒そうな感じを受けますが、そこは高気密高断熱構造、厳寒期でも家全部が温かいです。上の写真で外壁がシルバーグレー色になっていないところは、まだ10年くらいの部分でしょう。グレー色は35年です。
無論、日本では軒の出のない木の外壁は、避けたほうが良いですが、もう少し軒を出せばの日本でも耐久性は十分です。

最近は法律が変わり、よくログハウスが町中に建てられますが、このように木や緑があふれていないと何か重要な物が足りないと感じます。せめてシンボルツリーでもあればと思います。ちなみにターシャのこの家は多分2×4工法であってログハウスではありません。


素のままの「木」の外壁のススメ

木の外壁は、日本の住宅で古くから使われている。特に新潟県では雨板(あまいた)と呼ばれる杉の外壁。この雨板は、施工性に優れ、貼るだけで通気工法と同様の効果も得られる優れもの。欠点は、どうしても和風外観になること。そこで多くの住宅で敬遠されてきた。しかし同じ木でも横に貼るようにすると完全和風ではなく、洋風に近いイメージを与え、スッキリと納まる。まるでシンプルな角ログハウスのようである。写真は寺泊の拙宅であるが、この度皆様に強くこの木の外壁をお勧めしたい。今までお勧めできなかったわけが2つあったが、それらが解決したのである。お勧めできなかったのは、1.防火(コスト)の件・2.色の変化と材料変化である。防火の件は1年位前に防火の規定がはっきりと示され、一般の市街地でもOKとなる施工が紹介された。今までは準不燃加工した木や一部しか使える方法はなく、コストアップになったけれども、安価な杉板でOKとなった(詳しくは問い合わせてください)。2の色の変化や材の変化についていては、問題ないというより「良い」感じになることがわかったためである。色の変化は好みもあるけれど、写真上の2年後には綺麗なシルバーグレーになりかけている。シルバーグレーになれば、庭の木々の緑とベストマッチング。そもそもシルバーグレーという色は、木の幹の色。写真上のケヤキの幹と外壁の色が同じでしょ。と言うことは葉っぱの緑色が一番自然に見えるそんな色がシルバーグレーなのである。だから周りの緑に溶け込む。シルバーグレーは無塗装の外壁だからこの色に早くなる。家の中も外部も木の無塗装万歳!!これで「緑の家」が外観からでもはっきり「緑の家」とわかるようになった。

ただし木の特性上雨の日と晴れの日では外壁色が大きく違うことに理解が必要(私はこの色の変化が木を含む自然材の特性と理解し賛成である。水にぬれて色が変わらない素材はほとんど人工素材だから。硬い石でも濡れると色は大きく変わるよね。だからやさしい)。またこれも木の特性であるが、雨の日は外壁が隙間なくピシッと平らになるが、雨から晴れに変わったとき、外壁に少し隙間が開く。勿論それを考えて「サネ」という構造になっている。この変化は緑の家にお住まいの建て主さんは、無塗装の床で実感しているはず。暴風が吹き荒れる寺泊でも大丈夫なのでご心配なく。近々に詳しく当HPのコラムに載せる予定。


光る床!

今日築8年を経た「緑の家」I邸に撮影のため訪問させて頂いた。

家の撮影なら新築の家が被写体になるのが普通。ところが「緑の家」では、築年数を経た家のほうが美しい部分が多い。その代表がヒノキの無塗装の床である。写真は光が床に反射して輝いているのがわかると思う。実はこの艶は、8年の歳月で自然と出てきたもの。通常1年目から出始め、5、6年で深みがあるくらい光る。お手入れは特別必要ない。裸足でよく歩いてもらうだけ。足が多く触れたところほど光る。この状態になれば汚れもつかない。(多少吸湿感も落ちるが、たたみもそうであるように素足になじむ)

新築時は、赤ん坊のようなピンクの床が、こんな感じで「飴色」になる。そしてさらに数十年たつとお寺さんの床のように茶色くなってくる。そんな床が「緑の家」の無塗装の床だ!!

ちなみにI邸は2年までご夫妻だけの住家であったが、この2年間はお孫さんと同居している。多少へこみも増えたが、トップクラスの美しい床をもつ「緑の家」。お忙しい中、撮影ご協力して頂きありがとうございます。

この写真は、新築時の「緑の家」のヒノキの床。このピンクも良いし、あめ色もよい。しかしシグマのSD14で撮った写真は、色や質感を忠実に再現する。


ターシャの家と無塗装の木の家

ナチュナルガーデンで世界的に有名なターシャ・テューダさん(91歳)の家は、バーモンド州にある。NHKで一昨年と昨年にターシャ・デューダさんの庭を45分間特集した。ご覧になられた方もいらっしゃると思う。ターシャ・テューダさんは元々絵本作家であるが、その自宅の庭の美しさに感動する。またその素朴な家の雰囲気がたまらない魅力。これについては3月06日のブログにご紹介してあるので是非どうぞ。それを見ていただければなぜ木の外壁なら無塗装を薦めるかがわかる。「ターシャ・テューダ」で検索するともっと色々な写真があるので見たことのない方はどうぞ。


