「 床下暖房 床暖房 」一覧

300万円以上のサーモグラフィー ③ 床下吹き出し温度

引き続き300万円以上する熱画像カメラを巧みに操る東京大学の前先生の写真です。吹き出し温度は46℃。3m位離れた天井付近温度は36℃のピンポイント表示。上水管で熱を吸収されていることがわかる。

こちらの写真は床下から床上を見あげ床下エアコンの吹き出し口周囲の温度を測った所です。空気温度をサーモグラフィーで測る事はできませんから、温風がどのように流れるかは、接触した物質の表面温度から推測します。

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300万円以上のサーモグラフィー ② 床下内上下温度分布有りが均一

引き続き300万円以上する熱画像カメラを巧みに操る東京大学の前先生の写真です。

一階床面裏がほぼ同じ温度であることがわかる。大引きのとの温度差は大引きから床上に熱が移動し難いから。逆を言えば赤いところが熱が逃げないところ。

「緑の家」である旭町の家の床下の熱画像です。この大引き部分は木の厚さが120mmあり熱が床上に伝わり難いのでこのような分布になります。熱が逃げる周囲は温度が低くなる・・・。床裏面も上部床に逃げて(伝えている)おりますね。つまり一階床面が暖かくなる・・・となります。

暖かい空気は一階の床裏を這うように横移動し、最終的にはスリットやコンセントボックス、床と壁の予期せぬ隙間から一階へでます。

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300万円以上のサーモグラフィー ① ほぼ完成形床下暖房

ほぼ床温24度
・・・床真ん中の白い部分は足跡。

うーーーん

完璧でしょう!この床温度分布・・・。

旭町の家の熱画像です。

床下用エアコンより11m以上の一番遠い一階リビングのコーナーサッシ真下にある、カウンター下の足元から温風が出ているのまでわかります。

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床下エアコン冷房が難しいわけ③

床下エアコン冷房が難しいのはわかったが・・・ではどうするの?

ということで6年前の図を少し手直しご案内します。更に家電の消費電力が激減しているので潜熱負荷割合が多くなる家が増えたので、再熱除湿運転の絵に変えました(2016年09月修正)。


近年の個室に標準設置のCFがある「緑の家」真夏の夜間。外部湿度も90%と現実的。

これが一番単純なエアコン配置と目標温湿度です。

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床下エアコン冷房が難しいわけ②

空気には質があり、冷房時では乾いた空気ほど価値が高い。

床下暖房と床下冷房の違い

床下エアコン暖房については先回の説明で、

とても快適・・・
加えて簡単・・・
コストも最小(イニシャルコスト)

と説明しましたが、

床下エアコン冷房は新潟および北陸地方、関東以南の沿岸部ではとても難しい冷房方式です。これは床下の高さが低い高い事とは関係はありませんし、空気と蒸気の特性ですから解決するには、ある程度のエネルギーが必要です。

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床下エアコン冷房が難しいわけ①

床下エアコン暖房については過去、

とても快適・・・
加えて簡単・・・
コストも最小(イニシャルコスト)

と説明しましたが、

同じエアコンで床下冷房することは大変な危険を一つ持っております。それが・・・先回も説明した

ドレン管のつまりです。

特に外壁より離れてエアコンを設置する場合に注意が必要です。

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高基礎=収納の質問を時々受けます。

メンテナンス重視の床下収納。主たる目的はメンテナンスに尽きる。

今日問い合わせで・・・

「床下収納は1階フロアー1/2以下ですねよ?」

「なぜ床下全体がつながっていても大丈夫なのですか?」

との質問をよく受けます。これは同業者さんも同じ疑問がある方がいらっしゃいますが、専門家の人は自分で解決してください。一般の方にお答えするには少し難しいのですが・・・

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家の一番隅の床が暖かい床下暖房

玄関(靴を脱ぐところ)の表面温度は驚異の23度。置いておくだけで靴が乾きます。測定床面1

今日メンテナンスに伺った玄関の床(モルタル)の表面温度です。

ほぼ23度・・・玄関土間床ですよ。きっと他の床下暖房ではほぼ不可能なこの部分のこの温度。

「緑の家」の床下エアコン暖房は既に理屈も実証も完成の域です。

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床下エアコンのメイン冷房化は慎重に。その3

古いデータがある・・・その頃から床下内には感心が高い「緑の家」

こちらは10年以上前(2005年測定)の「緑の家」の床下内の温湿度測定をしたグラフです。
当時は床下暖房を標準とはしておらずこちらの家も、基礎断熱(1m高基礎)の上、床暖房が設置されておりました。

