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自然素材、天然素材の家 ウッドデッキと薄い木、厚い木

木は太い方が腐らず丈夫だと考えているあなた。
それは間違いです。雨や水が掛かりやすい部分は薄い木が腐らないのです。 築16~18年くらいのウッドデッキです(2~4年くらいで造っているので)。

「ウッドデッキの木はアイアンウッドのようなハードウッド等でないと早く腐りますよ。」と口を酸っぱくして申し上げております。その実例を紹介します。

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新潟での高気密高断熱の自然素材の家 10年目のメンテナンス

「緑の家」では既にお住まいになられてから10年経過した家が数件あります。その中の一件を数日前に10年目の点検に行って来ました。外装デザインは本物の焼き物タイルにあわせて少し洋風、サッシはこの当時から樹脂サッシ(LOW-Eガラス)仕様で今の高気密高断熱S仕様と同じです。これが10年経っても通用する「緑の家」の性能コンセプトです。

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続・どうして自然素材の家でも24時間エアコン冷房してしまうのか?

畳を剥がすと断面が見える。この畳は半分くらい発砲スチロール。

今の季節、日曜日に散歩して町を眺めるとほとんど家の窓は開いています。当たり前ですよね。窓を閉めて入れば暑くなってしまいますから・・・。
でも「緑の家」の窓は閉まっている人も多いでしょう。拙宅も窓が24時間閉まっています。そうですね。エアコンで家中空調しているので窓を開けないのです。

海風が吹くそんな自然豊かな環境(田舎)の中の拙宅でさえ、お風呂やトイレでさえ一年中閉まってます。

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どうして自然素材の家でも24時間エアコン冷房してしまうのか?

赤い線上は空気中の熱が同量の所。

2010/07/11誤字脱字が多くありましたので訂正しました。

拙宅の室内の内壁と天井は全て木です。この木の調湿作用に関係なくこれからの時期はいつも24時間エアコンで、気温が下がる明け方でも窓は開けません。それはある科学的理由があるからです。

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長期優良住宅の認定された基礎は良い基礎② 梁背と鉄筋の量

緑の家の基礎はすばらしいです。これは長期優良住宅の認定取得する時にわかります。長期優良住宅を取得した事が一度でもないとわからないでしょう。長期優良住宅を取得(「対応」だけではだめ)した家は、基礎の構造チェックが専門家によって必ず行われますが、確認申請を取得した家は、設計者以外のチェック(もしかして設計者もしていないかも)は全く行われません。

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家の空気と車内の空気 その質は?

重要!2010/07/17緑字加筆 手ブレ写真ですみません。

車内の空気と家の中の空気、どちらが人が吐き出すCO2濃度が少ないでしょうか?

そんな疑問からCO2濃度チェッカーを購入しました。以前から車は超高気密、家よりも気密が高いのに高気密高断熱を嫌がる人は、車を嫌がらないのはなぜ?のようなブログを書いたと思いますが、この度CO2濃度チェッカーを購入したので確かめてみました。すると・・・

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新潟で自然素材の家を設計 自然農のガーデンから学ぶ

梅雨は緑が活き活きしてますね。

自然素材は梅雨時にカビが生えると先週記事にしました。ところが石はカビが生えない唯一と言ってもよい自然素材(建築)ですね。苔は生えますがカビはあまり見ません。この写真はその石を積み上げて雨水(半地下水)のタンクをつくりました。今日は大雨で濁りが混じってます。

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高齢化と梅雨から見る新築住宅の大切な条件

 まずこの肉球・・・いえ、この記事から

http://www.asahi.com/national/update/0618/OSK201006180076.html

実は私達の家族であるトイプードルの「ビアンコ♂」も早20歳になります。高齢のため足腰が衰え何とか10分くらいは歩けますが、それ以上はふらふらと転んでしまうことが多くなりました。転ぶと一人では起き上がれずにそのまま悶えて、気づかないでそのままだと関節を痛めて数日間立ち上がることが出来なくなります。でも立ち上がって歩きたいという本能があり歩くのです。だから何時でも見ていないと転んでいる事に気づく事が出来ません。このため妻はほとんど外出不可能状態で、私が休める月曜日に買い物をまとめて行います。

