「 Asama 」一覧

新潟のい住まい べた基礎 餅は餅屋。設計は設計事務所。

昨日べた基礎の計画を見るとその会社の技術レベルがわかるよ!のような話をした。宣言したは良いものの、自分で不安になり少し調べてみた。すると・・・、やはり間違いではなかった。

最近は、建設会社でもブログが盛んに行われてではでいるようで、色々な基礎写真やコメントがある。ある会社では、基礎にかかる荷重をしっかりと把握していないようで、建物荷重が低すぎる事がわかる。

私どもの「緑の家」で詳細に重量計算すると、約9から12KN/m2くらいで基礎のスラブ算定する。スラブ荷重を入れると12から16KN/m2にもなり、この荷重で地盤の支持許容応力度より少ないこと確認する。また、国の基準である性能評価の計算書のマニュアルでも積雪1mで計算する場合、2階建てで11KN/m2と指定される。だからこそ基礎梁のせい(スラブ厚+立ち上がり)が600mm以下では鉄筋が最低2-D16必要なときがある。 そして設計荷重であるが、多雪地域である時は設計荷重は7.8KN/m2となり、壁又は屋根が重いときは10.8KN/m2。しかし7.8はおろか10.8KN/m2なんて考えていないのだろう。餅は餅屋といわれるように設計は設計屋(設計主体の事務所)さんに語らせることである。生半可な知識で設計(構造計算)のことを語ると・・・。

↑表は国が定める性能表示の基礎計算時の建物荷重。新潟県は原則全て多雪地域である。

次にやはりべた基礎の場合の構造区画。べた基礎とはもともと地盤が悪いところで基礎接地圧を減らすためにできた基礎方法。であるから、その考えに妥協は許されない。べた基礎で考えるときは、その周囲の基礎梁が連続していることが条件。つまり原則、人通口や島型の基礎立ち上がりがあってはいけない。基礎区画内に島型あるのは、荷重によっては床束と同じと考えるので問題はない。ところがべた基礎なのに、どう見ても区画がない。これで基礎の作り方や、コンクリート強度を語るのは詐欺のようなもの。知らないでは済まされない。重要な構造部分であるから。

また、あれほど話題になっているのに、住宅用階段で両側に手すりもしくは壁がなければ、原則建築基準法違反となるのに、いまだデザイン系住宅のチラシにはそんな手すりのない階段の写真がある。法律には詳しくはないのであれば、また施工途中であれば、仕方のないことであるが、せめてそんな写真を堂々と載せることはやめてほしい。ほかの人が「何だ。これができるならまねしよう」という人が増える。こんな写真を堂々とチラシに載せる会社は、他の部分でも法律違反(悪気がなくても)している可能性が高い。気をつけたい。


新潟の住まい 良い住宅会社の選び方!過去の基礎仕様をチェックしよう。

今は情報時代。専門的な情報もインターネットでほとんど検索できる。最近では、国立図書館もネットに書籍データーをアップして誰でも閲覧可能になってきている。拙者のエアコンに関する論文(時代先取りと自負している)も「オーブルデザイン」とグーグルで検索するとたどり着く

そこで今、家に興味がある方は是非「べた基礎」で調べて見よう。べた基礎に関する法律や構造的考え方は2002年から変わっていないのに、なぜか今年から各社(新潟県のような多雪地域)いっせいに今年から変わる気配。←に詳しくあるのでどうぞ。

たまたま新潟県の低金額建設費で有名な会社のHPを見ていたら、やはりありました。標準仕様のべた基礎の写真。その基礎はべた基礎なのに、人通口が910(780)くらいある。もう5年も前から人通口はべた基礎の弱点なので人通口の幅を500(600)かつスラブに補強が必要なはず。法律では明確にこの幅は決まっていないけれど、べた基礎には裏づけなことは事実。その裏づけで簡易な方法が財団法人「住宅保証機構」が発行している「設計施工基準」にある。そこには人通口500(600)以下でスラブ補強が義務事項となっている。簡易な裏付け以外では、構造計算による確認があればOK。しかし構造計算で梁が一部欠損している補強はなかなか大変。さあ、過去のべた基礎の方法を探そう。するとその会社が将来に渡って正しく施工(計画)できるかの判断になる。基礎は一番の要。

拙者は、「家は社会の財産」と考えている。安くてもその時だけよければ・・・とは思えない。やはりせめて数十年先でもその家の価値(性能的)が下がらないように、前もって予想し準備をしておく必要がある。耐震性、断熱性は特にそうである。耐震性は等級2~3という避難病院並みの基準にしてもそう多くのコストは掛からない。設計者の心意気である。

断熱性は初期投資。必ず将来メリットとして帰ってくる。家はコンパクトになっても断熱性はSSプランが良いと今感じる。それは拙者が掲示板などで「将来はハイブリッド車が主流」と宣言した6年前と同じような確かな感覚を感じる。

の写真は人通口の下部分だけでも、普通の家の基礎高さくらいある「緑の家」のべた基礎。

10年乗っている愛車プリウス。いまだに燃費は16~19km/L。この秋プラグインのプリウスが発売されると聞いたが・・・資金がない・・・。

・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。


新潟 「緑の家」の外壁 こだわりの手仕事の塗り壁④ 性能評価住宅

屋根の煙突も設置され、内装工事を急ピッチに進める三条栄地域のS邸。完成見学会は、ブログ左のリンク先をクリック。

性能表示住宅でNEDO補助金の該当住宅で内外に建て主さんのこだわりがぎゅっと詰まってます。(耐震等級2、劣化、維持管理、省エネは最高等級)

S邸を施工して頂いたのは、帯織に構える「吉田建設(株)=住宅のヨシケン」さん。技術力のある職人集団の会社で、この地域ではナンバーワンでオンリーワン。なんと江戸時代末期からとの事。写真ではブログアップ許可を得ていないので後ろ姿でご紹介。メジャーで指示しているのがヨシケンさんの常務。まだ若いのにとてもしっかりと技術、経営共に手腕を発揮され、現場管理も高次元。安心していられる数少ない方です。

ヨシケンさんのホームページはこちらです。


新潟の住まい シロアリの群飛

青字修正2009.05。27

この時期になると新聞チラシには、「シロアリ駆除なら・・・」、「恐ろしいシロアリ・・・」と賑わう。シロアリは普段見ることがない。それはお日様が大嫌いで、風も嫌い。すなわち、暗闇の木材(土)の中で生活している昆虫。食べ物は通常は倒木か弱った木。天敵は自分より体の小さい昆虫を含む肉食(雑食)昆虫や鳥。このくらい大きさの昆虫の中で一番弱い。

この写真は、5月18日携帯カメラで撮影した。私が今仕事をしている近くの道路に置いてある倒木(松)から飛び立つところのヤマトシロアリ(羽蟻)。この行為は年に一度行われ、5月の連休中から6月の梅雨前に限定される。だから広告がこの時期に集中する。この飛び立つ行為を群飛と呼んであるが、これが数千匹もいるものだから、近くにいた人たちはパニック。飛び立っている羽蟻が体についたりして「気持ち悪い。」ということになる。でもこのシロアリはうまく飛べない。したがって服に止まってもすぐに逃げれないので服から離れない。だから奇声があがる。

それはそうだ!ごく最近まで「白い」普通のシロアリとして羽なんか生えていなかった。いつもは必要ない種族。うまく飛べる羽があるはずがない。色だってにわか仕込みの黒い色。どんなにがんばってもお日様には数時間しかあたっていられない。というかほかの昆虫の格好のえさになる。飛べないし、逃げるのが遅い、攻撃できないとなれば、自然界ではあたりまえ。

こんなシロアリだが、彼らは森の番人ともいえる。木が倒れたとき一番最初に分解してくれるのが彼ら。彼らが食した後は、まるで土の小塊のようなものになる。これをさらにバクテリアが分解して土に返る。シロアリがいなかったら森の活性化はないといってもよいほど大事な昆虫。ただこの昆虫が、人間のエリアに間違って入ってこないように願うことは普通な気持ち。こんなに多くの数を見たら、普通は男性でもパニックになる。シロアリの群飛は、シロアリがそこからいなくなる合図とも言われている。つまり食べ物がなくなったので、違うとところへ子孫を残すため行為ということ。落ち着いて対応し、長い目で見て、ケミカルに頼らずシロアリが入ってこないように予防計画を心がけたい。


新潟 「緑の家」は全棟長期優良住宅対応で補助金100万がもらえる予定

先回は長期優良住宅先進的モデル事業の補助金申請をしたが、採択されなかったとご報告した。最大で一物件200万になる事業で、昨年度は総額140億円の予算がつき、一計画で数億円にもなり住宅業界への天く ・・・略・・・ かどうか不明だが、採択されたのがほとんど大手メーカー(審査は非公開)。

これに「問題あり」という声があがる前に、今年度の補正で数十億円の予算をつけ、中小工務店限定で100万/件の補助金が出ることになった。この中小工務店限定にしても大手ハウスメーカーから何も文句がないのは、すでに長期優良住宅先進的モデル事業で巨額の補助金を手にしているからに他ならない私はこの記事を見たときはっきりと確信した。政治力がある大手ハウスメーカーが「中小」に限定して補助金を出すことに何も言わないという事が信じられない。そう考えないと説明つかないから。

