「 空調・エアコン 薪ストーブ等 」一覧

空気が読めない質問をしたかも? 詳細偏

坂本雄三先生によるパワーポイントの説明画面から転載

先日の「空気が読めない質問をしたかも?」の詳細偏です。マニアックな内容なので興味のない方は読み飛ばしてください。

この図は大変うれしいことを思い出させてくれました。

私がヒートポンプと住宅について40才過ぎてから論文を書くまでにのめり込んだのは、学生時代の他の人の卒業研究発表がきっかけでした。そこではヒートポンプは理論上、与えた電力に対し12~20倍くらいの熱を運べると聞いたからです。当時技術者の卵としてはヒートポンプは夢のような機器でした。いつかこの技術を生かしたい思っておりました。この図でそれを思い出しました。

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超高気住宅に必要なものか? C値0.5cm2/m2以下を目指す時・・・②

2012/02/02一部加筆修正

因幡電機さんから転載

超高気密住宅を目指すとき、エアコンのドレインや掃除排気口は気密を壊す大きな要素であることは以前お伝えしました。

その時ご紹介した部材と類似商品ですが、データがあるのでこれからこちらをお勧めしたいと思います。

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氷点下のエアコン暖房 

あえて長い表です。

40時間ほど氷点下の続く、そして雪の降る三条の事務所ですが、エアコンによる24時間暖房で室温20~21度で仕事をしております。

ブログの訪問者さんの検索キーワードが「エアコン 暖房 寒冷地」のワードが多くなっていますが、事務所のエアコンは殆ど故障知らずで一年のうち10ヶ月くらいを12年くらい平気で運転しています。

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エアコン暖房で大事な事

雪が解けた水が室外機に落ち凍り漬けになったエアコン室外機。

エアコン暖房でこれをしないと必ずダメ!な事があります。

過去も何度かお伝えしているのですが、どうしても状況が変わったり、エアコン室外機の配置を動かしたりする事で、これらが忘れ去られることがあります。

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空気乾いてますか?丁度よいですか?

2011年12月29日緑字加筆 

今日9時頃の事務所の温湿度です。

温度22度、湿度29%・・・低いでしょうか?

当事務所は大型の水槽があるので一般の事務所より湿度は高く29%~33%が多いようです。

実は・・・大概の事務所は多分このくらいか、もっと低い湿度(25%)です。

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梅雨明け!何時ものようにエアコン24時間稼働中です! 2011年 その2

今日の朝の事務所の温湿度です。

左は安物の温湿度計で、右は結構優秀な温湿度計です(湿度は相当差があります)。

24時間冷房運転(設定温度28度)をしておりますから東向きの事務所の部屋は29度48%です(除湿モードではない)。
このくらいなら軽服装、軽労働作業では全く問題ありません。

ネクタイだときついですね。

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梅雨明け!何時ものようにエアコン24時間稼働中です! 2011年

当事務所では熱帯魚がおりますが、熱帯魚の天敵は寒さではではなくこの暑さです。
水温が上がると(30度を超えると)水中の溶融酸素濃度が低くなり魚にとって生死の問題となります。

ですので、既に事務所も自宅のエアコンも24時間可動開始しました。この節電時期にもったいないと思われますが、24時間の冷房の方が節電が求められているピークカットに効果的となる可能性があります。

昨年はこのようなご紹介をしました。

あたり前のように今年も同じです。

http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/24-cc96.html

新潟の夏は夜に気温と湿度が下がりません。

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新潟県でのエアコン暖房の使い方 2011年編③ 今年の雪と気温

今日の明け方三条市では氷点下6度と今期最低を記録してます。9時でもまだ氷点下2度くらいですが、外は思ったほど寒くはありません。風が強い0~2度くらいの気温の方が寒く感じます。

さて、三条市では降雪量が多くなって来ました。特に事務所建物の屋上では80cmくらいでパラボラアンテナは雪の中。エアコンの室外機も埋まりそうです。

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新潟県でのエアコン暖房の使い方 2011年編 ②

ちょと今回は(も?)専門的です。

日本の家庭用エアコンは全てこちらの規定書で決められております。勿論最近流行の「APF」もこの一番左の書によって自分で計算もできます。3年前に発表した論文の時には、自分でエクセルにこの式を組み込んで、アメダスの三条市のデータとからめて試算したこともあり、懐かしいマニュアルです。

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デシカント除湿機&最近エアコンの論文と明け方の気温

昨日除湿機では最近「デシカント式」が販売されていますとご紹介しました。デシカント式?何となく聞いたことがありませんか?デシカント式はビル用エアコンで最近使用されている加湿や除湿方式で、室内が低温時にも除湿能力が落ちにくい特性があるようです。

要は湿気を良く吸うシリカゲル(乾燥材)のようなゼオライトに湿気を瞬間的に吸放湿させるもの。瞬間的に吸放湿させるのために熱を与えることになり、この辺りが珪藻土壁による湿気の自然吸放出とは違います。またゼオライトで採取した湿気を水にするため熱交換機があり、この2つが消費電力のほとんどとなります。熱交換機の仕組みは調査してませんのでわかりません。もしかしてコンプレッサーがないなら車用冷蔵庫で使われるペルティエ素子かな?   図はナショナルのパナソニックの除湿器F-YZF100のカタログから

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新潟の家 秋の長雨 除湿器使う?使わない?

