3階に当事務所事務所がある建物ですが全体が仮設足場に被われております。
大凡築35年。屋上の防水と倉庫棟のアタン(トタン)板も錆びて寿命。そこで屋根と同時に外壁全面リフォームを決意・・・。
デザインと構造は一体 ②でご紹介した家の模型が完成しました。
2mの耐雪住宅で更に耐震等級3という住宅として最高レベルの性能を持ち、2mのハネだし(無柱)屋根の車庫。今新潟市北区で建築中のH邸に習い、外壁は「無塗装の木」・・・。北側道路が逆に窓のデザインを引き立てます。無論窓はSSプラン(標準仕様)の家なので奥まった深い陰影の窓。サッシの枠につばの付樹脂サッシながら、取り替えが外壁を壊すことなくできる仕様。床高1.4mとまさしく「緑の家」SSプランの家(標準)です。
更にオーソドックスな切妻は妻側1100mmも屋根が出ても尚2mの雪を支えるというもの。水平に伸びた長い軒線、規則性のある木製サッシ・・・シンプルな外観で質実剛健の家です。
第三者審査機関担当者から返却される住宅の構造計算書。200枚に及ぶ計算書に一枚一枚チェックマークが入っている。丁寧な審査機関です。
さて高基礎はどこがよいのかの2つめ 低い基礎より「安全」と言えることです。
その事を説明する前に先ずは基礎の構造計算をしていることが大前提ですが・・・。
「構造計算していない基礎があるの?」と建て主さんは思うでしょう。地震時に命を守る家の基礎の構造計算はしてませんとは「業界」では口が裂けても言えませんからね。
簡単に仕分けると
「長期優良住宅の認定を受けた家」
「性能評価(設計だけでもOK)を受けた家」
以外は基礎の構造計算をする事はまずありません(ハウスメーカーを除く)。本当です。
オーブルデザインの「緑の家」は構造の安全と耐久性が一番です。それがそのままデザイン されるのがこの高基礎です。家の優先順位は昔も今も安全が一番、次に耐久性が2番と変わりありません。だからこそ・・・
その高基礎を優先するため、家の大きさや仕上げが二の次になることもやむ得ません←キッパリ!!
時には家の面積が2坪小さくなることもあります。しかし事務所設立以来13年間100%の全棟高基礎の家です。家の一番大事な要素は絶対に外せません。それがが設計者の誠意です。どんなに口うまい台詞を並べても高基礎は良い家なのです。
「ここはコストを押さえたいから基礎を低くしたものをお勧めします」とはいいませんし、今まで一度も提案しておりません。だって、家の一番大事な要素は絶対削れませんから。それが日本の技術者です。
デザインと構造は一体 ①から少し日が経ちましたが、少しづつ続けていきたいと思います。
今計画している家の組み込み車庫のスケッチです。
耐雪2mで耐震等級3の条件で、片持ち(キャンティレバー)といわれる片方だけしか柱のないアクロバットな屋根です。それもそのハネだしの出寸法2500mm・・・。
これは1.1mの壁面後退規定のある地区でいかに隣地に配慮しながら条件を守り、そして格好良く(美しく)そして地震に強く、雪も2mまで大丈夫という欲張りな組み込み車庫の答えです。
家は技術者が設計して初めて安全性が確保されます(法律で規定)。そして構造設計が可能な設計者は、とても自由なデザインの発想ができます。いくら形が良くても安全性の裏付けが乏しく、耐久やメンテナンス性が考慮されていない家は、良い家とは言えないと感じますし、こんな設計は設計者である私が楽しくてしょうがありません。
そう、デザインと構造は一体です。デザインだけではいけません。
オーブルデザインは設計事務所なので施工は第三者の会社が行います。その施工する会社は特に決まってはいません。どなたでもOKですし何時でもフリーです。時には建て主さんのご親戚やお知り合いの会社だったり大工さんだったり、時には全く初めての入札で落札された会社だったりします。
設計と施工の分離は理想だけれど・・・家の完成金額はいつわかるのだろう?と不安になりますよね。
その不安を解く流れが上の図です。
前のブログで、いくら優れたデザインでも現法律に沿っていない建物は評価出来ないとと申し上げました。特に構造の安全性を無視した建物は評価にならないばかりか、人命をも危険にさらす凶器になります。
その大事な デザイン=機能(構造) について何回かにわたり連載したいと思います。
その1 軒の出(屋根の出)を支える木=たるき
暑い夏・・・もう秋ですがこの暑い夏に家の防暑対策が重要という事を実感したと思います。設計では有名なその建物防暑対策の一つが南の「軒の出」→「屋根の出」のこと を大きくとる手法があります。
しかし以外とこれが難しく、法律を守っていない家も多々あるでしょう。
この家の軒の出は約1.2m。たるきは巾4cm背24cmという大変大きいものを30cm間隔で並べるという構造。見た目もすごい。
今日建て主さんとお打ち合わせをしていて、大変びっくりしました。
ご友人で最近最大手ハウスメーカーで家を建てたところ、ウォークインクローゼットでカビが生えて大事なものはリビングに置いていると言うことです。換気扇がないからと他の友人は助言したそうですが、果たして・・・。
最近は猫も杓子も「高気密高断熱」住宅が標準ですよと行って勧めていると思います。無論この最大手ハウスメーカーも高気密高断熱が標準ですと宣伝しています。
しかし、当ブログやHPでご紹介しているとおり
本物の高気密高断熱住宅に住んでいる(生活している)人は住宅業界関係者でもすくないのが実態です。
特に大手メーカーの若手営業マンなんてまだ自分の家を建てた事もないし、またその勤めている会社の家を建てる営業マンも大手では少ないと言われてます。車に置き換えると、車に乗ったことのない人が、「この車は最高です」と説明しているのと同じですね。
大手メーカーの家は50%を切る原価割合をみたら、とても自社で建てる気にならないのでしょうか(50%以上が人件費、広告、展示場維持経費等に使用されます。設計施工一の工務店さんは25~30%前後、施工のみ建設請け負いでは15~20%)が一般的な粗利ですから、それを考えると大手の自社で建てる事に躊躇するのでしょう。
さて、まず本物の高気密高断熱のおさらいから・・・
http://www.asahi.com/national/update/0618/OSK201006180076.html
実は私達の家族であるトイプードルの「ビアンコ♂」も早20歳になります。高齢のため足腰が衰え何とか10分くらいは歩けますが、それ以上はふらふらと転んでしまうことが多くなりました。転ぶと一人では起き上がれずにそのまま悶えて、気づかないでそのままだと関節を痛めて数日間立ち上がることが出来なくなります。でも立ち上がって歩きたいという本能があり歩くのです。だから何時でも見ていないと転んでいる事に気づく事が出来ません。このため妻はほとんど外出不可能状態で、私が休める月曜日に買い物をまとめて行います。
緑の家では設計着手前に「スタディー模型」を作ります。上の写真は次回お渡しする模型が完成したところを写しました。この模型はある程度の期間建て主さんのお手元に行くため、写真に撮らないと作った建物をの細部や形状を忘れてしまうことがあるからです。
現在はパソコンによるパースが多いようですが、この模型作りは譲れません。そもそも汎用パースソフトでは当事務所の複雑で詳細寸法に拘る表現は難しいでしょうし、何より切ったり貼ったりして、考えながら作れる=スタディーの工程が重要なのです。
上の模型は耐雪2m耐震等級2(長期優良)で計画。総2階の単純形状をいかによく見せ、上下のプラン(柱)を合わせる=加重検討がポイントです。
勿論内部も作ります。2階ははずし、1階もオープンできます。これらを建て主さんが見ることで、実施設計に取りかかる前にイメージの共有が可能になり打ち合わせがスムーズにいきます。
さて、木のいえ整備促進事業の補助金の締め切りが10月11日ということで、これに向けて現在とても忙しい状況です。ですが、一昨日の夜も建て主さんのご自宅でとてもうれしいことがありました。
それは建て主さんの御子息のお名前が私と同じなのです。いままで読み方が同じということは何回もありましたが、漢字が同じという方は身の周りでは初めてです。うれしいですね。なんとなく親しみを勝手に感じてしまいました。
さて、その昼間は別の建て主さんに「近い職種の専門業者がHPをご覧になって唸った」というお話もうれしかったですね(唸ったとはたぶん褒めていると思います)。ですがこうお褒め頂くと今後の設計案は緊張します。
基礎が高い家、超高断熱の家をお勧めしている建築士はそう多くないと思いますし、住宅設計だけで施工しない会社も県内ではほとんどないでしょう。設計と施工を一緒にしないということは、ごまかしをしない唯一の合理的方法です(一品生産において)。そしてその建て主側に立った拘りは、多分近い業種の人ほど理解できるのだと思います。一品生産でなく同一大量生産なら設計と施工が同じでも問題ないことが多いでしょうが・・・。
先日、「これからは樹脂サッシだ!アルミ樹脂複合サッシは賞味期限間近品だ!」と宣言しました。そうしたらその記事に貴重なコメントを建て主さんから頂きました。
「樹脂サッシは紫外線劣化するので心配」
なるほど!普通はそう考えますよね。そこで論より証拠。
はい。拙宅の20年経過した樹脂サッシです。その上のアイアンウッドのすだれ掛け(夏限定)がこだわり。この窓は西の海に面しており、水面で反射した紫外線とダブルで当たる、また冬は風速30m/sが吹き付ける県内でも最も過酷な場所です。ですがサッシ表面は未だツルツルです。
どこが一番痛んでいるか?それは・・・
サッシの下に錆び汁跡がありますね。
そのサッシの戸を開けるとこんな感じです。黒い線はパッキン1で、黒い線跡は押しつけられているパッキン2の跡です。そして錆び汁跡もあります。樹脂部分はしっかりしているでしょ。パッキン跡が残るということはそろそろパッキン寿命です。
錆びの原因は家の真ん前の「海」です(笑)。・・・ではなく、このようなサッシ付属品のステー(金物)はステンレス製なので以外と大丈夫。実は錆びはこのステーを樹脂に留めているビス受けの内部金物なのです。とはいっても樹脂内部にあるので表面からわかりません。そこから錆びがでているのです。これは樹脂内部なので部品交換できません。サッシ全体の交換になります。
あっ、パッキンより外側は外部なので一度も掃除したことがありませんのでちょっとカビっぽいですね。
樹脂部分のアップです。どうですか?エッジの一番痛みやすい部分のです。しっかり角がアールでしょ。黒い線はヒビではなくただのこすり跡や傷ですが、傷が目立つということは表面がまだツルツルなのです。20年前でもすでに塩ビ(樹脂サッシの原料)の耐紫外線劣化防止剤は相当優秀です。
いやー20年後の住宅をアップで写すなんて、オーブルデザインだからですね。普通のメーカーさんや工務店さんには絶対あり得ない写真です。