ということで、私は採択漏れをしたので堂々?とこの補助金を使いたい。といってもともと「緑の家」は標準仕様で長期優良住宅に合致する技術基準なので何もすることがない。あるとすれば、履歴の完備くらい。しかし、普通の工務店、施工会社さんは相当大変なはず。性能表示を過去申請した事があるならまだしも、昨年もブログでお伝えしたとおり、県内ではほとんど性能表示申請はない。仮に申請してあるとしても、耐震等級2以上は結構厳しい。これは木造部分ではなく、基礎が今までとちがうから。新潟県のほとんどの住宅の基礎立ち上がりは600mm。これでは等級2は取れない。最低750mm以上で、もし基礎がべた基礎の場合は、ほとんど構造計算によってスラブ配筋、たて上がり部分の主筋、そして区画を造る為の地中梁がいる。今まで「地震に強い家」といって宣伝してきた施工店や建設会社が、急に基礎の仕様を変えたら要注意!!今まで言っていた「地震に強い家」は嘘で、「地震に強いと思い込んでいた家」に変えなければならない。そうでなければここ数年でその会社から「地震に強い家として」建てて頂いた施主さんは納得しないだろう。

このように「口ではいくらでも言える」のが住宅業界の今の現状。是非建て主さんは、「性能表示住宅やで等級2の家、また長期優良住宅を造った事があるかどうか?」を聞くことが重要な選定基準といえる。長期優良住宅の条件が、性能表示の耐震等級2以上であるから・・・。あたりまえの仕様である。

ただ懸念される事もある。この長期優良住宅や性能表示住宅は、申請コストだけで40万ほどかかる(書類作成費用20万強、申請料20万弱)。これらはすべて建設費に跳ね返る(建て主さん負担)。

性能表示や長期優良住宅の申請書作成に限っては、当事務所でもお受けいたしますので、建て主さんに限らず建設会社さん、工務店さんはお問い合わせください。

写真はD13 ピッチ120mm以内のシングル配筋で、人通口補強を2-D16で行った性能保証耐震等級2の家の基礎。そんな基礎、2階建ての家で巷で見たことがありますか?これで初めて「地震に強い家」といえる。


エコキュートの環境、経済性の評価は・・・ 新潟の住まい 「緑の家」

赤字加筆 2010.05.23

給湯機器と言えば今はエコキュート。名前からして環境によさそうなこの給湯器の実際はどうか?

9年前から普及し始めたエコキュートの評価は最近ようやく論文として出始めている。私が最初に検討した9年前は、その機器の信頼性が不透明(ヒートポンプの寿命)だったので、見送り、その4年後始めて設置した気がする。

さて、最近のエコキュートのカタログでのCOPは5にもなり、年間平均でも3.5(地域Ⅳ)くらい。・・・と思っていた・・・。ところがこれは、給湯器自体のCOPではないという。エコキュートに設置されているヒートポンプだけのCOP(HPCOP)ということ。むずかしいようだが、エコキュートは夜に沸かし、昼間はそのお湯を使う。だから放熱ロスが相当あり、実質のCOP(SCOP)にすると2以下の機種もある。エコキュートがすばらしいのは、発電ロス+送電ロスを引いた0.4くらいのエネルギーをCOPが3のヒートポンプで0.4×3=1.2まで高められることにある。SCOPが2くらいでは0.4×2=0.8で、ガス給湯器より効率が悪い(環境にも負担が大きい)。やはりSCOPは3くらい無ければならない。どうも9年前からここ数年前までは、SCOPは2くらいの機種が多かったのではないだろうか?積極的にお勧めしなくて正解だった。

ではなぜ、使用していた人は問題点としてあげないのだろうか?それは深夜電力で沸かすので、元々の電気代が1/3のところに、SCOPが2のエコキュートでも、従来の電気温水器の半分で済むからだ。つまりSCOPが2のエコキュートでも他の給湯器より随分安くお湯が沸かせる。このようにランニングコストは優秀であるが、環境へのインパクトは特に優秀ではなかったといえる。最新機種はSCOPも3程度の機種も出てきているので、環境、経済性も高い評価となる。後は耐久性が10年か20年かがわかれば今後の給湯器はすべてエコキュートになるか、高効率ガス給湯機になるかはっきりする。・・・かな?

ちなみに拙宅は、都市ガスが無い地域かつ、海のまん前なので屋内設置の石油給湯器(普通効率)である。一応17年くらい使い続けこの度取替えた。高効率タイプは商品がまだ相当高い(10万以上)。しかも10年で中和剤の添加をしなければならないので選択しなかった。

画像は、「実使用を考慮した貯湯式給湯器の性能に関する研究」濱田靖弘、村川三郎ら  空気調和・衛生工学会論文集143号から

冬の場合のSCOPとHPCOPと損失熱量を示す。夏の場合はSCOPが概ね3割くらいアップする。


TVの情報 換気の必要性 ~世界一受けたい授業 5月2日~

上の画像は5月2日に放映された「世界一受けたい授業」 のものです。このテレビ番組は変わった大学の先生が出演する事で大変人気があります。時には数学の先生や、物理、普段考えたことも無い脳内科学等等。

今回は恩師である新潟大学のA教授(画像はしっかり映っているが一応匿名で)が出演されるとうことで期待して見ていました。期待とは・・・A教授は歯に衣を着せぬ発言をされる事で有名ですので、時にはえらい騒ぎになるときもありますが、念のためその期待ではありません(変わった教授ということは否定しませんが・・・誤解のないように申し上げておきますが、A教授は、住宅の換気と通風では、国内で第一人者です)。

まずテレビ映りが良いのでびっくりしました。またテンポの良い内容は、とてもわかりやすかったです。映像は15分くらいですが、実際の授業は、本当に45分だそうでそれを編集して縮めているとの事です。生徒のタレントさんは、よく聞き質問積極的にするそうで、大学の講義よりも楽しいと聞きました。

見ていて「おやっ」と思ったことは、いつもは仰らない「珪藻土は化学物質に対し有効」ということを番組中では仰っていらっしゃった事。聞くとスポンサーへの気配りではないかとの事。なるほど!!納得。(^-^;

綺麗な空気を得るために「月々400円かかることが充分意義のあること。」水はたった一本0.5kgで120円することを考えれば、一日で呼吸する空気の量は12kg。400円÷30=13円 13円/1日で綺麗な空気を吸えることということはわかりやすい表現でした。


新潟 「緑の家」の外壁 こだわりの手仕事の塗り壁③ 性能評価住宅

このビニールに包まれた塊は何でしょうか?

そうですね。古いレンガ(リサイクルレンガ)です。一度溶鉱炉などに使われたレンガで、溶鉱炉の寿命で解体されたものを購入して新たに使います。普通のレンガと違い「耐熱レンガ」ですので、使えないことはありませんが屋外には不向きです。特にこれを使ってバーべキュー炉は造れません。なぜなら耐熱レンガを耐熱レンガとして使う場合は、「モルタル」と呼ばれる建築のモルタルとは全く別物の素材のモルタルで積み上げるのですが、これは水分に弱く、屋外では使えません。だからといって、普通のモルタルで造ると、あっという間にモルタルが割れ崩壊します。ですので、これを再び耐熱レンガとして使いたい場合は、雨がかからないように屋根の下か屋内で炉を作ることになります(その場合、新品の方が良いですね)。

さて、話がそれましたが栄地区の今回の家では、これを薪ストーブの周囲と玄関の床として使う予定です(普通のモルタルで積みます)。この欠けた所や、色むら、製品番号がなんともいえない味を出します。見学会でご覧いただければ、本物の耐熱レンガの良さがわかると思います。多少砂っぽいところが欠点ですが、普通のレンガでは表現できない雰囲気が良いですね。

下写真は、4年前位に使った時の積み上げ施工中のものです。


新潟 「緑の家」の外壁 こだわりの手仕事の塗り壁② 性能評価住宅

いよいよ完成間近になり足場が取り外されました。いかがですか?シェーカー調を思わせるようなシンプルで装飾のない外観。ちなみに屋根のブルーは、まだできていない薪ストーブの煙突です。

この家の完成見学会のご案内はこちら

Sdim5308 足場が外れた今日、もう一度壁の状態を撮影して見ました。程よい鏝跡ですね。

Sdim5323 アクセントは木の雨戸。屋根とのカラーコーディネイトが良い感じです。

Sdim5320 おまけにお風呂場の仕上げの様子もご紹介。真っ白なタイルに天井だけヒノキを貼ります。浴槽も洋バス(輸入品)を使います。


新潟の住まい 「緑の家」の 耐久性はバランスが重要

一昨日はとても感謝する事がありました。コンビニから私が出るときに、ちょうど外から小学校5年生くらいの男の子が入ってきたところでした。その男の子は私が思いもせぬ行動で、私が出るまで戸と抑えてくれてたので、思わず振り返って笑顔で「ありがとう!!」というと、男の子の顔は、ぱっと花が開いたように笑顔で返してくれました。多くの人がこのように出るまで戸を押さえていてくれる場面は少ない世の中です。それだけでも感謝しますが、それ以上にありがたかった事は、「ありがとうという言葉は笑顔とセット」ということを思い出させてくれたことです。戸を持ってた人が大人だったら私はこのように笑顔でありがとうと言ってません。だから感謝する気持ちが上辺だけになるのですね。ありがとうと笑顔(心)はセットで・・・。感謝です。ありがとう!!(*^-^)

さて本題。

15日のブログでは、耐久性の順位が重要と書いた。たとえばこの写真中央の屋根はまだまだ当分寿命はこないだろう。谷もなく健全な計画でかつ安田瓦という耐久性の高い物を使っている。あと50年はいけるのではないか?しかし、樋や外壁はこれから20年もたないだろう。さらにたぶん温熱性能は低いと想像できるので寒い家ではないか?すると家主の代変わり時には家の建替えとなり、まだまだ使える瓦はごみとして処分される。家はおのおののバランスが重要である。