これから秋の長雨の季節。洗濯物を乾かす事に苦労しますよね。乾くのに時間が掛かると菌が増殖するようで洗濯物の半乾きの臭いは細菌によるものだと考えると、出来るだけ早く乾かす事を考えます。そこで普通思い浮かぶのが「除湿器」!しかしエアコンマニアの私は除湿器を購入したことはありませんし、実はどうしても買えない感情があるのです・・・。

写真は最近の除湿器でデシカント方式。ゼオライト等の吸湿剤に湿気を吸わせ、熱を加えて吐き出させる方式。

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新潟の家 都市にはエアコンが高効率で運転できる家を!その5

緑字は2011年7月加筆

先ずは結論の図です。

超高断熱住宅で、真夏の夜のエアコンを効率良く使うスケッチです。できる限り1台のエアコンに負荷を集中させて家中冷房運転をします。この時使うエアコンは人からなるべく離れた、家の中で一番熱気が溜まりやすい位置のエアコンが理想です。そして深夜12時から除湿運転に切り替えできれば最高です・・・。

昼間は熱負荷が大きい(深夜の数倍になる)のでエアコン数台運転の方が効率良くなります

ようやくこのシリーズのまとめです。

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新潟の家 都市にはエアコンが高効率で運転できる家を!その4

前回の「その3」では

温熱の快適さで人に影響を与える6要素
1.空気の温度(乾球温度)
2.輻射熱
3.空気の湿度(湿気)
4.気流量(風)
5.着衣料(衣服)
6.代謝状態(運動状態)

の内3以外は説明しました。

今日は3.空気の湿度(湿気)を説明します。

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新潟の家 都市にはエアコンが高効率で運転できる家を!その3

突然ですが・・・

温熱の快適さで人に影響を与える6要素

1.空気の温度(乾球温度)

2.輻射熱

3.空気の湿度(湿気)

4.気流量(風)

5.着衣料(衣服)

6.代謝状態(運動状態)

ですね。

またまたエアコンの高効率まで話題がたどり着かないような始まりです。

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新潟の家 都市にはエアコンが高効率で運転できる家を!その2

事務所の夕方の温湿度。約28度で湿度42%~44%と理想的。別に高気密の建物でなくともエアコンで湿度は直ぐに下がる。少しお湯を沸かしたりすると5%くらい直ぐに湿度が上がる。

さて、エアコンが高効率で運転できるために、最初にする事は現状を正確に把握する事です。その為には湿度と温度を正確に知りましょう。

事務所では高性能湿度計のデータロガーを2個所有しております。しかしこの測定器はリアルタイム表示ができない(記録計なのでパソコンで見る)のが欠点で、その為新たに湿度計を購入しました。

もともと湿度計は結構いい加減な物が多く、1000円以下は表示数値は全くあてにならないでしょう。特に湿度が50%より低い時に相当いい加減な表記になる機器が多いようです。この間違った表記をみて「乾いている」とか「湿度が多い」ときめつけるところから間違いが始まります。先ずは正確に湿度表示する機器を手に入れましょう(温度は安物でも正確です)。

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2010年 エアコンの選定の再補足 APFとCOP 除湿・加湿 その2

2016年08月緑字加筆

前回お勧めした、冷房運転(自動弱運転)の場合、冷媒温度があまり下がっていないため、吹き出し空気が露点まで下がっていないので除湿としてはあまり良くないのではないか?という疑問があります。さて事務所のエアコンで実測をしてみました。

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エアコンマニアから 特性を知ると超高断熱でもエアコンは数台必要。

質問があったので2011.05緑字加筆しました。

「高気密高断熱だからエアコン1台で暖房。」という広告や宣伝を見かけますが、オーブルデザインでは、いつも複数台のエアコンを提案し、実際運転も複数台でお願いしております。それは・・・

これはオーブルデザインが今年の主力エアコンとして使う事を考えているエアコンの仕様表です。この表からこのエアコンは、できる限り最小運転をさせた方がCOPが高くなる事を示してます(燃費が良い)。これは最新機種の高性能エアコンであればほぼ同じ傾向です。

今のエアコンは全て「インバータ」付きなので冷暖房出力が可変できます。例えばこの機種であると暖房は600W(約500Kcal)~6100W(5200Kca)となっております(が、新潟県では600W~4400Wと考えた方が良いですね)。

さて、最小運転時のCOPは8と記載されており、最大運転時の時は4.2となっております。この数値は外気温が7度の時ですのが、通常外気温が下がっても特性は変わらず下にスライドするので(実際は霜取り運転が起こるところでガクっと下がる)低温時の特性から勘案すると外気温2度の時の最小運転時は5.6で最大運転時は3.0となります。

さて、延べ床面積100m2(約30坪)でQ値が超高断熱の0.9であった場合、外気温2度の環境で室内を22度に維持するためには100×0.9×(22-2)=1800wの暖房出力が必要です。これを一台のエアコンで運転するとCOPが4.5くらいですが、3台のエアコンで暖房を分散するとCOPが5.6で運転する事が予想されます(1.24倍良くなる)。
仮にQ値が2とした場合、一台で運転するとCOPが3で低く、5台で運転すればCOPは5.2くらいになるのではないでしょうか(1.7倍良くなる)。COPはランニングコストと同じですからエアコンの数が多い方が電気代は安く、約60%の電気代で収まります。

なぜ最小運転時の方がCOPが良くなるかというと、最小運転時は熱交換機に余裕があるのでCOPが良くなるという単純な理由です(冷媒温度を大幅に下げなくても良いからであることは熱交換素子に余裕がなければできませんので)

最新のエアコンはAPFという効率指標の影響で最小暖房出力がかなり引き下げられております(そうしないと効率が上がらない)。だからできる限り最小運転で運転を目指し複数台で運転した方が電気代が安くなります。加えて複数台で運転することで、各空間の温度ムラが「更に」なくなるばかりか、吹き出し風量も少なく抑えられので快適性がグッとアップします。ですので決して能力的に1台でOKでも1台で暖房運転することはお勧めしません。


新潟の住まい 自然素材の家とエアコンマニアから 2010年夏モデル②

2010.05.24緑字加筆

集めました。この夏のエアコンカタログ。

さて発表です。2010年のお勧めエアコンは・・・

第一位
パナソニック CS-X220C

第二位
日立 RAS-S22Y、三菱 MSZ-ZW220

第三位
パナソニック CS-HX220C

です。

なんとパナソニックが2機種もランクインです。
理由は下の表をご覧ください。

クリックで拡大します。

まず6帖用機種で選定してます。これは現在の高気密高断熱住宅であれば、6帖用の2.5KWの出力があれば30帖くらいまで暖房できます(実用範囲は24帖程度が効率が良いと思います)。
時々チラシに「エアコン一台で暖房可」と自慢げに謳っている住宅会社がありますが、一台で暖房すると負荷が多くかかりCOPが相当悪くなり同じ暖房でも電気代があがります。表の低温COPを見て頂くと定格の半分になる事がよくわかります。更に温度ムラなどできます。可能な事と奨める物は違います。低温COPとは外気が2度の時のそのエアコンが最大出力(約4Kw前後)時のCOP。低温でも定格以下で50%くらいまでの出力ではCOPはこんなに下がらない。だから真冬時で外気2度の時はエアコンを数台で運転して一台当たりがより低い出力で分散運転するとCOP(効率)が上がる。これがオーブルが「数台で運転してね」という理由。