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床下エアコンのメイン冷房化は慎重に。その1

一般ユーザーも是非買って読んでほしい。
購入先はhttp://store.nikkeibp.co.jp/item/magazine/HB.html 一冊でも買える。

「日経ホームビルダー11月号」で床下暖房の特集が組まれておりました。無論「緑の家」も取材されておりますから2Pくらいは載っております。

今回は床下暖房の欠点・・・

メーカーが想定していない使い方でしっかりと床下内をムラなく暖められるか・・・です。

 

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予想通り・・・基礎断熱はカビとの綱引き

2015.08.25 緑字更新

最近オーブルデザインはカビの記事が多いことにお気づきだと思います。それは事務所を開いてから17年間の基礎断熱の高気密高断熱の実績があり、その高気密高断熱の自宅は既に25年を経過して新潟でのカビの実態がよくわかるからです。

そんなカビと基礎断熱に対する記事が業界紙である「日経ホームビルダー9月号」で特集が組まれておりました。


この表紙の絵は凄い・・・一般ユーザーも是非買って読んでほしい。
購入先はhttp://store.nikkeibp.co.jp/item/magazine/HB.html 一冊でも買える。

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「緑の家」は変幻自在の床下エアコン計画

巷では大きい吹き出し口がよいと言われるが、そうとは一概に言えない。

床下暖房の吹き出し口です。
オーブルデザインの吹き出しはとても狭いスリットで巾18mm。もっと狭くしたいのですが、これ以上だと施工も大変になるので今のところ18mm・・・かなり小さいです。
所でこの写真のスリットは・・・実は2階の床なのです。こんな所にスリットがあって1階の床下の空気がここまでくるの?と思って実測です。

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床下暖房(エアコン)の事・・・その4実測

床下面積が120m2とかなり大きい「緑の家」床下暖房・・・その結果は?

床下暖房(エアコン)の事・・・その3配置では、

「緑の家」の床下用エアコンは配置は普段人がいない洗面所や脱衣所、玄関などに設置してエアコンの風切り音が住人に不快感を与えないように配慮する事が多いとお伝えしました。

所が普通は逆に人がいる部分に床下用のエアコンを設置する事が多い・・・それは一番床が温まりやすいからとの理由と思われますが、床下の温度が均一になればその心配はなくなるはずです。その驚異の実測結果をご案内します。

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床下暖房(エアコン)の事・・・その2理由

床下暖房(エアコン)は少し認知されてきました。

高気密高断熱で24時間暖房の家になると一般的に床下暖房しなくとも床面の快適性は維持できます。だからこそ15年前から床下へエアコンを設置する「緑の家」は有りましたが例外でした。それがどうして床下暖房が6年前から標準となったのでしょか。快適だからという簡単な単語ではありません。

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床下暖房と床下の湿気(新潟県)

「緑の家」標準(一番低い)の床下940mm。収納として大活躍。

「緑の家」では基礎断熱が基本となっております。そしてその基礎断熱は通常の倍以上の高さがあるので、床下収納として利用しております。これが大変便利な空間なのですが、注意点があります。

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基礎断熱と床下断熱 査読論文から その1

base5

基礎の断熱材は何を使用しているか?と質問が有りましたので追記です。
素材はフェノバボードλ=0.019w/mkと断熱材の中で最も高性能な素材を120mmですからそのU値は0.16w/m2Kで、これはλ=0.028w/mkのスタイロフォーム断熱材換算で175mm相当の厚さになります。異常でしょうか・・・。

ご存じ「緑の家」のSSプランの家基礎断熱部分。白アリ対策がしっかりされている基礎。

「緑の家」の基礎は基礎断熱の床下暖房を行っているので、新潟県では過剰と言えるほどの断熱材が基礎外周に設置されており、そのU値は0.016w/m2Kと相当高性能になっております。県内でも床下暖房を行う会社は多いですが、ここまで断熱材を厚くする理由はなぜでしょうか?