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間違った認識 自然素材と梅雨

 雨が続くうっとうしい季節・・・それが梅雨です。
梅雨時期には相対湿度があがり気温も高いので「カビ」にとっては天国です。
一方最近の自然素材ブームで家には天然素材が多く使われております。
しかし最近の若い人は「土用干し、虫干し」を知らなく、自然素材に対し間違った認識をしている人が多いようです。

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業界紙 日経ホームビルダーの勧めと超高断熱はスタンダートに


工務店さん向けに出版されている業界誌に「日経ホームビルダー」という月刊誌があります。いつもおもしろい記事で感心しておりますが、今月号は特に住友不動産が1億7千万円の不正受給という興味深い記事内容です。
実はこのように業界の裏事情も記載されており、家造りに興味あるある建て主さんも一読をしても良いと思います。一般の方にも販売自由(バックナンバーなら1冊単位で購入可)なはずですので是非どうぞ。
さて今週のびっくり事件は・・・

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2010年 エアコンの選定の再補足 APFとCOP 除湿・加湿 その2

2016年08月緑字加筆

前回お勧めした、冷房運転(自動弱運転)の場合、冷媒温度があまり下がっていないため、吹き出し空気が露点まで下がっていないので除湿としてはあまり良くないのではないか?という疑問があります。さて事務所のエアコンで実測をしてみました。

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床下 エアコン 暖房 や床下循環で注意すること。 実体験編

 家の床下を見たことがありますか?

この写真は2年目のメンテナンスで、昨日床下の点検をした時に撮った写真です。
当事務所「緑の家」の床下は、照明が完備されているのでこのように明るいのですね。良く点検ができます。普通の家は床下で歩腹前進且つ懐中電灯なので、隅々まで見ることはできません。

「おや」  矢印の所に何かあります。

 なんと丸虫(ダンゴムシ)と蜘蛛の死骸です。それも大量です。この家は完成時気密測定0.4cm2/m2と超高気密の家で、基礎断熱をしている「緑の家」です。その隙間のなさは、普通の家の1/10以下ですが、それでも丸虫(ダンゴムシ)は入ってきます。周囲は田舎ではなく普通の近郊住宅地で庭も芝生が綺麗に揃っている家です。

もっとよく見回ります、すると・・・
 ふと足下をにはこんな名前もわからない虫もひからびてます。でも別に驚くことはありません。この状況は普通です。
私は「緑の家」の50件以上の床下に入りましたが、多かれ少なかれ必ず築2年で虫が結構死んでいます。

このように築2年でも基礎断熱のであろうと床下は、昆虫の死骸が沢山あります。この家だけでなく、暖かい高気密高断熱住宅は、越冬に虫が寄って来ることが大変多いと思って下さい。

しかし床下が照明完備で「明るく」、「自由に見廻れる高さがある」からこそ、気軽にこんな写真も撮れるし、「ああ、虫が死んでいる」なんて事もわかるのですね。
さすが基礎高さ1m万歳です!

気軽に入れない普通の高さの床下はどうなっている事やら・・・・想像したくないです。

この家は床下暖房や床下に温風を入れたり循環させたりしないので、この床下の空気が積極的に室内に入る事はありません。しかし床下空気を積極的に室内に循環させる家は、築2年目でこのような状態の空気を室内に循環させたいと思いますか?私はいやですね。

とにかく確認できない所の空気は綺麗だとは言い切れませんので、床下を何らかに使う場合は、このようにメンテナンスが気軽にできる基礎1mが最低条件です。

もし少しでも予算があるならそれは外壁の見栄えに使うのではなく、基礎を1mにすることに使いましょう。緑の家は過去12年間全ての家で基礎1mで提案しています。これが良い家を本気で奨める建築士の発想なのですね(手前味噌)。


模型、忙しく、うれしく、不思議な事。

 緑の家では設計着手前に「スタディー模型」を作ります。上の写真は次回お渡しする模型が完成したところを写しました。この模型はある程度の期間建て主さんのお手元に行くため、写真に撮らないと作った建物をの細部や形状を忘れてしまうことがあるからです。
現在はパソコンによるパースが多いようですが、この模型作りは譲れません。そもそも汎用パースソフトでは当事務所の複雑で詳細寸法に拘る表現は難しいでしょうし、何より切ったり貼ったりして、考えながら作れる=スタディーの工程が重要なのです。
上の模型は耐雪2m耐震等級2(長期優良)で計画。総2階の単純形状をいかによく見せ、上下のプラン(柱)を合わせる=加重検討がポイントです。