自信があるのです。自宅を(家を)愛しているのでこの時間が経った雰囲気がすきなんですね。浅間は少し(大変?)変わってます。でも家って愛着があればとても長く大事にされるのです。
因みに10年ちょっと経ったご近所さんの海側の外壁と換気扇フードと軒裏はこんな感じです。引き合いに出してしまってすみません。
まとめです。
このとおり今のサッシの寿命は20年から30年。これは樹脂の寿命というより付属品の寿命なのでアルミサッシも同じ寿命ですね。だから緑の家SSプランAグレードではサッシ交換が簡単に可能なように取り外し枠がついているのです。これが70年以上(100年)家を保たせるまじめな解答なのです。超高気密住宅に20年も住んでいる建築士だからわかる事です。
大手ハウスメーカーさんは外壁に力を入れてますが、実はサッシの交換の方が大変な工事になります。外壁を壊さないとサッシ交換できない構造だから・・・。
外壁にお金を沢山かけるのは、家の寿命が30年だった今までの住宅で、これからの長寿命住宅は、サッシの交換が簡単なように考える事がメンテナンスコスト削減の上で大変重要なのです。
事務所の水槽。下から水面を見ると不思議な感じです。少し魚になった気分。
「水」はとても不思議な振る舞いをする物質です。だから水を主成分とする有機体の人間も不思議なのでしょうね。「水」はまだまだ解明されていないところが多く、「水」を語る事は殆ど「好み」や「趣味」として捉えた方が良いのであまり、話題として取り上げた事がありません。 水!奇跡の角度104.45度 出展 Wikipediaから
でもちょっとだけ取り上げます。
水のおもしろい振る舞いで最も知られているのが、氷のような固体の時は液体の水の時より体積が大きくなる事です。大気圧下、殆ど物質は固体時が液体の時より体積は小さくなります。ところが水だけは凍った時の方が体積が増える不思議な物質です。冷凍庫にペットボトルをいれ爆発させてしまった事多々ありますよね。そんな不思議な水ですが、未だ科学的によくわからない事が多い物質です。
さて水というと飲み水が頭に浮かびます。私は15年前から電気還元水(所謂アルカリイオン水)を飲み水として愛用してます。これは様々な理屈や効能より、がぶがぶ飲んでもおなかがだぶつかない事を実体験したからでしょう。まるでビールのように飲み続ける事ができる(笑)水なのです。おかげで飲んだ後、直ぐにビールのように尿意を感じます。
人間の体は水が70%を占めると言われているので、その水がいつも入れ替わるような「気」がして気持ち良いから愛用しているのです。誰もが納得する根拠はありません。だから「趣味」の範囲なのです。でも「語らせれば」結構話しますので、もし興味があればお聞き下さい。
さて現在水関連商品は沢山あります。その関連商品を使った時に水が変化すると言うふれこみが多いのでちょっとだけ有名な所を調べました。所謂「機能水」と言われる水です。
主な有名な機能水
セラミック処理水(Wikiにはありませんでした)
共鳴磁気水・波動水?(Wikiにはありませんでした)
本当に色々あります。因みに私が愛用するアルカリ飲料水を造る機械は医療機器として厚生労働大臣の承認が必要となりますが、その他の機能水は普通に製造可能で取り付けも保健所への報告義務はありません(アルカリイオン機器の取り付けには保健所への報告が必要です)。
磁気処理水では東京都から注意が有名ですが磁気処理水に限らず心霊的な商法が横行しやすいので注意が必要です。でも住宅でもこれに近い広告がされていますよね。大丈夫でしょうか?
さて、当事務所に「どんな浄水器類が良いでしょうか?」と聞かれた時には、迷わずアルカリイオン水で、その機械はTOTOが20年くらい前から販売している「アルカリ7」をお勧めしてます。「アルカリ7」は、浄水器の欠点であるフィルターの交換が7年間要らないと言う事がユーザーにとって良い事です。フィルター交換が必要無い方法として、水道施設が行っているような活性炭の熱処理による再処理を一日一回しているからです。この点はエコ良いところです(アルカリイオン水と同時に出る酸性水を使わなければ1/3くらい水を捨てることになり無駄もあるそこはエコではない)。
最近はやはり科学的に根拠がある超軟水に興味がありますが、使用している方からのお話を伺ってからにしたいと思います。
TOTOのアルカリ7・・・電気還元(イオン処理)と浄水機能の両方がある。ビルトイン型もありキッチン内部に収納可能。
気持ちよい日です。
拙宅のリビング
窓から見える緑と青の色。癒されますね。
基本設計と実施設計でこのところとても忙しいので、今も自宅で愛犬の世話(留守番)を兼ねてCAD設計をしております。が・・・ふと横を見るとこの広がり。CADよりぼーっとしている時間が長いかもしれません。しかし建物の設計には何か「ワクワク感」がなければ魅力的ではないと考えますが、基本設計などはすばらしい自然環境で考える事が重要だよ!と設計の恩師が言ってました。確かにビルの一室や込み入った所で考えた設計は、なにかと陳腐になりやすいですね。寺泊は私のプランの源です。
連休中に自然農のスパイラルゲートの石積みで腰を痛め、ここ10日間は腰がまっすぐに伸びずお見苦しいお姿をさらすことになってしまいましたが、ようやく復旧です。どうやら、最初の痛みで背中が横に曲がってしまい、それを維持するのに筋が硬直し、更に状態を悪化させておりました。鏡で見ながら痛みをこらえ補正すると嘘のように硬直がなくなっていきます。もう少しで完治です。
ちなみに写真の「夏づた」がウッドデッキに絡んでいるのですが、このツタの根でデッキ材の腐りが早くなっています。さてツタを撤去しようか悩んでおります。この新緑のツタの色を見ているともったいないのですが、自然の力は甘くありませんし・・・。
どんな仕様、形、デザインでも家の評価は結局「建て主さん」が決めるものです。いくら設計者がこの家は「良い家」ですと言ったところで、建て主さんから認めて頂かなければ何ともしようがありません。
今年に入ってから超高断熱のSSプランが設計の半数以上を占めております。現在基本設計4件の内2件はそのご要望となっております。実施設計中1棟を含めると5件中3件がSSプランになる予定です。確かにSSプランの実測をみると今までの高気密高断熱とは一線を画し、省エネルギーが高次元性能で20年後の環境を先取りするすばらしい仕様です。
拙宅はQ値1.9w/km2の性能(所謂Sプラン)です。そこで約20年生活してきましたが、更に高い性能をほしい(理由はこちら と こちら と こちら)と思ってSSプランを2年くらい前に提案しました。20年も高気密高断熱住宅に生活してもっと高い性能が必要とわかったのに、初めて家を建てる人や、Q値がそんなに高く無い家でお住まいの方にほんとうにわかって頂けるのだろうかと思ったこともありました。
しかし、私が20年以上前に初めて高気密高断熱に出会ったあのときに感じた気持ちと、今回の超高断熱が必要だという感覚は大変似ております。だから信念を曲げずに奨めて来ましたが、今年からご同意頂ける建て主さんが増えました。とてもありがたい事です。
10年前に完成しているK邸。既に「緑の家」Sプランは完成されていた。真空集熱型太陽光温水パネル、ソーラー発電、中水利用、1.4mの高基礎(手前建物は土間アトリエ)など・・・
この事は1mの高基礎も仕様も同じで、この高基礎を奨めている理由に賛同頂いてご連絡頂ける建て主さんが殆どです。昨日も事務所にお越し頂いた建て主さんも、こちらが説明するまでもなく、ご生家が1mの高基礎で、「とてもメンテナンスがしやすかった。今、家の新築を検討しており、他のメーカーさんはなぜ高基礎はお勧めしないのだろうという事に不思議さがあった。そこでたまたまネットで1m高基礎が標準の設計事務所があったので・・・」
という私にとっては感動もの生証言を得れらました。また県外からの高基礎の設計のお問い合わせがこの3ヶ月で3件。私はこの高基礎を13年間お勧めして(採用率100%は自慢です)きて、既に慣れてしまっているのでその違いを過剰に説明してきておりませんでしたが、言われてみると13年前から高基礎を標準で奨めているのは新潟県内では当事務所だけかもしれません。雪深いところでは奨めている人も多いかと思いますが、標準仕様で100%の実施率は当事務所だけでしょう。
なぜ高基礎なのかは・・・13年前から変わっていません。
建築基準法上通りに建築しようと思うと、高基礎が一番現実的だからです。薬剤塗布で高耐久を実現するのは、10年くらいの塗り替えが非常に困難です。薬剤の効果がなくなる10年後再び塗布しなければ法律に沿った家にはなりません。ところが高基礎にすると当たり前ですが永久的に法律に即します。これは物理的に白アリと腐朽対策をするからですね。
これからも高基礎はずーっと奨めて参ります。これはオーブルデザインの法律をまじめに守るというポリシーです。そしてこんな「緑の家」仕様が皆様のご賛同をこれまで以上に得られますようにと願っております。
合掌
2010.05.13緑字加筆
「色々調べてセルロースファイバーが一番良い」
とある建て主さんが言っていました。
さて、その言葉が頭から離れないで詳しく調べてみました。
その結果、オーブルの結論は全く依然と変わらず
「その建物の主旨にあった物であればどれでもよい!」
と言う事です。
住宅用断熱材は沢山の種類があります。
代表的な物は(青字はオーブルがよく使う物)
1 グラスウール
2 ロックウール
3 ウール
4 植物繊維(木質繊維)
5 セルロースファイバー
6 プラスチック系板状断熱材
7 〃 現場吹きつけ断熱材
8 植物系板状断熱材(コルクボード等)
です。
6のプラチック断熱材には更に5種類※に分けられますが、一応ひとくくりにします。
さて、なぜ「その建物の主旨にあった物であればどれでも良い!」のか。それはいつも申し上げているように、全て国やJISやISOの公的試験規格に「断熱材」として載っているからです。だから断熱という機能ならどれを使っても正しい施工ならしっかりと断熱材として機能します。
建築業界にはとーーっても不思議な現象があります。
それは、国やJISやISO等の国際機関の資料より、イチ建設会社やイチ工務店の説明を大事に受け取ると言う全く理解しがたい習慣があります。まず他の家庭に関わる商品分野では考えにくい習慣です。
どうしてこんな事がまかり通るのでしょうか?とっても不思議です。
さて、どの材料にも適材適所があります。一番多く使われている安価の優等生であるグラスウールやロックウールですが、これは土の中では使えませんし、常時水の多い所では使えません。逆にプラスチック系板状断熱材は熱が高くなる煙突周囲や給湯器等では使えません。
