「 基礎 地盤改良 」一覧


ネット・ゼロ・エネルギー版「緑の家」の基礎工事

ダブル配筋によるべた基礎。下端筋のかぶりは士会推奨の7cm。

27日と29日の2日間、東新町の家の配筋検査に行きました。

この東新町の家は今期の最高の補助金(つまりよい家に国が支援する)ネットゼロエネの交付予定で、「緑の家」では最高ランクの仕様です。ネットゼロエネとは、住宅内で使う主なエネルギー(一次エネルギー)と太陽光発電などで造るエネルギーが0以下(造り出されるエネルギーが10%くらい多い)家で、最近よく広告される使う電気代と造り出される電気代が0になるというレベルではなく、その2つくらい上のレベルの住宅です。

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下越エリアで基礎が高い家は「緑の家」  オンリーワン会社か?

緑に囲まれた素敵な所 秋葉の家

先日、秋葉の家のやり方確認、レベル最終確認を行って来ました。

普通の住宅ですが、この杭の高さ・・・普通に売っている住宅の規格やり方ぐいでは長さが足りないのでわざわざ長い杭を使います。これは「緑の家」の基礎が普通の2倍強の高さがあるからです。

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自慢の基礎だから・・・しっかり監理・・・自然素材で超高断熱住宅

手間の鉄筋ピッチ18cmに比べ奥の鉄筋ピッチは9cm・・・。「緑の家」の基礎は頑強な事が取り柄。

現在新潟市の東区で着工している「緑の家」の基礎風景・・・。

何時もながら基礎の背が高く、ベース筋が平らという特徴だから直ぐに「緑の家」わかりますね。

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新潟平野での家造り・・・昔は海底だった

新潟市すみれ野の家の地盤改良終了しました。

新潟県の平野部の多くは日本一の長さを誇る「信濃川」とその支流が造りだした土地です。

寒冷化と報道される中、温暖化防止と巷ではまだまだ環境問題の中心ですが・・・
その昔、地球が今よりもっと暖かかった新潟平野の過半は海で、現在の気候のまで冷え、そのため海温が下がり海水面が引いて、新潟平野は海から湿地帯となりました。

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高基礎は津波でも有利である。

2012年4月6日緑字加筆修正

屋号が光る棟梁の背中・・・。やっぱり現場では棟梁にかなう格好良さは誰も持ち合わせておりませんね。

新発田市で今日上棟がありました。

昨日だったら風で大変な事になってしまいましたが、今日は穏やかであとは強雨にならなければとてもよい上棟日になります。

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基礎が高いけれど・・・低い家

2003年竣工。この写真は2006年頃の五十嵐の家。屋根の出は1mと大きく整った外観デザイン。Q値約1.9w/m2k。耐震等級2相当。基礎は・・・低いように見える?

とうとうおかしくなったか?

と思われるようなタイトル・・・

「基礎が高いけれど基礎が低い家と基礎が高いけれど床が低い家」です。

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昨日は自宅近所で火災があり、町内会の役員として午後からずっと寺泊で事後のお手伝いをしておりました。大きな被害はなく、けが人もいなかったのでちょっとホットしました。

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片貝の家 基礎配筋検査

まず再び事務所の近所で火事です。

三条は本当に火事が多い地域です。怪我が小さいことを祈ります。

さて、斜め軸を持つ「片貝の家」の最終配筋検査が終了しました。

一部スリーブ取り付け位置に不具合がありましたが、修正して頂き明日打ち込みです。

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耐雪2m耐震等級2・超高断熱の「片貝の家」・・・始まりました。

先週から基礎始まるかなと思いましたが、当方の分担である「長期優良住宅の審査」が遅れてそのせいで業者さんの手配がスムーズにいかず、今週から基礎工事が始まりました。

変形の建物なので、「やり方」をしっかり出すだけでも大変な工事です。

黄色い糸がみず糸。この糸が家の芯となる。斜めの糸がありますね。

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緑の家(長期優良住宅)の基礎

3週間前に見学会を行った上須頃の家ですが、少し基礎のことを書きたいと思います。

緑の家の玄関階段、ポーチは6年くらい前からこのようにコンクリートです。タイルは時々しか使いません。施工費は同じくらいでできるのでですが、私がコンクリートが好きなので標準はまずこれをお奨めします。年月が経って味が出るところにコンクリートの良さがあります。さて、今回は何時もにまして基礎の一発打ち込み仕上がりが良かったので玄関廻りも基礎そのまま仕上がりです。