持続可能な社会

左は新月で潮が完全に引いている朝の寺泊。潮の変化が少ない日本海で冬の新月の海の引きはなかなか。(普段は中央の岩場は海のそこ)

住宅は自然素材ブームであり、最近の多くの家に明らかに「木」を使いましたという感じの外観を見ることができる。一昨日前にブログでもコメントしたとおり、外壁に木を使うことは500年も前以上から普通に行われている。但し大昔からつい最近までは、構造材と呼ばれる部材は原則直接雨の当たらない工夫をしてきていた。ところが構造材となる2階のバルコニーを平気で雨ざらし仕様にして平気な業者がいる。特にナチュナルな家造りとかいかにも室内環境に配慮した自然素材で、山にも恩返しとか持続可能な社会とかきれいなことばを羅列している業者に多い。しかしその業者の造られた家の写真には、雨ざらしとなる木でできたバルコニーなどの家があり、15年で朽ちるような「木」の使いかたをしている。この件では2002年に屋外のバルコニーでコラムにある。

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/54.html

自然派住宅雑誌でも平気で「雨ざらしの2階バルコニー」を持つ家を、一言もデメリットコメントなしで掲載していることに不思議さを感じる。「木」は最低でも20年くらい育たないと製材品として家に使うことができない。つまり持続可能な社会を目指そうとするなら、優良代表素材である木は、20年以上持たせる使い方が最低条件である。だから家に木を使うときは、外壁材でもバルコニー構造材でも雨ざらしにならない工夫が必要。最近の当方は取替えが比較的簡単で少量のバルコニーであれば、アイアンウッドを使う。このアイアンウッドの耐久性は屋外使用でメーカー曰く50年である。大事に使えば25年はもつだろうと思う。(輸入実績は15年くらいで、今後実態がわかるとおもう)とにかく使用場所は、素人がメンテナンスできる場所に限定している。


中越沖地震の結果報告と木の外壁

2008年3月11日写真の入れ替えをしました。

まず中越沖地震の結果報告から

国土交通省所管の研究施設の槌本研究官の報告書によると、「築50年から60年くらいの木造家屋の倒壊が多く、築30年くらいの建築物で倒壊したものは、納屋、車庫、倉庫などの住宅以外だったことがまとめられた。新しい建築物で被害を受けたものは、ほとんど地盤によるもので、地割れ、地すべり、液状化によるもので、地震振動で被害を受けたものは稀であった。つまり震度6強では、建築基準法が定める壁量充足率70%であれば倒壊の被害が無い事がほぼ確認できた。」としている。

この結果は、当初から予測していたとおりであり、建築基準法を楽にクリアーする家であれば、震度7くらいまでは倒壊がないともいえる。但し地盤に問題がある場合は、震度6でも倒壊または全壊する可能性がある。(傾きが大で使用不可になる事での全壊という意味)。また、建築基準法の壁充足率のチェックを行って安全確認が出来ている場合が前提である。(大部分の木造2階建ての建物はしていないのではと思うが)

次は「住宅と木材」という財団法人日本住宅・木材技術センター発刊の月刊誌の記事である。

その同じ号の記事である建築設計事務所代表の書かれた記事で、「先日、築1年の木造住宅を見に行った時、素敵な建物と思ったが1点だけ?と思った。それは、外壁に使われている杉の板が塗装されておらず、黒ずんでいた・・・略。ノルウエーでは木の外壁に塗装は当たり前で・・・略」といった文章を目にした。私がお手伝いする建物も外壁に杉を使う場合、塗装はしない。私の知る限り近隣の寺や神社も木の外壁で塗装していることを見たことがない。外壁の木が黒ずむ事は、カビが生えると共に木自体の色が紫外線で退色したためである。しかし黒ずんだからといって、機能上(風雨をカットする事)の問題があるわけではない。腐朽菌に犯されると木はあっという間にその機能を果たせなくなるが、黒ずむカビは、通常腐朽菌ではない。日本にはノルウェーと違った日本の木の使い方がある。日本は亜熱帯、モンスーンのような梅雨時と、氷点下以下が幾日かある準寒冷地をあわせもった地域が多くを占める。だから何もしなくて(雨が直接あたらなくて)もカビが生えてしまう梅雨の季節が日本にはある。そこで先人達は、屋根を大きく造る事で木の外壁を腐朽菌だけから守リ、木が黒ずむ(一般カビ菌)事は良しとした。一方ノルウェーはどうかというと、下の図のチューリッヒくらいの気候に相当するが、何もしなくてもカビの生える季節は少なくい。よく言われるが日本はある意味カビの文化。味噌、しょうゆ、かつぶしなどカビとうまく付き合ってきた。害のないカビなら特に気にして排除する必要はない文化だったのかもしれない。だから、木の外壁に表れる黒っぽいカビは、全然気にしなかった。世界最古の法隆寺の茶黒い色の柱を見て「汚い」と思う人は少ないと思う。この記事を書かれた人は、文化と気候、自然の関連付けが深くなく木を愛していない人ではないかと思ってしまう。

