「 「緑の家」の重点仕様 」一覧

厚物構造用合板の勾配天井は危険かも。 補足編

小屋裏は振れ止め・筋かいで和小屋らしく一体空間化させ、桁下地回りは2階と明確に分けると構造計画が明確になる。赤ラインが厚物合板の位置で、青ラインが防湿気密シート。

前回の内容では一般ユーザーさんでは図もなくわかり難かったであろう。補足では図を紹介する。上は厚物合板を貼ったときに最も無難な構成で設計した図である。

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たかが電球、されど電球・・・

最も多用する照明器具のブラケット。陶器で出来ておりとても安価。

ここ数年間最も多く利用した照明器具の「電球」が廃番になる。器具の廃番を悔やむ事は多いが、電球の廃番で残念なのは初めてである。上写真のとおり「緑の家」では灯具と電球が一体のデザインとなる箇所が多い。

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お勧め!定番のトーメイなガラスの玄関戸

古の日本家屋は内外をトーメイなガラスで仕切ることが普通に行われていた。私はトーメイのガラスで囲まれた「て・こあ」のこの写真がとても好き。

私の中での家の玄関戸は・・・

トーメイなガラスの戸である。日本の集落は治安がよかったので、つい最近まではトーメイなガラスでできた玄関戸が多かったが、最近はガラスがあれば曇り(型)ガラスであり、ガラスの入っていない戸も多い。しかし・・・

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床下エアコン暖房11年目でわかる事

2020年の「緑の家」での床下エアコン暖房の設置写真。

床下エアコン暖房を全棟標準採用してから早11年目
この年月が過ぎると床下エアコンの設置で無難な設計をしてよかった事がわかる。現在まで私の所に届いている「緑の家」の床下用エアコンの修理、交換の情報は4件(57例中)である。

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提言15 お風呂、トイレに窓は要らない!

「緑の家」では最近半数の家でお風呂場に窓がない。トイレの窓無しは半数以上になる。

お風呂及びトイレの位置として一戸建て住宅では9割くらいの確率で外周付近にプランされ窓を設ける。一方マンションではお風呂に窓がある割合はほぼ1割以下であろうし、多分トイレに窓があるのはほぼ0%ではないか。ある程度高級なマンションでもお風呂、トイレに窓が設置されることはないが、売れ行きに問題はない。お風呂やトイレに窓があるよりも他の部屋が明るくなった方がよいと考えるからである。 続きを読む






焼き杉の外壁と杉無塗装の外壁

拙宅の南側外壁と塀。塀は塩風よけとなっている。色味は2年目の焼き杉と15年の無塗装品と同じ感じ。

拙宅の外壁は2004年に窯業系サイディングから杉の無塗装に張り直された。又最近焼き杉(杉の表面を焼いたもの)で塀と風よけをつくった。その経年変化が上の写真である。

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時間軸と超高断熱高気密
・・・そして土間キッチン

先日お伝えしたHEAT20でのG3水準・・・。

このG3水準が受け入れられ、超高断熱高気密住宅が新築の過半を占めるようになるためにはまだ30年以上はかかるだろう。一方超高断熱高気密住宅の必要性は今から15年さかのぼり、北海道や東北の一部で2005年には既に建築されていた。 続きを読む


今夏は簾(すだれ)を科学する。その3

TEXT スタッフM

ラーメン接合の窓の多い伊達の家では東南全ての窓に外部ブラインドを設置し日射を防ぐ。

簾に高い日射遮蔽性能があることはその1その2でお話しした。

では外部ブラインドはどうだろうか?