 勿論内部も作ります。2階ははずし、1階もオープンできます。これらを建て主さんが見ることで、実施設計に取りかかる前にイメージの共有が可能になり打ち合わせがスムーズにいきます。

さて、木のいえ整備促進事業の補助金の締め切りが10月11日ということで、これに向けて現在とても忙しい状況です。ですが、一昨日の夜も建て主さんのご自宅でとてもうれしいことがありました。
それは建て主さんの御子息のお名前が私と同じなのです。いままで読み方が同じということは何回もありましたが、漢字が同じという方は身の周りでは初めてです。うれしいですね。なんとなく親しみを勝手に感じてしまいました。

さて、その昼間は別の建て主さんに「近い職種の専門業者がHPをご覧になって唸った」というお話もうれしかったですね(唸ったとはたぶん褒めていると思います)。ですがこうお褒め頂くと今後の設計案は緊張します。
基礎が高い家、超高断熱の家をお勧めしている建築士はそう多くないと思いますし、住宅設計だけで施工しない会社も県内ではほとんどないでしょう。設計と施工を一緒にしないということは、ごまかしをしない唯一の合理的方法です(一品生産において)。そしてその建て主側に立った拘りは、多分近い業種の人ほど理解できるのだと思います。一品生産でなく同一大量生産なら設計と施工が同じでも問題ないことが多いでしょうが・・・。


新潟自然素材の家  9年経った今でも話題になる家

いまから9年ほど前に竣工した家ですが、事務所で打ち合わせしていると毎回話題に上がる家M2ハウス(仕様はSプラン+α)です。ほとんどの方に評判が良いですね。たぶん敷地条件が良く、後ろの山や手前の草木がこの家の雰囲気を盛り上げているのでしょう。また屋根勾配をきつくしている事もその理由です(屋根急勾配は雪下ろしとの関連があるので、降雪地域では十分検討が必要)。

外壁は中霧島壁を当事務所では初めて使いました。理由は、軒の出(屋根の出)のない建物がご希望でかつ、左官壁が好きというご希望で探したところ、この材料なら長期メンテナンス不要で大丈夫だと判断しました。今でも問題ないところを見ると私の判断に間違いはなかったということです。主素材は天然素材の火山灰とセメントです。セメントは元々コンクリートの接着成分としての材料。だから水やお日様、環境の変化にとても強いのです。

またこの材料の最大の印象である「色」が天候によって変わります。これは主成分である火山灰がその吸水性による特徴で大きく変わるのです。写真は前日に雨がふった次の日です。まだ日の当らない西側の壁の一部が濡れてオレンジ色が鮮やかに主張してます。この外壁はこの色が一番鮮やかにこの現象がでます。普通雨の日の家の写真はパッとしないのですが、下の雨の日の写真は何とも言えないオーラが出ています。

室内インテリアもデザイナーの夫婦らしく大胆で美しいです。 この構造の梁は対になるようにデザインした自慢の構造です。スパンは6.37m。

同じ色素材を使っても軒の出を大きく取った下の家ではまた印象が違います。上のM2ハウスでは洋民家風ですが、下のK邸はオーソドックスでこれももまた良い感じです。


太陽光発電パネル設置より超高断熱工事が先でしょう。コスト編

最近の業界情報を見ていると大手ハウスメーカーの太陽光発電パネル付きの住宅販売が好調ということです。特に太陽光パネルのディスカウントで1kwあたり30万相当で設置できるようなおまけもあるようです(多分建物本体の価格に入っているのでしょうが)。

現在は太陽発電パネルで発電された電力の中で、自分の家で使用した残りの電力が48円/kwhで10年間購入させる法律があります。このため以前ご案内したとおり、昼間は全く電力を使わない方が随分お得になります。
そして補助金もあり、エコ製品ということで大手ハウスメーカーは太陽光発電パネルの営業で説得し、設置率4割以上と市場は沸いております。

しかし以前からお伝えしているように、太陽光発電パネル(ソーラーパネル)は新築後いつでも設置可能ですが、超高断熱の工事は、新築時にしかできないくらい内部工事と絡みます。ということは、後で断熱強化したくてもできない事になります。特に大手ハウスメーカーの構造は、一般の建築士が手を出せない特殊な構造ですから尚難しいでしょう。