4年くらい前にお手伝いさせて頂いた建替えの家は、その3年前に瓦だけ数百万かけ瓦を葺き替えたとおっしゃっていた。しかしその後すぐに建替えたかというと、とても寒くてじめじめした家だからだ。このように家の持つバランスがくずれていると、家主は躊躇なく建替えてしまう。バランスを考えた家にする事は、その家の持つ耐久性を無駄なく発揮できる条件である。 誤解のないように・・・私は瓦屋根は大好き。それ自体土で、役目を終わったらまた土に返るだけの貴重な素材。


より一層精進します。

長期優良住宅先進的モデル事業に応援、又期待して頂いた皆様、誠に申し訳ありません落選でした。原因は当方の力不足です。心からお詫び申し上げます。

独立法人建築研究所(建研)より昨日発表がありました。いつも気にして(楽しみにして)この建研のホームページを最近は毎日のように見ており、当事務所に連絡メイルが来る前にわかりました。とても残念です。今までこのような補助金は、手ごたえがあると必ず当選するのですが手ごたえとその裏づけがあったにもかかわらず、採択されませんでした。裏づけは、4月の下旬頃、建研からメイルで追加資料の要請が2度ほどあったのです。だから「これはいける!!」と思ったのですが、よく考えて見ると最後「手違いだった」と謝罪メイルが来たのです。これが今考えて見ると少し違和感があります。(会社名を間違えているが、内容は提出内容の質問に合致・・・。〇△〇は伏せてあります。)ちなみに採択された事業はほとんどが大手メーカーか共同事業体でした。とても悔しい気持ちです。期待と応援してくださった皆様に心からお詫び申し上げます。

下は2度目の資料依頼メイル。一度目は資料送付済み。

****************

株式会社  〇△〇ニシア
浅間 秀樹 様
先日は、御社のご提案『環境配慮型・長期優良住宅先導的モデル事業』 について、
追加資料のご提出にご対応いただきありがとうございました。
ご提出いただいた資料についてですが、以下の指摘事項について、今一度以下の資料を追加してご提出いただきたく、宜しくお願い申し上げます。
・中古住宅の流通に役立つ新築時の情報は、どのように管理されるでしょうか。
短期間での作業ならびに重ねてのお願いとなり誠に恐縮ですが、ご回答はメールまたはFAXにて、 5月1日(金)正午までにお願い申し上げます。
***********************************************
 (独)建築研究所 長期優良住宅先導的モデル事業評価室
*********************************************** 

最後にきたメイル
*******************
有限会社オーブルデザイン 
浅間秀樹 様

先ほどはご連絡いただきありがとうございました。
4月28日の回答締め切りで追加資料を依頼した件につきましても、
当方のミスにより関係のない問い合わせ内容を浅間様宛に送付してしいたことが
わかりました。

期日内に資料をご提出いただきましたにも関わらず、
このような事態を招いてしまい、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。

今後はこのようなことが起こらないよう、気をつけてまいりたいと存じますので
何卒よろしくお願い申し上げます。


以上
********************************
(独)建築研究所
長期優良住宅先導的モデル事業評価室
********************************




----- Original Message ----- From: "オーブルデザイン浅間" <arbre@cocoa.ocn.ne.jp>
To: "評価室"
Sent: Monday, April 27, 2009 11:37 AM 
Subject: 再送 Re: 長期住宅質問【回答締め切り:4月28日】

評価室様

26日にお送りした添付ファイルの3ページ目が欠落しておりましたので
改めてお送りいたします。申しわけありませんでした。

----------------------------

この度はお問い合わせ頂きありがとうございます。
応募事業提案名「緑の家」長期同調型
の代表提案者の浅間秀樹です。

頂いたご質問の返答を「添付WORDファイル」でお送りいたします。
ご査収のほどよろしくお願いいたします。

新潟県三条市荒町2-2-21浅弘ビル3階
有限会社オーブルデザイン 0256-31-2250 
代表取締役 浅間秀樹 



評価室 さんは書きました:

株式会社〇△〇ニシア

浅間 秀樹 様

 この度は、平成21年度第1回長期優良住宅先導的モデル事業にご提案をいただ
きました。
 現在、応募提案の評価中でありますが、御社のご提案『環境配慮型・長期優良
住宅先導的モデル事業』
 について、以下の資料を追加してご提出いただきたく、宜しくお願い申し上げ
ます。

 
 ○ ①不同沈下した際の具体的なジャッキアップの方法をお示しください。
   ②基礎を頑丈にして住宅全体が重くなることによる、軟弱地盤上での沈下
の可能性についてどのように評価しているのか、
   具体的にお示しください。

 短期間での作業となり誠に恐縮ですが、ご回答はメールまたはFAXにて、4月28
日(火)昼12時までにお願い申し上げます。

***********************************************
 (独)建築研究所 長期優良住宅先導的モデル事業評価室
***********************************************





  

新潟の住まい 「緑の家」の 耐久性の順番は基礎→構造(断熱含)→屋根

緑字2010年修正。

最近HP中やブログでもお伝えしたように、長期優良住宅やCASBEE評価のおかげで、耐久性のある住宅について提案しよく考える。そこではっきりしたのが、久性を上げる部位の順番である。

「緑の家」の屋根は標準でガルバニュームかアスファルトシングル葺きである。大手ハウスメーカーでは瓦が一番多い。たぶん営業しやすいから・・・。「屋根の耐久性は瓦が一番!!少し高くても瓦がいいですよ!」というだろう。しかしオーブルデザインでは違う。オーブルデザインの「緑の家」では基礎に最初にお金をかける。次に構造(断熱含)そしてまだ資金があるなら屋根にかける。なぜか・・・?昔(2000年前)からつい最近(100年くらい前)までそうだったから。とても営業しにくいが、でも歴史がその理由を証明してくれる。

木の住宅は2000年以上前からある。今までどのような経緯で部材ごとの耐久性を考えられてきたか、歴史を振りかえる。

まず屋根

最近は金属性の屋根(ガルバニューム)、和瓦を代表とする焼き瓦、コンクリート系のスレート、アスファルトシングルのような石油加工品が多いが、ほんのちょっと前(100年)は、植物系屋根が主流で、一般の民家はほとんど木やカヤの類の屋根であった。木の屋根の耐久性も実はそんなに悪くない。30年くらいは大丈夫という調査もある。つまりほとんどの家が30年の耐久性の屋根を使っていた。そして一部の邸宅や社寺仏閣は瓦と銅板で屋根を作っていた。その中でも銅板は最高の耐久性を誇り、200年の寿命があるとまで言われる。(瓦は100年以下)。近年銅板は酸性雨の影響で著しく短寿命となったらしい。60年~80年が一般的な銅板屋根の寿命と思われる。さてお分かりだろうと思うが、屋根材は長持ちすればそれに越したことがないのであるが、瓦や銅は高いので30年くらい持つ木の屋根で問題なかった。木は日本の至るところにあるのでそれが普通と考えていた。ではなぜ木の屋根がなくなったかというと、頻繁に類炎する火災のせいである。現在法律上屋根は「燃えにくい」素材で作る事が義務付けられている(関東大震災で大きく変わった)。だから木、カヤから瓦に急に置き換わった。しかしコストの理由で耐久性のないセメント瓦やアタンと呼ばれた亜鉛鉄板が多く使われ、それがあまりにも短寿命(10~20年)だったため、「焼き瓦でなければだめ!!」というイメージが定着した。

次は外壁

現在の外壁は説明するまでもないと思う。屋根と同様に少し前(70年)の外壁の主流は木と土である。木の耐久制は40~50年くらい、土は50年くらいといわれている。現在木の外壁は屋根と同様火災に弱いとの理由でなくなった。また土壁は工期がかかる=コスト高の理由でなくなった。比較的簡単にメンテナンスできる部位でもあるため昔から外壁は30~50年くらいが妥当と考えれれていた。

次は構造

昔は木の構造しかないので木の構造で考える。普通の木の構造は土台周りのメンテナンスができれば100年くらいは大丈夫。今まで取り壊される理由が「木の構造が先に寿命を迎えたから」という家は少ない。だからその期間に訪れる地震に強い性能や、快適性が重要である。

次は基礎

昔の基礎は丸石(自然石)を並べただけのもの。だから現在の基礎と直接比較はできない。というのは昔はこの丸石単体で基礎と考えるより、その地面と丸石一緒で基礎として考えていた。家を造るにあたって先ずは地面の安定しているところを探した。そして地面を安定強固にするため、「よいとまけ」をおこなう。よいとまけを見たのは私がまだ幼稚園のころであり、それを最後に見なくなった。このように劣化が考えにくい地面と一体で考えられた丸石を含む基礎の耐久性は、大地震が起こるまでの「無期限」ともいえる。

次は設備

昔の設備といえば「かまど」「雪隠」「井戸」「囲炉裏」であろうか?この耐久性はすべて日常でメンテナンスを必要としているので他のものと比べることはなかなかできないので省略。

最後は窓

昔(100年以上前)は柱と柱の間に入る木の板が窓となる。耐久性は、その部材がなくてもOK(お金がない家は、木の変わりにわらや植物で遮っていただけ)という時代だったので耐久性という概念はなかった。

さて、これでお気づきになったと思う。耐久性は家は作る順序と同じように考えていた。家を最初に造るときは地面(基礎)工事から始まって、木の構造→屋根となる。だから屋根の耐久性はこの三つのなかでは一番低くても仕方ないと考えた。屋根の葺き替えは他の部位に関係のなく単独でできる工事であるから、木の構造や基礎よりも低い耐久性でOKだったのである。それに比べ基礎は、直す事ができない部位だったので一番高い耐久性を求めたのである。今でも清水寺、善光寺など有名な神社では檜皮(ひわだ)で葺いている。これはヒノキの皮で耐久性は50年程度なので、そのつど葺き替える。意匠的な理由であるが、致命的な欠点ではないので現在も受け継がれている。