簾と同様に科学的に検証をする。尚、その1、その2と同じようにこのページでは日射遮蔽は直射光のみを扱う。

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「緑の家」の新たな重点仕様
高メンテナンスのススメ

近年オーブルデザインでは新潟県外の設計が増えているが、それと同様に私と同じ世代又はそれ以上の年長者さんの家の設計も比率が多くなっている。

ある建て主さんとの会話の中で、
「10年後果たして天井付近に設置されたエアコンのメンテナンスが出来るのか心配」
との言葉が漏れ出たことにはっとした。 続きを読む



今夏は簾(すだれ)を科学する。その1

TEXT スタッフM

室内からは簾があっても外部は丸ごとしっかり見える。この特徴を持つことが簾が愛される理由。

夏の窓際といえば「簾」・・・。

「緑の家」の外観といえば、基礎が高くて簾と大きめの庇があること。

「緑の家」ほど正式に簾を薦めている設計事務所や工務店はないだろう。

昨年は住宅業界に少しは参考になるであろう「土縁は夏のためにもある」という提言をした。この夏はこの日本の文化でもある簾をスタッフMが少し科学的に検証する。

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思考の組み立て方・・・吸放湿物質と夏型壁内結露 その4

さて・・・白山浦の家の実施設計と鳴和台の家の引き渡しが終わりようやく一息できるつもりが、基本設計がまだ数件手つかず状態・・・。まだまだ厳しい状態は終わらない。しかし夏型壁内結露は今が旬(この時期だから関心が高い)のでこの「思考の組み立て方・・・吸放湿物質と夏型壁内結露 その4」最終話だけはアップさせてほしい。

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思考の組み立て方・・・吸放湿物質と夏型壁内結露 その2

昨日は一日あたりの走行で人生最長の750kmを運転した(但し同乗者あり)。
朝5時50分から夜の10時まで一般高速道路が650kmで首都高が40km、下道が60kmだろうか・・・。
何故こんなに走ったかは後日ご紹介したい。

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思考の組み立て方・・・吸放湿物質と夏型壁内結露 その1

日経ホームビルダー2019年7月号の特集が秀逸である。ライターはやはり荒川尚美さん。その特集号をご案内する前に、夏型壁内結露について少し・・・いや長い(笑)が紹介したい。

まずこの分野で第一人者である土橋先生が書かれた・・・

室内温・湿度変動の長期予測に関する研究(土橋  喬雄)建築研究報告  No.93,  1981  建設省建築研究所の一文にあるが、

「壁の吸放湿という現象は,きわめて複雑であり,その機構も未解明のままである。」

とある。雨漏れは例外とすると夏型壁内結露はこの壁内での多孔物質による吸放湿が原因であると私は考えているが、その吸放湿についてはまだ未解明だということ前提にお読み頂きたい。 続きを読む


大野町の家 基礎外断熱と角保護 その2

AEPの下地処理中の現場にある木の角保護材。

上写真に白い矢印は大野町の家の階段部分にある壁の角保護材。現在大野町の家では内部下地を完成させていることであるが、白い矢印のところ・・・これが「緑の家」自慢である角保護材である(以前も紹介)。

「緑の家」は10年後20年後をとても大事にしているといつも言っている。それが形になっている一つがこの小さな部材。

この部材があるだけで、プラスターボードで壁をつくる現代の住宅室内における弱点である出隅を保護しているのである。

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天然素材(木)と図面寸法

2019年4月25日10時加筆。誤解を生む表現があり太字を追記しました。

近年無垢材の階段は珍しい・・・。しかしスリッパを履かない「緑の家」では足裏が触れる箇所だけに無垢の触感には価値がある。

大野町の家の階段は無垢材の杉の指定。階段材はすり減りにくい松や堅木の方が一般的にお勧めであるが、今回は私も個人的に勧める杉の無垢材が建て主さんの指示。 続きを読む




定説を覆す。土縁はむしろ夏のためでは・・・。その2

江戸時代の浮世絵(『あつまけんしみたて五節句』部分 三代歌川豊国 画)

江戸の気候とネットで探していたら上の浮世絵が見つかった。

この浮世絵には手動型扇風機が描いてあり、よく見ると屋外につながる部分は描がかれていない。

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定説を覆す。土縁はむしろ夏のためでは・・・。その1

旧笹川邸の居住部にある土縁。ここは玄関でもないし、向きは東南向きで雪が吹き込む西とは真逆側。

ああー今回のテーマも新築を考えている建て主さんにはあまり興味のない話で申し訳ないが、私にとってワクワクする話だから書かせてもらう。

 