では、次世代断熱基準を満たした住宅で太陽光発電パネル設置と高気密高断熱の2から3倍の性能を持つ超高断熱住宅のコストシミュレーションをしてみましょう。このシミュレーションは太陽光発電の売電、メンテと年間冷暖房費、メンテのコストを積み上げました。
太陽光パネルは仮に100万(通常は180万)で3kwという格安で設置できたとします。また太陽光発電パネルの寿命は25年とし、10年までは48円/kw、11年目から24円/kwに戻り且つ発電効率が5%落ちた事で考えます。一方超高断熱(普及タイプ)は施工費4万/坪アップ(160万UP)として家の大きさは37坪前後です。この比較では太陽光発電パネルの補助金を入れた相場50万/KWより相当有利にしてあります。また、冷暖房費用(電気代)は11年後に20%のアップ、20年後に50%のアップ、30年後にはおおよそ2倍としてます。

結論は太陽光発電がコストで概ね30年間有利ですが、30年以降逆転し、その差はどんどん広がります。やはり家の建て替え寿命は30年として見ているのでしょう。このシミュレーションデータがそれを表しているようです。30年使えばあとは建て替え。だから大手ハウスメーカーでは太陽光発電パネル設置が一押しということなのでしょう。

下にグラフの元となった表を載せます。あくまでもこれは今回の検討のためだけにオーブルデザインが描いた簡単なシミュレーションです。太陽光発電の家は窓の性能が落ちても気がつかないのでメンテナンス費用は0円です。

実はこのコストの事よりも最も大事な事は、竣工後では施工できない「超高断熱」の快適さが30年以上も全く違うことです。これは数字ではなかなか現れませんが一番重要ですね。そして竣工後では施工不可能に近い超高断熱工事。これに尽きます。

太陽光発電パネルは、資源のない日本にとってとっても大事な発電方法です。是非国民としてその設置に参加、応援したいのですが、先ず基本は使うエネルギーを少なくする事です。その次に再生可能簡単なこのようなエネルギーに投資することであると考えます。強引に車で例えると、燃費の良い車を選ぶことが一番で次に屋根にソーラーパネルを設置する順番だという事です。


昨日の寺泊から 自然素材の家 発

うらやましいですね~。海を見ると釣りですね。今はキスですか?取れたてのお刺身はぷりぷり感が違います。うまいですよね。

昨日は濁りのない空気に満たされたそんな気配の朝でした。

拙宅のシンボル、「ケヤキ」です。植樹後20年ですからもう青年でしょうか?
このケヤキくらいですとこれ一本で家族1人+1匹分の酸素を供給してます。そして2人分弱のCO2を吸っています。すごいですね。地球の生物の中でも植物は循環の根幹を担っている生物です。

拙宅みたいに裏山有りの田舎ではケヤキは問題なく植えられますが、ケヤキは大きくなる木ですのでそう簡単に宅地に植える事はできません。しかしこの樹形、害虫の少なさ、特に風と遊ぶ華奢な葉が歌うざわめき音は、他の木にはない優しい響きです。ですのでケヤキはとてもお勧めです。そこでケヤキを植えるなら株立ちを選ぶと良いでしょう。株立ちなら大きくなりにくいので、市街地でもOKです。だだし、葉っぱが多いのには変わりありませんからご近所さんで落ち葉の嫌いな方がいらっしゃるなら少し考えなければなりません。

天然素材や自然素材が好きな方でも落ち葉が嫌いな方多いですよね。私は全く問題ないのですが、コンクリートで閉ざされた土地では循環できないので気になるのでしょう。落ち葉が嫌いな方でも野山へ紅葉を見に行ったりする事はどうしてなんでしょうか?同じ働き終えた葉っぱなのですが・・・。ただ「ご近所さんに迷惑になるから」という理由はよくわかります。

そういえば娘が小さい頃よく落ち葉を集めました。栃の木の葉っぱなどはとても立派だし、定番の紅葉は形が手みたいだし、銀杏のあの黄色は独特です。 理想はそんな木々で家の周囲を満たしたいですね。