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床下暖房ON!

一昨日、昨年暮れに完成した秋葉の家に、立ち寄って来ました。冬の準備として床下暖房のタイマーをセットし、フィルターの汚れがないかチェックしました。まだ冬の初めなので、深夜電力時のみ暖房を使い、高基礎に軽く蓄熱をさせます。こうすることで最小のコストで弱暖房環境ができます。

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蓄熱と白鳥と鮭

高基礎の床下内の利用は無限に広がる・・・エアコン直下に並べられたペット水。

こういう床下暖房は如何ですか・・・。とても綺麗に並んでます。

すみれ野の家の床下では、建て主さんが水による蓄熱システム実施中。
なんと1トン以上の水を床下に並べ、深夜電力時に床下エアコンを目一杯回し、日中の暖房負荷を減らす事を行っております。これはなかなか優れもので、2lのペットボトルなら500本以上・・・。なんと言っても500本が一本一本空気に触れるから、その表面積はとても大きくなり、ある程度の熱交換が期待できます。もし災害が起っても(断水)、この水はトイレ用として(賞味期限内なら飲料水も可)なんと150回分の水を確保でしておりますね。

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高断熱高気密で自然素材の「緑の家」  床下暖房は既に9年目

多少・・・「我田引水」の話題です。

が、1mの基礎が高い家を15年間、100%提供して来たことは技術者としては大変誇れる事ですし、今までの建て主さんにも胸を張れます。

2001年に竣工した石山の家の床下に、エアコンを設置したのが2003年。それから既に9年がすぎました。その後5年前にS邸が床下エアコン設置し、同じ頃T邸で床下暖房のスラブヒーターを設置。その推移を見て・・・
3年前からほぼ全棟に床下エアコンを提案しており、そのどれもが「緑の家」の最大特徴である高基礎1mの家。これには大変重要な訳があります。

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床下暖房と超高断熱効果 その④ まとめ

天井には建築化照明。梁の表しの意匠を壊さない照明設備として設計した。窓の大きさは耐震性から逆算し、最大の大きさを確保。

その④は・・・
まとめとして少しだけ室内写真をご案内します。

少しだけとは・・・この写真を撮った時点では扉や家具などがまだできていませんでした。だから多くはご紹介できません。

内装写真はシグマ製SD14で撮影し、クリックすると大きな1600*1076(Jpeg高圧縮)画像です。

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床下暖房と超高断熱効果 その③

氷点下4度の中の完成見学会でその断熱性能の実力を見せた緑の家。関東の人には驚きの2mの積雪が凄い・・・でも普通の設計範囲。

床下暖房と超高断熱効果 その③です。

1階床下暖房と2階床下暖房を持つ「片貝の家」です。床下暖房をする家は新潟県でもオーブル以外にありますが、オーブルデザインの「緑の家」はそこにオリジナルとして

A 2階床下暖房

B 基礎を蓄熱材として利用(コスト1/3深夜電力利用)

という2つを計画しています。Aは前回のその②でご紹介しておりますので今日はBを少しだけご紹介します。

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床下暖房と超高断熱効果 その②

片貝の家では、全ての居室で東に位置する山並みが見えるように、大きな開口部があります。そして居住部分のメインを2階にすることで更にその景観を最大限得ようとしております。

そこで床下暖房が2階の床下を暖められないか?との建て主さんのご要望を当初から頂きました。

私は今まで床下暖房の家は、1階は暖かいが、吹き抜けがあってもそれだけでは2階は暖まらないと知っておりますし、ましてやこの片貝の家は吹き抜けなどありません。だから・・・「2階床下暖房がメインになることは難しいが、補助的に床を暖められる」とお伝えし、この2階床下暖房計画が始まりました。だから2階の暖房のメインは2階に設置されたエアコン2台で、補助的に2階床下暖房となっております。

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床下暖房と超高断熱効果 その①

昨日行われた完成見学会の時に様々な仕上げチェックを行いますが、今回は特に温熱環境のチェックを行いました。よって今回はいつもの内装の写真ではなく、温度表示が主という(笑)なんか家の紹介なのか、温度の紹介なのかわからない報告です。