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提言13 「日中の通風(風通し)では室温は下がらない」その4 
補足とまとめ

その4は補足とまとめとする。読み違えると間違うのですこしゆっくりと最後まで読んでほしい。

何度も繰り返すが・・・

通風の利用できる定義として、

通風とは風通しの事で、この場合の通風は家の中が暑いので窓から風をいれ屋外の空気で室内の空気温度下げる事をさし、同時に体へ風(気流)をあてることで気化熱量を増大させ体温を下げ易くすること。ここで扇風機がエアコンと違い空気質を変える装置ではない団扇の延長であり、大正時代から約100年間以上利用されてきた事を考えると、気化熱促進は通風でなくとも良いと考える。よって通風の効果とは室内の気温を下げること。つまり家の中が外気より高い時のみ有効であると定義する。

ということで、通風の気化熱促進についてはこの提言では扇風機で代用するとして、外気が低いときのみ室温を下げるという効果があると考える。

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提言13 「日中の通風(風通し)では室温は下がらない」その3 
最暑日前日に旧笹川邸で実測

とうとう北陸地方での記録を塗り替えた事務所のある三条市・・・。

三条市は北陸地方で初となる40.4℃と大台を超えた。ありがたいことである。雪は降るわ、気温はめっちゃ高、湿度も半端ないこんな過酷な地域で設計をしていると、全国どこでも状況が読めそう・・・。感謝!

さてその2から・・・
「通風とは・・・夜間に行う行為だといえる。一方で防犯上の理由で夜間に通風が行えるかというと・・・相当厳しいことが最近の治安では言え・・・・・・

つまり・・・このような民家でも夜間はエアコンによる冷房に頼ることになる。」

ということ。

実際「て・こあ」も2階の就寝できる部屋のみしっかりとエアコンが設置されている。 続きを読む


提言13 「日中の通風(風通し)では室温は下がらない」その2

図1 測定期間中の全体のデータ。

図1はその1で示した測定結果である。屋外温度測定するのは難しいが、実測したデータに緑色の気象庁の長岡市の気温データを重ねてみても大凡同様の変化をみせ、直接日のあたるコンクリートで覆われた南側の外気条件を考えると正確に実測されているようだ。

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誰もが使う透湿防水シートは・・・危険か?

タイベックには申し訳ないが、使っている透湿防止シートはタイベックなのでこの写真となる。

透湿防水シートは今や一戸建て木造住宅のほぼ全部と言っても良いほど採用されている外壁の下地材。この透湿防水シートが2次防水となり雨水の侵入を防ぐ。

ところがこの透湿防水シートは35年前に新潟県で使われ始めてから何度となく問題が指摘されてきた。特に・・・熱劣化と現場塗り防腐防蟻剤による劣化では大きな汚点がある。

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気密寿命の考え方と最新のデータ

またまたヒット記事だと思う・・・。日経ホームビルダーさんの記事のスクリーンショット。記事元はhttps://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00154/00189/?n_cid=nbpnxt_mled_km

 

「緑の家」は超高断熱高気密住宅で全棟がUa値021~0.31w/m2kと大変高い性能になっている。気密性は完成平均値で0.6cm2/m2以下とこれも快適性及び換気効率からみて必要不可欠な基準内である。また耐震性は最低設計基準(県内)が耐雪1mで耐震等級2であり、これは関東などの雪の少ない地方にこのまま建てると耐震等級3の高性能住宅。

一方・・・

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木の外壁 なぜ横張が標準なのか?その1

現在伊丹空港にいるが搭乗までの時間があるので、待合席でこのブログをアップする。

「緑の家」の横張した木の外壁。13年経過。使用材は安価な杉の赤白材(辺材のこと)である。味が出てきているが腐れは皆無。

「緑の家」の外壁は木が多い。その木は横張のフラットが基本的に標準としておすすめしている。

先日お打ち合わせの時に

「なぜ縦貼りが標準でないのか?」

と聞かれたのでこのブログでも説明をする。

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