6帖用でも一機種調べる事でそのシリーズ効率特性がよくわかるので、この大きさのエアコンを調べました。
シリーズとは・・・イチメーカーで通常複数のシリーズを価格別に販売してます。一番価格高いシリーズはフル装備でかつ効率(COP、APF)もトップです。

まず全体の省エネトップは寸法フリーのパナソニックCS-HX220Cです。APF及び暖房COPでも最高です。但し価格も他の機種の1.5倍もするので第3位としました。でもあくまでも省エネトップに拘るならこちらです。

すると第一位は寸法規定のパナソニック CS-X220Cです。APFこそ2位ですが暖房時COPが6.4と検討しております。APFが寸法規定の第一位の三菱 MSZ-ZW220は新潟県ではとても重要な暖房時COPが5.5と極端に悪く、何か相当APFだけをあげるためにセッティングしてあるようです。従って第二位です。但し関東のような温暖地では第一位になってもよいでしょう。
三菱のMSZ-ZW220と同じく第二位は日立 RAS-S22Yです。暖房時COPやAPFもトップクラスで安定感があります。
第三位は先ほどのパナソニックの寸法フリーで省エネトップのCS-HX220Cです。あまりにも価格が高いので三位です。

一昔前省エネトップ常連だったの東芝さんの大清快は、その暖房時COPの高い事設計思想(デュアルコンプ)や付加価値(見える表示)で昨年度ランクインしていたのですが、今年はあまり代わり映えしない事と、最小出力時のCOPが極端に低いのでランク外となりました。残念です。

ちなみにこれは当事務所のエアコンマニアの浅間が勝手に順位をつけています。よって新潟県の気候で高気密高断熱住宅で使用される事が前提です。

さらに補足説明すると、各社エアコンの暖める&冷やす以外の機能(付加機能)を色々アピールしていますが、エアコンはまずその基本性能が肝心ですので、基本性能でランクづけしました。付加機能部分は趣味程度でお選びください。

あと超高気密C値0.3以下を目指すなら、この表の掃除方法が◎の所を選ぶ必要があります。○では外壁に直径2.5cm程度の穴が開いているのと同じ状態です。ドレンは最悪トラップで気密維持できますが、掃除用排気管は気密維持不可能です。そう考えると日立のRAS-S22Yは超気密の場合は第一位ですね。この部分がエアコンマニア的考えです。


新潟の住まい 自然素材の家とエアコンマニアから 2010年夏モデル①

では発表!2010年エアコンランキング

昨年夏頃の

新潟県内で暖房として使用する21年秋のお勧めエアコンの順位を独断で発表しました。ここ数年間はパナソニックが効率トップで商品が充実しており価格も結構こなれてました。そのため当事務所の選定するエアコンは4年くらいはパナソニック製エアコンです。
ところが今年からパナソニックが方針を変えてシリーズを一新したため、どうも一押しお勧めエアコンがありません。

変えた方針とは・・・
昨年までCS-X229AからCS-X289Aという機種が旗艦エアコンで主力でした。これは大きさの分類で「寸法フリー」という機械の外形寸法を限定しないもので、相反して「寸法規定」という分類もあります。カタログのスペックをよく見ると寸法フリーか寸法規定か書いてあります。現在寸法フリーで旗艦エアコンを持っているのはパナソニックを含め数社のみです。つまり後のメーカーは全て寸法規定ということです。
寸法フリーの方が寸法規定より効率が高くできますが、寸法規定分類より効率が一段高い「寸法フリー」機種にはとても大きな欠点があります。それは工事する人が大変ということです。

寸法フリータイプはトップランナー方式が始まった10年くらい前から あります。インバーター方式のエアコンの効率(COP)を高めるにはまずはその熱交換機を大きくするのが一番手っ取り早いのです。だからその熱交換機が入る箱(エアコン本体)がどんどん大きくなります。すると、大きくなったがために今まで窓と天井の間の壁や柱と柱に収まったエアコンが入らなくなってしまいました。

こうなると「工事に行ったけれど設置出来なかった」という事態になります。
すると家電量販店では嫌われてしまいます。量販店ではエアコン設置に詳しくない人が販売員をしてますから、設置出来るかどうかなんて考えて販売しません。多少効率(COP)が悪かろうが、どこにでも設置できるコンパクトな機種を勧めます。

それで現在は寸法規定タイプのエアコンがどのメーカーでもメインです。寸法フリータイプは一部のマニアックな人しか使わなくなってしまったのです。

今年のパナ製寸法フリータイプの旗艦機種 CS-HX220C室内機295×890×268mm 室外機619×799×299mm暖房COP6.84 APF7.2 APFは7以上になった初めての超高効率の量産型家庭用エアコン。

  今年のパナ製寸法規定タイプの主力機種 CS-X220C室内機  295×798×268mm 室外機 540×780×289mm 暖房COP6.41 APF6.7 室内機寸法は長さが約100mm寸法フリータイプより小さい。

今年からパナソニックは、寸法規定タイプを主力にし、その分類でも効率COPでトップなる方針にしたようです。お家芸の効率トップ維持は寸法フリータイプでも達成し(なんと驚異的APFで7.2)こちらを旗艦エアコンとしてます(CS-HX220C)。しかし主力ではないため販売数が見込めないせいか大変割高です(価格.コム最安で15万)。以前の旗艦エアコンCS-X229Aの価格は主力エアコンでもあったため他のメーカーの規定寸法タイプの旗艦エアコンと変わらなかったのに・・・。
ちなみにパナ製主力エアコンCS-X220Cは価格.コム最安で10.5万。その差は1.5倍。
以上でパナソニックエアコンのお話は終わりです。