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超高断熱と天然のままの新潟の家 ~基礎としろあり~

 是非拡大して。何時もこうなるとは言えないが思わず撫でたくなるような綺麗な表面。隅にあるアンカーボルトM16 (引き抜き30KN)はテックワン工法専用の低い出寸法。

この工事で使用したコンクリート強度(呼び強度は33~36)30N/mm2で水が少ない堅いコンクリートですが、施工が優れているせいか予想通り美しい基礎ができています。
法律で長期優良住宅が定められた3年前から当事務では30N/mm2が基本です。時代は長期優良住宅(コンクリート造)が定める30N/mm2が標準です。それはこれからも続き、これが標準となります。既にこの結論は時代が下しました。

最近のオーブルデザインの高基礎は、基礎の表面をモルタルで補修しません。

所謂「コンクリート打放しのまま」です。なぜか・・・

それはシロアリ侵入防止の一つです。

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超高断熱の家 「緑の家」高基礎 ③

昨日に引き続き基礎現場進捗状況です。

上2本(主筋)の間隔も35mmとしっかり直しました。立ち上がりへの鉄筋の定着(余計に伸ばす事)もきっちっと取りつつ、底がフラットの単純形状が美しいです。

スケールを当てると1m基礎がよくわかります。「立ち上がりとスラブ一体打ち込み基礎」だからこれから内側の型枠を組みます。

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超高断熱の家 「緑の家」春着工の高基礎 

先週から工事が始まった「上須頃の家」評価済みQ値0.99W/m2Kの写真です。
このように「緑の家」の基礎はスラブの下端が真っ平らなのです。

この写真は今日の基礎工事部分で、砂利を押し固めその上に防湿フィルム0.2mmを引き、捨てコンを打ち終わった後のです(地盤改良済)。

他の家の基礎と決定的に違う所がこの真っ平らな基礎スラブなのです。まるで免震構造のスラブように真っ平らです。

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高基礎1mのコンクリート一体(一回)打ち込みとシロアリ

基礎コンクリートの一体打ち込みとは基礎の立ち上がりとベースと呼ばれるスラブを一回でコンクリートを流し込む事です。

 通常大手住宅メーカーを含めこのようにスラブという平らな部分を先に造り、その後立ち上がりを造ります。しかし一体打ち込みはこの2つを一緒造るため、コンクリートが一体化しやすいと言われてます。オーブルデザインでは、一体化するメリットはシロアリ侵入防止(赤矢印)に役立つと常日頃申し上げております。しかしここだけ注意してもあまり意味はありません。配管が土の中で貫通し、ここからシロアリが入って来る方が大きいからです。

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超高断熱 Q値0.97w/m2K μ値0.27の基礎工事

長岡市に建設中の超高断熱SSプランの家の基礎工事です。耐雪2mで耐震等級2、長期優良住宅認定でスキップフロアーと難易度の高い設計です。組み込みの車庫があり、基礎の高低差があり、耐雪2mと地盤強さから基礎は布基礎を選択しました。どんな条件でも全てべた基礎で計画する事はありません。その計画にあった方法で計画しないと高コスになります。無論構造計算しないべた基礎は論外です。

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高基礎1m  呼び強度33N/mm2の一体(一回)打ち込み

 晴れて最高の工事日和で、夜半から少し小雨になれば最高の品質になるコンクリート養生環境です。でもヘルメットは?工事監理者である私の権限を越えてますから注意はできませんが(現場監督さんの仕事)、昔からこの職種では地上の仕事のせいか「ねじり鉢巻き」が多いですね。

