設計事務所の仕事で何を大切にしてますか?
と問われたとき、必ず一番は「安全性」となります。
当たり前じゃないか?と言われればそれまでですが、
この建築業界に身をおいていると、要らぬ情報が
入ってきますし、目に付きます。(耐震性がなさそうな家が・・・)
最近瑕疵担保保証の会社が、今まで基礎配筋検査をの
写真を撮影して記録として残していたのに、
「今後写真は省略します」と言って、撮らなくなりました。
これは当たり前のことで、
配筋のチェックは「工事監理者」が行う行為です。
しかし実態として工事監理者は機能しているのでしょうか?
特に一括請負(設計施工とも同じ会社)の場合は・・・。
安全性の一番は「耐震性」です。
先日の記事でご紹介したとおり、耐震性は法律を守って設計すれば
必ず大丈夫でないことを、先日の実大実験が証明してます。
法律はあくまでも「最低の基準」と建築基準法第一条に
記されてます。だか当事務所が大事にしているのは、
技術者としての「工学的判断と信念」です。
その信念で当事務所の耐震性のチェックには
弾性変形内の層間変形角を重要視してます。
弾性変形とは、ゴムに力をかけると変形し伸びますが、
力を取るとほぼ元の形に戻ります。これが弾性変形。
この範囲なら物は繰り返しの力に耐え、急に耐力が
なくなることがありません。
層間変形とは、揺れた時1階と2階にどのくらいの角度
になるかを計算で予想する事です。
オーブルでは1/150以内としてます。
これは1階と2階の高さが3mとしたら、たった2cmのずれです。
「えっ、耐震性があるというのはそういうことではないの?」
と普通の方は考えると思いますが、違います。
法律による耐震性とは「倒壊しない」事を意味します。
半壊でも傾いても倒壊しなければOKというのが
建築基準法による耐震性です。
上の写真はいずれも倒壊していない建物。しかしこれでは全壊です。
自分の家だったらそれでよいですか?
私は不十分と思います。
大きな地震がきたときに、「家に入れ!!」と言うくらいの
耐震性が必要です。そのことでコストは上がりません。
ただ層間変形角1/150を計算をし、
そのとおりに施工すれば大丈夫です。
設計業務を委託されていつも思うことは、
に尽きます。設計図に書いてなければ、
「言ったはず・・・」では
水掛論でどちらも気まずい思いをしますが、
設計図にあれば業者さんに「図面のとおりお願いします」
のただ一言。沢山の設計図は本当に重要です。
これがメリットです。