次に木の構造はどうだろうか?この木の構造を長持ちさせるために昔の家の基礎(床下を含む)は、人が常に入れる高さがあった。木の構造の中でシロアリ、腐朽などの弱点となるのは基礎周囲。その部位のメンテナンスさえ行えば木の構造の耐久性はぐっと上がる事を歴史は証明している。緑の家もこれに習っている。まず最初に基礎や基礎高を重要視ししており、さらに木の構造(断熱気密も含む)、さらに資金があれば最後に屋根となる。屋根の耐久性の目安は30年以上、逆にそのくらい経てば、雨どいやサッシなどに寿命がきて、いっせいに外皮のリフォームできる。

さて、蛇足であるが60~100年耐久性のある焼き瓦でも谷や見切りは金属でできている。この金属は普通はステンレスであるが、悪い工事の時はガルバニュームとなる。そのガルバニュームの寿命で屋根の寿命も左右されてしまう場合がある。取替えは瓦全部ではないのでコストはそう大きくないが、それでも足場がいるのでそれ相応にコストがかかる。無論ステンレスでも耐久性は焼き瓦より低いとされる。


新潟の住まい 自然素材の白い家 性能評価住宅 耐震等級2の完成見学会②

が長くなりました・・・。

新潟県の夕日ですね。規則正しく並ぶ影。田植えが終わって水がはられた水面に、黄金の道が太陽まで続きます。

昨日お伝えした三条市に建築中の「緑の家」のキッチンは、流し台も含むすべてを腕のよい「オグラ大工さん」が担当し作ってます。若い大工さんですが、きっちりした対応と判断の的確さが伝わります。

大手メーカーが造るどんな高級システムキッチンでも、仕切り板はフラッシュといわれる中が空洞な板です。叩くとぺこぺこと音がするのがフラッシュ板です。それに比べこのような大工さんが作るオリジナルキッチンは、すべて無垢(ソリッド)でできているので、叩くとコツコツと質感が違います。手仕事の良さが伝わるキッチンです。

また、このような造りつけキッチンの良さは、写真のようにコンセントやスイッチがキッチンセットに埋め込むことができるので、デザイン的にも使い勝手も一番よいところに設置できます。こだわりのスイッチ位置は、このように天板下に規則正しく並びます。


新潟の住まい 自然素材の白い家 性能評価住宅 耐震等級2の完成見学会

白壁に拘った家・・・。見学会行います。

日時 6月20日(土)21日(日)いずれも10時から17時

場所 三条市鬼木

外壁も真っ白。内壁も真っ白のシンプルな家。左官職人による、手塗りの壁の雰囲気を残すため、わざとこてムラを残す・・・。

店舗外装などはもっとこてムラを残している仕上げもあるが、これはだめ。数年建つとこてムラの上部出っ張りに、埃が付きとても見苦しい。この微妙な加減が住宅ではベスト!!写真でわかりますか?この感じ。真っ白に拘ったため、今回の外壁は中霧島壁や漆喰ではないけれど、充分吟味したもの。

下地も以前お伝えしたとおり、木で造るざら板の上に、モルタルを塗った本物志向(上写真)。

この真っ白な壁を活かすため、この玄関アプローチはわざと窓なしの4mの大きい壁のみ。洋風建築は「壁」の存在感が命。その「壁」が職人の手による真っ白い左官壁、言うことなしですね。綺麗です。

外観はこのような感じです。勾配のきつい屋根はシングル葺きで仕上げ、真っ白い塗り壁に上げ下げ窓(木の雨戸もこれから付きます)。この真っ白い壁を守るために屋根はある程度軒の出を確保。木の外壁の納屋を隣に計画。お隣さんの松の木が見えなければ、日本ではないような雰囲気の家。内部もこだわりぷんぷん。照明器具から扉の取っ手まで、建て主さんが捜し歩いて決めたもの。このご紹介とこの施工を行って頂いている高い技術力の常務さん率いる腕のよい職人集団「吉田建設=よしけん」さんのご紹介は次回のブログで。


新潟の住まい 自然素材と耐雪2m、高気密高断熱の家 完成見学会

赤字訂正 2008.05.16

無塗装の外壁の家。これからの主流の自然素材の外壁・・・。完成見学会を行います。

日時は6月13日(土)、14日(日)の10時から17時まで。

場所は三条市荻掘です。

この外壁を見に来るだけでも価値ありますよ!!。コストも標準のガルバニューム外壁より15万~25万/一軒UPでOK。手で触ってみてください。やっぱり自然素材は無塗装でこそ価値があります。

性能は耐雪2mでQ値1.91.7w/m2kと、共にハウスメーカーが採用している積雪基準、次世代断熱基準の2倍、1.3倍も高い性能。無論耐震性は、性能表示の等級2相当の質実剛健の家です。

PS

予約は不要ですが、「ひやかし」等はプライバシー保護の点からお断りしております。


新潟の住まい 建築士に必要なもの・・・

ビオトープ・・・。ドイツで生まれた概念。水場を中心とした最小の循環環境が明確にある場所、仕組みをさす言葉と解釈している。

我々建築士は家の事ばかりではなく地域環境にも気を配る。 仕事としては幅広い守備範囲がある職種だと思う。だからこそ、耳を傾け心を澄ます事を常に意識しなければならない。この写真は妻が世話している自然農園(スパイラルガーデンと呼んでいる)で見つけた「オニヤンマ」の羽化風景。小さな小川が流れるスパイラルガーデンの傍らに水場があるが、娘がその付近で羽音がするので目を凝らすと、大きなトンボがちょうど羽化中。ちょうど羽を乾かしているところ。オニヤンマの抜け殻=ヤゴは3体(写真は2対のみ)あるが、羽化中は1匹。たぶん兄弟は既に飛び立ったのだろう。このトンボがその輝く翼で羽ばたくものもうすぐ。

そして3時間後その姿はもうない・・・。


新潟の住まい 自然素材と高気密高断熱の家の美しい下地

現在三条市で施工中の「緑の家」SS仕様。外観はデザイン性と間取りの融合を重視した切妻。まだ施工途中であるけれど、美しい家は下地施工中でも美しい。

写真は中霧島壁を塗る前の下地組み。通気層を幅広の貫材をとり、下地の板をわざと斜めに張る。斜めに張ると三角形ができ建物の剛性があがる。その造詣がつくる美しい模様は杉織綾(ヘンリボーン)。確かにこの板は杉材である。杉綾織りはニシンの骨模様からだと思うが、もしかしたら・・・と思わせる。木でできたヘンリボーン まさしく「手仕事」の良さが光る。またこの斜め板が通気層の補助部材として、縦横の通気を可能にしている。

美しい軸組み・・・です。

主要なサッシは木製断熱窓アンダーセン400シリーズ。チタンコーティングのアルゴンガス封入のペアガラスのアンダーセンは、内側が無塗装のパイン。外側が樹脂コーティングされた木で、木製窓でよくありがちな数年おきのメンテナンスが不必要。K値は1.6W/m2k(最近のデータでは1.7に括られてている)ととても優れもの。


新潟の住まい 床下暖房の問題点とよい点

最初にこの論文から・・・。

これは、昨年の精査された建築学会の論文文集から松鵜、石松、龍氏らの論文からの抜粋である。この論文は「省エネルギーを目的とした地中熱利用ピットや自然換気装置が採用されている建物の微生物による空気汚染を調査したものである。結果は、戸外と比べ室内環境が高濃度になりやすく、維持管理基準をクリヤーできなかったとされている。地中熱利用ピットとは、少し半地下のような住宅の床下のようなところで、その空間に屋外空気を流して室内に取り入れ、地中熱を利用しようというシステム。結果の図のとおり、確かに室内のほうが微生物の出現数が数倍高い。確か当ブログでは、微生物濃度は、森のほうが大きいときがあったと報告した論文をご紹介した。そこから考えるとこの程度あればそう問題ないが、この建物はまだ築3年程度であり、塵や汚れがピットに多くあると考えにくく、15~20年後はどうなっているか今後の調査が待たれる。

話題を題名に戻すと、事務所設立当時から、一戸建て住宅で床下から暖を取る「床下暖房」については2つの問題があると指摘してきた。この4~5年間で当事務所も2棟ほど採用し、巷でも最近多くの住宅で採用されているがもう一度問題点を整理して見ると・・・、

①ある特殊工法(屋根で空気を暖めそれを強制的に床下に入れる)では、外壁の中や土台付近には、シロアリ防蟻予防材や、防腐材が塗布、注入されている。その中を循環してくる空気は綺麗とはいえない。

②床下を暖める床下暖房は、床裏から直接伝熱してくる熱だけでは不足なので、床下の温まった空気を1階居室に入れ、空気対流で暖める。この時、床下の空気が清潔とはいえない。

である。①は、新潟県では採用事例が少ない。仮に採用例があったときでも現在は防腐剤を使わなくてもよい通気工法を採用している会社が多い。そのため防腐防蟻剤の点では問題はなくなりつつある。但し、壁内は薬による害はなくても、10年くらいたつとごみや虫の屍骸がたまり衛生的とはいえない点は未解決。

②は、解決できる問題もある。②の最大の問題は、壁の中と同じように床下がゴミや虫の屍骸で衛生的とはいえないことである。新築時は確かに綺麗である。しかし掃除ができない床下はいつかはゴミ、虫の屍骸、もしかしたらねずみやゴキブリの屍骸があるかも知れない。そんなところの空気を居室に取り入れ暖房に使っていて平気か?私は抵抗がある。

