2007年10月のブログに「床暖房の正しい評価を!」と題して少し批判めいたことを書きました。その後学会では毎年追加研究発表がされており、今年の日本建築学会で発表された論文「その9」でようやく結果がでてその論議が終わりそうな気配です。
全ての写真、図は2009年度日本建築学会で発表された梗概集の中の「サーマルマネキンをを用いた室内温熱環境と暖房投入量の評価」早稲田大学 田辺新一先生ら によって発表されたものの抜粋です。著作上問題がある場合、理解に間違いがある場合はお詫びの上すぐに削除します。
今年の発表では床に投げ足で座っている場合と椅子に腰掛けている場合のパターンで、同じ快適さを得るのに必要な熱量は、床暖房の場合とエアコン暖房の場合でどの位違うかを実験したものです。
2007年の実験では床暖房に有利な普通しない姿勢である投げ足のみの評価でした。当時質問者から「こんな姿勢は不自然。暖かい床に接する面積の多い床暖房に有利では」と言われておりました。
今回の発表では、それを答えた内容になっております。
まず気になる結果ですが、全て実験の断熱条件において、床暖房のほうが少ないエネルギー投入量で快適感がエアコン暖房と一緒だった。ということで、2年前と変わらない内容です。・・・が、
その結果のところに(注3)と書いてあります。これを見ると、
「超断熱住宅では、暖房方式の差異はほとんどなくなると考えられる」と小さく書かれております。では超断熱住宅とは・・・
この表のとおり今回の実験の断熱性能は高断熱で3.1W/m2・℃、中断熱で3.3W/m2・℃、低断熱で3.72W/m2・℃となっており、「緑の家」の標準仕様であるSプランの2.0W/m2・℃より75%から55%程度の低い断熱性能です。ということは、超断熱は2.0(Sプラン)くらいとなるのではないでしょうか?
何となくわかってたとはいえ、ほっとしました。
実験結果だけを論文に載せるのではなく、それから推察されることを注釈として論文に載せられた事は、やはり大学機関の論文は中立、公正性が高いと思います。
田辺新一先生に感謝です。ありがとうございます。
ということで、建物の断熱性を超断熱にすれば、同じ快適性を得るための暖房方式によるエネルギー投入量に差異はほとんどなくなります。
注意しなければならないのは快適性の質は、若干違うということです。また同じ快適性は年齢によっても違い、拙者はほんのり床が暖かいのは年をとった時(代謝が落ちたとき)気持ちが良いと思います。←高床下エアコン暖房推奨派・・・(^-^;です。
コメント
aki様
Q1住宅にお住まいの方のコメント、応援、感謝です。
一年半前にQ1住宅をお造りなったということは、2年半前くらいからご計画されていたということだと思います。そんなころにQ1住宅のような高性能住宅・・・先見の目があると思います。
また、お時間が許せばQ1住宅のリポート等お待ちしてます。
いつも楽しく拝見させていただいています。
我が家は築1年半のQ1住宅です。
当初、床暖房への憧れがありましたが、現在、2階階段ホールに1台のエアコンだけで、37坪の全館冷暖房をしています。
1年目の冬は、入居が12月だったこともあり、1階の床がちょっと冷たかったですが、2年目の冬は問題なくなりました。
補助暖房としてのハロゲンヒーターも、2年目は使わなくなりました。
1階の暖房としては、ごろ寝するときに、2畳のホットカーペットです。
大抵は、スイッチを入れず毛布をかけてれば大丈夫です。
(床下エアコンもかなり真剣に悩みましたが…)
新潟で、エアコン暖房が使える家というのは、本当にすばらしいことだと思います。これからも、頑張ってください。