まず今回のオリジナル床下暖房。これができるのが緑の家の発想の床下が1.4mあるからです。

無論玄関のお掃除は欠かせませんが、玄関は家の中でも一番頻繁にドアの開け閉めで外気新鮮空気があることころ。その冷たい空気を吸い込むので熱交換効率が上がります。

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この暑い季節に床下暖房を勧める人= オーブルデザイン

写真は床下暖房標準のSSプランの家のものです。

先日「緑の家」にお住みになってから10年を迎えるお宅へお邪魔する機会がありました。建て主さんは家を造った当時は還暦くらいでそれから10年経っております。すると当時気づかなかったあることがわかったそうです。

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床下 エアコン 暖房 や床下循環で注意すること。 実体験編

 家の床下を見たことがありますか?

この写真は2年目のメンテナンスで、昨日床下の点検をした時に撮った写真です。
当事務所「緑の家」の床下は、照明が完備されているのでこのように明るいのですね。良く点検ができます。普通の家は床下で歩腹前進且つ懐中電灯なので、隅々まで見ることはできません。

「おや」  矢印の所に何かあります。

 なんと丸虫(ダンゴムシ)と蜘蛛の死骸です。それも大量です。この家は完成時気密測定0.4cm2/m2と超高気密の家で、基礎断熱をしている「緑の家」です。その隙間のなさは、普通の家の1/10以下ですが、それでも丸虫(ダンゴムシ)は入ってきます。周囲は田舎ではなく普通の近郊住宅地で庭も芝生が綺麗に揃っている家です。

もっとよく見回ります、すると・・・
 ふと足下をにはこんな名前もわからない虫もひからびてます。でも別に驚くことはありません。この状況は普通です。
私は「緑の家」の50件以上の床下に入りましたが、多かれ少なかれ必ず築2年で虫が結構死んでいます。

このように築2年でも基礎断熱のであろうと床下は、昆虫の死骸が沢山あります。この家だけでなく、暖かい高気密高断熱住宅は、越冬に虫が寄って来ることが大変多いと思って下さい。

しかし床下が照明完備で「明るく」、「自由に見廻れる高さがある」からこそ、気軽にこんな写真も撮れるし、「ああ、虫が死んでいる」なんて事もわかるのですね。
さすが基礎高さ1m万歳です!

気軽に入れない普通の高さの床下はどうなっている事やら・・・・想像したくないです。

この家は床下暖房や床下に温風を入れたり循環させたりしないので、この床下の空気が積極的に室内に入る事はありません。しかし床下空気を積極的に室内に循環させる家は、築2年目でこのような状態の空気を室内に循環させたいと思いますか?私はいやですね。

とにかく確認できない所の空気は綺麗だとは言い切れませんので、床下を何らかに使う場合は、このようにメンテナンスが気軽にできる基礎1mが最低条件です。

もし少しでも予算があるならそれは外壁の見栄えに使うのではなく、基礎を1mにすることに使いましょう。緑の家は過去12年間全ての家で基礎1mで提案しています。これが良い家を本気で奨める建築士の発想なのですね(手前味噌)。


新潟の家 高基礎の床下はヒートファクトリー 排温水利用実測①

1月に完成し2月から本格的にお住みになっている「緑の家」SSプランの超高断熱の住まいの実測データーには大変驚かされました。

そして今日はそのSSプランのもう一つの目玉である「Heat Factory&Strage System」の実測データのプレ報告です。

 まずおさらいですが、

Heat Factory&Strage Systemは上の図のように高基礎の床下を、熱工場と大収納にするシステムです。大事なポイントは、SSプランのように超高断熱&高基礎と組み合わせる事です。

Heat Factoryの簡単な特徴は、いつも捨てているお風呂のお湯やシャワーの湯から、熱だけ奪い取って冷水にして捨てようと言う事です。もったいなから洗濯機に残り湯を使う方も多いと思いますが、その場合は浴槽のお湯だけしか使えません。ところがこのシステムは、お風呂場で使用した全てのお湯から熱だけを奪って捨てるので、お湯の熱が無駄になりません(もったいない精神です)。