また住宅と同じくらい温度差ができる冷蔵庫ではグラスウールやロックウールは使いません。これは同じ厚さならプラスチック系板状断熱材方が約1.5~2倍ほど性能が良いので、グラスウールやロックウールを使うと冷蔵庫が一回り大きくなるからです。
また自然素材の断熱材を使いたい希望があれば、セルロースファイバー(古紙)やウール(羊毛)、コルクボード(木)、木質繊維系しかありません(藁もあるらしい)。しかし自然素材である以上虫の被害が必ずあるので、ホウ酸系の防虫処理をします。これで自然素材といえるかどうかは考え方次第です。私は自然界での分解機能が阻害された物はできれば自然素材と呼びたくありませんが、ホウ酸は水溶性なので外部では使用できませんが、ホウ酸は自然界では分解されず、また水溶性なので解体廃棄時には、環境に対し負荷が大きい欠点があります。またセルロースファイバーに直接触れて見るとわかりますが、繊維が細かいので(埃みたい)必ず気密シートとセット使用でないと、家の中にセルロースファイバーの綿埃が出来る事になります(特に第三種換気で室内が負圧になるとき)。木質繊維系(+INTELLO)はまだ一般的でないので情報がありません。
古民家で太い柱や梁を見せて生かす事が簡単にできるのがプラスチック系板状断熱材です。この断熱材は薄くても性能が高いので外張り断熱施工が容易です。グラスウール断熱材でも外張り断熱施工はできるのですが、厚くなり施工も複雑で断熱材以外でコストアップなりやすいです。
このように全ての素材には一長一短あり、その特性を踏まえその建物の主旨にあった物を使えば良いでしょう。やっぱり、正しい使い方をすれば、どの断熱材でもOKです。そうでなかったら、国やJISやISOが規定しその断熱材としての試験方法まで策定しておりません。あえて感覚的な事を言えば、新築住宅で現場で吹き付ける断熱材は吹き付けられた木を汚すので嫌いです(再利用不可)。
次の点もよくいわれますが・・・、
プラスチック系板状断熱材の経年変化と燃焼し易さを欠点にとらえているところがありますが、それも別に問題ではありません。最初からその経年変化分を加味※して造れば良いだけです。経年変化の少ないグラスウール等は、施工部位(電線や配管、筋かい周囲など)で断熱性能が基準値より落ちるのに対し、プラスチック系板状断熱材はその心配は無用ですからお互い様です。
燃焼性問題は以前ホームページのコラムで話題にしていますのでそちらをご覧ください。
とにかく性能評価は国等の情報が確かで、一企業や一工務店の情報を鵜呑みしてはいけません。
※プラスチック系板状断熱材の経年変化は「住宅用省エネルギー基準解説 21年度版」では下の表が付録にあります。但しこれは防露措置の計算用であって、断熱性能評価である熱損失計算は初期値である数値OKです。専門家でもグラスウールが優位になるように間違って宣伝している人がいます。心配な人はこの数値で計算しても良いかもしれませんが・・・。
当事務所で良く使うプラスチック系板状断熱はフェノールフォーム(ネオマフォーム)ですが、このメーカーにより更に独自の経年変化対策が施されています。
出典:(財)建築環境・省エネルギー機構『住宅の省エネルギー基準の解説(第3版)』
当事務所ではいつも公的機関が発表する資料により客観的中立立場で正しい情報をお伝えしたいと考えてます。
2010.05.07写真差し替え すみません。サーバーの制限でリサイズになってました。ここにリサイズ無しの画像を置いときます。度々すみませんでした。
新潟県の5月は本当に気持ちよい。風は穏やかに肌をくすぐり、日差しも決して激しくない。耳を澄ませば、鳥のさえずりと小波の音。
平和を感じるありがたい時。我々は過去の人の上に成り立っているといつも感じている。もし一時でも幸せと感じることが出来たなら、それはご先祖様が間違いのない道を歩んでそして引き継がれたのだと感じ感謝以外の言葉が見当たらない。 この写真は光量豊富が得意のシグマSD14によるバルコニーからの手持ち撮影。こちらのリンクはリサイズはしていないのでクリックして船付近の浮かぶ旗を等倍で見て頂いてほしい。ローパスフィルターで焦点ををわざとぼかさない(波がぼやけない)データの自然の画像の良さ。
昨日の報道で米国の核保有数が5000個を超えていると知った。ロシアも同数は保有しているだろう。どうしてこんな数の兵器がこんな小さな惑星に必要なのだろうと思うし、今まで日本以外に使われることがなかった奇跡を改めてありがたいと思う。
しかし、これからはたった一つのボタンで地球上の生物を数百回も死滅させる事が出来るような物質が、人の手によって管理されている事をやめなければならいないと思う。「日本は核を保有していないから自分には関係ないよ」との意見が多勢をしめる風潮と決別し、想う意見ははっきりと発信しなければならないだろう。
マザーテレサは「愛」の反対が「憎しみ」ではなく「無関心」と言った。このことは今の我々にとっても突き刺さる言葉である。最近は今の自分に直接関係しなければ関心が薄い傾向がある。本当にそれが良いのだろうか?
普通家を建てるに当たって30年後を考えるのがせいぜいだろう。これからの家は壊すことなく30年後も引き継がれなければいずれ枯渇する資源(=取り合いになる資源)環境において、正しい判断を下しているとはいえないと感じる。
だからこそ今強く発信する。
クローズされた工法による家造り(大手ハウスメーカーや一部フランチャイズの工法)は、今はどんなにすばらしくても容易に子孫に引き継げない。つまり資源として日本の家にはならない。なぜならクローズされた工法では改築も増築も我々一般の建築士には手出しできないからである。構造がクローズされているので理解が出来ないから壊すしかない。リフォームはできないのである。救いはクローズされた工法の占めるシェアーがまだ35%しかないことである。是非政策としてオープンマニュアル化してほしい。そうでなければクローズの家をこれ以上増やすことは資源の無駄使いになるとおもう。
2010 04 27夕刻加筆修正
伝えたい内容がいっぱいある中で、以前指摘のあった「今までの建て主さんとのお話」が沢山ありますが、プライベートな事も含むのでなかなかご紹介できません。また、そのお話は私の心の中の宝物にも相当するので、おりを見てゆくっりとご紹介します。
さて今日は・・・
当事務所の住まいの総称がなぜ 「緑の家」なのか?
この前振りがとても長いですが・・・まず、
地球温暖化対策といって
結構、振り回されていることありませんか?
最近は住宅でもやたら「地球温暖化防止・・・」 目に付きます。
温暖化防止との理由で見当違いの商品化もあります。
「地球温暖化防止(CO2減)は無理強いできない」のではないか?
と申してます。
但しあきらめているのではありませんし、
また防止策を否定しているわけでもありません。
ただ、今まで好き放題CO2を排出しておきながら、
発展途上国にCO2を削減しましょうとは納得して頂けないでしょう。
だから温暖化防止は急激に進むことがないと感じます。
一人当たりCO2排出は世界8位。しかし全量に対する日本の排出量は4.5%と少ない。米国、中国、加国が取り組まなければ意味がない。
それを踏まえてプラス思考で考えます。
地球の歴史を振り返ってみると、
恐竜時代が1億年以上も続いていた事が知られてます。
因みに人間はまだ誕生から400万年いわれてます。
恐竜が住んでいた時代は、いまより気温が5度から10度も高く、
大気中のCO2濃度も今より数倍も高かった事が調査発表されてます。
この大量のCO2で樹木は大型化し旺盛だったとも言われてます。
事実、事務所の水槽に大量のCO2を与えると
光は同じでも水草が倍近く早い凄い成長をします。
一方氷河期といわれる時代も長く、温暖化と冷氷期を繰り返してます。
ここで生物に生死の影響が高いのは「氷河期」のような寒い時期です。
一番最近の数万年前の氷河期では、なんと瀬戸内海、東京湾も陸地でした。
それが温暖期に入った1万年前から氷がとけて
海面が120mも上昇してつい最近、今の日本の地形になりました。
↑(ネットの様々な情報から)
ここから学べる事は、
温暖化防止ではなく→温暖化になった時の対策です。
例えば今後温暖化で海面が上昇に備えて
今後低地には都市は造らない。←すごく過激ですが
「低地の都市は緩やかに低地以外に移設しよう」です。
低地を海抜8m以下とすると・・・
新潟県では新潟市は殆ど低地になりますし、
新潟平野の信濃川流域(三条市、白根、巻)も相当低地があります。
また東京の都心も愛知、大阪も低地地域は多くあります。
このような低地では今後台風による被害、高潮が増える事は
専門家の中でも強く指摘されております。このように温暖化による
海面上昇は国土縮小等も含め大きな問題を引き起こします。が・・・、
地球上の生物は地球に合わせて行動や生活を変え、
また一方では生物の行動で地球の環境を変えてきました。
人は産業革命以後200年間も地球の環境を変えてきたので、
これから200年間は地球にあわせて行動する事が
理にかなっているとおもいます(簡単ではないでしょうが)。
CO2をできる限り抑制しながら、
大事に、大切に資源を使う、そして「足を知る」
という事です。やっと本題ですが・・・
そしていつの時期でも一番大事なのは、
大量に酸素を造ってくれる唯一の生物、
植物=緑を大事にする事です。
もしCO2が増えれば、植物は盛んにO2を増やします(CO2が減る)。
だからこそオーブルデザインは家と共に身近の木を大切に考え、
いつも緑と共にある事を肌で感じ過ごす事が必要です。
これが「緑」と共にある「家」=「緑の家」なのです。
ある人から
「毎日ブログを書き込む事大変じゃない?話題とかある?」
といわれた事があります。
私にとって書き込む話題に事欠く事はなかなかありません。
日々の仕事や暮らしで新しい発見やわくわくするような経験が
いつも起こります。感動も・・・。
大変なのはその事を書く時間がないと言う事です。
特に最近は忙しくゆっくりブログを書く時間がありません。
時間がないので
「誤字、脱字が多数」、「文の繋がりが変」といういい訳は
しませんが・・・(この事が既にしていますね)。
この資料によると大凡2万から30万人でしたね。
普通に考えると縄文後期の方が人口が多くなるのに
縄文後期に著しく減少し30万→8万人に下がりました。
これは地球全体が一時寒くなったためと、南極の氷の調査解析から
わかっています。寒さ→人口減(つまり生命体がへる)事です。
暖たかい生活が人に豊かさと心の平穏をもたらす
といつもこのブログで申し上げています。
この頃の寒さによる恐怖がDNAによって
今も人に受け継がれているように感じます。
厳しい寒さが来ても家の中なら大丈夫という安心感を
「緑の家」の超高断熱という技術でこれからも大事にします。
ここからは蛇足で、家には全く関係ないので読み飛ばしましょう!