さて残念なお知らせがあります。10年以上前から財団法人省エネルギー機構がこのを造っていたのですが、今年から止めたようです。大変便利なエアコンの省エネランキング比較表だったのにとても残念です。これさえあれば自分でカタログを集める必要がなかったので是非復活してほしいです。

さてこの夏のエアコンのお勧め順位は明日の「その②」でお伝えします。冷房の効率中心ではなく暖房効率と価格で選びます。

PS
最近のエアコンの効率はAPFで示されておりますが、どうもごまかされている気がします。以前もコメントしてますが、機械自体のハード的な効率アップではなく、ソフト的にCOPの山を定格出力の40~50%にして年間負荷の一番多い部分の効率を上げ、APFの数値だけを稼いでいる感じです。なぜならここAPF表示が始まった数年間は、COPの上昇スピードが止まってました。今年から再び上がりつつありますが・・・。
以前はCOPの山が定格部分にも配慮されていたので、小さなエアコンを少数で家全体を暖めた方が効率が良くなりました。しかしAPF重視のセッティングですと、エアコンの台数がより多くある方が効率が上がる事になります。やはり台数を売らなければならないメーカーの販売戦略でしょうか?


超断熱住宅における冬の洗濯物③ 新潟の自然素材の家から

昨日、一昨日も前文で

設計事務所では特に理論と実践を大事にします。設計はそもそもこの世に同じ物が無いので設計する事になります(あれば前の設計図をそのまま造れば良いので設計図の必要がない)。だから今まで一度も造くられた事が無いので「理論」を頼りにし、設計段階で「理論」が成り立たなければ「実現」は困難と言う事を知っているからです。←当たりまえですね。

と書きました。が、今日は夏のエアコンと換気、洗濯物に話が移ります。

まず、市街地に建設される家は、真夏のエアコンは必須といえるでしょう。様々な建設会社さんが「夏も涼しい家」と宣伝してますが、これは過度に期待しない方がよろしいです。

なぜか・・・  本当に暑い日、熱帯夜は

1.市街地で、最近は防犯上から窓を開けて就寝できない。

2.市街地で、同上の理由によりちょっとした留守でも窓を開けて外出は不可。

3.窓を開けても、網戸、目隠しのすだれ等で風の抵抗が上がり通風不可。

4.仮に通風ができたとしても、お隣のエアコンの音がうるさいので窓は閉める。

ですね。←ですが決して通風は否定してません。

窓を閉めたままなのにずっと涼しいという家は、何か断熱に欠陥があると思ってよいかと思います。それは人の体温は100Wの熱源で待機電力と合計すると家一軒で約500W、これに大型テレビでもONすると合計で1,000Wのストーブが家の中にあるようなものです。
本当に高い断熱性能がある家なら1,000Wのストーブがあれば数時間で空気が5~6度も暑くなります。だから冷やす仕組みや装置がなければ室温が上がるのは当然です。むろん数時間の外気の上昇と室温の上昇のずれはありますが必ず数時間で室温か湿度が上がります。←凄く科学的な事です。

冷却装置としてたまに天窓や越屋根を付けてそれで通風を得ようととの試みがありますが、それもヒートアイランドの市街地ではなかなか効果がでません(これも20年前に実験している)。

勿論、郊外の家で、敷地300坪、周囲は緑であればこれは、これは、木々による気化熱の天然冷房や通風涼も有りでエアコンは要りません。が、最近の多くの家はそんな恵まれた条件で建てる事は不可能です。

そこでエアコンが登場します!
今の高性能エアコンはなんと実際使用時の平均COPは8を超えております(10を超えるコこともあります)。下の図は数年前に論文作成時に行った実測です。冷房は使用時間も少なく効率も高いので暖房より数段気兼ねなく使えます。

さて、暑い日に何気なくスイッチを入れ使うエアコンですが、このエアコン冷風を造ると同時に強力な除湿をしている事は普段気がつきませんよね。その点のお話です。

まず・・・
エアコンの能力(使用電力)の半分は除湿に使われると必ず覚えてください。
なぜか?


この図も論文を発表した時に実測したエアコンのデータです。冷たい空気を吹き出している空気温度と室内の空気の吸い込み温度と湿度を1分間隔で計測しました。それを平均化して1時間のデータに直したものです(吹き出し湿度は省略)。

概ね吸い込まれた空気温度は26度で湿度75%。その空気がエアコン内で冷やされ吹き出された空気は15℃で湿度100%(内部で結露していますから)とします。

26度の湿度75%の空気は1kgに対し18.3g湿気があります。

15度の湿度100%の空気は1kgに対し12.8gの湿気があります。 その差5.5gが除湿された水の量です。

よってこの時の潜熱除去は5.5×586cal/g=3,223cal

一方、冷やされた空気の温度差は26℃-15℃=11℃だから

この時の顕熱除去は11×1000g×0.3=3,300cal

つまり 3,223と3,300・・・ほぼ同じ

如何ですか?ほぼ同じなのです。つまりエアコンは空気だけを冷やしているのではなく湿気を除去するのに半分もの電気エネルギーを使用しているのですね。だからドレン水と呼ばれエアコンの室外機付近から湿気が水になったものをダラダラ流しているのです。

そう考えるとリビングだけを冷房し他の部屋の窓が開いていると、無駄なエネルギーを沢山垂れ流していると想像できます。湿気の移動は空気自体より顕著ですから・・・。

例えばお風呂から出た時洗面所の鏡が一瞬で曇りますね。あの現象は空気自体が動いたと言うより湿気だけ先に動いた感じがしませんか?湿気の移動は早いのです。だからリビング戸が閉まっていてもサッシのような気密性が無いので、外の高い湿気はエアコンで冷やされ湿気のないリビングに向かって流入します。すると空気の温度は下がっているのに湿気が高く快適では無い→温度更に下げる→冷房病になるのですね。