簡単なシステムフローは、

「浴槽湯を捨てる、シャワーを浴びる」

「床下のタンクに貯湯される」

「次の日の湯張りまで床下で放熱」=暖房となる。

「浴槽にお湯をはる」

「貯湯されたタンクの中を給水が通る」=熱を給水に与える。

「貯湯タンクの下部水が冷える」
「熱が与えられた給水はエコキュート(電温)のタンクへ」

「お湯を捨てる、シャワーを浴びる」

「冷たい水がタンクから下部水フロー排水される」

となります。電気など一切使わないシンプルな構造です。この排水から次の湯張りまで22時間の時間差があるのがポイント。
もし次の日入浴しなくても、床下への自然放熱だけでもお湯から半分程度の熱エネルギーは回収できます。さてその実測結果は

 床下への自然放熱(暖房)の結果。しっかりと周りの室温になるまで水温が下がる。

給水への熱交換がされている状態。給水温度7度でタンクから出た時は12度から28度と最大20度の温度上昇。

上のグラフは3月上旬のある一日の貯湯タンク内水温変化(上)と、夕方の湯張り時のタンク内で熱交換される給水の入り口と出口温度を示してます。

どうですか?計画どおりきっちりと熱回収されているのがわかりますね。完成見学会で「本当に?」と言われた方、この結果をご覧頂けたでしょうか?

いずれも熱回収された部分は赤色です。まず20時間かけて自然放熱で床下に熱を放出します(暖房エネルギーになります)。更に湯張り時に、7度の冷たい水がタンク内の21度以上の中で熱交換され、12度から28度(タンク内温度に依存)まで上昇し、その後電気温水機やエコキュートに入ります。排湯タンク内にはこの給水で冷たく冷やされた冷水ができ、その水は下部に分離層を造りながら溜まります。その冷たくなった水を排水(オーバーフロー)させて1サイクル終了です。

お風呂の湯張り後直ぐに入浴、排水すれば冷たいままの水がオーバーフロー排水されます。少し時間ををおくと(2~3時間以上)冷たくなった水は、タンク周囲の空気で温められ温水として排水されるので、できれば湯張り→入浴→排水がスムーズ行われた方が効率はよくなります。しかし仮に温水として捨てられても、タンク周囲温度以上に水温は上がりませんから、当初の自然放熱分としては50%は行われます(下部分離水温はこれから解析します)。

また、排温水をいかにタンク内に拡散させないように入れるかはポイントで、施工時2回手直しを設備屋さん(新潟市の本間工業さん)からして頂きました。感謝です。

謝辞
本システム、改良、測定に助言を頂きました新潟大学のA先生、また機器設置、測定に多大なるご協力を頂きました新潟県立大学の坂口先生にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。


新潟の家 床下暖房の種類


床下を暖める暖房(床下暖房)はすばらしい暖房システムですが欠点も多くあります。これは以前から当ブログやHPでもご案内してきました。この欠点についはこちらをご覧ください。

さて本題の床下暖房種類ですが、大きく分けると下の4つですね。

番号 名称 暖房方式 熱源 耐久性 ランニングコスト メンテナンス 取り替え
容易さ
設置
費用
A 蓄熱床下暖房 蓄熱タイプ   (深夜電力) ニクロム線等 ◎ 30年 ×
B 緑の家   SSプラン 蓄熱タイプ
(深夜電力)
エアコン
(空気)
○ 15年
C 温水床下暖房 常時
通電タイプ
温水
(エアコン)

15年
△、×
D エアコン床下暖房 常時
通電タイプ
エアコン
(空気)
○ 15年

上の熱源は全て電気です。灯油タイプの床下暖房もありますが、既にランニングコストやメンテナンス性でメリットはありませんから、今後なくなっていくと思いますので記載しません。

新潟県で最も普及しているのがタイプAの深夜電力を使いニクロム線等で発熱、基礎コンクリートに蓄熱させて暖房を行うタイプです。このタイプは耐久性が最もあり一般には30年以上は十分使えると思います。但し今後この方式はその発熱方式がCO2を多く発生させるので次第になくなるでしょう。