「でも御社でも採用しているのはどうしてですか?」という問い合わせを頂く事もある。その時は、「当社の「緑の家」は床下内に人が簡単に入ることができ、自由自在に活動できる最低の高さを確保してある(基礎高1m)。勿論床下を掃除することも可能。だから建て主さんがそれを了解して床下暖房望めば、床下暖房にしている。」という返答になる。また基礎から発せられるコンクリート臭は、積極的に空気が入れ替わる床下暖房ではそう問題ではないことがわかった。確かに集合住宅ではコンクリート住宅が多い。コンクリート特有の「灰汁臭」が強烈だったらすめないであろう。積極的な床下利用で空気が換気されれば、灰汁臭は問題にならない可能性が高い。

よい点は床暖房のような快適性が最低レベルのランニングコストで可能ということ。これに尽きます。またイニシャルコストもエアコンと基礎高アップだけなので経済的。

そこでこれからオーブルデザインの勧める家は「床下暖房+床高1.4m」が多くなるであろう。勿論その熱源は以前と変わらず「エアコン」である。最近のエアコンはフィルター掃除が10年間いらないため、益々便利に使える。エアコンによる床下暖房万歳!!になるはず。 下写真は1.4mの床下内に設置されたエアコン。床は綺麗に塗装されている。


新潟 住まい 連休中の寺泊は・・・

寺泊は、5月の連休と夏に人口が急に増えます。県外からの観光人で車のナンバーは「群馬」「千葉」「湘南」「練馬」「長野」「山形」「宮城」「福岡」?・・・ともうナンバーパレード状態。

朝8時を過ぎれば歩道も歩く人が多くなりにぎやかです。人が多いところが苦手な拙者でも、この寺泊の人の賑わいは気持ちの良いものです。寺泊は観光地なので、ほとんどの人の顔がリラックスしており、こちらも自然と笑顔になります。それが良いのでしょう。

この土地にご縁があって18年前から住まわして頂いていることに感謝。今日の夕方は氏神様である町内の金山神社の旗下げ(昨日今日とお祭りだった)に行きます。      合掌


新潟 海 自然 家 連休中の海

拙宅の夕日のあたる外壁。築18年になろうとしている拙宅であるが、外壁を3年前に杉の無塗装の羽目板に貼った。西の壁と東の壁の痛みや色の変化は全く違う。西は猛烈な季節風が吹きつけるので、あっという間に外壁が研磨されるような状態になる。無塗装でなかったら、まだら模様になっていたはず。ソリッドの無塗装の木であるため、一様な雰囲気のある外壁の顔を見せる。海という自然が強すぎるところほど、無塗装である自然素材がよい。但し木は雨に弱いので屋根のないところは、ガルバニューム鋼板(海まん前でも大丈夫)。

こちらは2年前に増築した車庫の上の屋上菜園。今ある緑は殆どこぼれ種(らしい)。ねぎ、パセリ、ブロッコリー、シソ・・・。みょうがの芽も出てきてそろそろにぎやかになりそうな気配。

管理者の意向により完全無肥料、無農薬。自然マルチミミズ入り

18年で周りに家ができてきたけれど、それでもまだ夕日はしっかりと見れる。今日一日感謝です。

(写真はすべて連休初日撮影)


新潟 「緑の家」の外壁 こだわりの手仕事の塗り壁 

現在三条市栄地区で建築中の「緑の家」の外壁工事が始まった。この外壁は、職人の手塗りによるモルタル塗りの外壁。昔はどの家でも左官工事は必ずあり、写真左端に写っているような電動ミキサーが工事現場においてあった。最近は「現場作業が無い、早い、ノン職人」がもてはやされ、職人中の職人芸の左官工事は殆どなくなった。

モルタル塗りの外壁の歴史は古く、戦後(60年以上前の第二次世界大戦のこと)の復興住宅から関東でたくさん造られた外壁。シンプルな外壁で所謂モルタルを厚さ20mmで塗って仕上げるもの。現在も根強く残っている数少ない外壁工法。

最近は厚さ14mmの工場で作られた外壁版を釘で貼って仕上げるようだが、やはりこだわりの建て主さん。本物の左官壁(モルタル)が好みということで、コストはかかるが、モルタルの外壁をチョイスされた。

現代のモルタル外壁は通気工法で作る。昔は通気工法がなく、壁が黒くかびる事があった。通気工法は通気胴ぶち(貫材)を455ピッチで縦に入れる。このとき外断熱工法では、ビス数が通常の倍になる。更にオーブルでは通常の倍以上の幅105の通気板を使う。その上にザラ板を釘3本で打ち、タイベック(通気工法でない場合は必ずアスファルトフェルト)をタッカーでしっかりと止める。

その上からラスを入れる。ラスとは針金をネット状にし(針金ではないのだがそう見える)、メッキ施してある。ラスも安い物だと厚さはまるっきりないが、オーブルでは山高10mmの物を使う。これを使わないと20mmの厚さまで塗ることは難しく、剥離しやすい。決められた重ねや、開口部補強を施し、モルタルを11mm前後木ごてで塗る(下塗り)。

何気なくすばやく塗っても職人さんが塗ると平らになる。すごいね!!

この後中塗りを施し、仕上げに今回は珪藻土入りの樹脂モルタルで真っ白に仕上げる。この時こてムラはわざと残すが、汚れが上にたまるようなことはしない。あくまでもムラ程度で仕上げる。写真は下塗り後のもの。中塗り仕上げは又後日ご紹介する。今が面白いところ。この施工をご覧になりたい方はご案内します。

バルコニー部分の下塗りが終わったところ。

さてこの家の内部は・・・

2階は 木組みが露出する緑の家。


新潟 「緑の家」のお引き渡し 

昨日、「緑の家」の増築のお引き渡しを行った。

4年くらい前にお引渡しした母屋の「緑の家」と同じくらいの規模の増築。所謂「スープの冷めない距離」に親子で住まうための増築。お父様の大事にされていた「金木犀」は新しい部分の玄関納まるように計画。この金木犀ので、玄関アプローチの雰囲気がとてもよい。切られることなく移されることなくうよかったね。ありがとう、これからもよい香りを運んでね。と願う。

ベージュの家が4年前の「緑の家」。白いほうが今回増築した「緑の家」。全く違う色なのに、なぜかつながりが感じられると思ってます。やはり設計者が同じだからでしょうね。

今回、増築ということと、工期の関係で完成見学会は行いませんでした。残念です。しかし次回は三条下田地区で行います。外観からもう既に「緑の家」で、今後一押しの無塗装の木で囲う緑の家。耐雪住宅なので限りなくシンプルですが、内部のいつもの木の家。なんとシアタールームがある家です。ご期待ください。

今回の内部は、建て主さんのご希望でなんと12年ぶりに「新建材」の床でした(最初から床が光っています)。私にとって新しいのに懐かしい感じです。床や扉は新建材なのに壁、天井にはビニールクロスは一切使ってないので、新築臭はほとんどありません。新築臭の犯人はやっぱり「ビニールクロス」ですね。

新築の際は、壁、天井のビニールクロスだけはよくお考え(新築臭を体験して)になって使ってくださいね。新築臭が好きな人もいると思いますが、私にとってなじめない匂いです。


新潟の住まい 海岸掃除

26日は年一回行われる長岡市主催の海岸掃除日。

暴風雨のなかボランティアが大勢いらっしゃった。気温も高くなく厳しい状況であったがみんなしっかりと作業を行った。拾い始めてから40分ぐらいで終了。本当はもう少し行う予定であったが、気象状況が最悪で早期終了となった。(写真は金山海岸です。中央浜はもっとたくさんの人たちがいらっしゃったと思います)

皆さん!!お疲れ様でした。


新潟県 住まい 自然素材の緑の家 

現在三条市に建築中のSS仕様に近い「緑の家」です。

軒の出が1mもある正統派のフォルム。アプローチの屋根の重なりが美しい家です。 軒の出を1m近く出すには、大きな部材が入ります。その部材は「たる木」と呼ばれ、通常屋根の中に隠してしまいますが、「緑の家」では堂々と露出です。

主要な窓は、木製サッシ「アンダーセン」の高性能400シリーズです。K値1.6~1.7です。家のQ値は、1.7w/km2ですので、SS仕様にはもうちょっとですが、内外インテリア等は拘りのもので、中霧島壁や、床下暖房+薪ストーブです。

家の和室に入るところには大柱があり、これは建て主さんと木材屋さんでチョイスしました。この大柱は35cm角のケヤキ製です。もう少し工事が進んだときご案内します。

この屋根もオークリッジプロというアスファルトシングル葺きの屋根で、洋風な雰囲気を出してますね。


新潟 「緑の家」の 性能表示 耐震等級2 の意識と現実

3枚の図は、日本女子大学の平田准教授の建築学会の雑誌に載っているコラムからの抜粋である。

住宅の耐震性に対し建て主(予定あり18%、未定等82%)が、どのように考えているかをアンケート調査した結果である。それによると性能表示で定める耐震等級2、3(法律の耐震性のそれぞれ1.25、1.5倍の高い耐震性)を望む方は、63%と過半数を大きく超える事がわかった。  また、耐震強度に関する情報を設計者と対話したいと考える方は、90%にもなる。