エアコンマニアから 特性を知ると超高断熱でもエアコンは数台必要。

質問があったので2011.05緑字加筆しました。

「高気密高断熱だからエアコン1台で暖房。」という広告や宣伝を見かけますが、オーブルデザインでは、いつも複数台のエアコンを提案し、実際運転も複数台でお願いしております。それは・・・

これはオーブルデザインが今年の主力エアコンとして使う事を考えているエアコンの仕様表です。この表からこのエアコンは、できる限り最小運転をさせた方がCOPが高くなる事を示してます(燃費が良い)。これは最新機種の高性能エアコンであればほぼ同じ傾向です。

今のエアコンは全て「インバータ」付きなので冷暖房出力が可変できます。例えばこの機種であると暖房は600W(約500Kcal)~6100W(5200Kca)となっております(が、新潟県では600W~4400Wと考えた方が良いですね)。

さて、最小運転時のCOPは8と記載されており、最大運転時の時は4.2となっております。この数値は外気温が7度の時ですのが、通常外気温が下がっても特性は変わらず下にスライドするので(実際は霜取り運転が起こるところでガクっと下がる)低温時の特性から勘案すると外気温2度の時の最小運転時は5.6で最大運転時は3.0となります。

さて、延べ床面積100m2(約30坪)でQ値が超高断熱の0.9であった場合、外気温2度の環境で室内を22度に維持するためには100×0.9×(22-2)=1800wの暖房出力が必要です。これを一台のエアコンで運転するとCOPが4.5くらいですが、3台のエアコンで暖房を分散するとCOPが5.6で運転する事が予想されます(1.24倍良くなる)。
仮にQ値が2とした場合、一台で運転するとCOPが3で低く、5台で運転すればCOPは5.2くらいになるのではないでしょうか(1.7倍良くなる)。COPはランニングコストと同じですからエアコンの数が多い方が電気代は安く、約60%の電気代で収まります。

なぜ最小運転時の方がCOPが良くなるかというと、最小運転時は熱交換機に余裕があるのでCOPが良くなるという単純な理由です(冷媒温度を大幅に下げなくても良いからであることは熱交換素子に余裕がなければできませんので)

最新のエアコンはAPFという効率指標の影響で最小暖房出力がかなり引き下げられております(そうしないと効率が上がらない)。だからできる限り最小運転で運転を目指し複数台で運転した方が電気代が安くなります。加えて複数台で運転することで、各空間の温度ムラが「更に」なくなるばかりか、吹き出し風量も少なく抑えられので快適性がグッとアップします。ですので決して能力的に1台でOKでも1台で暖房運転することはお勧めしません。


新潟超高断熱高気密の家  アルミサッシの終焉 説明編

先日、「アルミサッシの終焉」と記事にしたら、数件のお問い合わせがありましたのでちょっと業界の事を補足説明いたします(良いんでしょうかこんな事説明して・・・ちょっと過激ですね)。

まず殆どの方が「YKK」や「トステム」と言えばアルミサッシメーカーだとお思いでしょう。でも住宅用アルミサッシに至っては「YKK」や「トステム」はアルミサッシの単なる「部品メーカー」です。

上の図のように、従来はアルミサッシは次のような流れです。YKKさんやトステムさんはアルミの枠部品を主に都市のガラス屋さんに売っているだけです。ところが省エネ法などでサッシ性能が重要視され始めると、ガラス自体もYKKさんやトステムさんが指定するのでアルミサッシメーカーから買う事になってきました。しかし依然、アルミサッシでは組み立ては町のガラス屋さんなのです。ですのでアルミサッシの窓としての保証はYKKさんやトステムさんではありません。ガラス屋さんです。「えっ」とお思いでしょうが、これが今までの流れです。なぜこんな流れになったのかと言う事は説明を省きます。

さて今までガラス屋さんは組み立てから配送、メンテナンス、また時にはアルミサッシのカットなど多くの工程があります。

下の図をご覧下さい。これが樹脂サッシになるとガラス屋さんは殆ど工程が無くなるのです。主に網戸と調整メンテナンスくらいです。つまり
「工程がなくなる事=利益巾が減る」
と言う事になりガラス屋さんがとても困ります。

だからガラス屋さんはできるだけアルミサッシが多い方が良いのです。従って工務店さんから発注を受けるガラス屋さんは、意図的にアルミサッシの方を樹脂サッシより安く価格設定します。ガラス屋さんは樹脂サッシにしたくないのです。サッシメーカーもアルミ精錬工場を持っているのでできればアルミが多い方が良いですのでお互いの利益が合致して建築現場では樹脂サッシの価格が下がらなかったのです。