Cタイプは最近のもので、お湯をヒートポンプでつくりそれを床下空間で放熱させるシステムです。一日運転させるのでBタイプより運転費が最大で3倍にもなる事があります。Aと同じようにコンクリートに蓄熱させるタイプもありますが、これはヒートポンプ効率が下がったりメンテの面で一般的ではありません。価格は高めです。

Dタイプは最近最も多いタイプの床下暖房です。所謂床下エアコン暖房と呼ばれてます。ほとんどがメンテナンスのため一階床付近にエアコンを設置し、温風を床下に吹き込むタイプです。手軽で簡単なの事が最大のメリットです。ただ普通の基礎ですと蓄熱は期待できませんし、床下内掃除ができません。運転は一日通電させるのでBタイプより運転費が最大で3倍にもなる事があります。

Bタイプは「緑の家」の方式です。高基礎と組み合わせて安価な深夜電力運転で蓄熱させるとCやDよりも1/3のランニングコストになる方式で、床下暖房の弱点を克服した暖房方式です。

細かい内容はこちらにありますのでご覧ください。


高気密高断熱住宅の欠点② 床下暖房とシロアリ 新潟の家から

 この写真は一昨年前に計画した「緑の家」の床下暖房で、発熱体を直接基礎に埋め込み蓄熱させる仕様の基礎築造前の写真です。勿論現在はエアコンで床下暖房するほうをお勧めしてますが、5年くらい前からこのような床下蓄熱暖房も行っております。

この写真は基礎スラブに発熱体(所謂ニクロム線)を入れ深夜電力で蓄熱させるため、そのコンクリートの温度は45度にもなる場合があります。いくら地中の断熱性能がよくてもこのこの温度では、地中への熱損失が大きいので断熱材を基礎の下全面に敷きこみます。

この写真の断熱材の厚さは50mmでスタイロフォームATを使ってます。この「AT」という選定が重要で、スタイロフォームの中でも「AT」だけネオニコチノイド系の防蟻剤を混入し断熱材自体にシロアリの食害を防ぐ効能を持たせています。「これにより断熱材がシロアリの蟻道やコロニーになったりする可能性がほとんど有りません」とのメーカー紹介があります。

無論可能性は0ではなく、多少の蟻害はあると想像できますが、大きな空隙ができることはないと思います。
ここが重要です。
多少加害があっても家そのものに影響を及ぼさない可能が高ければ、土に埋め込むことは問題はありません。また仮に蟻害があっても厚さ5cmですから、致命的な空隙ができるとは想像しにくいです。この家は埋め込む断熱材と家との縁が切れており、直接接しておりません。こういう配慮も肝心ですが、通常の施工では縁をわざわざ切ることは少ないでしょう。

しかしこのスタイロフォームATは普通の同等の断熱材の倍近い価格です。ですのでこういった防蟻性のある断熱材を使う工務店(建設会社)さんは多くありません。これは断熱材が地中に隠れてしまうので大きな加害があってもわからないからです。しかし大きな加害があれば、この断熱材を施工し蓄熱した熱を逃がさないように計画した意味がありませんね。

地中に埋められる断熱材がある場合は、必ず「防蟻性」のある断熱材かどうか確認が絶対必要です。
10年くらい前に基礎の下で断熱材のような発泡素材(防蟻剤無)を数十センチ埋め込む事で地盤改良する工法のメーカーが近隣県にありましたが、その時営業マンに

「その発泡材に蟻害はないのですか?」との問いに
「この材料はシロアリの食材ではないので蟻害はない。高速道路の路盤下地としても実績がある」
と答えてました。
しかし10年後の今の業界の統一見解では、

「シロアリは直接食べ物でない発泡性材料でも状況がよければ食べるし、コロニーも作る」

となってます。このことは昨日のブログのリンク先にしっかりと写真入りで解説があります。
http://www18.ocn.ne.jp/~union/131101.html

数十センチの厚さでシロアリの加害を受けたら怖い気がします。高速道道路のようにいつも補修ができるならよいのですが・・・。

このように地中内に設置する断熱材には細心の注意が必要です。当事務所は8年前に蟻害を受けてしまいその教訓を最大限生かし、建て主さんにご提案します。


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