上のグラフの右側部分。将来の日本の人口予想は・・・。
なんと90年後には4770万人と現在の1/3くらいです。
でもこのくらいの人口なら今後の日本技術を持ってさえすれば、
日本内の自給自足(エネルギーも食べ物も)は何とかなりそうです。
課題は人口減になりながら経済の成長または維持です。
これを何とかみんなで目標を決める事が今の私たちの
未来へ繋ぐための課題です。
少子化対策とは、人口を増やす施策ではなく、
「人口半減でも成り立つ日本社会にするシステム」と
私は思います。
人口増→経済成長は既に過去の事です。
2010/04/20加筆
本当は「超断熱住宅における冬の洗濯物④」ですが、ちょっと息抜きで最近の事から・・・
最初の話題は・・・
昨日は基本設計の敷地調査で新潟市北区にお邪魔しました。北区は名前の由来(豊栄)もすばらしいですが、ゆったりしたした町の雰囲気も大変良いですね。
基本設計を始める前に必ず現地へ足を運び、その土地にどんな家が建つのがふさわしいのか想像する時間は設計者としての基本中の基本です。これは儀式のようなもので、土地から感じる「気」のような物を察知しなければなりません。
ただ単に道の幅や水道、ガス、用途地域調査や採寸だけが目的では有りません。心をオープンにし、神経を集中して感じ、想像します。良き緊張感・・・感謝です。
また本日は福島県からわざわざ当事務所にお越しいただき、ご相談された方がいらっしゃいました。遠路はるばる当事務所にお話があるという事でお立ち寄りなりました。たいしたお話はできませんでしたが、とても品のある話方は私も見習いたいと思いました。ありがとうございます。好物のシラスのお土産まで頂き感謝です。
本格的な春を迎えオーブルデザインはバタバタ忙しくなってきました。
次の話題は・・・
「自然共生建築を求めて」という本をアマゾンで購入しました。著者はこの分野では第一人者で著名な「宿谷先生(都市大学教授)」です。なぜ購入したかというと、いつもお世話になっている上野住建さんのご紹介で、宿谷先生が講師の5回連続セミナー(東京)のお誘いがあったからです。上野住建のYさん(名前出していいのかな?)にはいつも、とても感謝してます。
さてセミナーは一回2時間くらい。それだけにエネルギーを消費して5回も東京へ行く必要がありますので、それにふさわしいかまず先生の著書を読んで見ようと思ったからですが・・・。時間がないのでまだ読んでいませんがなんと今週末にでもと思ってます(この薄さで2450円だから中身に大変期待します)。
読む前ですが私はまだ自然共生建築の理屈はわかりません。しかし自然の驚異(冬)と恩恵を常に垣間見る事ができる田舎「日本海の水際」に住み、更に自然農にも関わっていると、理屈よりその大地と共にある程度自給自足し生きる日常生活そのものに、「自然共生住宅」の答えや目指すところがあるような気がします。 4月19日に読み終わりました。感想はこちら
だからこそとにかく自然から産みだされる素材にいらぬ手を加えない「無塗装」の木の外壁を奨めたりしているわけです・・・。
最後の話題・・・
昨日の報道で「朱鷺のゲージには250カ所を超える穴が見つかった」と流されました。
250カ所以上も・・・朱鷺とそれを支援された地元の皆様にはさぞ無念だったでしょう。
「その1」でも話しましたが、このゲージの現場施工者にも責任はありますが、なんと言っても今回の責任は発注した行政とその工事監理者にあります。
工事を完璧にこなせば?と主張される方もいますが、人間のすることに勘違いやミスはつきものです。だから工事監理者が法律で決められていて2重のチェックをするような規定があるのです。
そもそも朱鷺のゲージ発注書(設計図書)仕様には、
「鉄骨と柵にできる隙間は全て金網?によって埋める」
と記載があるのに、それを完成時にチェックしていなかった工事監理者と発注者に大きな責任があると考えてます。
朱鷺はまだ子供です。子を育てる親は、安全性に手抜きはありません。手抜きがあればそれは生命の危機があるからです。子供がまだよちよち歩きのころは、勝手にどこかに行かないように家の中でも柵を設けたりしますが、この柵が閉まっていなかったことと同じです。こんな事は親(全責任者)にはありえません。
人間の都合で絶滅した朱鷺を勝手に再び生息させ、そして大きなお金を使い繁殖し、無責任な監理で朱鷺を死なす。そしてその責任の所在は曖昧。
住宅でもよくあります。誰が”設計図と完成した工事が同じか”チェックするのか?
それは法律上の工事監理者です。法律ではこの監理者はその職務が遂行されない時には責任をとらなければなりません。が、巷ではその監理者と建て主さんは工事監理契約をしませんから、責任が曖昧になります(今回は建築物でなければ工事監理者はいない可能性有りですが、そのなると最終責任は税金を使う行政になります)。
曖昧・・・時には良い事もあるのですが生命の危険や大きなビジネスでは不可です。
設計事務所では特に理論と実践を大事にします。設計はそもそもこの世に同じ物が無いので設計する事になります(あれば前の設計図をそのまま造れば良いので設計図の必要がない)。だから今まで一度も造くられた事が無いので「理論」を頼りにし、設計段階で「理論」が成り立たなければ「実現」は困難と言う事を知っているからです。←当たりまえですね。
さて高気密高断熱住宅では、積極的に洗濯物は家の中で乾かす事が重要(12年前の記事)です。とっても当たり前の事ですが、なぜかその理由を知っている人は少ないですね。
濡れている物が乾くとき必要な事は、「熱」を与える事です。
「そんなの当たり前!」と思っている方でも、時にはこんな思いは無いですか?
「南側に洗濯物干し部屋がほしい」
実はこれは普通の事なのですが、新潟県ではどちらかというと×です。
私は2年間くらい鉄筋コンクリート造の県営アパートの4階に住んでいたことがあります。その時、南側半外部に洗濯物干し場があったのですが、冬期間は最初の数日間使っただけで使わなくなりました。理由は簡単で「乾かない」からです(笑)。仕舞いにはカビも大量に生えてきました。
ご存じ新潟県の冬は7日に一度晴れれば良い方で、時には3週間もお日様がでないときがあったりします。この時に半外部の南側の洗濯物干し場があっても太陽は当たりませんから、洗濯物はなかなか乾きません。当然ですね。3日間干しっぱなしで乾かないから最後は唯一暖かいリビングに吊す・・・。これでリビングに良く洗濯物が下がっている事が新潟の家では良く目にする光景です。
なぜ乾かないのか?科学的に考えましょう!
洗濯物が仮に10~12kg(5人家族の一日の量)とした時、その濡れている水の量は6kgありますから洗濯物からでる水蒸気の量も5~6Kgにもなります。この時濡れているこの水が気体の水蒸気になるための気化熱は586cal/g=586Kcal/kg=0.681Kw/kgです。つまり最低4kwhのエネルギーを必要とします。
この熱を与えないと絶対に濡れている物は乾きません(大気中)。4Kwとは結構大きいエネルギーで、普通のドライヤーを4時間付けっぱなしもしくは、アイロンを10時間使いっぱなし位の熱です。
一方、家中暖房する家ではどこも暖かいですから例えばお風呂場に深夜干しても、普通は次の日の昼までにはカラカラに乾きます。リビングで2度干しする必要が無いのです。←高断熱住宅でも家中暖房できない家は×。
家中暖かい住まいでは南側の洗濯物干しスペースは必要ありませんね。冬以外はどこに干しても乾きます。これは洗濯物が乾くための「熱」を与える事ができるからです。
この続きは明日の「超断熱住宅における冬の洗濯物②」で!
2010年3月13日緑字加筆修正
今年の国の住宅施策は異常です。かつてこれほど大盤振る舞いの補助金と減税のオンパレードはありません。下の説明パンフでは少なめにみて記載してますが、それでも570万の補助。これに太陽光発電設置3kwをした場合の補助を受けると、600万を超えそうな・・・。あり得ない・・・、信じられない金額です。
今回のエコポイントの30万は補助金・減税全体の中の一割一部でしかありません。まず昨年同様「長期優良住宅」の認定と申請→「木のまち・木の家整備促進事業」を行うだけで100万の補助。それよりも凄いのは、2,000万の仮入れ金額でフラット35の「S」の利用すると普通のフラット35より200万も支払う金額が10年だけで低くなります。借入金額が増えればそのまま比例してもっと節約金額が増えます。さらに長期優良住宅認定を受ければ10年後の金利も0.3低くなります。すると太陽光発電の補助を入れてないでも総額約600万の大バーゲンです。流行の言葉でいうと「家のアウトレット」くらいのインパクトです。
これを見ると私が建築した頃の金利5%、補助金一切なしという20年前は一体何だったのか?という感じです。
いつかは家をと思っていた人は今年に限りますね。来年から国の財政が相当悪いのでこれほどのバーゲンはもう望めないでしょう。因みに各補助金は予算なくなり次第打ち切りが殆どですので早めに!
最後に宣伝ですが、「緑の家」は標準仕様で上の全てを余裕で満たしてます(太陽光のみ別)。是非ご相談ください。特に超高断熱SSプランはお勧めです。
昨日の記事にエコポイントと「木のまち・木の家整備促進事業」の補助金が重複できるような記載になっておりました。まだ22年度予算が国会通過をしていないのではっきりと重複できるかどうかわかりませんが誤解を与える表現で申し訳ありません。
仮に重複できなくても大型の補助金570万(各種条件がありますが)には変わりありませんので、少々興奮して第一報をお伝えしました。
柏崎市で積雪105cmと100cmを超えるなんて信じられません。長岡でも既に120cmを一時的に記録し4年ぶりの降雪。
先日も申し上げましたが、地球温暖化は、気温が上がるだけでなく、このように気象の変化が大きくなると予想されてます。降る時はたくさん、降らないときはまったくと・・・。
その中で地域にふさわしいと言う事はどういうことでしょうか?