高い気密断熱性がある家は家中冷房(除湿)がお勧めです。
あっ・・・、除湿といってもエアコンはできるだけ冷房モードでお使いください。どのエアコンでも冷房の方が効率良く除湿します。除湿モードは弱冷房だったり、再加熱するので効率が大きく落ちます。→エアコンマニアの意見です。

冷房という状態がはっきりしたところでようやく換気扇と洗濯物の話になりますが、長くなりすぎましたからまた明日にします。


薪ストーブで地球温暖化防止の貢献はできない!!でも…お勧めです。

先月のブログでもお伝えしてましが、最近
「地球温暖化防止」、「CO2削減で環境にやさしい」などの麗句で、
薪ストーブが地球温暖化防止に貢献しているという情報が、上場している大企業からも発信されています。これは正しくありません。
正しくは、本来捨てるしかない木を燃料として使った場合は、地球温暖化防止に貢献できるということです。薪ストーブのために、木をわざわざ切って、運搬と裁断時の燃料をたくさん使い燃焼効率が70%も満たない使いかたで温暖化防止貢献はしてません。

玄関脇に設置されるコンパクトな薪ストーブ

私は薪ストーブが大好きです。火を扱う事は人としての喜びでもあるかも知れません。これは以前もお伝えしたとおり、人間がまだ野原で生活していたころ、夜の恐怖(獣襲来や暗闇、寒さ)を克服できる唯一の手段だから、火を見るだけで何か安心するのですね。DNAに刻みこまれている本能に近いものとなっている気がします。  獣から家族を守る男性のほうが女性よりも薪ストーブが好きな訳がわかります。

薪ストーブが地球温暖化防止に貢献するということを信じて、全ての人が現在の暖房機器を薪ストーブに変え、国内の木で燃やすと、20年足らずで日本から木が一本もなくなります。それくらいの暖房燃料を私たちは使っているのです。
昔話に「おじいさんは山へしば刈りに・・・」とでてきます。この「しば」は小枝のような薪で、大きい木を切っているわけではありません。昔、人力で加工できるのは小枝程度で、チェーンソーがあったわけでないので、どんどん太い木から作って焚く事は出来なかった思います。昔の薪(暖として)の使用は1家族当たり現在より相当少量消費と想像できます。今みたいに一冬6棚など気軽に使えません。

まずは、燃料が石油でも木でもペレットや草であっても、暖房に使う(一次)エネルギーを少なくする事が正しい温暖化防止です。
繰り返しますが、薪ストーブが地球温暖化防止に有効ではありません。あくまでも都市部での使用は趣味的です。山仕事がある人の家の薪ストーブは有効でしょう。山仕事のある人は、他の仕事で発生した間伐木を処分しなければなりません。そのまま放置しても木が腐ればCO2とメタンガスが排出されるので、これを燃料として使えば大いに温暖化防止に貢献しているでしょう(ペレットも)。
しかし都市部でわざわざ木(ペレット)を燃やすためだけに山の木を切るということは、温暖化防止でもなんでもありません。薪ストーブのよさを温暖化防止と無理に結びつける必要はないと思います。

薪ストーブを主暖房で使っている人ならわかりますが、ひと冬で見た目相当量の木を燃やしている事がわかります。そんな量をご近所全てが使い始めたら、どのくらいの木が伐採されるか想像はつきます。

薪ストーブはその炎でとても癒されますし、強力な輻射熱暖房も魅力です。お好きな方は間違った情報に流されず、どんどん採用してください。但しその時は、その大切な熱を逃がさないように断熱性を表すQ値2.0W/m2k以下(できれば0.9以下)は必須ですよ。


寒くなるとストーブが気になりますね。

最も大きいクラスの薪ストーブでダッジウエスト社製のセコイアです。これは今秋に竣工した家の写真です。
これより小さいものにセネカがあり、両方とも外気導入口を持つ薪ストーブです。
高気密住宅では特に重要な外気導入口についてはいろいろなサイトでその必要性が述べられていますのでここでは割愛いたします。
このストーブを最初に設置したのは、17年くらい前だったと思います。その当時外気導入口付きのストーブはあまりなく、数種類だったと記憶しております。
現在は国産ストーブでも外気導入口付き機種が販売されておりその認知が進みました。

さて、「気に入った薪ストーブがあったのに外気導入口がない。」と言うことであきらめる方もいらっしゃると思います。
その時は、ストーブの近くに別に穴を設けてあげれば、ないよりは随分よくなります(そもそも外気導入タイプでも、半分から70%の空気を外気から取り入れ残りは室内の空気を使う機種がほとんど)。

このストーブは新潟県内で今夏竣工したS邸のストーブですが、ストーブ本体に外気導入口がありません。しかし建て主さんはどうしてもこのデザインとオーブン機能にほれ込み、なんとかならないか?と要望されました。そこで、このストーブ真下に、スイッチで開閉する100φの穴を設けました。
薪ストーブを使うときにそのスイッチをつけると、穴が外部とつながる単純な仕掛けです。
単純ですが、このパイプの周りを断熱材でしっかり覆ってます。これが無いと外気で冷やされ、床下、及び床で結露してしまいます。
あたりまえですが、こんな小さな事象でもきっちと設計します。多分一般の家では床下が低いため結露しているかどうかも確認は難しいでしょうが、緑の家はいつでも床下が見れるので、直ぐにわかります。

よってストーブはお好みで選んで頂いてもOKですが、写真ように周囲の耐熱壁や床の不燃材はこのくらいはほしいですね。よく雑誌や写真で見かけをスマートにするため、ストーブの周囲に少ししかないものを見かけますが、使いにくくて仕方ないと思います。
特に床の不燃材は仕上げは大きいほうがよく、一時間に一回は行う薪入れで、薪自身の粉のような皮が落ちたり、砂が落ちたり、また燃えている火の粉が落ちる場合もあります。
また半日分の薪置き場も必要ですから、写真のような大きさくらいは必要です。

今回の両宅では、薪ストーブはあくまでも補助(週末用)で、主暖房はエアコンや床下暖房です。薪ストーブはそんなにエコでないことと、燃料代も結構かかりますから趣味的要素が高い暖房器具です。

ちなみにこちらのストーブがほぼ100%外気を使って燃焼するスキャン製薪ストーブです。薪ストーブ中ではとてもコンパクトですが、Q値1.9W/m2kの家のため必要にして十分の能力です。ちなみにこの家の吹き抜けだけでも20帖を超え、気積では57坪(114帖)の空間を暖めますが、十分暖かいです。


自称エアコンマニア エアコンの機能の進化は正しいか?