ターシャ・テューダーという有名な絵本作家がいる。その人の家や庭は世界中から高い評価を受けている。その木の外壁の家は、塗装という人工的な色はない。庭の花、緑達が一番輝くように、そのままのうす黒っぽい色である。私も木はそのまま黒茶っぽくても美しいと思う。塗装などしたら、破棄する時や、再利用が簡単では無くなるし、大自然のカビの前ではむなしい程、無抵抗であるし、実際生きている立ち木の幹の色も同じような色とである。自然を愛するならこの色を塗装する必要があるかな?

左上の図は、日本がいかに湿気が多い夏をであるかの図。新潟より寒いと感じる仙台でも夏には湿性カビ発生範囲に入る。

下はナチュラルガーデンで世界的に有名なターシャの家。一方その下はご近所の木の倉庫。築50年くらい?同じような無塗装木の色をしているが、両者の外壁色は同じにもかかわらずちょっと印象が違う。そう、ターシャの家が雰囲気が良いのは、緑に囲まれるとこの木の色が自然な色だから周囲に溶け込む。よく見ると自然の立ち木の幹と同じ色の木の外壁。だから私は、家の木の色を人工的な色に塗るより、無塗装の木の色で周囲の緑や花を増やす事で環境に配慮した家造りを大事にしたい。(木製サッシだけは別。機会があるとき別話題で)

 


家は何もかも昔のままが良いのではない。

戦前までの日本の家内部は、それなりに手入れが必要であった。一日一回はほうきで床(畳)を掃き、一週間に一度は廊下の水ふき、そして一年に2回は畳をめくっての大掃除。紙障子も数年に一回は新しく新調された。この習慣は、「メンテナンスフリー」そして「使い捨て」という価値観が高くなるにつれてなくなり、ついにはいつでも綺麗、お掃除不要とか抗菌とか安易なリフォーム(クロスの張り替え)でほとんど住まう人が手をかける事がなくった。

10年以上も変わる事のない樹脂でコーティングされた綺麗だけれど冷たいフローリング床。道路の舗装が進み砂埃がなくなったのでお掃除は週1回となり、畳めくりは、化学畳(藁床ではない断熱畳や防虫シートをはさんだもの)を使っている事や、和室にTV等多くの物があるので移動が面倒くさくなり、なくなった。メンテフリー、手軽さを求め家の内部のほとんどが石油製品を加工して造られた物を使っている。こうなると石油製品に偏り過ぎた反動があり、ある人々は石油製品を使わないものを強く求める。

例えばログハウスやほとんどの材料を自然素材に拘った住宅など。これ自体は賛同でき、私もそう共感する。しかし昔のものが良いとしても、住み方まで昔のようにできる人は、ほとんどいない。冬はやはり暖房するし、家電製品も多く使う。昔の生活は、電気のブレーカーが20AでOKだった。しかし今ほとんどの新築の家は60Aを下らない。電気使用量が増えるという事は、その使ったエネルギーのほとんどが最終的に熱や水蒸気となる。生活環境が変わったのに、それを無視して昔の工法や材料のまま家を建てると、内部結露やカビだらけの家となる。しかし自然派重視の家を宣伝する雑誌などには、今でも平然とこの生活環境が変わったことを無視して、昔のままの工法(防湿シートがない家)がよいといっている。これは専門家としての努力や見識が足りないと感じる。

暖房すれば室外より室内の方が水蒸気圧(所謂湿気)が高くなり、結露の可能性が高くなる。そもそも自然界に存在しない20度以上温度差が空気中に存在する「暖房」という行為において、その互いの空間の隔つ壁を、自然素材だけで作れると考える方がおかしい。冷蔵庫の外皮が自然木で作れるか?と同じ事。また土壁は断熱性能が低いので、今の基準の断熱性能得ようとすると30cmくらいは必要(断熱性能が低い家は、家中暖房が不可能なため内部、表面結露は避けられない)。

いつもTシャツ一枚で過ごしている人が「私は夏に冷房を使わない」と言っても、来客がネクタイを締めてくれば冷房しないわけにいかないし、その家を次に継ぐものが冷房を必要とする可能性は高い。そのためにも高い断熱性能は必要。つまり、家は社会資産であるため、多くの人が望む性能が必要だと言う事を理解する事が重要。