新潟県は人口がある程度集中している地域の中で世界的にも雪が最も降ることで有名です。ですので1m以上降る事が多い場所はそれなりの配慮が必要です。例えば雪下ろしのしやすい屋根もそうですが、最近はとんがり屋根(屋根勾配が急)だけれども、雪下ろし以外に対応できない家などを見かけます。本当にそれで大丈夫なの?と首を傾げたくなります。住宅密集地では、雪下ろしや自己落雪屋根は計画できませんので、耐雪住宅が一番コストもかからない提案です。オーブルデザインは悠々自適なお住まいほどこの提案をまずします(採用見送りもあります)。
まずは三条下田の2mの耐雪住宅
これは3日前の状況ですから今はプラス40cmくらいあるでしょう。雪庇防止もよく機能してます。
雪に埋まる事のないエアコン設置位置やその屋根も考えています。
外壁の無塗装の木は少しずつグレーのカビ(このカビは木にとって問題ありません)も生えだんだんシルバーグレーになって来ました。今が一番気になるところですが、ここを過ぎると穏やかな色になります。
注意して見ていただきたいのは、雪が降っているのに、外壁がほとんど濡れていないことです(気温が低い理由もある)。だから木が長持ちします。
前面のカーポートは融雪装置を計画しました。バッチシ綺麗に溶けてます。
最近はデザインばかり重視して、本来の地域にあった家の計画をおろそかにしている傾向があります。
新潟県は雪が沢山降る地域があるということしっかりと設計者は認識する必要があります。
次は長岡ニュータウンの耐雪2.5m住宅です。
さすが雪国長岡!。この写真の道はニュータウンのメイン道路で普段は片道2車線+αくらいの道幅がありますが、この雪でロータリーラッセル車が間に合わないので1車線の細い道になってます。
道沿いの「あるお宅」ですが既に雪下ろしをされています。
黒い中央の家が耐雪2.5mの緑の家です。あと2mくらい載せる事ができます。余裕で十分ですね。
今のところ雪庇もできる気配がなくよい感じです。
雪国では余計なところにコストをかけるのではなく、風土に合った基本性能がある家となるように設計すると長期間愛せる住宅になります。建てたばかりの若いころは、雪なんてどうにかなるよと言う事で、設備に、インテリアに、広さにお金を掛けますが、30年後を想像してください。子供は独立して高齢の夫婦しかいない時に、雪下ろしや除雪は誰もがしたくないのです。こんなときに耐雪住宅なら心配ご無用ですね。
さて、雪が比較的降らない新潟市では、多雪の代わりに一週間に2日位は強風(平均10m/s)が吹き荒れる地域ですので、新潟市での地域性は超気密C値0.5㎝2/m2前後の住宅でしょうか?この気密性なら外部が風速8~10mまでならほとんど外気が隙間から入らないとされてます(通常のC値2から5程度の高気密住宅では家の中の空気が1時間に2回から1回も入れかわる位の外気が入り隙間風を感じます)。
そのC値が0.17cm2/m2の超気密住宅の見学会を来週行いますので、是非おこしください。
長く愛する住宅を作る為にその住宅の履歴は必要です。特に基礎構造や柱、梁、土台、耐力壁が書かれた構造伏せ図がないと、長く愛する事を途中で止めなければならなくなるかもしれません。
長く愛するスパンとして通常住宅ローンが終わる30年くらいが節目と考えられます。30歳で建築したとすると60歳がそのころですね。その頃にはもしかしたら、息子娘夫婦と同じ敷地に住むかもしれません。そうなった時に増築やリフォームが考えられます。またその頃までにはエネルギー変革がありそれに対応した家に改造する必要があるでしょう。
その時に必要となるのが、家の構造図や構造計算書です。私も築40年くらい経った家のリフォームをお手伝いしますが、その時に一番困るのが構造図や構造計画書(構造計算書)がないことです。
実はある法律がありまして、少し柔らかく表現するとそれは・・・
「設計者の了解がなしで構造等に関わる手直しするときは、その家の責任を新しい設計者が引き継ぐ事になります」
当たり前ですね。構造が変えられたのに、前の設計者がその構造の責任を取れるはずがありません。だから変えた設計者が責任を引き継ぐことになります。そうです、このときに前の構造図や構造計画書がなければ、その責任を引き継げるはずがありません。いくらプロの建築士でも壁の中の状況や、隠れた接合部がわかるはずもありません。もちろん基礎の配筋でも同じです。専用の装置を使ったとしてもあくまでも推測の域をでません。それで責任を引き継げと言われても普通の感覚なら首を縦にはふれませんね。だからローンが終わったばかりの家を「リフォームなら建て替えた方が早いね」などと住宅メーカーから薦められてしまうのです。
さて、リフォームのとき一番困る住宅は何と大手ハウスメーカーの特別なオリジナル工法なのです。大手ハウスメーカーの工法は、ほとんどがクローズでブラックボックスですから、一般の設計者では構造の把握しようがないのです。仮に建てたメーカーに聞いても(存在していればですが)、そんな30年前の昔の仕様は残っているはずがありません。理解できない構造は責任が取れないので、取り壊され新しい家を再び建てる事になるのです。
日本の住宅産業はこの点が世界から見ると大変いびつなところです。世界をみると、クローズされた工法を持つ会社が最も大きい住宅メーカーであるという国はないでしょう。世界の先進国の住宅の寿命は50年以上がほとんどです。だから1度や2度は大きなリフォームや増築があることも多いでしょう。そのとき、○×メーカーの工法は構造的に理解できないから取り壊そうなんていうもったいない考えはないからです。家は国の財産でもあり流通商品でもあり、債務を引き受ける銀行の財産でもあるため(日本ではこの仕組みが待ち望まれる)、ブラックボックスになる事を避ける政策なのでしょう。
さて、日本はこの点についてこれからどうするのでしょうか?残念ながら、大手メーカーは国の機関に大きく食い込んでいる(天下り?)ため凄く難しい問題です。本当は国が「住宅は個人の財産ではあるが国の資産でもある」という大方針が出れば改善されるかもしれません。
では現在どんな工法がオープンなのかといえば、2×4工法や木造軸組み工法、普通の設計事務所が計画する鉄骨やコンクリート(S、RC)工法がオープンな工法(わけ隔てなく設計できる)です。
反対に特別な工法として、セキスイさんやミサワさんダイワさんパナホームさん旭化成さんパルコンさん等が有名です。また木造軸組み工法では珍しくSE構法、KES構法などがクローズされた工法(ロイヤルティー、特許料等が掛かる工法です)。特殊工法のようなクローズされた認定工法の場合、巾はありますが外壁を変えたり屋根材を変えたりするだけでも家の重さが変わりますから、それだけでも構造チェックの必要があるかもしれません。
偏った考え方かも知れませんが、もし長く愛する家を造る為には、一般の建築士が理解できる工法や、普通の構造計算された資料や履歴がある家がよいと思います。特殊性の高い工法や構造、計算方法の家は数十年後に同じメーカー、設計者がいれば良いのでしょうが、30年後というスパンでは非常に期待薄です。
そこまで厳密にこだわらなくてもいいじゃない?とのご意見もありますが、家は命を守る器です。せめて構造の責任の所在が明らかな事が求められるのではないでしょうか?
汎用計算方法である構造計算書(許容応力度設計)
緑の家の設計図書(計55枚~100枚)
国が評価した「住宅の性能評価書」
日本の人口が自然減となり国家として本格的な成熟期に入りました。そんな中、長期間住まいつづけられる家が求められ、長期優良住宅という名称と法律が昨年から本格運用されております。
「昔の民家はよかった。丈夫で100年位使えたし、いまも残っている民家は立派な構造だ」とおっしゃる方を耳にします。全くそのとおりです。しかしだから全てが昔と同じ構造や架構方法でよいかというと、それだけでは家の供給ができないと思います。
今も現存する立派な民家は、ある程度の財力がある人(地主)が作った邸宅がほとんどだからです。庶民が暮らしていた本当の民家は残ってません。ほとんどの人が現在は残っていない取り壊された家(借家)やに住んでいたのです。成熟期の今だからこそ普通の庶民が手にする長期間維持される家造りが求められております。・・・とここまでは昨日と同じです。
家造りの計画はまず周囲の環境、地盤の把握から始まります。所謂土地探しです。どこに住まいを構えるのか?どういった基準で土地を探すのか?は大切な第一歩です。私はよく土地は「ご縁」と申し上げます。この地上で同じ土地は2つとありません。それは人間の手で作り出されたものではない所謂「天然」の一部だからです。だからこそ「ご縁」では無いかと思います。そして決めては・・・自分の「直感」を信じましょう。技術者が語る台詞ではありませんが、そもそも「直感」とは、その人が過去に学んだ又は体験したもの全てを総動員して瞬間で判断している事になります。学校や駅が近いとかスーパーが近くにあると言うようなこまごました事が書いてあるマニュアル本に頼らず「ここだ!」と感じたところが都になります。もちろん親、親類の土地でも「ここだ」と感じればそこがよい土地です。
ですが必ず裏づけを取りましょう。裏づけは直感で決めた後付理由にもなります。
さて具体的な裏づけは、建築士(中立的な立場の)などの専門家に聞いて見ましょう。しかしその専門家が難色をしめした土地でも、そのデメリットを受け入れる事ができれば後はご自分の判断です。
土地とはそういうものです。とにかく直感が一番です。直感はただ単に物理的な問題ばかりではなく、その人の他人とは違う価値観で優先的に判断することになります。これは他人ではわかりません。「ここだ」と決めた時、そこに住んでいる自分を想像してとても「わくわく」すればそこはあなたにとってよい土地なのです。
仮に、仮に・・・将来その土地とご縁がなくなったとしても自分で決めた事に後悔も無いはずです。
拙宅の土間(アトリエ)からデッキ越しに見える裏山が借景となる。
因みに私が20年前にご縁があったその土地は、バブル真っ盛りで今の値段で現在の5倍近い信じられないような単価でした。今金額を考えるとなんともいえない思いがありますが、現在楽しく生きているのでそれで良しとなるわけです。そんなものです。この山有り、海有りのこの土地は多少狭くとも大好きです。前日の庭が絶対必要と言った話と違うとのお声があると思いますが、庭は自分のものでなくとも借景(半永久に続く公園や河、海)でもよいのです。(笑)
日本の人口が自然減となり国家として本格的な成熟期に入りました。そんな中、長期間住まいつづけられる家が求められ、長期優良住宅という名称と法律が昨年から本格運用されております。
「昔の民家はよかった。丈夫で100年位使えたし、いまも残っている民家は立派な構造だ」とおっしゃる方をよく耳にします。全くそのとおりです。しかしだから全てが昔と同じ構造や架構方法でよいかというと、それだけでは現代の家では不合格です。