ところが、新潟県の戸建住宅ではこの性能保証を利用する建て主はほとんどいない。いないだけなら良いが、たぶん耐震等級1(建築基準法ぎりぎり)の建物がほとんどのはず。というのは、耐震等級2の基礎は、制限が大きく、布基礎であれば立ち上がりの高さ(地中30cm+地上40cm)が70cmは最低必要であり、べた基礎なら地中梁による区画がしっかり確保されていなければならない。しかし巷でそのような基礎を見ることは少ない。特に人通口は基礎梁の計算で満足しなければならないので、標準の人通口ではNGとなる。ということは、一番肝心な基礎が等級2以上を満たさなければ、いくら上部木造部分が良くても等級1の耐震性になる。

このように戸建住宅では最も重要な安全性おける建て主さんの希望と現実に大きな差がある。

ここで面白いことはこのアンケートの返答者中、家を造る事はまだ未定という人が80%なので、曲がった情報がハウスメーカーや建設会社からもたらされない。そのため耐震性に対する純粋な気持ちと読み取れる。そうでないと、営業トークによる洗脳(基準法を守れば大丈夫!とかこの家は強い構造ですから・・・とかという根拠のない押し付け情報)で、耐震性は二の次に!と意識が変わるはず・・・。


オーブルデザインの事務所の色々

布団 とバスタオルに包まれ、顔が見えないけれど触りたくなるようなふんわりした毛。自慢の「ビアンコ」です。トイプードルで18年目。事務所の設立時からずっと一緒。最近はご隠居さんで、ほとんど寝て過ごしていますが、何とか元気で自力で生活してます。ここまで元気なことビアンコに感謝してます。これからも元気で長生きしてくださいね。

次にわたしの愛用のキーボード、HHKB lite2 英語版です。このキーボードはとても小型で幅290mmとA4の紙より短いコンパクトさです。もう6年くらい使ってますがへこたれません。この上位機種がとても有名で高価なものですが、このLiteでもなかなかなものです(虹色に光っているのは朝日が水槽でプリズムされたもの)。テンキーはないですけれど、慣れてしまえば問題ありません。ただ英語版であるためOSとの相性がいまいちで、「Shift」キーが時々CADやExcelで問題を起こします・・・。

後ろにあるコンピューターは以前お伝えしたとおり自作機で、OSがVISTA64ビット版でメモリー8GB(4GBでも常に使用率85%以上だったので増設しました)で、3画面で使ってます。前のW2Kに比べればとても安定しておりますが、いまだ各ドライバー64ビット版がいまいちですね。


新潟の住まい 住宅の大切な性能 積雪量 耐雪住宅改め適雪住宅かな。

赤字は2009.07加筆

オーブルデザインは、雪が1m以上降ると容易に予想される地域に家を建設するとき、必ず、雪の対応にはどのようにするかお聞きしている。これは今後予想される地球温暖化による異常気象で、小雪だけでなく、ドカ雪による多雪もありえるからである。1昨年前には、妙高市の積雪が過去最高であったということは記憶の新しく、今年は逆に小雪。このように、両極端な気候が今後も予想される。新潟県にとって積雪も立派な災害になる。多雪が過去あった地域にとっての雪対策は、耐震性と並ぶ大きな備えであり、これを怠れば、専門家としては不誠実となる。

建築基準法によると、建物は地方自治体で設定されている積雪量に対して安全でなければならないと規定されている。それは三条市で1.8m2.0m(に変わりました) 、新潟市で1.0m、新津市で1.2m、長岡市で2.5m、新発田市で1.3m、柏崎市で1.3m、燕市で1.2m、吉田、弥彦でも1.2mとなる。この数値が適正値である。今の住宅のほとんどが緩和措置である雪下ろしを条件とする1.0mまでの減雪数値である。だから正しく考えると、耐雪住宅=適雪住宅であり、一般の住宅は減雪緩和住宅となる。

これは三条市下田地区M邸。積雪1.8mの平屋住宅。

こちらは長岡市K邸。積雪2m。

こちらは長岡ニュータウンI邸。積雪2.5m。

こちらは長岡市M邸。積雪2.5m。


最後にこちらは、今建築中の三条市下田地区Y邸。 積雪2m。(この建物だけが地方自治体で設定している積雪量1.8mより多く計画している。)概略屋根の形状は、ほとんど平らに近い単純な屋根。木の外壁であれば軒の出を設け、ガルバニューム外壁の場合は、軒の出を設けない。


新潟 住まい 耐雪2m住宅「自然素材の外壁」

無塗装の木の外壁の家がとうとうお披露目になった。とは言っても足場が外れただけ。しかし木の雰囲気はばっちりと伝わる。

Q値はまだ正確に算出していないが、1.9W/km2くらいだ。その割には窓が大きく開放的。5月下旬には完成する。

このY邸は、プランはほとんど建て主さんがお考えになり、その裏付けを当事務所でしっかりととり、耐雪2m住宅としてご提案した。

Yさんは、ウェブで当事務所を探し当てて頂き、お選びになった。当HPは探しにくく、検索でもなかなか上位に来ない。そんな中お選び頂いたことについては改めてお礼申し上げます。

耐雪2m住宅なので外観はいたってシンプル。これは箱形にすることで、屋根の上に2mの雪をバランスよく載せることができる。加えて耐力壁が通常の約
1.3倍程度割増しでに入らないと、地震時の安全性を確保できない。これで等級2相当で、積雪1mであれば等級3相当になる。それとともに地盤面2mから固い土となる適所地に表層地盤改良、オーバースペックのよう壁、ダブル配筋の高さ1mのべた基礎など自然災害に対し極力被害が少なくなるように考えた高性能住宅。長持ち仕様だ。

玄関が奥に引っ込んでいるのは、季節風の様子によって、風除室を設置できるスペースを残したから・・・。

後は仕上げとなる「対のシンボルツリー」。これが植えられると木の無塗装の外壁がピシッと決まる。


約25年も使い続けた定番の照明器具。それが今年廃盤・・・。

が建築業界に入ったのは23年前。そのころから使い続けた定番の照明器具(パナソニックのNL56262)が今年で廃盤となった。少し寂しい。

この器具はご覧の通り壁に使う。本来なら天井につけるのだろうが、壁でないと雰囲気が悪い。一日の初めと終わりには、お天道様が真横にくる。その光でできる影と同じように横に照明器具を設置する。すると表情が穏やかにみえる。これは、食卓におく燭台(しょくだい)と同じ効果。横からの光に照らされてできる影は独特の雰囲気がある。だから廊下やトイレ、階段など横につける事が多い。 ご覧のとおり白い壁には独特の陰影ができるのも魅力。

木に囲まれた家にも似合う。時には鏡をくり抜いてつけることも出来ので事務所の定番器具になった。

この器具のよいところは、本体が鋼板製というところ。プラスチックが多い中、なんとなく金属にには引かれる。またこれに代わる定番器具を探すことにしよう。


新潟の家 「熱」について

熱の量=熱量というと何が思い浮かぶだろうか?やはり食べ物のカロリー(熱量)ではないだろうか?

物を動かすというエネルギーは熱と比べると意外と希薄なエネルギーだ。重さ1000kgもある車が時速60km/hから急に止まると、そのエネルギーの多くはブレーキで熱になる。確かに手では触れないほど熱くなるが、鉄が赤くなるほどではない。そのくらいで運動エネルギーを熱で吸収(置き換えること)できる。

車の燃費を10km/L、ガソリンの発熱量1L=9.6Kw とする。成人男性が一日に必要とするエネルギーが2300Kcal くらい。これをワットに直すと2.67Kwとなる。このエネルギーを運動エネルギーだけに変換すると仮定し、人間の食べている食品で重さ1000kgある車をどれだけ移動できるかを考えると・・・2.67/9.6*10=2.78km 一日で約3km車を動かせるエネルギーになる。いつも食べるご飯やおかずだけで造れる熱なのにすごい量である。車を押したことがある人ならわかるが、タイヤがあっても意外と押す力は大変。実際は人間の体温維持(つまり熱)に2km分のエネルギーを知らない間に使っているので、1kmしか動かすことができない。それだけ熱はエネルギー密度が高いといえる。

このように熱は密度が高いので、冬の暖房の熱のエネルギーロスがあると大きなエネルギーを捨てていることになる。たとえばQ値2.0w/km2の高断熱高気密の家では、冬の一日で96000wのエネルギーを捨てている。もしこの96000wの熱エネルギーをそのまま運動エネルギーとして車に使うことができると、普通車を100kmくらい走らせる事ができるくらいのエネルギーとなる。20度の室内外温度差がつく暖房期間が4ヶ月間あるとすると、100km*30日*4ヶ月=12000kmとなる。12000kmは東京新潟30往復くらいだ。車の燃費は敏感にわかるけれど家から逃げる熱はには鈍感。暖房(熱)はエネルギーの塊である。大事に使いたい。


新潟 性能表示の耐震等級2の家に「自然素材の外壁」

現在施工中である旧栄町の性能表示住宅は、工事も半分を終えその雰囲気が徐々にわかるようになってきた。

納屋の外壁は、最近お勧めしている無塗装の杉の外壁。軒の出のある意匠とスッキリとした羽目板のバランスがとても良い。雨板にすると突然和風になるが、羽目板はそういう雰囲気にはならない。

雨板・・・新潟県の古くからの木の外壁のこと。縦に細い木を取り付ける貼り方。木の暴れが抑えられる。今でも田舎では使われる。

最近思う。木がなぜ気持ちよく感じるのだろう?その答えのひとつが色が変わる素材だからと思う。

自然界にある素材のほとんどが、濡れた時の色と乾いているときの色に差がある。いつも当たり前に見ているが、これが色が変わらない素材であったならどうだろうか?朝起きて外を見たとき、道の「濡れ色」を見て「ああ、昨夜雨が降ったのだな。」と感じることができるが、色が変わらない道路(カラー歩道)であればぱっと見た瞬間では判断できない。その瞬間に感じる空気感という表現があるが、この濡れ色も空気感の一部であると思う。