エアコンは、今や快適な生活を送る上での必需品です。夏は湿度をとり温度を下げ、冬は温度を上げ暖かくします。エアコンが世の中に出てきたのは1952年。この頃は冷房しかできないためクーラーと呼ばれていました。だからエアコンをクーラーと呼ぶ人は45才以上です

13年以上故障なしで事務所で稼働中のRAS-255SD東芝(8帖用)稼働率は年間50%くらいになる。

1961年に暖房機能が追加され、またヒートポンプ式エアコンも同時に発売され、エアコンという名称になりました。更に1970年から壁掛け式の現在あるエアコンになりました(余談ですが、車のエアコンはクーラーですね。ほとんどの車種が暖房はエンジン余熱によるものです。電気自動車はこのエンジン余熱がないので、エアコンをONすると暖房もエアコンですので極端に航続距離が下がります)
ここから既に約半世紀が経ち、当時のエアコンの性能はCOPで2くらいでしょうか?そこから現在は6.7くらいまで3倍以上も性能が上がりました。
私がエアコンを新潟県の暖房器具として使い始めたのは、17年くらい前の以前の職場です。ちょうど高気密高断熱住宅の新しい仕様がほぼ完成し、IBECの気密住宅の評価申請を終えたころです。当時標準で取り付けていたFF式の石油暖房器具(出力6KW)で、40坪位の家が丸ごと暖房できるのがわかってました。そんな中、冷房器具としてのエアコンを考えて調べていたとき、東芝のRAS-255SDという機種が暖房COP4.6を既に出しており衝撃を受けました。
私の学生時代に友人の卒研発表で「理想COP10以上」だったようなヒートポンプに関する発表があり今でも記憶に残っているくらいヒートポンプについては興味がありました。
そんな学生のころ、エネルギー保存の法則で、『ある閉じたの中のエネルギーの総量は変化しない』と習ってましたから、ヒートポンプを1のエネルギーで10のエネルギーを得ると解釈した私は、凄い機械があるものだと勝手に思ってました。実は閉じた系でなないことがわかったのが相当後になってからです。
熱をある系から系へ移動している機械がヒートポンプエアコンですね。生み出しているわけではありませんし(ここがエコの所以なのです)、環境規模から見ればエネルギー保存の法則のとおりです。お馬鹿でした。ただ、低い温度から高い熱をくみ上げることについては、理屈はわかっていても今でも驚きです。

ということで、COPが4.6ということがわかって、当時東芝さんからいろいろ資料をもらいました。気温別COPや、出力別COP(インバーターだったので)などのグラフももらい、新潟でも充分暖房機として使えることがわかり早速各地域の住宅に取り付けました。
思っていたとおり充分暖房可能でまったく問題ありませんでした。だた当時は灯油が安価でランニングコストが灯油を使うより少し高いことだけでした。

当時のエアコン暖房の利点は、いくつかありましたが、その中でもサーキュレーターの役目も兼用できたことが非常に大きい利点です。この利点が今のエアコンにはなくなってしまいました。これは、最近のエアコンが出力応じて勝手に風量を下げ、コンプレッサーが動いてないときは、室内送風機の風量が限りなく0になるからです。すると高気密高断熱住宅では、数台で少ない出力で運転している時があり、その時サーキュレーター代わりとして使えなくなるのです。こればかりか最近は、機械が人を見つけそこに向かって暖かい風を吹き付ける機種まであり、正しい機能の進化とはいえない気がします。エアコン暖房が嫌いな人は、あのなま温かい風が吹き付けられるのが嫌いという人多いはずです。そのためわざわざ当事務所のエアコン暖房マニュアル(こんなもの渡しているのは当事務所だけかな?)には、
「エアコンの風は、人に向けないように設定してください。」と書かれています。また、説明に当たっては、「エアコン風は窓下に向けると快適性がまします。」と言います。

窓周りの断熱性が壁より大幅に低いので、やはりコールドドラフトは発生し不快になりますが、このようにエアコンを使うと、不快感が軽減されることを経験上わかっていましたので、サーキュレーターとしての機能も期待してました。それが今の機種では不可能になりました。残念です。下の写真の機種は最近の製品ですが、これもサーキュレーター機器となりません。その点上の写真の13年前の255SDはサーキュレーターとなり事務所のような低断熱建物では大変重宝します。今後メーカーには、風量を人が調整できるようにして頂きたいと願っております。
2007年に事務所に追加した設置フリータイプの三洋製エアコン約COP6.4(10帖用)年間稼働率60%以上と大忙し。

デザインも重視する設計事務所なのにビルトインのエアコンにまったく興味がないのは、ただたんにビルトインエアコンや天井カセットエアコンはCOPが低いからです。私が最初に入社した設計事務所では、ビルトインエアコンを多用してましたが、ショートサーキットによく悩まされました。今後も暖房は床下エアコン暖房で、冷房は目立たないところに1台設置だけですから、住宅でビルトインの必要性は今後もないでしょう。


薪ストーブでは地球温暖化を防止できない。

最近当ブログに「薪ストーブ 地球温暖化防止」というキーワードで検索しお見え頂く方が多いです。
他の検索結果を見るとほとんど「薪ストーブ=温暖化防止に一役買う」と書かれたページが多いですね。オーブルでは過去ブログにも書いたように、「薪ストーブは地球温暖化を防止しない。」という立場です。
理由は
「日本中の暖房機を薪ストーブに変えると20年弱で日本から木が一本もなくなる」事です。CO2を酸素に変えたり、幹としてCO2を固定化する木がなくなるのです。