しかし省エネ法が厳しくなり関東から東地区は樹脂サッシの断熱性がないと次の断熱基準をクリヤーできないので、行政がアルミサッシメーカーを説得したのでしょう。そうなると数社あるアルミサッシメーカーはやはりパイを大きくしたいので、樹脂サッシ拡販に舵を切り始めました。そして直接のお客様であるガラス屋さんの意図に反して樹脂サッシを売り込み始めたのです。

そもそも先進国ではアルミサッシより樹脂サッシが高い事はありません。アルミサッシはアルミの精錬に超大量の電気を使う事は有名です。そして今後はこの電気を発電する燃料が高騰することは目に見えていますので、電気を多く使わない塩ビ(樹脂サッシ原料)に将来性があると決断したのでしょう。

今まで国内の樹脂サッシはほぼエクセルシャノンさんしか販売しておりません。エクセルシャノンさの樹脂サッシは「ガラス屋さん」を基本的に通らないため、樹脂サッシより性能の低いアルミ樹脂複合サッシと同じ価格(白のみ)で販売して営業を始めております。ここから推測ですが・・・そこで危機感を抱いたアルミサッシメーカーが自社で樹脂サッシ販売拡販を始めました。その発注システムもガラス屋さんを飛ばしてネット発注を受けます(伝票はガラス屋さんをとおります)。

ですのでガラス屋さんにしがらみを多く持つ工務店さんは樹脂サッシの価格は下がりませんが、エクセルシャノンさんとお付き合いのある工務店さんなら樹脂サッシの価格は下がります(YKKさんやトステムさんと競争させれば白色以外も下がる可能性あり)。


新潟の自然素材の家 論より証拠 20年経た樹脂サッシ

先日、「これからは樹脂サッシだ!アルミ樹脂複合サッシは賞味期限間近品だ!」と宣言しました。そうしたらその記事に貴重なコメントを建て主さんから頂きました。

「樹脂サッシは紫外線劣化するので心配」
なるほど!普通はそう考えますよね。そこで論より証拠。

はい。拙宅の20年経過した樹脂サッシです。その上のアイアンウッドのすだれ掛け(夏限定)がこだわり。この窓は西の海に面しており、水面で反射した紫外線とダブルで当たる、また冬は風速30m/sが吹き付ける県内でも最も過酷な場所です。ですがサッシ表面は未だツルツルです。
どこが一番痛んでいるか?それは・・・

サッシの下に錆び汁跡がありますね。

そのサッシの戸を開けるとこんな感じです。黒い線はパッキン1で、黒い線跡は押しつけられているパッキン2の跡です。そして錆び汁跡もあります。樹脂部分はしっかりしているでしょ。パッキン跡が残るということはそろそろパッキン寿命です。
 錆びの原因は家の真ん前の「海」です(笑)。・・・ではなく、このようなサッシ付属品のステー(金物)はステンレス製なので以外と大丈夫。実は錆びはこのステーを樹脂に留めているビス受けの内部金物なのです。とはいっても樹脂内部にあるので表面からわかりません。そこから錆びがでているのです。これは樹脂内部なので部品交換できません。サッシ全体の交換になります。

あっ、パッキンより外側は外部なので一度も掃除したことがありませんのでちょっとカビっぽいですね。


樹脂部分のアップです。どうですか?エッジの一番痛みやすい部分のです。しっかり角がアールでしょ。黒い線はヒビではなくただのこすり跡や傷ですが、傷が目立つということは表面がまだツルツルなのです。20年前でもすでに塩ビ(樹脂サッシの原料)の耐紫外線劣化防止剤は相当優秀です。

いやー20年後の住宅をアップで写すなんて、オーブルデザインだからですね。普通のメーカーさんや工務店さんには絶対あり得ない写真です。
自信があるのです。自宅を(家を)愛しているのでこの時間が経った雰囲気がすきなんですね。浅間は少し(大変?)変わってます。でも家って愛着があればとても長く大事にされるのです。