この無塗装の杉の壁は、自然界にある木の幹と同じく雨の時の色と晴れた時の色が大きく違う。また、年月が経ったとき、緑色の藻が所々生えたりもする。人間と同じようにゆっくりと常に変化している。だからこそ心に響くものがある。そんな素材の使い方(耐久性も大事にしながら)を心がけたい。


新潟の住まい 自然素材と木の構造を考える 

木の家といえば木の構造が思い浮かぶと思う。木の構造は日本では大きく4つに分けられ、「軸組み工法」、「2×4工法」、「ログハウス工法」、「その他(ハウスメーカー)」となる。県内で一番なじみの深いものは、軸組み工法であり、当事務所もほとんどこの構造で家を作る。最近この軸組み工法が2×4工法のよい所を取り入れ、プラットフォーム(床に合板を張り強くする工法)や耐震壁に合板を使うことが普通になっているため、両者は同じような形になってきている。しかし決定的に軸組み工法と2×4工法の違いがある。それは鉛直荷重をどの部材で支えるかということ。軸組みは無論「柱」で荷重を支え、2×4工法は壁で荷重を支える。ここが大きな違い。今日のブログは少々専門的な表現や記述が多いので読み飛ばして頂ければと思う。

軸組み工法の柱は、梁から荷重を受け取り柱で支える訳であるが、その接合部がとても重要なポイントとなる。昔はこの接合部を大工さんが刻んで作る「仕口」と呼ばれるものであるが、現在は「プレカット」と呼ばれ上写真の通り工場でこの「仕口」が機械加工される。この丸みのある形状のプレカットは軸組みの半数以上を占めるくらいまで普及しているが、当事務所ではめったに使わない。それは・・・

このプレカットは機械加工なので仕口は数種類程度の形状で統一される。そこに問題がある。新潟県は空間が大きく造られる家が多い。また雪の荷重で、関東の家より大きな力が仕口にかかる。図を見てほしい。これはプレカットで加工した仕口部分の模式図である。雪や床の加重は梁を通して柱にかかる。たとえば梁一本で約1000kg(10KN)の力がかかると、両端部には500kgづつに分散され柱に伝わる。この500kgをたった梁の端部15mm×120mmの断面で力を柱に伝えるのが今のプレカットの仕口である。するとこの15mm×120mmの面積では、片側529kg(松の場合、杉なら340kg)までなら木が押しつぶされなく支えることができるが600kgならNGとなる。瞬間的にはこの2倍1000kgまで大丈夫であるが、それでも1000kgというとそう大きい数字ではない。

一般的には床の積載荷重(梁用)が130kg/m2で、固定荷重が65kg/m2であわせて約200kg/m2で構造計算する。すると床の広さ10m2で2000kgになる。これは片側1000kgの重さとなりその広さは10m2で畳6枚くらいである。このようにあっという間にMAXの重さになり余裕がない。一方当事務所が標準としているクレテック金物を使った軸組みであると、529kgのところ1800kg迄大丈夫となる。瞬間的には3700kgまでOKという。この差は大きく、クレテック金物を使えば耐雪住宅や、12帖以上の広い空間をつくる時に有効であるため13年前から当事務所では使っている。

さらに地震時に梁が受ける引っ張り耐力もプレカット仕口ではクレテック金物より大きく劣っている。クレテック金物は少々高いが耐力的に今までの仕口とは大きく違うものである

では、昔ながらの大工さんはどうしてかというと、大きい荷重がかかるところは、梁と柱の接合断面積を増やすように仕口を選んで加工していたのである。ところがプレカット加工では、工場でオペレーターが計画、加工するシステムで、いちいち細かい梁の力加減に対応できずに大きな力がかかっても小さな断面積の加工となる場合が多い。運任せに近いシステムともいえる。ただ、標準的な家や耐雪住宅でない場合は安価でよいシステムである。


新潟の住まい 性能表示 自然素材の家。

三条栄地区で建設中の「緑の家 シェーカー風」が順調に施工されている。施工会社は栄地区一番の建設会社「住宅のよしけん」さんこと、吉田建設さんである。

シンプルであるが、素材や形、デザインを吟味した質実剛健米国版=シェーカー風である。

屋根にもこだわりがあり、アスファルトシングル葺きでケラバまで綺麗にシングルで納めるデザインで、日本の屋根ではないイメージを出している。見学会は6月20日21日に行われる予定。是非こだわりの内外装をご覧くださいませ!!

ケラバとは、切妻屋根の斜め部分の面のこと。通常板金(金属)で仕上げるのであるが、見た目はアスファルトシングルそのままのほうが良い。

アスファルトシングルは、コロニアル葺きにイメージが似ているが、手で曲がるほどやわらかい素材。だから雪下ろしに屋根に上がっても割れないので積雪地にも都合が良い。


新潟 木の家 木の外壁 自然素材はやっぱりそのままが良い④

三条下田地区に現在新築中の「緑の家」はこの春の陽気につられて、外壁が貼り終えた。とっても良い感じである。外壁も無塗装の杉板を貼る事で今後目指す「緑の家」となった(近くに寄るだけで気持ちよいですよこの外壁は)。

新築時の色も良いが、上の写真のような(拙宅)数年経った時の外壁色が好きである。シルバーグレーに近づきつつある。杉板なので最終的にはシルバーグレーよりも少しこげ茶色がかるはず。

2mの雪が屋根にあっても全く問題ない耐雪住宅の屋根は、上りやすく形がとってもシンプル。外周全ての屋根がちょっと雪庇防止の落雪であるため、珍しくアンテナは屋根頂上へ設置することになる。

最近木の外壁が使われているが、まちっがた計画が多い。木には必ず屋根が必要。一部雨ざらしでも耐久性がある「ウリン」などがあるが、これは例外。デザイン重視で軒の出の無い建物には木の外壁は絶対お勧めできない。たとえ防腐剤をたっぷり塗ろうとも、多雨である日本では耐久性は半分以下となり正しい使い方とは言えない。


新潟の住まい 高気密高断熱と自然素材と防腐防蟻?

上の写真は現在三条市に建設中の「緑の家」。見慣れた新築時の明るい木の色が青空に映えますね。また密に並んだ柱が構造計算に支えられた力強さを表現してます。また基礎が普通と違う事がこの写真からでもすぐわかります。

一方この写真は、ある分譲地の木の家の新築中(撮影は数年前であるが、今も同じ)のもの。こちらはほとんどの木の色が暗い色をしている。理由は、このメーカーさんは、ほとんどすべての木に防腐防蟻薬剤を工場で加圧注入し、色をつけている(色が付かない薬剤もあるが・・・)。

ここから先は好き嫌いで判断するので様々なご意見があることをご承知の上お聞きください。

私はできる限り薬剤塗布を木にしたくない派です。なぜでしょうか?

身近にある話を先にすると・・・最近、屋外で煮炊き、魚を焼ける釜場を作りました。その釜場では現場で捨てる木っ端を頂き、燃料にしています。このときやはり虫を一切寄せ付けない防腐防蟻薬剤が処理された木で、魚を焼くには抵抗があります。何か体に良くないと直感的に思うからです。自然の木でも燃やすと煙には「クレオソート」という劇薬成分が発生しします。昔このクレオソートの強防腐性を、鉄道の枕木に塗っていた事は良く知られてます。 この成分も体に良くないでしょうが、色々な化学物質が入ってますが人は何千年も前の大昔から木を燃やしそれで煮炊きや食物を焼いてきました。だからこの成分には多少体が解毒作用を持っていると考えてます。ところがこの防腐防蟻剤は数年ごとに成分が変わったり、薬剤自体が販売中止になっていることが常です。つまりそんなに頻繁に変わっていたら体の解毒作用は追い付かないと想像します。現実的に言うと、防腐防蟻薬剤処理された木の「箸」を使う人はいません。ある程度で腐ってもいいから何も塗らない木の箸がいいに決まっています!!

緑の家」は国が定めた家の性能表示において、「耐久性」の性能が最高ランクで評価されます。しかし「緑の家」では薬剤処理された木は使う事はありません(2%はどうしてもやむを得ない所だけに使います)。一方下の写真のように普通に造ると、薬剤処理された木を使うことが多くなります。特にこの写真のメーカーさんは、ほとんどの木に加圧薬剤処理された木を使うことを自慢し宣伝してます。ここまで使わなくても、、国の「耐久性」の性能が最高ランクを取得できます。しかしこのメーカーさんは、耐久性の「正しい施工」に拘ってます。良いことです。普通の建設会社は工場ではなく現場で防腐防蟻剤を塗ったりしてますが、この現場塗り薬剤は耐久性が長くても10年といわれてますから、20年位たったらまた外壁を壊して防腐防蟻剤の塗り直しです。でもこれは現実には不可能です。だからこのメーカーさんは工場で薬剤を加圧注入するということで効果が長く発揮されるこの正しい防腐防蟻施工をしているのです。拍手ものです。(ではなぜ「緑の家」はそのままでも耐久性が大丈夫なのでしょうか?その理由はここにあります。)

しかし、私はこの正しく防腐防蟻された家に住む事にためらいを感じます。防腐防蟻処理された木は、虫や菌がほとんどつきません。そんな虫一匹住むことを許さない木に囲まれて生活して木の家の良さがあるのでしょうか?(感情論なので気に障る方は流しください)木は水や湿気があれば腐ります。だから循環する材料(自然素材)なのです。腐らないものがよければコンクリートで家を造った方が理にかなってますね。腐りやすい木を、できるだけ木のままで長持ちされる工夫が自然素材を使う「人」の知恵であり、先人の棟梁さんが伝えた知恵と技です。