明治維新の頃の140年前、薪は日本では暖を取る唯一といって良い資源でした。そしてその薪だけで日本人はそれ以前の長い年月、暖を採って生活してきました。
薪を山から切っては植樹再生等して、循環社会が築かれていました。だからお考えのとおり「薪=循環可能=カーボンニュートラル=温暖化防止」になったと想像します。
しかし、140年前日本人の人口はどのくらいでしたか?約3500万人です。今は1億2000万人です。
140年前は「暖房」してましたか?いいえほとんど煮焚きのみの燃料でした。一部炭として手あぶり採暖として使われてました。今はほとんどの家庭で暖房します。
140年前でも燃料として木材は都市では貴重でした。
今と140年前は暖房として使うエネルギー量がまったく違うのです。だから一斉にみんなが暖房用に薪を使うと直ぐになくなり山は丸禿状態です。

まずは使う暖房の量を減らさなければ「温暖化防止」ではありません。薪ストーブはよい暖房機で、私も大好きですが、誤った情報で推進されることは残念です。
私のある友人には山の麓で暮らし、日々の生活で伐採する木を燃料として使っている人がおり、彼は言いました。「薪は燃やさないと捨てなければならない。だから家は薪ストーブがぴったりだ」。
また違う友人は、「薪が燃えているのは落ち着く。都市で薪ストーブの薪集めは大変だが、好きなものには苦労はない」
この2人は違った理由で使ってますが、それぞれ楽しんで使っています。それでよいと思います。現代の薪ストーブはその位置づけだと思ってます。


新潟の家 薪ストーブ の薪確保

6月にお引渡しした家の2ヶ月目のアフターメンテナンスに行って来ました。
伺うとすぐに上の写真のような風景。そうですね、薪ストーブ用の薪の確保しています。
割った薪は、納屋の大きな屋根の下で乾かします。今割っている木はどうやらケヤキのようです。直径80cmくらいの玉切りのケヤキを割っていた風景ですね。なかなか手ごわい木のようです。
薪と木の外壁の納屋、本当に似合いますね。

メンテナンスはほとんど問題なく、リビングに塗った漆喰も問題なく美しいままです。ただ、お子様が一部かじったそうで(^-^;、欠けてましたが、オール自然素材ですからまあ大丈夫でしょう。

床はパイン無塗装でしたが、早々に艶が出てきました。いい感じです。


内装インテリアはこんな感じで、お友達から「絶賛」だそうです。


新潟の家 正しいエアコンの選び方 2009夏 その2

自称「エアコンマニア」のオーブルデザインがお送りする

2009年夏のエアコンの選びかた!!その2

夏のエアコンを購入しようとお店や、ネット検索するとまず部屋の大きさを選択しなければならないことに気づきます。そこでたぶん多くの方が設置する部屋の大きさを調べて、6畳だったら6畳用、12畳だったら12畳用を選ぶと思います。

さて、この部屋の大きさの表示を信用してよろしいのでしょうか?

答えは信用しないほうがよいです。

「その1」でもお伝えしたとおり、「緑の家」では24畳の部屋に6畳用エアコンを設置します。もちろん12畳用エアコンを設置してもよいのですが、断熱気密性能が凄く高いので6畳用エアコンの能力で問題なく24畳を暖房、冷房できるから価格の安い6畳用を設置するのです。もちろん8畳用エアコンを設置してもOKです。

6畳用エアコンと12畳用エアコンの購入価格差は約4万円ですし、暖房時の能力はそう大きく変わりません。ですので、冷房時の最大負荷が3.0KWくらいであれば6畳用エアコンを使います。ちなみに12畳用のエアコンの暖房最大能力7.7KWというのは、皆さんが大きな熱量を発揮すると想像している薪ストーブと同じくらいです。いまどきのエアコンは結構暖房能力が大きく、メーカーも暖房時の能力について重きをおいております。

さて、冷房時の最大負荷3.0KWの目安は、その部屋でガスコンロを使う、大きい窓がたくさんあるかどうかです。大きな窓がたくさんあるLDKでガスコンロをお使いの方は12畳用エアコンの方が無難なときもありますが、高い性能の家ではカタログ表示の概ね4倍から6倍くらいの部屋の大きさでも冷暖房が可能です。ですのでエアコンの選び方その1では、最小能力機器のである6畳用エアコンで順位をつけたのです。6畳用エアコンの方が12畳エアコンよりCOPが高いこともそのひとつですが・・・。

いつも「速冷」が必要な場合は、カタログ表示どおりの機器設置がよろしいですが、20畳もある部屋で20畳用エアコンは非常に高価です。迷わずコストバリューの12畳をお勧めします。10分くらい待てば12畳用でも涼しくなります。


新潟の住まい 正しいエアコンの選び方 その1

自称「エアコンマニア」のオーブルデザインがお送りする

2009年のエアコンの選びかた!!その1

お勧め

第一位 CS-X229A(パナソニック)同等品にCS-229XB、CS-228XB、CS-X228A

第二位 RAS-221PDR(東芝)

第三位 RAS-S22Y(日立)

健闘賞 AN22JRS(ダイキン)

先ずこちらのサイトの10ページをご覧ください。

http://www.enecho.meti.go.jp/policy/saveenergy/seinoucatalog_2009summer.pdf

すると

エアコン省エネランキングがあります。その冷房能力2.2KWをご覧ください。

するさらに、寸法フリーが6機種、寸法規定が多数となります。

寸法フリーは、室内機の寸法が規定されていない分野です。寸法規定は、室内機の寸法が通常幅800mm以下で高さ300mm以下、奥行き300mm以下です。エアコンの特性として室内熱交換器(室内機)が大きくなればなるほど効率COPが上がります。ですので数年前までは、室内機がどんどん大きくなっていきました。すると通常の家の壁に設置することが難しく、家電販売店がエアコン販売するのにこまりました(買っても付けられなかったりする)。そこでエアコン業界は寸法規定分野を設け、区分けしました。同時に性能もCOP表示からAPF表示がメインとなってしまいました。実はここにからくりがあります。上のカタログをよく見ると、