当事務所の「緑の家」の基礎は随分前(6~7年前)から全棟、コンクリートを一度で打ち込む一体打ち込みです。当HPをご覧頂いている方はその理由がよくわかると思いますが、

それは・・・

白アリ防止のためです。

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最近のオーブルデザインの基礎工事現場から ②

今日は午前と午後の打ち合わせの後に基礎配筋のチェックにいきました。

平らな基礎スラブと高い立ち上がり部分、そして細かく密に入る鉄筋が如何にも『基礎に拘る緑の家」の工事です。


区画スパン短辺4.55m、長辺4.55m 鉄筋D13 上ピッチ125mm 下ピッチ150mm スラブ厚さ180mm 設計強度30N/mm2 基礎立ち上がり1m 巾0.15m 以上SSプラン(普及版)のべた基礎です。SSプラン標準基礎はこちらです。

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最近のオーブルデザインの基礎工事現場からの「補足説明」

鉄筋の定着とは、鉄筋コンクリートの一体性を保つ上で最も重要な計画です。

冒頭から専門用語ですし、内容も専門的ですので、興味の無い方は今回もお読み頂かない方が疲れません。多分・・・。

先日ブログの「最近のオーブルデザインの基礎工事現場から」の説明でオーブルデザインの「緑の家」の基礎はどうしてスラブ鉄筋定着の長さが30d(L=360+75)なの?とのご質問がありました。ので若干解説を。

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最近のオーブルデザインの基礎工事現場から

2010/11/13 緑字加筆

現在基礎工事中の防湿シートの様子です。
真っ平らなスラブ下です。多分よその現場ではあまりみられないでしょう。

最初に謝らなくてはなりません。今年は本来5月に着工する予定だった計画物件が諸条件で半年くらいずれこみようやく見積もりとなってます。ですので秋の完成予定見学会がなくなり、12月の構造見学会が2つ行われます。期待していた皆様には誠に申し訳ありません。その代わり、今後着工がずっーと春まで連続4棟近く続き、来春から夏まで完成見学会が6棟くらいになる予定です。いずれも個性的な家で、全ていまのところSS仕様の超高断熱Q値0.9の家です。パチパチ!!

さて今日のブログの内容は専門的な内容なので、苦手な方はここでおやめ頂いた方が良いかと思います。

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長期優良住宅の認定された基礎は良い基礎② 梁背と鉄筋の量

緑の家の基礎はすばらしいです。これは長期優良住宅の認定取得する時にわかります。長期優良住宅を取得した事が一度でもないとわからないでしょう。長期優良住宅を取得(「対応」だけではだめ)した家は、基礎の構造チェックが専門家によって必ず行われますが、確認申請を取得した家は、設計者以外のチェック(もしかして設計者もしていないかも)は全く行われません。

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多分これが最後のスラブヒーター 新潟の自然素材の家から 

基礎工事途中の風景です。毎度同じみの1m高基礎施工
この基礎屋さんは当事務所と12年以上もお付き合いのある業者さんで、ご覧の通り高基礎用の鋼製パネルもお持ちで、これとコンパネ(ベニヤ)による型枠をうまく組み合わせ、一発打ちべた基礎の高基礎仕様をいとも簡単に施工します。勿論コンクリート強度は30N/mm2ですね。高基礎をお願いすると、この大きい鋼製型枠がないと言う事で「できない」「意味ないよ」と断る業者さんもいらっしゃるとか・・・。でも型枠や組み方はどうにでも工夫はできますし、工夫してコストを下げるのが本当の施工のプロです。

さて床下暖房の一つ「スラブヒーター」と呼ばれる方式は、この写真のようにコンクリートスラブにニクロム線のようなヒーターを入れ、深夜電力を使ってジュール熱でコンクリートに蓄熱させ、その温度はコンクリート表面で40度くらいになります。

オーブルデザインでも過去数棟行っており(全て建て主さんのご要望)、その安定性は折り紙付きです。メーカー曰く「中越沖地震でも柏崎に設置された全棟で被害無し(断線無し)」だそうで、耐久性の高さも手伝って新潟県でも数多く採用されております。当事務所で計画した家も無傷でした。