今も現存する立派な古民家は、ある程度の財力がある人(地主)が作った邸宅がほとんどで、庶民が暮らしていた本当の民家はほぼ残っておりません。ほとんどの人が現在は残っていない取り壊された庶民の家(借家)に住んでいたのです。しかし社会の成熟期の今だから、庶民の手にする家こそ長く使われる事を求められております。
現在も高いコストを掛ければ、より有能な設計者、技術者、職人を集められ、後世に残るような建物とその維持管理ができるので古民家のような住宅を建てることは可能でしょう。しかしそれはほんの一握りの人にしかできません。実は高いコストを掛けなくとも、その家で人の愛情が育まれ引き継がれていけばその家は長期間存在すると私は考えていますし、そのようになるべきと考えてます。
この絵本にはそんな想いが感じられます。家への直接的愛情ではなく、家の中で育まれ引き継がれる「愛情」は、その家を長く維持するために最も必要な事です。この想いが家から発せられるようになり、それがその家の魅力となります。全ては人の「想い」で長く維持され引き継がれると考えてます。
さて、我々建築士にできる事はこの表紙にもありますが、庭を含め総合的にバランスをとる事です。目に見えない構造や温熱環境、維持管理しやすさの考え計画することです。
新築計画の最中は、どうしても家の内部(間取り、インテリア等)にだけ意識が集中しがちです。家は間取りと設備、仕上げ類だけではありません。私どもが基本設計するときには必ず外部とのつながりである道や緑(庭等周囲の木々や土地の環境)から考えます。
高いコストを掛けなくとも、小さな家であっても長い間残っていく建物が、緑と共にあることにお気づきでしょうか?有名な「トトロのいえ」もそうですし、近所にある100年経過した家のそうです。庭がしっかりある家が長く存在していることが多いのです。もの言わぬ緑を大事にする心は、周りの環境や人への気遣いも同じように大事にするでしょう。その気持ちが「愛情」なのかもしれません。
多少家が小さくとも、庭や畑、敷地に余裕があれば何とかなるものです。古民家を移築や再構築する方の全てが、庭があるところに建てます。都心の狭い庭が取れない土地に民家を造る人はいません。民家とは、それと一体のなった周囲の環境に同化するのことなのではないでしょうか。
都心のような高度土地利用必要なところは、個々に庭が無い集合住宅(借家含)がふさわしいでしょうし、事実住宅寿命が長い国でもそのような都市計画です。がしかし戸建て住宅が無理なく建てられるようなローカル地域では、庭が無ければやはりその家の寿命は長くなるとは思えません。それほど緑(庭や家の周囲の緑の環境)が重要と考えます。
次に家の構造や温熱環境、維持管理のし易さ、経年変化に適したよい材料となります。これはまた次回にお話します。
新年にあたり少し私の家に対する思いをお伝えします。
私たち現世に生きているものは、過去の人が残してくれたものの上に成りたっています。仮に悲しい過去があっても過去を否定する事は現在の自分を否定する事になり、大変さびしい行為です。また一方で私たちには未来につなぐ責任を持っています。過去の人が築いて来たものを消去することなく、その上に積み上げていくか、分解し再構築していく必要があります。
その受け渡し方法はただ一つ「生命」そのものしかありません。人間には科学、技術、文化、言語など様々な受け継がれる学ぶべき分野、形態がありますが、それを生かすも殺すも「人」しかありません。その人から人への受け渡しはどのようなことなのでしょう。私はその核が「親子」であるといつも考えてます(これは血がつながっていない親子も含みます)。
「一人で裸でうまれ、また一人で去ってゆく」人は最初と最後はすごくシンプルです。しかしもうすこし詳細にみると、生まれる時は一人ですが、生まれる前でもすでに母の胎内にいます。卵子はそれが「ある」時点から母に守られ暖かい愛情に包まれてその時を待っているのですね。もうすでに最初の親子が始まってます。
「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。これは先人が残してくれた大切な知恵です。ある解説には「満2歳までに身に付けたものはその子の性格となる」とありますが、私は「性格」ではなくその子の生きていく上での思考、感情の核であると思ってます(性格はすでにDNAで引き継がれると考えてます)。
哺乳類を除く生命のほとんどが、親から生まれた途端に自立し生きてゆけます。ところが哺乳類は生まれてから自立できるまである程度の期間を要します。人はその期間が2年間最低必要だということなのでしょう。ですので最低この2年間は親の愛情(命に変えても子を守るそんな感情であり、躾ではない)の中に包まれている必要があると思います。この2年間が仮に愛情のない期間となってしまったなら、それを哺乳類でない他の生物に例えると、卵が途中で割られてしまう事を意味し、本来現世では存在できない事になるからです。ですのでこの2年間は人として特別な期間と解釈し、だから「三つ子の魂百まで」という諺になると考えています(三つ子は満で2歳の事)。
さらに社会に自立できるまでまだ相当期間がいるのですが、本格的な集団行動ができる6歳までが核が分裂し増産される数の次期になると考え、更にその後9年間がその配列を決める時期なります。つまり15年間は人としての思考、感情の未来への引き継ぎの期間と考えてます。
さてお話が住まいと違う話題のような気がしますが、しっかりつながっています。
この15年間は親子として住まいとその周囲の環境を中心に活動します。特に母と子の関係は重要で、母の家・庭・人に対する思いはダイレクトに子に引き継がれると思ってます。住まいや周りの環境の善し悪しで引き継ぐものが全く違うとは思いませんが、影響はすくなからずあるといつも考えてます。ですので私たち建築士はその事をいつも感じ、真剣に未来に引き継ぐ重要な「人間形成の巣」を造っていると心にとめております。
今年は太陽光発電に光が当たりました。太陽光発電パネルで発電された電力の買い取り価格が今までの2倍(24円/Kwh→48円/Kwhになりました)。
これでようやく太陽光発電を設置する動機が明確になりました。従来の24円では、設置費70万/kwhを償却するまで30年という現実離れの年数が15年となり、16年目から実質発電貯蓄と同じようになります。
上の写真は3kwの太陽光パネルを設置した時の真冬の最大発電量です。仕様通りの最高で3kw発電されてます。
さてこの家は新潟市小新のS邸です。県内の戸建て住宅で、一番最初に耐震等級2を取得した建物です(大手メーカーを除く)。
何度かご紹介してますが、デッドスペースの階段上に手洗いを設置。排水管周りがそのままインテリアです。
玄関横には小さなウォークイン収納です。最近は玄関床はありがちなタイルを使用せず、モルタルで仕上げる事が多くなりました。昔は「モルタル=質素」という感覚でしたが、私は「モルタル=手仕事の味」という感じです。特に年月が経ったときのモルタルの雰囲気は、昔の土間のたたきのような味ががでます。
南側の一番良いところは吹き抜けです。冬でも太陽の光をあます事なく室内に取り入れます。
洗面台は造りつけとして計画します。大きな鏡と大きな洗面ボール、そしてシンプルな棚のみの構成です。
外観はガルバニューム鋼板で軒の出なしのコスト重視のデザインです。但し、夏の日射対策として大きい窓には全て庇があり、すだれなどを掛けられるように計画しました(太陽光パネルから雪が落ちる個所は庇なし)。
次は三条のK邸です。とにかくバランスがとれたオーソドックスなデザインで、Q値は1.58W/m2Kの高断熱です。サッシはアンダーセンという木製サッシでU値1.6W/m2K程度の高性能窓です。加えて木製サッシですが、外部のみ樹脂コーティングされ、木製サッシにありがちなメンテナンスが必要ありません。
主暖房は床下暖房ですが、薪ストーブもあり、当然薪小屋も計画しました。この薪小屋は一冬分の薪を保存でき、先入れ先だしを考えた小屋です。
外構は、オーブルお得意の下田産の自然石(丸石)を積んで柔らかい雰囲気と本物の質感を生かした玄関アプローチとして計画。これから充実する木々が楽しみです。
内部にもこだわりが見えますね。まず素地の色が多い緑の家ですが、今回は染色による色づけをしております。着色ではないところがみそです。
リビングの外の濡れ縁は夏の日射を防ぐと同時に天井いっぱいまで窓と、濡れ縁のトップライトと相混じって室内に明るさをもたらします。
天井にもデザインを施し、建築化照明で、照明器具までデザインに取り込んでいます。
緑の家は超高気密高断熱住宅で耐震性、デザイン、耐久性、自然素材、コストがバランスが良く考えられた住宅です。
現在新潟市に施工中の長期優良住宅「超断熱の家」の窓部分です。
家に興味がある方はこの写真のような窓をあまり見たことがないと思います。
それは窓が外壁より明らかに内側にあるからです。
これと同じ形態の窓がヨーロッパの住宅でよく見られます。窓が外壁の奥に嵌っているのです。
このように外壁より窓は内側に付いてます。
しかし現在の住宅の窓は、
ほとんど木造建築でこのような窓が外壁より手前に(凹まない)にくるのが普通です。
これは、サッシ本体が外壁より手前に出ることで、サッシに付いた水が外壁を伝わることなく下に落とすため(建築用語で水を切るという)です。この納まりは上部に庇がなくとも安定した防水性能が発揮されます。
一方上のサッシは外壁より明らかに下がった位置にあります。
この奥行きのある計画こそ長期優良住宅をの基本である「メンテナンス」し易い窓なのです。
窓の周囲にはシーリングというゴム製の接着剤が施工されてます。このシーリングの寿命は10年から20年程度となっており、その環境によって倍の違いが有ります。にも関わらずシーリングは下の写真のような納まりになると、足場や高所作業車がないと施工は難しいです。
所が上写真のような納まりとサッシの種類限定よって、内部からシーリングメンテナンスができます。プロに頼まなくても自分でもメンテナンスできます。これが長期優良住宅の基本で自分で簡単DIYできる家です。上部庇が必ずセットで計画されこの庇で基本の防水性(通常時)を確保し、窓周囲シーリングで追加防水性(暴風時)を確保します。
勿論、水を切るのは下の枠になります。でもサッシが外壁より引っ込んで取り付けられている理由は、シーリングのメンテより・・・
次回にご説明します。
そのとおりとすんなり受け入れられる家族論でした。
今日、上野住宅建材さん主宰の講習会での「家族論」は、少なくとも拙宅にはぴったりのお話でした。その内容とは
1.リビングなんていらない。
2.プライベート仕切り、及び個室必要なし!!
3.超個室化万歳&個と世間がつながる家!!
4.家族に団欒は空想!!
5.ラボ付住宅は重要!!