しかし今でも多くの建築士や家を造る者、自然派雑誌やその団体とかが「自然素材で造られ、昔のままの工法だから健康に良い。」等と声高らかに語たる。大変残念な事である。


床の素材

2日に完成見学会を終えた。お越し頂いた皆様、ご協力頂けたN様にお礼申し上げます。

この見学会で確信したのは、「檜の縁甲板」の床は、長時間立っていても疲れにくいこと。今回のB邸見学会では、1階床が当事務所一押しの「アドモントフロアー」。2階が「緑の家」標準仕様の檜の縁甲板であった。いずれも無塗装で針葉樹系の木(所謂柔らかい木)。連続立っていた時間は昼食休憩15分を含む7時間。最後の2時間くらいが疲れがたまり、床の素材によってどう違うのか比較しやすい。当事務所の所員と一致した見解は、2階に行くと足の疲れが和らぐと言う事。なぜだろう?同じ柔らかい木で、表面温度や熱伝導率も変わらないのに・・・。そこで檜の縁甲板とアドモントフロアーとどこに違いがあるか考えた。すると2階の檜の縁甲板は無垢の天然素材のため、貼り上がりの表面に微妙な凹凸ができる。この凸凹が刺激になるようだ。(そんな健康スリッパもあったような・・・)一方アドモントも天然木ではあるが、年間の湿気変動による木の寸法が変化起きないように、3層無垢構造に加工してある。このため貼り上がりの床表面は、まったいらになる。(これが良い特徴であるが)

考えてみれば、我々のご先祖様は、何万年にわたり土の上(地面)を歩いてきた。土にはまったいらな地面は存在せず、凸凹していてあたりまえ。この凸凹がある前提で足の裏が造られてきている。そう考えると分かりやすい。足の裏で感じる凸凹がきっと心地よいので疲れにくいのであろう。多分そういった科学的実験が過去行われているのではないかと思い、探したが見つからない。もし見つけた方は教えてください。勿論、反論文でもOKです。

折角の無垢の木の床。無塗装でかつ疲れにくい「縁甲板」を使用したいですね。ですが、見学会のように7時間も立ちっ放しという事は普通考えられませんから、アドモントフロアーの寸法安定性という利点で一押しという事は変わりませんよ。


住居内のダニ、カビは性能の良い家が少ない。

今年の建築学会で発表となった論文で面白い物を見つけた。論文名は「カビ・ダニの実態と建築的要因に関する調査 連報3」である。ダニ・カビと建築的要因の研究は、まだ多くない。巷の話では、「住宅の高気密高断熱化がカビやダニによる影響を多く受ける。」と言われる事が多い。ところが今回の研究では、結論として「断熱(気密)化と換気確保による室内の湿度制御と掃除等の基本的な対策がカビ・ダニ等の抑制に寄与する」と締めくくってある。

当サイトでも何度か取り上げたが、冬の相対湿度抑制(高断熱化が、壁、床付近の温度と部屋中央部の室温との温度差をなくす事で壁、床付近の相対湿度が下がる事)と機械換気、そして掃除が重要と訴えてきた。そのことが実証された感じである。自然重視派を目の敵にしているのではないが、実際我々の暮らしは、既に暖房無しでは生活できないくらい日常的なものになった。この現実をしっかり受け止めると、中途半端な断熱化はお奨めできない。本当に自然派住宅を考えるなら、社寺仏閣のように一切暖房せず、冬でも隙間風が入ることに耐え忍ぶ生活をするか、住宅に囲炉裏を設け、室内で木を焚くことで日常的にホルムアルデヒドを発生させ、建物に満遍なく浸透すれば、カビやダニ等の影響を受けにくくなる。はず・・・。しかしこんな事を多くの人に実行してもらう事は現実的ではないし、大正時代以前の暮らしに戻れるはずはない。

注・・・自然重視派とは、家は昔のような素材と造り方が良くて、機械換気や高断熱高気密住宅を否定している人(団体)。または中途半端な断熱と気密が良いと唱えてつつ、自然素材で中途半端な断熱住宅を薦めている人(団体)。

論文原稿はここに置くので、原文を見たい方はご参考にどうぞ。ちなみに調査対象住宅モニターは、「主にインターネット及び建築専門誌媒体を通じた公募により、間取り略図等を書けることが条件」であるので一般との多少のずれはあるかもしれない。


無塗装の木がとりもつつながり。

一日に2度もブログを投稿するのは珍しいですが、題名のとおり無塗装の木で思わぬつながりで私の思いが成就しました。無塗装の木の肌に感動していただいたのは、三条にある幼稚園の先生です。この幼稚園にはとてもとても善くしていただき、私自身何か恩返しを出来ないかと考えていたところ縁あって幼稚園で使う無塗装のテーブル製作のお手伝いをする事が出来ました。

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