しかし「これが最後」と表題にしたのは、この熱源であるニクロム線によるジュール熱の効率が非常に悪いからです。電気料金は深夜割引制度で安価ですが、今後低炭素社会推進を考えると必ず収束に向かうのではないかと思われます。それはこれと同じシステムのオール電化人気暖房商品であった「蓄熱暖房機」もすでに東北電力さんはお勧めしておりません。

数年前までは、何が何でも「蓄熱暖房機」によるオール電化をお勧めします。と営業活動されていた東北電力さんが、今ではエアコン暖房によるオール電化を勧めており、蓄熱暖房機はもう勧めていないばかりか、「もう使わないで」という感触です。
たった数年でこの変化が訪れてますので、同じように効率が改善できない灯油、ガスの熱源機器やシステムは少なくなるでしょう。

ここから蓄熱暖房機と同じシステムのスラブヒーターも今後大きく普及しないばかりか、収束に向かうと思います。と書くとスラブヒーターのメーカーさんにとっても悪い表現ですが、そこは大きな企業。既にニクロム線による発熱に変わりヒートポンプ(つまりエアコン)による発熱を開発、販売しはじめたと聞いてます。

オーブルデザインでも高基礎+エアコンによる床下暖房をお勧めしているので多分今後このスラブヒーターはなくなると思います。これも低炭素社会の流れですね。

因みに何度もこのブログでお伝えしてますが効率は・・・

ヒートポンプ(エアコン)
年間平均機器COP4位 電気の一時エネルギーからの効率37%
4×0.37=1.52←最終効率

ヒーター(ニクロム線)
機器効率1 電気の一時エネルギーから効率38%
1×0.38=0.38←最終効率

ガス、石油機器(高効率機器仕様)
機器効率0.95 一時エネルギーからの効率100%
0.860.95×1=0.95←最終効率

ですので機器の最終効率は
ヒートポンプ(エアコン)>ガス、石油>電気ヒーター類(IHコンロも含む)

となるのです。IHヒーター、電子レンジもヒーターと同じですよ。

電気の一時エネルギーからの効率とは、
火力発電がガスや重油から0.43程度の効率で電気に変換、その後発電所から家庭までの配電で約5%のロスをし約38%とされている。発電所ではガスや重油の全エネルギーのうち57%のエネルギーを熱として海に捨てているのである。知っていましたか?それでもガソリン車の効率15%よりは数倍も良いのですが・・・。


新潟の自然素材の家 どうしても基礎に拘る。

基礎は大地の上で建物を支える最初の部位です。ここで踏ん張らないと上の建物もこわれます。だから基礎と呼びもっとも重要な建物の部分を示す言葉の代名詞がついています。

基礎高さ1200。一般の基礎の2倍以上。人通口も途切れる事がない区画がある。ここまで拘る必要性は・・・。

オーブルデザインの過去のブログやコラムでは、度々基礎の事が話題になります。なぜオーブルデザインではそこまで基礎に拘るのでしょうか?
まず最初に基礎が1m以上のあるのは、全てここからスタートしてます。この矛盾をなくす仕様が高基礎という解答だったのです。かれこれ13年も前からの拘りの考えです。

さて、建物の全体の価格が1500万だったとします。このとき通常基礎に掛かるお金はいくらでしょうか?一般の布基礎やシングル配筋のべた基礎で65万から75万という所でしょうか?

これは全体の工事金額の4~5%です。実は緑の家のSプランの基礎は約100万掛かります。全体の金額の約7%です。

家の建築費は安いほうが良いと誰もが感じます。家にかけられる総額が決まっているときには、どの部位にどのくらいコストをかける「仕分け」が重要ポイントです。では基礎金額の仕分けは・・・。

基礎金額と比較しやすいようにキッチンとお風呂の金額を考えます。
普及タイプのシステムキッチン(IHコンロ+食器洗い機込み)ですと40万弱。また大きさ1坪のユニットバス普及品ですと35万。計75万です。