と普通にこのまま聞いたら「アホですか?」と思うような内容です。
しかし拙宅は実はこのとおりのプランで、そのまんまです(笑)。
実は今まで拙宅のプラン又はお手伝いした家については公開してませんでした。建築士なのにこんな非常識なプランを考える人に設計などお願いしたくないだろうな と思ったからです(お手伝いした家についてはプライバシー問題)。
ところが・・・今日の講師の南先生のお話で、この考えのほうが生活に対し正直にプランしていると考えが変わりました。
拙宅は
1階はサブキッチン付き土間10帖+たたみ6帖で、この空間がラボ(研究室)になっています。庭から巾2.6mの開口部でほとんど段差なし入れる空間です。玄関は通りません。月2回ほど妻が友人と大勢で(8人以下)手仕事をするときはここを使います。ですので普段はここを使うことはありません。だから断熱区画を施してあり、この部屋だけ寒くしたり暑くすることができます。
他に1階は風呂、洗面所、トイレ、クローク6畳でトイレと風呂に戸があるだけで、洗面所に戸はありません。
2階は32帖ワンルームです。ここにメインキッチンが設置され、大きなダイニングテーブル2.1m×1.1mがドンと置いてあります。このダイニングテーブルは数年に1回位置が変わります。そのほかパーティションで妻ベットと娘部屋が軽く仕切られ、ここも1年に1回は配置替えがあります。個室はありません。
リビングはなく、ダイニングの横にちゃぶだいがあり、そこに長さ2.2mのソファーベットが2台が並びます。食事はこのちゃぶだいかダイニングテーブルで、その時の事情でどちらかになります。
少人数(友人4人程度)の集まりがあるときはこの2階の空間で行います。無論、妻ベットや娘の部屋が見えてます。また、本や物が多いながら適材適所にしまわれている不思議な空間です。またこのダイニングから屋上菜園に直行でき、食事にあわせパセリや飾りつけ葉っぱを取ってきます。
部屋の壁は全てシナベニア。「緑の家」の定番の白い壁ではありません。しかし明るいのは、海に面して大きな窓があるためでしょう。狭いながらも居心地は最高です。
隠すことができない家なので、思いやりが自然に生まれます。着替えているときはそちらに行かない配慮とか、静かにしてほしいそうなときは、1階のラボへ行くなど・・・。
内容の1.のリビングはないですし、2.の個室はありません。
3.4.の超個室化というのは、ご飯を食べ終わったそれぞれ好きな場所で好きなことをします。だから個室「化」であって個室ではなく、間違ってもリビング?に集まって団欒などありません。で、各人の外とのつながり(携帯、メール、ネット、外出)は個々の自由です。5.のラボも重要です。これは手仕事の会を主宰している妻の空間です。普段は使いませんが、いつ人が尋ねてきてもよい空間となってます。最後に超個室化に旦那の個室化かラボが必要です。私の場合はそれが自宅外の事務所で、好き勝手なことができます。超個室化万歳です。
どうですか?今日の勉強会の内容のとおりですね。
この家で19年間暮らしてきました。あるときは全く仕切りがなく、ダイニングにベットが置いてある状態でよく人を招いてましたし、あるときはクロークにベットがあったりしてました。つまりそのときに応じて間仕切り位置を変化させてきました。
こんな家を薦めることはタブーだと思ってましたが、これが変化に対応できる家と今日実感しました。リビングがなければ団欒ができないと思っている方は、それが空想だと思ってください。リビングは名ばかりで、家族同士無言でも一緒にいる時が団欒なのです。子供が小さいときはダイニングであったり、寝室であったりしてその時(年)に応じて変化してます。ここがリビングと言う概念は捨てたほうが、きっとよい家ができます。きっと・・・。そしてリビングと部屋数がないのは、コンパクトな家になります。逆を言えば40坪以下の家では使わないリビングは無駄です。
とこんなことを建て主さんに薦めたら「アホですか」と言うことになると今まで思っていましたが、今日からは堂々と勧めてみます。
これが現在の核家族の日本人に合っている気がします。特に優れているのは無駄がないためローコストででき、変化に対応可能だということです。元々日本人の会話は「めし」を食べるときだけであって、リビング(居間)という部屋で会話はありえないでしょう。
こちらは1から5とり入れたI邸。リビングはなく、こだわりのラボ兼ダイニングスペース。2階ながら直接外からの出入り可能
そうそう、広い庭も絶対に必要です。これは今日のお話でありませんでしたが、講師の南先生の家の「蛍が飛ぶビオトープ」は大変有名ですから・・・。
最後に誤解しないで頂きたいのは、この家族の根底に信頼と愛情がなければいけません。好き勝手ばらばらではなく、各個人を認め合って尊重する姿勢があるから可能なのですね。
延長になりました。
当事務所の「緑の家」でも利用させて頂いている長期優良住宅(現在着工中の家あり)の100万円の補助金が、申し込み延長になりました。11月15日時点で補助金枠5000件に対し2900件の申し込みしかなかったので、延長になったとのことです。
画期的なことは理由があれば5月末までご入居であれば大丈夫ということ。雪の多い季節になる新潟県では大助かりです。
この補助金は、先の先導的モデル事業とは違いほぼ100%(申し込み総数が5000件で打ち切り以外)もらえるので安心感があります。
緑の家では標準仕様のSプランで該当します。補助金がなくて困っていた皆様には。大変なクリスマスプレゼントですね。
上は前回の参考書類です。
当事務所のスケジュールでは1月に実施設計が終わらなければならない事になりますが、今年中に基本設計が終われば何とか間に合う予定です。詳細はお問い合わせください。
多分来年度も100万の補助金はありそうです。国会の予算審議が終わる3月ころまでは確定すると思いますが、準備するに早いことはありません。
設計事務所の仕事で何を大切にしてますか?
と問われたとき、必ず一番は「安全性」となります。
当たり前じゃないか?と言われればそれまでですが、
この建築業界に身をおいていると、要らぬ情報が
入ってきますし、目に付きます。(耐震性がなさそうな家が・・・)
最近瑕疵担保保証の会社が、今まで基礎配筋検査をの
写真を撮影して記録として残していたのに、
「今後写真は省略します」と言って、撮らなくなりました。
これは当たり前のことで、
配筋のチェックは「工事監理者」が行う行為です。
しかし実態として工事監理者は機能しているのでしょうか?
特に一括請負(設計施工とも同じ会社)の場合は・・・。
安全性の一番は「耐震性」です。
先日の記事でご紹介したとおり、耐震性は法律を守って設計すれば
必ず大丈夫でないことを、先日の実大実験が証明してます。
法律はあくまでも「最低の基準」と建築基準法第一条に
記されてます。だか当事務所が大事にしているのは、
技術者としての「工学的判断と信念」です。
その信念で当事務所の耐震性のチェックには
弾性変形内の層間変形角を重要視してます。
弾性変形とは、ゴムに力をかけると変形し伸びますが、
力を取るとほぼ元の形に戻ります。これが弾性変形。
この範囲なら物は繰り返しの力に耐え、急に耐力が
なくなることがありません。
層間変形とは、揺れた時1階と2階にどのくらいの角度
になるかを計算で予想する事です。
オーブルでは1/150以内としてます。
これは1階と2階の高さが3mとしたら、たった2cmのずれです。
「えっ、耐震性があるというのはそういうことではないの?」
と普通の方は考えると思いますが、違います。
法律による耐震性とは「倒壊しない」事を意味します。
半壊でも傾いても倒壊しなければOKというのが
建築基準法による耐震性です。
上の写真はいずれも倒壊していない建物。しかしこれでは全壊です。
自分の家だったらそれでよいですか?
私は不十分と思います。
大きな地震がきたときに、「家に入れ!!」と言うくらいの
耐震性が必要です。そのことでコストは上がりません。
ただ層間変形角1/150を計算をし、
そのとおりに施工すれば大丈夫です。
設計業務を委託されていつも思うことは、
に尽きます。設計図に書いてなければ、
「言ったはず・・・」では
水掛論でどちらも気まずい思いをしますが、
設計図にあれば業者さんに「図面のとおりお願いします」
のただ一言。沢山の設計図は本当に重要です。
これがメリットです。
「オーーブルさんの家は何となく整っている」とか「何か違う」といわれます。それは細かいところにポイントがあります。同じ自然素材のインテリアでもちょっとした違いが完成に影響します。今日はその中でもすぐにわかるポイントを2つ。ここで紹介すると直ぐに真似られる恐れもありますが(いつもお越し頂いている半分の方は、同じ業界の方です)、オーブルデザインは太っ腹。建て主さんの利益になれば、また自分自身のレベルアップ意欲をかき立てるので、どんどん紹介してます。それでは
上の写真は先日の見学会のリビングです。中央の壁に「え」と書いてあります。これはここに絵やフォト、タペストリー等を飾る場所という意味で、フォトショップで合成しました。通常飾るのはこの高さですね。
この写真は同じようですが何か違います。わかりますか?