因みに10年ちょっと経ったご近所さんの海側の外壁と換気扇フードと軒裏はこんな感じです。引き合いに出してしまってすみません。

まとめです。
このとおり今のサッシの寿命は20年から30年。これは樹脂の寿命というより付属品の寿命なのでアルミサッシも同じ寿命ですね。だから緑の家SSプランAグレードではサッシ交換が簡単に可能なように取り外し枠がついているのです。これが70年以上(100年)家を保たせるまじめな解なのです。超高気密住宅に20年も住んでいる建築士だからわかる事です。

大手ハウスメーカーさんは外壁に力を入れてますが、実はサッシの交換の方が大変な工事になります。外壁を壊さないとサッシ交換できない構造だから・・・。
外壁にお金を沢山かけるのは、家の寿命が30年だった今までの住宅で、これからの長寿命住宅は、サッシの交換が簡単なように考える事がメンテナンスコスト削減の上で大変重要なのです。


新潟の自然素材の家 寺泊から 今日の海


まったりするような日差しに美しい海です。定休日の月曜日は私が家にいられるので妻は溜まっていたお仕事、自然農のスパイラルゲイトへ。だから私は愛犬の世話を拙宅でお留守番を兼ねて。

海有り山有りの寺泊金山の午前中。凪な時はこのように海底の地形が見えます(下写真アップ)。


先週までむせかえる程の香りを漂わせていた野生の「藤」は終わり、裏山は黄色い花、花、花、と花畑。

自然農のスパイラルゲイト も拙宅の屋上菜園も黄色い花畑。自然農なのでコンパニオンプランツの花が今はとても綺麗な季節です。 あっ、いま屋上菜園で育てている左下のサラダ菜を採ってきてサンドイッチに挟んでほおばってます。菜園が出来た当初から全く肥料なし、農薬無しです。

気持ちの良い季節をこんなにゆっくり感じられるのは愛犬「ビアンコ」のおかげです。感謝。これからも元気で長生きだよ。

スパイラルゲイトではとにかく黄色の花、花。たまにアザミの紫がアクセント。「緑」は大切な友人です。


新潟の自然素材の家 安全性に尽きる。

先日も書き込みましたが、「家は安全性が何よりも優先される」ということはどの人でも共感して頂ける認識だと思います。安全性があって初めてインテリア、自然素材、性能、設備があるのです。しかしチラシや広告、モデルハウス、ウエブなどには平気で安全性の欠如した写真をよく見ます。

特に最近流行の「梁」が内部に現れているインテリア。その端部にあるべきはずの補強金物がない建物。大変多いです。法では梁の緊結が規定され、その具体的な方法は各種書籍とくに「木造住宅の許容応力度設計」のなかにもきちっと、「全ての梁の端部は羽子板金物などで補強する」と記されていますどういう根拠でそれを省略しているのでしょうか?普段は外れる事はありませんが地震力で横から力が加わった時に、蟻ほぞだけではまず間違いなく蟻部分を破壊する力が働き外れる可能性がとても高いです。阪神淡路大震災で亡くなった人の木造住宅では、この梁が外れた事による圧死も大変多かったです。
「昔からこれで大丈夫」等という返答は構造に無関心の証拠です。必要な物は必要なのです。

 中越地震の時に長岡市に建っていた緑の家。差し鴨居もある大きな吹き抜けに計画される「見える梁」でも全く問題なかった。それはクレテック金物でしっかり緊結されているから。

上からみた写真。吹き抜けにある梁は補強金物が不要なクレテック金物で梁を繋ぐ。矢印の所には普通のプレカットの加工では必ず補強金物が入らなければ、厳密には法律違反となる。
当事務所が創立以来クレテック金物に拘る理由がこれ。補強金物を必要無しに木と木を繋ぐ金物。クレテック金物の供給会社さんによると「オーブルさんは県内で一番早く使って頂いた設計事務所の一つ。13年前はほとんど県内では売れていなかった」とおっしゃっている。

玄関ポーチの柱とその根元。この基礎コンクリートは、オーブルのオリジナルデザイン。そしてやっぱり1m基礎(笑)。更にこの柱の根本には見えないように金物が補強されている。この辺が構造優先そしてデザインも大事というバランス感覚。見た目だけでOK、又は構造的裏付け無しというメーカーとは違う姿勢で家を造るお手伝いをする。それとオーブルではタイルよりモルタル仕上げが多い。なぜかモルタル一体感と職人の鏝による優しい素材に惹かれる。


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