つまり一般につくる基礎の価格が、キッチンとお風呂の価格より安いか同じくらいなのです。住宅で一番大事なところ「基礎」が設備のキッチンとお風呂の価格と同じ割合でできてしまいます。これは・・・

私はこれはとてもおかしいと思います。基礎は建物の中で最も大事で且つ修繕や取り替えが難しい部位。だからこそ他の部分や他の仕様を少し押さえても基礎のお金を使う事がとても重要だと考えてます。特に今の家は、使い捨てではなくせめて50年は使い続けたいとほとんどの人が願っているはずです。だからコストの最初の仕分けは基礎ではありません。逆にまず基礎を妥協のない仕様にしてから次に木のグレードを上げ、そして次が家の大きさと設備、内装仕上げ・・・となる順番です。ほとんどの設備、内装は30年もすれば寿命になりますが、取り替えは基礎よりずっと簡単です。

 緑の家の基礎仕様は、普通の基礎高さの約2倍、コンクリート強度(呼び強度)は2段階上の30N/mm2。これは家を薬剤ではない物理的に基礎を高くすることでシロアリからの驚異を減らし、耐久性も上がります。ですのでコストも1.5倍以上かかります。しかし私が自分の家や自分の子供の家を設計するなら間違いなくこの基礎です。

この40万のアップをどうするか?ここはまず面積を見直しましょう。将来増築は意外とたやすくできます(拙宅で実施済み)。5m2(1.3坪)減らせば何とかなると思います。その減った分は床下収納ができます。もしどうしても減らせない場合は、トイレを2カ所から1カ所にするとか、ユニットバスとキッチンのグレードを下げるとかしましょう。

基礎の形態や仕様は、建築の専門家ではない普通の「建て主」さんに説明するのにとても大変です。また基礎は普段目にしないためセールスポイントとはなりません。だからとても簡単にセールスポイントとなる設備(床暖房)や広さ(小屋裏収納)を造る提案の方が楽でしょう。しかし、自分が住みたいと思う家の基礎でない家の仕様を、真顔で良い家ですよと言い切れません。

過去12年間の緑の家の基礎100%(小屋、車庫は除く)は、高さ1m以上もある高基礎なのです。これは誇れる自慢の仕様です。

 ダブル配筋のべた基礎。立ち上がり1200。フック付きせん断補強筋。2階建て木造住宅でここまでする。100年をノーメンテを目指して。


自然素材の新潟の家 基礎工事の設計と監理 ②

当たり前でしょう。と言う事が実は住宅建設現場では行われていなかったりする作業があります。それが基礎工事にも・・・。

 これは基礎工事の中で最も緊張する時で、生のコンクリートを型枠に打ち込んでいる写真です。生のコンクリートはミキサー車で現場に運ばれ、そこから最近はこのようにポンプでコンクリートを圧送し、ミキサー車から離れている型枠に生のコンクリートを打ち込みます。生のコンクリートが流れる圧送ホースが15mを超える事も普通にあります。この現場でヘルメットを被っていない事はさておき(この管理は現場監督の仕事ですね)、このように大勢で一気に打ち込みます。実はこの本打ち込み作業の前にとても大事な事があります。その作業は10秒で済むのですが、殆どの現場で行われていないと思います。
それは・・・コンクリートを捨てる事です。

上の写真でホースからでているのはコンクリートのようですが、何となく捨てているように見えませんか?そうですね。捨てているのです。しかしこの捨てているのはコンクリートではなく、「ノロ」と呼ばれる多量の水で薄まったコンクリートです。これは本作業のコンクリートを流す前に、この長い圧送ホースの内部に水分の多いコンクリートを通す事で、流れを良くするためです。これをしないといきなり詰まったりします。
もちろん水分の多いコンクリートですからコンクリートとして使えません。だから敷地内の邪魔にならないところに「仮捨て」しているのです。最終的には撤去します。
しかしこの作業を省き、そのまま水分の多いコンクリートを基礎に混ぜ込む事が普通に行われています。「小雨時の現場と変わりないよ」とうそぶく人もいますが、天候によるものと人為的に混ぜ込む事は全く違います。

「嘘でしょう?」とお思いかもしれませんが、「本当です」。

基礎のコンクリートが打ち終わった日に、この「仮捨て」されたコンクリートが敷地内に見当たらないときは殆ど、基礎に混ぜ込んでしまします。勿論この水分の多いコンクリートは不良コンクリートです。「仮捨て」は面倒だし混ぜれば同じコンクリートという感覚で現場は行っていますが、強度を必要とする基礎部分ではあってはならない事と思います。
基礎はやり直しや監理が一番大変な工種です。私どもでは、基礎コンクリート打ち込むその時に立ち会います。それは最初が肝心でこのような些細であっても行ってはいけない事を指摘する事で、現場の雰囲気はピリッとし監理がしやすくなります。

最近はこのように様々なブログで情報が得られる事ができて建て主さんはとてもラッキーですが、どんなに耳情報を得ても100棟以上も現場を監理経験してきた設計者と同じように現場はみられません。ですので有資格者の工事監理※を建て主さんが選ぶように法律で決められているのです。例えば建て主さんやその場にいないとコンクリートを打ち終わった後の洗い水のコンクリートと、最初の捨てコンクリートの痕跡の違いとか見分けはつきません。

※・・・小さな建物には義務ではありません。


自然素材の新潟の家 基礎工事の設計と監理

木造住宅は、建築物のなかでも大変軽量な建物ため、その基礎は鉄筋コンクリートであるにもかかわらず、今まで重要視をされてきませんでした。ところが長期優良住宅認定が行われるようになった昨年から、少し構造が改善されてきております。しかしまだ緩いところが白アリ対策です。

当事務所の「緑の家」の基礎は、コンクリートを一回で打ち込む「一発打ち施工」を標準で行っております(もう5年以上前から標準)。2回分けて施工するより、材料費と型枠に手間が掛かるので一般的ではありません。普通の工務店さんはやりません。なぜ目立たないこのようなところにコストをかけるのでしょうか?
それは、やはり「白アリ対策」なのですね。白アリの被害はその予防と修繕に多くの費用が掛かります。白アリの被害をほっとけば耐震性も危うく成ります。

下の写真をご覧ください。

 これはある大手メーカーの基礎の立ち上がりとベース(べた基礎のためスラブ)を写したところです。雪が降って基礎の内部側に水が貯まっているのが換気口から見えますね。たぶんその水を抜こうとベースと立ち上がり境に穴が開いてます。たぶんこの穴は後日モルタルで埋めるので問題ないと思います。
しかしよく見てください。この基礎の立ち上がりとベースの境目にはおびただしいジャンカ(コンクリートがしっかり入りきらないで砂利が見えるところ)があり、その部分から水が染み出ています。水が染み出るという事は、小さな穴が内部まで貫通しているという事です。その微細な穴から白アリが内部侵入してきたら、いくら基礎断熱の内側断熱材施工であったとしても簡単に内部に入られてしまいます。

ジャンカ自体はモルタルで埋めればある程度強度は問題ないのですが、この程度のジャンカがこのように全周に渡ってあるときに補修はしないでしょう(この現場もしていない)。

 上の写真の直ぐ近所にある「緑の家」の基礎です。雪がもう溶けましたが内部には水が結構たまっています。でも・・・
水漏れが外周にありませんね。ここが一発打ち込み凄いところです。施工も丁寧にしているため表面のガラス質が均一にでき容易に水の出入りを許しません。と言う事は白アリも容易に侵入はできません。だから基礎内断熱が生かされます。コストが仮に30万多くなっても、将来白アリ被害で補修や予防するよりずっと安価です。

たったこんな事ですが、これが白アリに対し強いバリアを構築します。如何ですか?このような設計や計画は家全体の事を知っているからできるのですね。パーツ、パーツの専門的知識も重要ですが、設計者は指揮者でありるべきです。全体の把握と調整をするのが設計事務所の設計計画です。

基礎にこそしっかりした計画と施工がされる会社を選びましょう。


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