そうです。スイッチの高さが違うのです。普通のハウスメーカー、工務店さんはスイッチの高さは床から1200mmくらいです。なぜか理由はわかりませんが、必ずこの高さです。
でもこの高さだと絵と干渉して美しくはありません。
先ほどの上の写真はオーブルデザインのスイッチの高さです。床から834mmです。この高さが、絵等を飾っても邪魔をしません。加えてユニバーサルデザインで、車椅子の人でも、小さなお子様でも手が簡単に届きます(子供がスイッチでいたずらするのは躾の問題ではないかと思います)。だから全建物は全てこの位置です。電気屋さんは最初戸惑いますが、つけて見ると納得です。
次にこの造り付け家具をご覧ください。良い雰囲気ですねよね。それは下の赤丸の取っての位置がポイントです。シンプルなこのつまみ取っ手は下の赤丸位置がベストです。位置は芯寸法XY共に30、30mmです。取ってによって変わるこの寸法は、家具屋さん任せにはしません。
一般の家具屋さんが付ける取っ手位置は下の写真のような中途半端な位置です。しまりがないような気がします。
如何でしょうか?小さなことが大きなインパクトになる時があり、そんなことを設計事務所はいつも考えてます。りんごのマークでおなじみのアップルの製品はシンプルで美しいですのよね。当事務所でも
「どこが一番美しいかな?」
「もっと良い方法なないかな?」
「もっとシンプルに・・・」
といつも考えてます・・・。
やはり私は・・・変です。数日前にLED電球についてこのブログに書き、「まだ購入は早い」様なことを申し上げたばかりなのに、ここにあるものは・・・。
つい、購入しました。ネット販売の恐ろしさです。LED電球を調査しているときに、知らず知らず「購入する」というボタンを押してしまいました。( ̄Д ̄;;
何事も体験主義の私としては、やはり試さないといけません。
しかし過剰包装ですね。
まず商品を開けるとあの新品のパソコンと同じ匂いがします。多分基盤が内蔵されているので、その洗浄液か半田の薬品の匂いでしょう。実績から東芝が良いですが、形状が穏やかだったので数社あるメーカーからこれにしました。一個\4000です。(^-^;
次に事務所のスポットと同じように設置。
これは違和感ありません。
次にグローブがある器具に現在使っていた蛍光灯形電球に変えて設置。ちょっとグローブの発色が違いますが問題なし。
次に当事務所の定番中の定番の使い方。
現在使っているのは2012年から販売してはいけない電球です。(^-^;
次にLED型電球に交換(後ろの壁に注目。間接光がありません。)
さらに蛍光灯型電球では・・・
うーーむ。やはりLED電球は指向性が高いのでその配光を正面に集中することで、省エネ性を高くしている傾向があります。どうもこのような壁付けでは、従来の電球と雰囲気が変わります。
使い方としては、ダウンライトや乳白グローブの中で使うことがよさそうです。今回のLED電球は、電球60W相当で7.5Wという消費電力。蛍光灯型電球では電球60W相当で13Wという商品がありますから、半分程度の消費電力です。但し寿命は40000時間でON、OFFに強いという特性を生かしたところに使うとよろしいでしょう。
ナス型裸電球は見ていると光がきれいです。ろうそくのような輝きがあります。さすがに相当長い間ろうそくになじんだ人間の歴史を感じさせます。
びっくりしました。この記事。これは日経ホームビルダー2009年7月号に載っていた記事です。記事で広告でないところがミソですね。
これはドマカラという商品。建材では大手の城東テクノ(株)さんが販売しはじめたもの。
内容は6年前から採用している「緑の家」の玄関土間工法のプラスチック版そのもの。
コンセプトも同じ「対シロアリ」。
とうとう大手がここが白アリの弱点と気づいたようだ。喜んでいいやら悪いやら。でも確実に建て主さんのために良いことだから拍手。
緑の家はすごいよね。こんなことをもう数年前から標準施工・・・。と手前味噌モード。他の建設会社さんは写真左の左が普通。家の中に土があるのは気分的にも嫌だしね。
下の図は「緑の家」の玄関詳細図。皆さんマネしてください(更にオーブルは進化しますから)。但しこれをまねた場合、自分で考えたということではなく、「学んだよ」という認識で願います。
緑の家はさらにメンテナンスが簡単にできるおまけ付き。これは部材売りのメーカーではできない全体の基礎計画だから・・・。やっぱり大事なのは全体の計画を把握する設計力です。
実は当HPのトップにこっそりとあるページができてます。それは・・・
「オーブルデザインの家の歴史」
会社の歴史はとても大事です。特に住宅は50年単位で考える、普通の人が一番大きな買い物だからです。そんな流行を追って又その時だけの仕様等数年単位で簡単においそれと家のデザインや性能が変わってはいけません。
いつもブログやHPのコラムで「過去の家のデータを消すのは、過去の建て主さんを消し去るのと同じ。過去のチラシ(宣伝した家)を見せてもらおう!!」と言っていました。それなのに当HPにはその専用頁がなかったのでこっそりと新設しました。って ここで宣言したらこっそりではないだろうと言う突っ込みはなしです。(^-^; チラシがなくても当HPはずっとデーターを残してあるので見れますが・・・。
9年前(2000年)の折込みチラシ。本当に今見ても全く問題ないというより、すばらしい家達です。と手前味噌モード。
一昨日はとても感謝する事がありました。コンビニから私が出るときに、ちょうど外から小学校5年生くらいの男の子が入ってきたところでした。その男の子は私が思いもせぬ行動で、私が出るまで戸と抑えてくれてたので、思わず振り返って笑顔で「ありがとう!!」というと、男の子の顔は、ぱっと花が開いたように笑顔で返してくれました。多くの人がこのように出るまで戸を押さえていてくれる場面は少ない世の中です。それだけでも感謝しますが、それ以上にありがたかった事は、「ありがとうという言葉は笑顔とセット」ということを思い出させてくれたことです。戸を持ってた人が大人だったら私はこのように笑顔でありがとうと言ってません。だから感謝する気持ちが上辺だけになるのですね。ありがとうと笑顔(心)はセットで・・・。感謝です。ありがとう!!(*^-^)
15日のブログでは、耐久性の順位が重要と書いた。たとえばこの写真中央の屋根はまだまだ当分寿命はこないだろう。谷もなく健全な計画でかつ安田瓦という耐久性の高い物を使っている。あと50年はいけるのではないか?しかし、樋や外壁はこれから20年もたないだろう。さらにたぶん温熱性能は低いと想像できるので寒い家ではないか?すると家主の代変わり時には家の建替えとなり、まだまだ使える瓦はごみとして処分される。家はおのおののバランスが重要である。
4年くらい前にお手伝いさせて頂いた建替えの家は、その3年前に瓦だけ数百万かけ瓦を葺き替えたとおっしゃっていた。しかしその後すぐに建替えたかというと、とても寒くてじめじめした家だからだ。このように家の持つバランスがくずれていると、家主は躊躇なく建替えてしまう。バランスを考えた家にする事は、その家の持つ耐久性を無駄なく発揮できる条件である。 誤解のないように・・・私は瓦屋根は大好き。それ自体土で、役目を終わったらまた土に返るだけの貴重な素材。
緑字2010年修正。
最近HP中やブログでもお伝えしたように、長期優良住宅やCASBEE評価のおかげで、耐久性のある住宅について提案しよく考える。そこではっきりしたのが、耐久性を上げる部位の順番である。
「緑の家」の屋根は標準でガルバニュームかアスファルトシングル葺きである。大手ハウスメーカーでは瓦が一番多い。たぶん営業しやすいから・・・。「屋根の耐久性は瓦が一番!!少し高くても瓦がいいですよ!」というだろう。しかしオーブルデザインでは違う。オーブルデザインの「緑の家」では基礎に最初にお金をかける。次に構造(断熱含)そしてまだ資金があるなら屋根にかける。なぜか・・・?昔(2000年前)からつい最近(100年くらい前)までそうだったから。とても営業しにくいが、でも歴史がその理由を証明してくれる。
木の住宅は2000年以上前からある。今までどのような経緯で部材ごとの耐久性を考えられてきたか、歴史を振りかえる。
最近は金属性の屋根(ガルバニューム)、和瓦を代表とする焼き瓦、コンクリート系のスレート、アスファルトシングルのような石油加工品が多いが、ほんのちょっと前(100年)は、植物系屋根が主流で、一般の民家はほとんど木やカヤの類の屋根であった。木の屋根の耐久性も実はそんなに悪くない。30年くらいは大丈夫という調査もある。つまりほとんどの家が30年の耐久性の屋根を使っていた。そして一部の邸宅や社寺仏閣は瓦と銅板で屋根を作っていた。その中でも銅板は最高の耐久性を誇り、200年の寿命があるとまで言われる。(瓦は100年以下)。近年銅板は酸性雨の影響で著しく短寿命となったらしい。60年~80年が一般的な銅板屋根の寿命と思われる。さてお分かりだろうと思うが、屋根材は長持ちすればそれに越したことがないのであるが、瓦や銅は高いので30年くらい持つ木の屋根で問題なかった。木は日本の至るところにあるのでそれが普通と考えていた。ではなぜ木の屋根がなくなったかというと、頻繁に類炎する火災のせいである。現在法律上屋根は「燃えにくい」素材で作る事が義務付けられている(関東大震災で大きく変わった)。だから木、カヤから瓦に急に置き換わった。しかしコストの理由で耐久性のないセメント瓦やアタンと呼ばれた亜鉛鉄板が多く使われ、それがあまりにも短寿命(10~20年)だったため、「焼き瓦でなければだめ!!」というイメージが定着した。
次は外壁
現在の外壁は説明するまでもないと思う。屋根と同様に少し前(70年)の外壁の主流は木と土である。木の耐久制は40~50年くらい、土は50年くらいといわれている。現在木の外壁は屋根と同様火災に弱いとの理由でなくなった。また土壁は工期がかかる=コスト高の理由でなくなった。比較的簡単にメンテナンスできる部位でもあるため昔から外壁は30~50年くらいが妥当と考えれれていた。
次は構造
昔は木の構造しかないので木の構造で考える。普通の木の構造は土台周りのメンテナンスができれば100年くらいは大丈夫。今まで取り壊される理由が「木の構造が先に寿命を迎えたから」という家は少ない。だからその期間に訪れる地震に強い性能や、快適性が重要である。
次は基礎
昔の基礎は丸石(自然石)を並べただけのもの。だから現在の基礎と直接比較はできない。というのは昔はこの丸石単体で基礎と考えるより、その地面と丸石一緒で基礎として考えていた。家を造るにあたって先ずは地面の安定しているところを探した。そして地面を安定強固にするため、「よいとまけ」をおこなう。よいとまけを見たのは私がまだ幼稚園のころであり、それを最後に見なくなった。このように劣化が考えにくい地面と一体で考えられた丸石を含む基礎の耐久性は、大地震が起こるまでの「無期限」ともいえる。
次は設備
昔の設備といえば「かまど」「雪隠」「井戸」「囲炉裏」であろうか?この耐久性はすべて日常でメンテナンスを必要としているので他のものと比べることはなかなかできないので省略。
最後は窓
昔(100年以上前)は柱と柱の間に入る木の板が窓となる。耐久性は、その部材がなくてもOK(お金がない家は、木の変わりにわらや植物で遮っていただけ)という時代だったので耐久性という概念はなかった。
さて、これでお気づきになったと思う。耐久性は家は作る順序と同じように考えていた。家を最初に造るときは地面(基礎)工事から始まって、木の構造→屋根となる。だから屋根の耐久性はこの三つのなかでは一番低くても仕方ないと考えた。屋根の葺き替えは他の部位に関係のなく単独でできる工事であるから、木の構造や基礎よりも低い耐久性でOKだったのである。それに比べ基礎は、直す事ができない部位だったので一番高い耐久性を求めたのである。今でも清水寺、善光寺など有名な神社では檜皮(ひわだ)で葺いている。これはヒノキの皮で耐久性は50年程度なので、そのつど葺き替える。意匠的な理由であるが、致命的な欠点ではないので現在も受け継がれている。
次に木の構造はどうだろうか?この木の構造を長持ちさせるために昔の家の基礎(床下を含む)は、人が常に入れる高さがあった。木の構造の中でシロアリ、腐朽などの弱点となるのは基礎周囲。その部位のメンテナンスさえ行えば木の構造の耐久性はぐっと上がる事を歴史は証明している。緑の家もこれに習っている。まず最初に基礎や基礎高を重要視ししており、さらに木の構造(断熱気密も含む)、さらに資金があれば最後に屋根となる。屋根の耐久性の目安は30年以上、逆にそのくらい経てば、雨どいやサッシなどに寿命がきて、いっせいに外皮のリフォームできる。
さて、蛇足であるが60~100年耐久性のある焼き瓦でも谷や見切りは金属でできている。この金属は普通はステンレスであるが、悪い工事の時はガルバニュームとなる。そのガルバニュームの寿命で屋根の寿命も左右されてしまう場合がある。取替えは瓦全部ではないのでコストはそう大きくないが、それでも足場がいるのでそれ相応にコストがかかる。無論ステンレスでも耐久性は焼き瓦より低いとされる。