APFは8%の差で大きく変わらないのに、COPは20%の差があります。

さて、APFとは何でしょうか?APFとはその機種で一年間冷暖房をシミュレーションした場合、どの位の平均COPになるかを示しているのですね。一年間冷暖房のシミュレーション条件は地域=東京でかつ部屋の大きさは今回の10ページのものであれば6畳を想定してます。さらにその部屋の断熱性能は最低レベルの断熱または断熱材が入っていない部屋です。最近の家は断熱材が入っており、さらにもっと高性能な高気密高断熱住宅もあります。このような高性能な家は逃げる熱や入ってくる熱が少ないので6畳用エアコンでもその6倍の36畳のリビングまで使えてしまいます。そのため「緑の家」では24畳を超える部屋でも6畳用エアコンを設置してます。つまりもしエアコンを設置するところが上の設置条件から大きく外れたところでは、APFはあてになりません。そこで目安となるのがCOPのほうです。

COPは定格時の性能です。つまり冷房能力が2.2KW時の性能ですので、はっきりとこのくらいの負荷がかかるところに設置すれば必ずこのCOPになります(外気温に左右されますが)。だからCOPのほうが条件を把握し、性能どおりエアコンを使うことができます。

またもうひとつ理由に、APFのシミュレーションの負荷は定格より少ないほうが多くを占めるので、機器の設計方針が定格2.2KWより少ないところでCOPが高くなるように設計(調節)してあります。だからほとんど機種でAPFよりCOPが小さくなります。ひどい機種になると20%もCOPが低い機種があり、これは冷房能力2.2kwがもはや定格とは云えない設計です。

さて本題に話を戻すと、一位の機種CS-X229Aは設置寸法に拘らず、純粋にCOP(APFも)高める王道の設計方針機種で拍手物です。数年前まではほとんどメーカーがこの設置フリー機種で、6.6を超えるCOPを叩きだしてました。しかし最近では、設置規定でCOPが小さくなっても販売店が困らない機種しか開発しておりません。ですのでこの機種を出しているパナソニックさんには純粋に大きな拍手ができます。無論設置フリーで健闘しているダイキンさんも健闘賞ですね。

さて次に設置寸法フリーで2位になったRAS-221PDR(東芝)ですが、こちらは寸法規定で1位という評価と暖房時の定格COPが6.25と高いことと、デュアルコンプやCOP表示がすばらしいということで総合的に凄いということで2位としました。

同じ理由で3位にはRAS-S22Y(日立)です。特に暖房時の定格COPは寸法規定ながら6.4とすばらしく、新潟県ではもしかしたらこちらが2位でお勧めといってもよいでしょう。

上の理由でなぜ暖房時の定格COPに拘るのか?それは新潟県が圧倒的に暖房時のCOPが重要だからです。関東などは厳寒期でも晴れて外気温が7度は普通でしょうが、新潟県は外気温2度がふつうです。外気温低下はエアコンの性能を下げる最大の因子です。そのため新潟県では冷房用エナルギーより暖房用エネルギーが10倍も多く必要です。ですので、仮にAPFが優れていてもMSZ-ZW229のように、暖房時定格COPが低いと評価は著しく低くなります。

今回なぜ6畳用エアコンで順位をつけたかは、「その2」で解説します。


新潟の住まい 地中熱は?評価は?将来性は?その2

上図は「仙台市の住宅に設置された地中熱ヒートポンプシステムの才能評価に関する実測」日本建築学会大会2009年 石川善美博士による論文から抜粋

先回は地中熱利用の現況をお伝えしました。今日は、将来性についてちょっとだけお伝えします(この地中熱分野は詳しくないので)。

今年の建築学会で発表される地中熱の論文の結果で「平均COPが3.1になった。」とお伝えしましたが、これは今販売されている高性能のエアコンに比べれば低い数値です。しかしもともとこの定格COPが高い機種ではないので、そこから考えるとこの数値はなかなか優れております。機種の開発は大手家電メーカーではなく、東北地域のストーブ会社です。とはいっても全国的に販売がされており、特に北海道では有名な会社です。こちらのペレットストーブは実用的で省電力ですばらしいものです。

はやり汎用エアコンと比べるとヒートポンプの開発はいまいちのようで、この地中熱HPの定格は3.7です。家庭用エアコンの定格運転時のCOPが6を超えている現在、やはりスタートが出遅れてます。しかし、東北地方の冬季でCOPを3以上安定して出力できることは魅力的です。問題は初期設置費用が高いことでしょう。この費用が太陽光発電並みにかかるので、それだったら太陽光パネルと言うことになるのでしょう。地域活性化のためにもこのストーブメーカーには是非ともコスト削減と冬季平均COPが5以上という空気式エアコンではまだ達成不可能な性能になることを期待します。

さて、ここではっきりしたと思いますが、このような積極的地中熱を使ったとしても現在のエアコンと同じかそれ以下の効率(削減はない)のですが、前記事のような比較的原始的な使い方で冷暖房費が50%と削減されることはないでしょう。たぶん他の断熱施工などと組み合わせての仮定だと思います。

蛇足ですが、10年くらい前からパッシブ的地中熱の元祖的会社(千葉県)が2年前に倒産しました。この会社は積極的に学会や研究論文発表を行っていましたが残念です。地中はお金がかかりますので、今まで国も積極的に補助金をだしていたのですが、今年の補助金は太陽光発電や長期優良住宅にシフトしてます。

新潟県のような冬季、太陽がでにくい地域ではこのような地中の自然エネルギー利用が有効ですね。例えば道路の融雪パイプからでる地下水の熱エネルギーはその最も利用されているひとつです。この取得エネルギーは相当の大きさですね。なんたってとても大きな雪の融解熱を地熱(地下水)が供給していますから・・・。

例えば10kmの道路に30cmの雪が積もった場合、その溶かす熱は、融解熱333.5J/gが必要ですから1600GJとなり最低でも灯油43000L相当(ドラム缶214本)のエネルギーを地中から利用していることになります。


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