「緑の家」の構造では自然素材の木に少し加工を施した集成材も多く使います。しかし集成材は、木と同じように腐りますし、虫もつきます。少しでも木のメリットである循環性を残そうとしてます。できれば私は集成材をやめて無垢材にしたいと思いますが、まだ品質、性能的に製材が一般的に勧められないので集成材を使う事にためらいはありません。しかし長期にわたって薬剤効果が持続する加圧注入された防腐防蟻材を大量に使う事にはどうしても抵抗があります。写真のように何十年も色が変わらない真っ黒い木の家は、これが自然と共存できる家とは思えません・・・。

2009年4月9日訂正。

木を燃やしてできるクレオソートは、正式には「木クレオソート」と呼ばれ、防腐剤として使われるクレオソートと全く別物でした。「木クレオソート」は医薬品として正露丸に含まていて、安全性は高いそうです。間違った情報を書き込みお詫びと訂正いたします。


新潟の住まい 自然素材の家 海と屋上菜園

事務所定休日である 昨日は快晴。拙宅の小さな屋上菜園では種まき準備です。昨年作った海の嵐から守る菜園の屋根。よく潮風から守りました。このトーメイな屋根で冬取りのスティックセニョールは収穫量も多く、とても楽しめました。

イソヒヨドリがえさの少ない厳冬時に、スティックセニョールの葉を丸々食べて管理者はショックを受けつつ、「冬のおすそ分けだからよし」と寛大な言葉。

自然農で全く肥料を入れない菜園。そこで不思議とよく育つ緑。

時にはイソヒヨドリがスティックセニョールを食べた代わりに落とした、よくわからない木の赤い実が芽吹くこともあるらしい。小さいけれどミラクルワールドですね。

鳥も人も犬も狸もみんな無事に冬を越せたことに感謝です。


うれしいこと! IN 新潟の住まい 高気密高断熱の家

私ども住まいを供給する者にとってうれしいのは、お手伝いさせて頂いた方のご紹介で次のご縁があること。特に写真にある建築中の家は、右に写っているベージュの家のお嬢様夫妻の家。ベージュの家は、5年位前に建て替えの設計と企画をさせて頂いた。そして、そのお嬢様の家をお隣に造ることになった。

同じガルバニュームの外観であるが、親世帯は落ち着いたベージュ色、そして子世帯は真っ白。素材感が同じなので意外とマッチしている。

既存の庭木をなるべく残しす設計を心がけ、玄関の屋根は斜め。ちょっとでもシンボルツリーがあると、暖かい雰囲気になりますね。


新潟の住まい 自然素材と高気密高断熱の性能表示住宅

性能表示住宅を三条市で建築中とご案内した。現在は屋根下地や外壁下地を造作中。その屋根下地であるが、新潟県の屋根の主流は「ガルバニューム鋼板葺き」である。当事務所でもほぼ100%がこの屋根である。ところが、今年から100%アスファルトシングル葺きに変わってきている。  アスファルトシングル屋根は写真のような感じの仕上がり。20年位前にアスファルトシングル屋根が流行し、一度は手がけたことのある屋根屋さんも多いだろう。しかし当時の商品は粗悪品で苦労したと聞いている。もともと素材は道路のアスファルトと同質の石油製品。アスファルト自体は古くから屋根の防水に使われてきた実績のあるもの。昔はそれを浸み込ませた基材となったものが紙質のようなものであったため、粘りがなく風で寸断され飛ばされた。今の製品は基材にガラス繊維を使い。それにアスファルトを浸み込ませ防水性を確保するというもの。基材がまるっきり違う。メーカーの説明によると、なんと北米極寒のアラスカから灼熱のグアムまで半分以上の戸建住宅の屋根に採用されているらしい。耐久性も30年とガルバニュームと同じくらいで、価格も同等か低いぐらい。そして何より写真のとおり意匠がよい。特に私はこの屋根材の特性上、20年も経つと色が変わったり、藻が生えたりする可能性もあるところが気に入っている。これはうれしい。藻が生えたりすると嫌う人が多いが、最近は屋根緑化が流行中。私は雨漏りしなければ全く問題ないと思うというか、緑色屋根大賛成である。

しかし気をつけなければならないところがある。それは、今まで施工されていない屋根の防水下地(所謂ルーフィング)と水切りの両面テープ貼りが必要だということ。従来のガルバニューム屋根は、水切り板金と屋根が一体になるため、このテープは貼られていないくても全く問題ないが、関東で主流のコロニアル葺きなどは、このアスファルトシングルと同じため、両面テープ貼りが普通。そして今年から瑕疵担保保証加入住宅では、この両面テープ貼りが原則だ。 重要なポイントなので是非上棟時見てみよう。新潟県ではたぶんほとんどの住宅で施工されていないはず。しかし瑕疵担保検査員はチェックしていないと思われる。だって検査に来るタイミングは、この上に屋根材が貼られてしまっているから。やはり工事監理は専門の監理者が必要!!←自画自賛ですみません。

ちなみにアスファルトシングルはまだ耐雪住宅での採用は見合わせている。それは耐雪住宅が普通の屋根より勾配が緩い事と雪圧力が普通の2から3倍になる為。


新潟 新築 住まい 「緑の家」無塗装の自然素材 木の外壁の進捗情報

三条で建築中である無塗装の木の外壁が、着々と完成に向かっている。外壁は上の写真のとおり杉の無塗装の羽目板。いい感じですね~。

完成は、写真(模型)のように非常にシンプルなBOXの形。これは地域柄、2mの耐雪住宅のため。木の外壁の時は、軒の出は大きいほどよい。軒の出がない建物に、木の外壁を使っているところをたまに見るが、腐食が早期に始まり見るも無残なことになる可能性が高い。昔からの大工さんはそのことを親方からよく聞いているので、屋根のないところに「普通の木」を使うことはしない。木の塀でも屋根があることは見慣れた光景である。

木は無塗装でも意外と耐久性はある。上の写真は築50年は経過したと思われる木の外壁の建物。道路に近いところは、緑色の藻が生えているがいまだ現役(藻は木を腐らせる腐朽菌ではない)。これを汚いと感じる人にはお勧めできないが、私にはとてもエコに見える。無論こういった建物から連想するのは、かび臭く寒い家となるので、なんとなく印象が悪いのであるが、中が暖かく清潔ならどうだろう。そのままの木はエコ住宅の代表である。

下の写真は田舎でよく見る「雨板貼り」の家。築30年位だろうか?無塗装の木の外壁はこのような色で落ち着く。ここに緑(木に葉)があるととても感じがよい。無塗装の木の外壁には必ず「シンボルツリー」や、花等の緑と共にある必要がある。まさしく「緑の家」である。


新潟 「緑の家」の工事監理。性能表示 耐震等級2の基礎③

緑字は2009.04.02加筆

加筆前回の性能表示 耐震等級2の基礎②では、「緑の家の基礎は一体打ち込み」とご案内した。なぜ一体打ち込みがよいか?

しっかりと管理されたコンクリート建築は、打ち継ぎがあっても問題ない。そうでなければ、コンクリートの高層建築ができるはずもない。よって住宅の基礎では、2回打ちでも1回打ちでもしっかり管理すれば構造耐力に差はなくどちらでもよい。ではなぜ一体打ち込みにこだわるのか?

上の写真はある大手メーカーのべた基礎完成風景。公道から撮影しているので少々荒れている画像であるが、赤丸のところを見てほしい。この部分がベースと立ち上がりの接合部分。素人でもここがつながっていないことがわかるジャンカが見える。これは2度打ち基礎工法で基礎立ち上がりを打つ際、周囲まできっちりとコンクリートが入らなかったのである。たぶんコンクリート強度(水セメント比)を高くした高品質生コンが裏目となって、打ち継ぎに隙間が発生してのだろう。しかししっかりとバイブレーターを掛ければジャンカはなくなるはず。きっと全体的にこの現象があるので、施工管理が甘いと想像できる。しかしジャンカは大きな事ではない。表面を直せばOK。問題は施工管理が甘いと、ジャンカ以外に一番怖いレイタンスをそのままにして打ち込んだ可能性がある。これは問題である。せっかく立ち上がりが低い事をべた基礎のベースを一体化することで高くするように考えられている基礎なのに、これでは一体化にならない。また、この打ち継ぎの大きな欠点がある。今後完成時に図のように間違って地面の周囲が高くすると、雨水が床下に進入する恐れがある(当事務所でも一度経験あり)。「緑の家」のようにいつも人が入ってメンテナンスしている床下ならすぐわかるが、そうでないと床が腐るまでわからないことになる。

このような管理が大変なので、一体打ちをお勧めしている次第である。すると下の写真のように、一体の基礎ができる。これで設計計算どおりの基礎体力が確保される。

この写真は緑の家の基礎で、型枠をはずしたばかりのところ。立ち上がりとべた基礎のスラブとの境は全くない。一体化されていることがわかる。気泡が抜けきっていないが、耐力には影響はない。右下のところは、コンクリート型枠が他の部分とは違っていたため、色がついた。

写真を見ていてもうひとつ不思議な事に気がついた。一番上写真の大手ハウスメーカーの家の基礎は、基礎が土の中にないのである。所謂根入れが浅いのである。法律では120mm以上だから、たぶんぎりぎり問題ないと思われるが、すごく不自然な基礎である。上の「緑の家」の基礎は、周囲が掘り込んである事がわかると思う。これで根入れは220mmである。


1 103 104 105 106 107 108 109 113