自身で杉の床貼り

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

このブログの読者さんなら・・・

「古い建物の耐震性は2階以上の重量で大きく左右される」

ことをご存じであるため、厚さ30mmの床板では2階の重量が重くなるのでは・・・と思われているかもしれないが、杉の乾燥材は意外と軽く比重0.38と床の代表であるオーク、ナラ0.76、サクラ0.8の半分しかない。今回の畳の重さが一枚約30kgなので、面積あたりの重さが23kg/m2で、杉板が11kg/m2で断熱材と平板及び断熱材で2kgとして合計13kg/m2。つまり通常15mm厚さが30mmあっても畳の半分程度であり、軽量化と断熱追加を同時に行う事ができ耐震性が多少上がる事になる。但し注意することは、畳なら上に物をおくことは少なくなるが、板貼りはベットや家具を置きたくなる。そこをある程度抑えて頂かないと逆に重くなる。またナラやサクラの厚板では畳と同じ重量になるので、畳からのリフォームは耐震性が、上の理由で悪くなるので注意が必要。

厚さ30mmの厚板(足場板)のため実はなく留め付けはこのようなビスで行った。

この杉の厚板は長さが4mもあるので今回の10帖の部屋ではこれを無駄なく使いたい。通常はりゃんこ貼り(継ぎ手をずらして貼る手法)が良いのだが、今回は10畳の長手方向4.3mのところその4mの真物ではり、左右の隙間に短手で入れ込む変形的な張り方をした。まあ普通に大工さんがみたら「なんじゃこりゃ」となるが、オーナーの了解が得られれば問題ない。この張り方ならほとんど無駄な切れ端がない。

この杉の素朴な杢目と色、そして香りも大好き。注意点はヒノキより柔らかい部分が多いので傷が付きやすい事。

2階への荷揚げから全部貼り上がるまでに丸一日。材の購入、運搬、畳の搬出を合わせても丸2日間で全て終了。

杉LOVEと公言している私であるが、今回自分で工事して更に好きになった。

先日同じ材で先行して造ったテーブルを置くと更に杉の感じがいい。

次は壁、天井の模様替えとなるが、何を選択しようかとオーナーさんは決めかねている。コストを抑えてイメージどおりの部屋を造る・・・。中々難しいテーマである。

この足場板のような杉の厚板30mmを「緑の家」の新築に薦めたいかといえば、これは一般的ではない。留め付けも特殊でふわふわ感が残るので、杉板ならやはり普通の15mmから20mmの範囲がいいかな。

さて私の本業は設計であるが、自分の趣味で大工工事(日曜程度)も行う。設計よりこのように自分で造る事は大好きなので、その最初の課程の設計が好きなのである。

ところで・・・

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする